家を売却しようと思うけど、どこの仲介会社に頼むのがいいかわからない…
仲介会社の選び方が知りたい
そんな方のために、仲介会社で働いていた宅建士が家を売る時の仲介会社の選び方を解説します。
これを読めば、売却に関わる費用を削減できたり、早く不動産を売却できる仲介会社がわかります。
マンションや一戸建て、土地、収益物件を売却しようと思っている方に役立つ内容になっていますので是非最後までご覧ください。
家を売却するときの仲介会社の選び方の結論を先に言うと、
・都市部の物件 → サービスが充実していて広告宣伝力もある大手不動産仲介会社
・地方の物件 → 地元密着型の不動産仲介会社
・収益物件 → 売り物件の近くに店舗があって近隣の家賃相場や売買利回り相場を熟知しており、収益物件の仲介実績が豊富で、購入希望者に対して融資アレンジできる仲介会社
がおすすめです!
不動産を売却するときに選ぶべき仲介会社は、売却する物件によって異なる
『不動産を売却するときは、この不動産仲介会社がおすすめです!』と言いたいところですが、仲介会社には売却する物件の場所や種別によって得意・不得意があります。
場所に関しては、大都市と地方で営業している不動産仲介会社は異なります。
また、物件種別については大きく分けると【土地・一戸建て・マンション・収益物件】に分けられ、これら物件はそれぞれ特徴が異なっているので、求められる知識や有効な売却方法も異なるのです。
なので、ご自身が売却しようとしている物件がどこにあるのか・どんな物件なのかによって、適切な不動産仲介会社を選ぶ必要があります。
そして、私の考えとしては物件によって以下の仲介会社に売却を依頼するのがいいと思います。
・大都市の一戸建てや土地、マンションを売却する場合
⇒ 大手不動産仲介会社がおすすめ
・地方都市の一戸建てや土地、マンションを売却する場合
⇒ 地元で長年営業している地元密着型の仲介会社がおすすめ
・アパートや一棟マンション、ビルなどの収益物件を売却する場合
⇒ 収益物件の取り扱いが多く、賃貸市場に詳しい仲介会社がおすすめ
なぜ上記のような結論に至ったのか、以下で詳しく解説します。
大都市の一戸建てや土地、マンションを売却する場合、大手不動産仲介会社をおすすめする理由
私が大都市の一戸建てや土地、マンションを売却する場合に、業界大手の不動産仲介会社をオススメする理由は以下になります。
1,店舗網が充実している
2、業歴が長く売却実績も豊富で安心して取引できる
3、広告宣伝費の予算が豊富
4、売却に関して様々なサービスが利用できる
5、購入希望者を多く抱えているので早期売却できる可能性が高い
6、営業マンの知識・経験が豊富で宅建取得率が高い
それぞれ簡単に解説します。
1、大都市の店舗網が充実している
大手不動産仲介会社は、大都市で沢山の店舗を展開しています。
不動産は地域によって相場や特性が異なるため、店舗が沢山ある方が店舗ごとの地域的な専門性が高まりますので、有効なアドバイスができます。
逆に東京23区に1店舗しかない仲介会社では、エリアが広すぎて地域の詳しい不動産市況はわかりません。
また、自宅の近くに店舗があれば書類のやり取りや契約等も楽ですし、営業マンも何か用があればすぐ自宅や物件に立ち寄れるので対応スピードも速くなります。
2、業歴が長く売却実績も豊富で安心して取引できる
大手は業歴が長く、売却実績が豊富ですので安心して取引できます。
不動産はほとんどの人にとって人生で売買するものの中で最も高額なものになるので、安心して任せられるかどうかは重要です。
大手はコンプライアンスや組織体制もしっかりしておりますので、最新の法改正などの対応や組織的なチェック体制も万全です。
また、不動産仲介業者にありがちなしつこく営業するようなところも中小に比べると少ない傾向にあります。
3、広告宣伝費の予算が豊富
自宅のポストに入るチラシや、新聞折込広告などのチラシは、大手不動産仲介会社のものが圧倒的に多くないでしょうか?
