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広い土地が売れない理由と、上手な売却方法

親から相続した広い土地、農地や事業用地を売却したいけど、なかなか売れない…、そんな方のために、広い土地が売れない理由と上手な売却方法を、元不動産仲介会社勤務の宅建士が解説します!

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広い土地が売れない理由

まず本題に入る前に、この記事で【広い土地】とはどのような土地のことを言うのか定義しておきますと、周辺の一般的な住宅地より1.5倍~2倍以上面積が広い土地のことを広い土地と言っています。

広い土地は、なかなか売れないことが多いのですが、それには理由があります。

その理由とは、土地が広いと売却価格の総額が大きくなるため、購入できる人が限られるからです。

周辺の一般的な住宅地より1.5倍~2倍以上広い土地を買える人は少ない

不動産価格というのは、大体その街に住んでいる人の収入で、30~35年の住宅ローンを組んで購入できる金額に落ち着きます。それ以上高くなると購入できる人がどんどん減っていきます。

その地域の一般的な広さの1.5倍~2倍以上広い土地は、普通の人が購入できない価格水準になってしまうので売れないのです。

『その地域の一般的な広さに対してどれくらい広いか』というのが重要で、周りの家がみんな100坪あるような場所では、100坪でも広い土地ではなく普通の土地ですので、売れます。

その他、高級住宅街はお金持ちの人が多いので、広い土地でも売りやすい傾向にあります。

ここで、1坪100万円が相場の地域を例に、計算してみましょう。

一般的な住宅の敷地面積が35坪だった場合、この土地の価格は3,500万円になります。ここに2,000万円で家を新築すると、合計5,500万円です。

広い土地の面積が2倍の70坪だった場合、土地の価格は7,000万円。ここに土地の広さに見合った大きめの家を3,000万円で建てたとすると、合計1億円になってしまいます。

その地域の平均的な収入で購入できる家が5,500万円程度だとすると、1億円の家を購入できる人はぐっと減ってしますのです。

もし購入できる人がいたとしても、その人はその地域ではなく、より利便性の高い場所に家を購入することも考えられます。

広い土地は誰が買っているのか?

広い土地を一般の人で購入できる人はあまりいません。では誰が広い土地を購入できるのか?

一番多いのは、不動産業者です。次いで多いのが不動産業以外の事業会社や、個人の不動産投資家。稀にいるのが地元の数少ないお金持ちの方です

土地の面積が一般的な土地面積より広くなれば広くなるほど、この傾向が強くなり、一般の人には売りづらくなります。

また、売却しようとしている広い土地がどのような地域にある土地なのかによっても変わってきます。

工場が建ち並ぶ工業系地域では、事業会社が購入する割合が高まり、商業系地域では不動産業者と事業会社両方が、住宅が建ち並ぶ地域では不動産業者や個人のお金持ちの方の割合が高くなります。

その他、農地が広がる市街化調整区域の場合、宅地転用できる場合は大抵不動産業者が購入します。

広い土地が売れる値段

広い土地は、購入する相手によって売れる値段が大きく変わります

一番安くでしか売れないのが、購入相手が不動産業者の場合です。不動産業者は自分で使うためにその土地を購入するのではなく、分譲地や建売住宅として販売したり、賃貸物件を建てて貸したりして利益を得るのが目的のため、購入価格は非常にシビアになります。

