家や土地、マンション、投資用物件などの不動産を売却する際、誰もができるだけ高く売却したいと思うものです。
そこで今回は、不動産仲介会社で働いた経験のある宅建士で、現在は不動産鑑定事務所で働いている筆者が、不動産を高く売却する方法を教えちゃいます!
どんな物件を売る時にも使える方法から、一戸建てや土地、マンション、収益物件など物件種別ごとの高く売る方法もご紹介しています。
また、一般の方でも誰でも手軽に行える方法から、お金や手間がかかるプロの不動産業者が行っている方法までご紹介しますので、これからお持ちの不動産を売却しようと思っている方は是非ご覧ください。
不動産を高く売却するコツ
不動産を高く売却する具体的な方法を解説する前に、高く売却するコツをご紹介します。
不動産を高く売却したいなら、以下の5点を意識することが重要です。
・綺麗な状態にして見栄えをよくする
・購入しやすい状態にしておく
・購入者がすぐに利用できる状態にする
・購入者の不安要素を取り除く
・売却時にかかるコストを削減する
要は、購入者は見た目が良くて、買いやすくて、すぐ使えて、何も不安がない状態だと高い金額でも不動産を買ってくれるのです。
それに加えて、売主側としては売却時にかかるコストをなるべく抑えるか、お金をかけたよりも高い金額で売却することができれば、売却後の手残りを増やすことができます。
では具体的にどのようなことをすれば不動産を高く売れるのか、解説していきます。
どんな物件でも使える【不動産を高く売却する方法】
不動産と言っても一戸建てや土地、マンション、不動産投資用の収益物件など様々な種類がありますが、まずはどんな物件を売るときにも使える不動産を高く売却する方法をご紹介します。
不動産を高く売却するには、以下11の方法があります。
・相場より高めの価格で売り出す
・景気が良い時期に売る
・購入者が買い急ぐ時期を狙う
・競合となりそうな売り出し物件が少ない時に売り出す
・時間をかけて売る
・実際に住んで良かったところを仲介会社に伝える
・内見の際には部屋を明るくして片付けておく
・建物や設備の点検、保証サービスを利用する
・複数の不動産仲介会社に物件周辺の不動産市況を聞く
・不動産仲介会社を競わせる
・大手不動産仲介会社に売却を依頼する
それぞれ解説します。
相場より高めの価格で売り出す
不動産を高く売りたいなら、適正な相場と思われる価格より少し高めに売り出します。そして売れなければ徐々に値下げしていくというのが、家を高く売却する王道の方法です。
少し高めの価格で売り出して、もし売れたらラッキーということで、業界ではチャレンジ価格なんて言ったりもします。
当たり前ですが、適正価格と思われる水準や割安な水準で売りに出しては、高く売れることはありません。
ただし、不動産には次に解説する高く売れやすい時期や、高く売れやすい状況がありますので、あまり欲張って高い売り出し価格で粘り、売り時を逃さないようにする必要があります。
また、いつまでに売れないと困るといった状況では取りづらい方法です。
その他の注意点としては、高めの価格で売り出すと言っても、ただ高く売り出せばいいというわけではなく、本来の適正な相場価格を知ってそれより数%くらい高く売り出すのが重要です。
そのためには、一社だけでなく複数の不動産仲介会社に物件の査定をしてもらい適正な価格水準を知ること必要になります。
一社だけに査定してもらうと、場合によっては高すぎたり安すぎたりする場合がありますが、複数社に査定してもらうと沢山の情報が集まるので、適正な価格水準がよりわかります。
複数の仲介会社の査定額を出してもらうなら、【すまいValue】などの不動産一括査定サイトが便利でおすすめです。
景気が良い時期に売る
不動産が高く売れるかどうかは、いつ売るのかというタイミングも非常に重要です。
基本的に不動産価格は景気が良い時期に上昇し、景気が悪化すると下がりますので、高く売るなら景気が良い時期に売却するのが得策です。
下の図は全国の住宅地平均公示地価の推移を表したグラフです。
景気が良い時は不動産価格は上昇していますが、バブル崩壊やリーマンショックなどが起きて景気が悪くなると、不動産価格は下落しているのがわかります。