大手は広告予算が豊富なので、SUUMOなどの不動産情報サイトへの掲載や、紙媒体やネット広告なども積極的に行ってくれるので、売却物件の情報が早く・広く行渡りやすく、広告予算が少ない中小に比べて早期売却できる可能性が高いです。
また、大手仲介会社は自社サイトでも売り物件を紹介しております。
4、売却に関して様々なサービスが利用できる
大手仲介会社は差別化のために、サービスを充実させている傾向にあります。
例えば売ろうとしている物件の建物や設備の点検や、引き渡し後に故障した場合などに保証してくれるサービスを無償で行っています。
その他、会社によっては土地の測量やハウスクリーニング、室内の簡易的な補修などを仲介会社の負担でやってくれるところもありますので、売却時にかかる費用を削減したり、高く早く売却しやすくなります。
中小の仲介会社ではこのようなサービスを行っているところは稀で、ホームインスペクションや瑕疵担保保険、測量やハウスクリーニング、補修などを自分で行うとかなりお金がかかってしまいます。
そうなると売却価格が同じだったとしても、手元に残るお金はかなり変わってきますので、利用できるなら是非とも利用したいサービスです。
5、購入希望者を多く抱えているので早期売却できる可能性が高い
大手仲介会社は売却物件を多く抱えており、ネットやチラシなどで広告を沢山行うので、家を探している人からの問い合わせも多いです。
家を探している人から売り物件の問い合わせを受けると、例えその物件が売れなかったとしても、他の物件を紹介するなど、その後も購入のお手伝いをすることも多くあります。
こういった流れから、家を探している人の情報を多く抱えており、新しい物件の売却を依頼されたら、すぐにお客さんに物件を紹介し早期売却につながることがあります。
このような場合は、ネットやチラシにも自分の家の売却情報がでないので、近所にも知られずに済みます。
6、営業マンの知識・経験が豊富で宅建取得率が高い
大手は社内教育体制も充実していますし、仲介会社で働くなら必須資格と言っても過言ではない【宅地建物取引士】の資格取得率も高いので、営業マンの知識レベルが高いです。
例えば、不動産仲介最大手の三井のリハウスでは、営業担当者は全員が宅地建物取引士です。
中小の仲介会社では、営業の人でも宅建士の資格を持っていない人が結構多く、不動産仲介会社の求人情報では中小仲介会社が、よく宅建士の資格保有者の求人募集を行っています。
家を売却するときは、どこの会社に依頼するかだけでなく、営業マンの質も非常に重要です。
大都市で戸建てや土地、マンションを売却するとき、中小不動産仲介会社に依頼するメリットはほとんどない?
個人的な意見としては、大都市で不動産を売却するときに中小不動産仲介会社に依頼するメリットはあまりないと思います。
一番大きな理由は、前述した売却に関するサービスに雲泥の差があるからです。大手に売却をお願いした方がお得です。
また、購入見込み客を多く抱えていることや、広告宣伝費の予算が豊富なことから、大手の方が早く売却できる可能性も高いです。
その他、不動産を売却するときには大手仲介会社の方が取り扱い実績が圧倒的に多く、中小はどちらかと言うと購入者側のお手伝いをすることが多いという業界構造になっているため、売却相場についての知識も大手の方が詳しいので、適切な値付けができる可能性が高いと思います。
こういった理由から、大都市で戸建てや土地、マンションを売却する際には大手仲介会社をおすすめしています。
大手不動産仲介会社で有名なところとしては、【三井のリハウス】や、東急リバブル、住友不動産販売、野村の仲介+などがあります。
売却を依頼する際には、まずは仲介会社に売却査定をしてもらってどれくらいで売れそうか確認するとともに、各社のサービスを比較して一番いいと思うところを選びましょう。
売却価格の査定をしてもらうときは、複数の業界最大手クラスの仲介会社にまとめて査定依頼ができる不動産一括査定サービス【 すまいValue 】が便利です。
実際にすまいValueで査定してもらった体験談もあります。
>不動産一括査定サイト【すまいValue】を実際にやってみた体験談!口コミ・評判が気になる方は必見
地方都市の一戸建てや土地、マンションを売却する場合、地元密着型の仲介会社をおすすめする理由
大手仲介会社を利用するメリットを詳しく解説しましたが、売却する不動産の所在地が地方都市になると話しは別です。
まず第一に、地方になると大手不動産仲介会社の店舗がないことがあります。
大手の場合、店舗がなくても遠方の店舗が売却を引き受けてくれる場合もありますが、ハッキリ言って相場感や近隣の不動産市況などの詳しい情報は地元で営業している仲介会社には敵いません。
特に人口が少ない街では、不動産の売買件数が少ないため、都市部に比べると相場観を掴むための情報が非常に少ないという問題があります。