八百屋さんで例えるなら、商品の野菜を仕入れる段階にありますので、どうしても安くでしか購入してくれないのです。

ただし、不動産市況が活況で物件の仕入れが難しい場合や、物凄く人気のエリアなどでは不動産業者であっても高い価格で購入してくれる場合があります。

不動産投資家も不動産業者ほどではありませんが、利益を得るために購入するので、安めの価格になることが多いです。

事業会社や個人のお金持ちの方は、利益を得るためではなく、自分で使うために購入するので前者に比べると高く購入してくれる傾向にあります。

特にお金持ちの個人の方が、自宅を建てるために広い土地を購入してくれる場合は高い価格で売れることが多いです。

わかりやすく書くと以下のようになります。

・広い土地の売りやすさ

売りやすい 不動産業者>事業会社や不動産投資家>お金持ちの個人 売りづらい

・売れる価格

高い お金持ちの個人や事業会社>不動産投資家>不動産業者 安い

広い土地の上手な売却方法

これまでのことを踏まえたうえで、広い土地の上手な売却方法を解説していきます。

売ろうとしている広い土地はどんな地域にあるのか確認する

まず初めにして頂きたいのが、売ろうとしている広い土地がどのような地域あるのか確認することです。

広い土地は、地域によって購入者が変わってくると言いましたが、購入者が変わってくると、予算や土地の利用目的も変わってきますので、重要なのです。

例えば、住宅地ですと、あまり広すぎると不動産業者くらいしか購入者がいないので、広いことがデメリットになりやすいのですが、商業地や工業地域にある場合は、広いことがデメリットになるどころか、メリットになる場合もあります。

また、住宅地であっても高級住宅街として有名な地域であれば、周囲に比べて広い土地であっても個人の方に売却できる可能性が高くなります。

豪邸
高級住宅街では、広い土地でも需要があり、購入できる人もいるので、
あせらず時間をかければ売れる可能性が高い

どのような地域にある土地なのか確認して、その後の売却戦略を考えます。

まずは一番高く購入してくれそうな相手をターゲットにする

土地を売却するなら、高く売れる方がいいに決まっていますので、まずは一番高く買ってくれそうな人をターゲットにして売却価格を決めます。

住宅地の場合、一番高く買ってくれる可能性が高いのは、お金持ちの個人の方です。周辺の一般的な住宅地と同じ坪単価で売り出して、様子を見ます。

既にお伝えしていますが、お金持ちの個人の方は数が少ないので、あくまでそういう人が現れてくれればラッキーくらいのスタンスで臨みましょう。

商業地や工業地域の場合も、自用目的で購入する事業会社をターゲットに価格設定します。

売りに出して反応がなければ、値下げしてみる

一番高く買ってくれそうなターゲット向けの価格で売りに出してみて反応がない場合は、一度値下げしてみましょう。

特に土地が広いことがデメリットになる一般的な住宅地では、時間をかけていれば売れるというものでもないので、早めに値下げした方がいいと思います。

基本的に値下げすると、購入希望者からの反響は増える傾向にあります。

値下げしても反響がない、売れない場合は不動産業者へ売却する

値下げすると反響は増える傾向にありますが、物件の値が張る場合(総額が大きな金額になる)や、そもそも自用目的で物件を探している人がいない場合は、多少値下げしてたところで売れません。

だらだらと売却活動を続けていても、時間と維持費だけかかり続けることになります。

値下げしても反響がない、売れない場合は不動産業者へ売却することをおすすめします。

不動産業者へ売却する際は、売却をお願いしている不動産仲介会社に対して、『オークションのような形で一番高い買値を提示してくれた不動産業者に売却したい』と言えば、仲介会社が複数の建売業者に対していくらで買い取れるか聞いてくれます。

二週間くらいの期限を決めて、沢山の不動産業者に買取可能価格を出してもらいましょう。

期限がきたら、一番高い価格を出してくれた不動産業者と最終的な売買契約の条件を詰めて、契約するという流れになります。

広い土地を不動産業者が買い取る価格

前述した通り不動産業者へ土地を売却するときは、一般の人向けに売却する場合に比べてどうしても安い価格になってしまいます。しかし、一般の人が購入しない、できないような広さの土地は不動産業者が買い取る価格が本来の価格と言えるのです。

では不動産業者が広い土地を買い取るときに、どれくらいの価格で買い取るのか解説します。

買取価格には幅があり、土地の広さ、形、高低差の有無、土地の状態、接する道路の状況などによって大きく変わります。

高く売れそうな広い土地
平坦で木の生えていない写真のような広い土地は、草を刈って分割すれば一般の人にすぐ販売できそうなので、
比較的高い金額で買い取ってもらえる可能性が高い

更地の土地で分割すれば一般の人向けにすぐ売れそうな土地であれば、一般の人が購入する価格の10~20%引きくらいが不動産業者が買い取る相場です。

そこから土地の形が悪くて利用しづらい部分がある場合や、土地の高低差が激しい、更地ではなく木が生い茂っていて土木工事が必要、接道条件が悪くて土地の中に新たに道路を作らなければならない場合などは、ここからさらに価格が下がっていきます。