景気が悪化してしまった場合は、早めに売却するか、可能であれば売却するのをやめるというのも選択肢の一つです。
また、不動産は高額なためほとんどの人が銀行からお金を借りて物件を購入しますが、景気の良い時は銀行の審査が緩く、逆に景気が悪いときは銀行の審査は急激に厳しくなる傾向にあります。
銀行がお金を貸さなくなると、不動産を売れなくなりますので急激に値下がりします。
なので、景気が良くて銀行もばんばんお金を貸している時期に不動産を売却するのが得策です。
購入者が買い急ぐ時期を狙う
家を探している人の中には、仕事の関係や子供が小学校に入るタイミングなど、何らかの理由で購入期限がある人がいたりします。
このような人たちは、物件を逃すと後がなくなる可能性があるので、値引きをせずに購入する傾向にあります。
一番多いのは4月からの新生活・新学期などに合わせて、3月までに購入して入居できる物件を探しているパターンです。
なので、年末くらいに売り出して1~2月に契約、3月中に決済引き渡しという流れにすると、たまに買い急いで値引きもせずに購入してくれる人が現れることがあります。
特に4月に近づくにつれて、買い急ぐ人が増える傾向にあります。
3月あたりは不動産売買が多く行われる繁忙期ですので、けっこう有効な売却方法ですが、逆に3月を過ぎて4月になってしまうと売れ行きが悪くなる可能性がありますので、注意が必要です。
競合となりそうな売り出し物件が少ない時に売り出す
不動産を売却しようとするときは、その物件の近隣でライバルになりそうな物件がどれくらい売りに出されているのか、必ず確認しましょう。
競合物件が少ない状況は、需要に対して供給が少ない状況である可能性が高く、高めに売りに出しても売れる可能性が高くなります。
逆に競合物件が多く売りに出ている状況では、購入者にとって比較対象が多く、競合物件より魅力的な物件であるか、そうでない場合は安くない限り売却するのが難しくなります。
特にマンションを売却する場合は、同じマンションの部屋が複数売りに出ていることがよくあります。自分の部屋より階数が上だとか部屋が広い物件が売りに出ている場合、その価格より高い金額では絶対に売れません。
競合物件が多い場合はいったん売却するのをやめて、状況が良くなってから売りに出すというのも有効です。
または、競合物件がある状態で自分の物件も売りに出し、競合物件が売れてなくなったら、自分の物件の売り出し価格を値上げするという方法もあります。
ただし、人口がどんどん減っているような地域では需給バランスが崩れていて、物件が売れずにどんどん売り出し中の物件が増えてむしろ状況が悪くなる可能性もありますので、そういった場合は状況が悪くても早く売却してしまった方がいいでしょう。
競合か多いか少ないかは、アットホームなどの不動産情報サイトで面積・築年数・駅徒歩などで自分の物件と同じような条件で検索をかけてみて、出てきた物件の数で判断します。
また、出てきた物件が自分の物件と比べてどんな物件なのかも、できれば一つ一つ見ていくことをおすすめします。この方法は面倒なので、売主や仲介会社の営業マンでもやってない人が多いです。
家を探している人は、自分の希望条件に合う物件が複数売りに出ていたら、それらを比較してその中から一番いいと思うものを購入しますので、価格相場だけでなく、ライバル物件との相対的な割安感・割高感というのも非常に重要です。
売りに出ているライバル物件を一つ一つ比較調査することで、高すぎる価格や安すぎる価格で売り出すことを防げます。
時間をかけて売る
不動産を売却するときは相場より少し高めの価格で売り出し、徐々に値下げしていくのが王道と言いましたが、値下げをせずに長期間に渡って売却するという方法もあります。
これは少々博打要素のある方法ですし、物件の売却期限が決まっている人には使えない方法ですので、万人におすすめできる方法ではありませんが、高く売れることもありますのでご紹介します。