なので、昔から地元で営業している地元密着型の不動産仲介会社に依頼する方が、相場感や近隣の不動産市況などに詳しく、売却が上手くいく可能性が高いです。
ちなみに売却したい物件が自宅以外の場合、自宅の近くにある不動産仲介会社に売却を頼むのか、自宅から遠いけど売却したい物件の近くにある不動産仲介会社に売却を頼むのとどちらがいいのか?という問題がありますが、これは物件の近くにある仲介会社に頼んで下さい。
なぜなら、売りたい物件の近くにある仲介会社の方が相場観や不動産市況に詳しいからです。
物件が所在している街に大手不動産仲介会社が全くない場合は、地元密着型の仲介会社に売却の相談をすることをおすすめします。
アパートや一棟マンション、ビルなどの収益物件を売却する場合、収益物件の取り扱いが多く、賃貸市場に詳しい仲介会社をおすすめする理由
収益物件の売却を依頼する仲介会社は、できれば売り物件の近くに店舗があって近隣の家賃相場や売買利回り相場を熟知しており、収益物件の仲介実績が豊富で、購入希望者に対して融資アレンジできる仲介会社がおすすめです。
理由は以下になります。
・収益物件は賃料相場がわからないと、適正な売却価格がわからない
・収益物件は売買利回り相場がわからないと、適正な売却価格がわからない
・収益物件は購入希望者が銀行融資を受けられないと、売却するのが難しい
それぞれ詳しく解説します。
収益物件は賃料相場がわからないと、適正な売却価格がわからない
収益物件の価格は主に収益還元法という方法で評価・算出されます。
収益還元法とは、物件から得られる収益をもとに還元利回りという数値で割り戻して不動産価格を算出する方法です。
簡単に言うと、物件の収益性が高ければ物件価格も高くなり、収益性が低くなれば物件価格も低くなります。
つまり賃料(収益性)がいくらなのかわからないと、物件の売却価格もわからないのです。
満室の場合はその家賃収入総額が物件の収益とみなせますが、空室がある場合は家賃がどれくらいかわからないと売却価格を間違える可能性があります。
大手不動産仲介会社は賃貸の仲介もやっていたりしますが、基本的に売買がメインとなっているため、あまり地域の賃貸相場に詳しくないことが多いです。
地域の賃料相場や賃貸需要に一番詳しいのは、物件の近くで営業している賃貸仲介会社や賃貸管理をメインに行っている仲介会社です。
売却したい物件周辺のアパートなどを見ると、管理会社の看板が掲げられていることがありますので、周辺で看板をよく見る不動産会社にお願いするのがいいと思います。
収益物件は売買利回り相場がわからないと、適正な売却価格がわからない
収益物件は物件の所在地や築年数、間取り、構造、種別などによって、市場で売買される利回りが異なります。
取引される適正な利回り水準をわかっていないと、割高な金額で売れ残ってしまったり、逆に安すぎる金額で売却して損をしてしまう可能性があります。
なので、地域の適正な売買利回りを熟知している不動産仲介会社に売却をお願いすることをおすすめします。
適正な売買利回り相場については、大手や中小などに関わらず、売却しようと思っている物件の近くに店舗がある仲介会社が詳しいので、そういったところにお願いするのがいいと思います。
収益物件は購入希望者が銀行融資を受けられないと、売却するのが難しい
一戸建てやマンションなど購入者が自ら居住するための物件を購入する際は、住宅ローンを利用することになりますが、アパートや一棟マンションなどの収益物件を購入する際はアパートローンや事業用ローンを利用することになります。
事業用ローンは住宅ローンに比べるととても審査が厳しく、物件の種別、所在地や構造、築年数、購入者の居住地などによって融資が利用できる銀行が異なりますので、購入希望者に対して融資してくれる銀行を紹介できる仲介会社を利用すると、とても物件を売却しやすくなるのです。
不動産を購入する人に対してお金を貸してくれる銀行を紹介することを『融資アレンジ』と言います。
どこの銀行だと融資が下りるのか?ということについては、専門性が高く時とともに変化するので、常に銀行融資について最新の情報を収集している必要があり、たまにしか収益物件の仲介をしない仲介会社ではこのような情報を持ち合わせていません。
大手不動産仲介会社も、基本的には居住用の不動産売買の仲介をメインとしており、収益物件専門の仲介会社に比べると融資アレンジは苦手な傾向にあります。
まとめ
・都市部で一戸建てや土地、マンションを売却する際は、大手不動産仲介会社がおすすめ。
・地方で一戸建てや土地、マンションを売却する際は、地元密着型の仲介会社がおすすめ。
・収益物件を売却する際は、売り物件の近くに店舗があって近隣の家賃相場や売買利回り相場を熟知しており、収益物件の仲介実績が豊富で、購入希望者に対して融資アレンジできる仲介会社がおすすめ。
今回は、家を売却するときの不動産仲介会社の選び方を解説しましたが、家を高く売却する方法について解説した記事もありますので、家の売却を検討されている方は是非ご覧ください!