造成、分割された広い土地
写真のような土地は、買取時に不動産業者の利益の他に造成工事費用が差し引かれるため、
安い買い取り金額になってしまうのは否めない

不動産情報サイトなどで売り物件の情報を見て、一般の人向けの相場を知っていると、あまりの価格差に騙されているのではないか?と思われる方もいるかもしれませんが、不動産業者は営利目的で事業を行っていること、仕入れた土地を一般の人に販売できるような状態にするにはお金がかかることなどを考えると、買取価格がある程度安くなってしまうはしょうがないのです。

とは言え、1社だけに買取価格を聞くのは危険です。不動産業者に売却するとしても、なるべく高く売るためには必ず複数の不動産業者に買取可能価格を聞きましょう。

広い土地を売却するときにおすすめ仲介会社

最後に、広い土地を売却する場合におすすめの不動産仲介会社の話しをして終わりたいと思います。

結論から言ってしまうと、大手の不動産仲介会社にお願いするのがおすすめです。

理由は以下のとおりです。

1,広告宣伝費が豊富

2,購入見込み客を多く抱えている

3,沢山の不動産買取業者と取引している

4,不動産業者向けオークションを行っているところもある

広い土地を売却するときは、まずはお金持ちの個人や、自分で土地を使う予定の事業会社などをターゲットにするのがいいと解説しました。

大手不動産仲介会社は、広告予算が豊富で不動産情報サイト・チラシ・WEB広告などで一気に情報を拡散しますので、広く短期間で物件の売却情報を届けることができます。

また、大手仲介会社は物件の情報が多く集まるため、物件を探している購入見込み客の情報も多く抱えています。

なので、広い土地を高く買ってくれる可能性のある人たちに情報を確実に届けるなら、大手仲介会社が有利なのです。

もし、お金持ちの個人や、自分で土地を使う予定の事業会社などに売却できなかった場合は、不動産業者へ売却することになりますが、大手仲介会社の店舗には、しょっちゅう色々な不動産業者が売り物件の情報を求めて飛び込みでやってきますので、大手は沢山の不動産業者の情報も持っています。

大手仲介会社の中でも、住友不動産販売は【ステップオークション】という不動産買取業者への一括紹介サービスを行っています

5,700社超の宅地建物取引業者から、売却物件の特性に合わせてより高値で買い取れそうな平均700社超の不動産買取業者へ物件情報を紹介し、スピーディかつ高額での売却をサポートしてくれます。

一般の人に売却するのが難しい広い土地を売却する場合には、非常に有効なサービスだと思います。

大手仲介会社に売却をお願いするなら【すまいValue】が便利

すまいValue

広い土地を売却するなら大手仲介会社がおすすめと言いましたが、売却を依頼する前にどれくらいで売れそうか査定してもらうことをおすすめします。

そんなときに便利なのが、複数の大手仲介会社にいっぺんに査定依頼できる不動産一括査定サイト【すまいValue】です。

大手不動産仲介会社6社が運営している不動産一括査定サイトですので、安心して利用でき、対応エリアも全国です。

すまいValue運営会社一覧
出典:すまいValue

先ほどご紹介した住友不動産販売にも、査定依頼が可能です。

土地の査定依頼はコチラ ⇒ すまいVarue 不動産一括査定web申込

まとめ

広い土地が売れない理由は、売却価格が大きな金額になるため、購入できる人が限られるから。

一般の人が購入する広さに対して、売ろうとしている土地の面積が大きくなれば大きくなるほど、一般の人に売却するのは難しくなり、購入者は限られる。

お金持ちの個人や事業会社が自用に購入する場合は高く売れるが、ほとんどの場合、不動産業者に売却することになる。

不動産業者が広い土地を購入するのは、販売する商品を仕入れるためであり、一般の人に比べて売却価格は安くなってしまう。

広い土地を売却する際は、一番高く買ってくれそうな人向けの価格設定で売り出し、ダメなら少し値引する。それでも反応がなければ、早々に複数の不動産業者に打診して、一番高い金額を提示したところに売却するのが得策です。

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