通常、売りに出してから物件が全然売れないと、仲介会社の営業も売主もこのままじゃ売れないだろうと思って不安になったりするので、値下げすることが多いですが、売れない理由が単純にそのエリアで家を探している人がいない時期だったということがあります。
このようなエリアでは、時間はかかるものの家を探している人が現れれば、値下げをせずとも売れるのです。
また、少し相場より高すぎて売れない物件でも、ここ10年のように不動産価格が上昇傾向にある時期は、時間の経過とともに割高感が薄れてきて売れることがあります。
私が仲介会社で働いていたときの実体験のお話しをすると、駅徒歩20分くらいの少し不便だけど、住環境も建物の状態も良い中古マンションの売却をお手伝いしたことがあります。
価格的にやや高く、くわえてやや不便な場所だったからなかなか売れませんでしたが、売主様の意向でずっと値下げせずに売りに出していた物件が、1年後にその価格で売却できたというエピソードがあります。
また、プロの不動産業者であるマンションデベロッパーの中にも、一切値引き販売はせず時間をかけて売り切るという会社もあるので、意外と有効な場合がある売却方法です。
やや不便な場所や人口が少ない地域などでは、価格の問題ではなく物件を探している人がいないという理由で、どうしても売却できるまでに時間がかかる場合があるので、そういった地域かどうか見極める必要があります。
実際に住んで良かったところを仲介会社に伝える
住んでいた家(中古戸建や中古マンション)を売却する際は、実際に住んで良かったところを売却を任せる仲介会社に伝えましょう。
物件のいいところを一番知っているのは、その物件に住んでいた人です。仲介会社の営業マンは不動産のプロと言えども、どんな場所でも詳しい訳ではありません。
物件のいいところを伝えておくことで、営業マンも物件の販売広告に記載したり、内見の際には購入検討者に物件の魅力を上手に伝えることができます。
伝える内容としては、以下のようなことを伝えておくといいと思います。
・近隣の便利な施設の存在やそこまでの距離(最寄りのスーパーやコンビニ、郵便局、本屋や役所、駅やバス停、公園、保育園や幼稚園、小学校、中学校など)
・周辺環境や騒音などの状況(静かな環境かどうかや、うるさそうな場所でも意外と音がしないならそういった情報、道路の状況など)
・人気学区の場合は学校についての情報(人気学区限定で探している人は意外と多い)
・物件の便利な設備(床暖房、太陽光発電、蓄電池、大型収納など自分が良かったと思う設備)
・リフォーム履歴(特に水回りの設備を交換していたり、戸建の場合は外壁塗装をしていると喜ばれる)
・近隣で行われるイベント情報(お祭りの情報など)
例えば、『駅は遠いけどバス停がすぐ近くにあり、しかも始発だから必ず座れる』といった情報は非常に有益な情報ですが、仲介会社の人はあまり知らない情報です。
できる仲介会社の営業マンは、必ず売却活動開始前にこういった有益な情報を聞いてきますが、何も聞いてこない営業マンも中にはいますので、注意が必要です。
ちなみに悪い情報については、絶対に説明しなければならないような重要事項はちゃんと伝えなければいけませんが、それ以外のことについては聞かれなければ積極的に説明する必要はありません。
嘘はいけませんので、聞かれたら答える程度にしましょう。内容にもよりますが悪い部分もある程度伝えた方が逆に信頼感が上がります。
内見の際には部屋を明るくし、片付けておく
不動産を売却する際には、物件の見た目が非常に重要です。
一戸建てやマンションを売却する際は、内見の前に部屋を片づけておいたり、不要なものを処分したり、場合によっては一時的に実家やトランクルームなどに預けておいて、室内が綺麗で広々と見えるようにするのが有効です。
その他、内見時は昼間でも全ての部屋の電気をつけると同時に、カーテンを開けて室内を明るく見せるとぐっと印象が良くなります。
ただし、窓のすぐ外側に隣の家の窓があったり墓地が見えるなど、あまり景観が良くない場合は、レースのカーテンを閉めたままにしておいた方がいいです。
また、水回りが汚いと不潔な印象が凄く出てしまいますので、キッチンやトイレ、お風呂などは念入りに掃除をしておきましょう。
内見前にハウスクリーニングを利用するのも有効で、大手仲介会社の中には仲介会社の負担でハウスクリーニングを利用できる会社もあります。
インスペクションや瑕疵保証保険を利用する
中古戸建や中古マンションを購入しようと思っている人は、購入後に建物や設備に不具合が生じたり欠陥があったりしないか心配に感じています。
そこで売主側で建物や設備設備の点検(インスペクション)・保証サービス(瑕疵保証保険)を利用することにより、購入検討者に対して安心感を与えることができ、売却しやすくなります。
特に売却しようとしている物件の築年数が古い場合は、有効的な売却方法です。
もし競合する物件があってその物件では建物や設備の保証がなく、こちら側の物件では保証がある場合、こちらの物件に優位性があることになるので、競合物件より高く売れる可能性もあります。
費用は、インスペクションの相場が5万円前後、瑕疵保証保険の相場は建物の大きさやいくらまで保証対象にするかで異なりますが、5~10万円前後くらいかかります。
なので合わせると少なくとも10万円くらいはかかってしまうので、痛い出費にはなってしまいますが、インスペクションや瑕疵保証保険がある物件であれば、この程度の金額を上乗せして販売することは十分可能です。
ただし、大手不動産仲介会社では建物や設備の点検・保証サービスが無償で利用できるのが一般的になっていますので、物件の売却を依頼する仲介会社を決める際には、このようなサービスがないかよく確認することをおすすめします。
複数の不動産仲介会社に物件周辺の不動産市況を聞く
不動産仲介会社は非常に多くの情報を持っています。
売ろうとしている物件周辺エリアの相場や売却にかかる期間、売り出し物件の数や購入希望者の状況などの需給関係、エリア内で人気のある物件やない物件はどんな物件かなどなど。
そして、こういった不動産市況に関する情報を複数の不動産仲介会社に聞くことで、非常に多くの情報が集まるとともに、仲介会社が言っていることが本当なのか間違えているのかがわかります。
集めた情報をもとに物件の売り出し価格を決めたり、有効そうな売却方法を考えることが重要です。
例えば、今は売り物件が少なく売り手市場といった情報や、売ろうとしているような物件は人気があって探している人が多いといった情報があった場合は、かなり強気の価格設定でも売却できる可能性があります。
逆に、エリア内のどこどこで〇千万円で物件が売りに出ているが、高すぎて長期間売れ残っているといった情報がある場合は、それくらいの価格帯だと売却するのは困難であることがわかります。
一社だけだと集まる情報が少ないですし、偏った意見になる場合もありますので、できれば複数の仲介会社に話しを聞きましょう。
また、日頃から自分でも自宅周辺の売り物件の情報を見て相場観を養うとともに、売れ行きが好調かどうかをチェックしておくことをおすすめします。
自宅周辺の売り物件がすぐ売れてなくなるような状態や、高いと思うような物件でも売れていたら、高値で売却できる可能性が高いです。
不動産仲介会社を競わせる
両手仲介だと多少売却価格が安くなったとしても、仲介会社は片手取引の倍の手数料を得られるので、値引きを進めたり、安い価格で売り出すように誘導して自社でさっさと取引をまとめようとすることがあります。
例えば、4,000万円の物件を売主側のみ仲介した場合と、3,500万円で売主側も買主側も仲介した場合の仲介手数料はそれぞれ税込みで138.6万円と244.2万円になります。
売却価格が500万円安くても、両手仲介することで受け取れる仲介手数料は105.6万円高くなるのです。
そして悪質な仲介会社の場合、囲い込みと言って売りには出しているものの、他の仲介会社から紹介したいと言われると「もう申込入ってます」などと嘘をついて、他の仲介会社を排除して強引に自社の両手仲介で売買しようとするところも中にはあります。
このようなことを防ぐ方法の一つが、媒介契約を結ぶ時に【一般媒介契約】を複数の仲介会社と結ぶ方法です。
複数の会社に売却を任せることで、囲い込みをすることができなくなります。その他、それぞれの仲介会社が独自に様々な広告を売ったり、売却活動を行うので、情報が早く広く拡散されやすいというメリットもあります。
ただし、大手仲介会社は売却にあたり様々なサービスを提供していますが、一般媒介契約では利用できないことがあるので、注意が必要です。
大手不動産仲介会社に売却を依頼する
日本には大小様々な不動産仲介会社がありますが、不動産を売却する際は圧倒的に大手仲介会社にお願いするのがお得です。
なぜ大手仲介会社に売却を依頼した方がお得かと言うと、以下のようなサービスを利用できる場合があるからです。
・建物や設備などの点検、保証サービス
・ハウスクリーニングなどの清掃サービス
・土地の仮測量サービス
・地盤や地中埋設物、擁壁の保証サービス
・小さな傷や汚れのリペアサービス
・プロカメラマンによる物件撮影
・物件をより魅力的に見せるサービス
※ 上記サービスは大手不動産仲介会社でも利用できる会社と利用できない会社があります。また、利用するには条件があります。その他、無料で利用できる場合と有償になる場合があります。詳細は各不動産仲介会社に直接ご確認下さい。
まず建物や設備などの点検、保証サービスですが、これは大手不動産仲介会社では今や当たり前になっているサービスで、仲介会社の負担で設備や建物の点検を行ってくれ、売却後に不具合があっても一定期間・一定額以内であれば仲介会社が保証してくれます。
これは売り手にとっては売却後のトラブルを避けることができますし、買い手にとっては中古物件であっても安心して購入できますので、中古戸建や中古マンションを売却するなら絶対に利用したいサービスです。
その他、仲介会社によっては無料でハウスクリーニングが利用できたり、小さな傷や汚れを仲介会社の負担で直してくれるサービスがあります。
また、物件を紹介するときの写真はプロカメラマンによる撮影が当たり前ですし、バーチャルリアリティやCGを使って室内を紹介するサービスや、家具を配置して魅力的に見せるホームステージングなど、物件をよりよく見せるサービスが非常に充実しています。
それに対して中小の不動産仲介会社では、建物や設備などの点検、保証サービスすら行っていないことが普通で、大手不動産仲介会社との間に大きなサービス格差があります。
こういった売却に関するサービスは自分で業者に依頼すると数万円~数十万円するようなものもありますので、不動産を売却するなら大手不動産仲介会社に依頼するのが圧倒的にお得なのです。
また、売却に関するサービスだけでなく、大手仲介会社は豊富な広告予算を持っていますので、ネット広告~新聞折込広告など、お金をかけて売り物件の情報を一気に拡散してくれるというメリットもあります。
ここまでが、どんな物件でも使える不動産を高く売却する方法です。
ご紹介した方法を上手く組み合わせることによって、より高く売却できる可能性がありますので、不動産の売却をお考えの方は是非試してみて下さい。
中古マンションを高く売却する方法
続いてここからは、物件種別ごとの高く売却する方法をご紹介していきます。
まずは中古マンションを高く売却する方法です。
中古マンションを高く売る方法としては、以下のような方法が有効です。
・大規模修繕後に売却する
・近隣で新築マンションが販売されているときは売却を避ける
・築年数が5の倍数を超える前に売る
・不動産投資家向けに売却する
・相続税対策で物件を探している人向けに売却する
それぞれ解説します。
大規模修繕後に売却する
大規模修繕工事を行った後は、マンションの外観や共用部が綺麗になっているので、見た目が良くなり購入者に好印象を与えることができます。
また、中古マンション購入者の心配事項として、大規模修繕をするときに修繕積立金が少なくて追加で修繕費を一括徴収されるのではないかという不安があります。
大規模修繕工事を行ってそれ程時間が経っていない場合は、次の大規模修繕工事までかなり長い期間があくので、こういったことを気にかける人も少なくなります。
大規模修繕工事後は見た目が良くなり、不安も減るので高く売却しやすくなるのです。
近隣で新築マンションが販売されているときは売却を避ける
自分のマンションの近くで新築マンションが販売されている場合は、立地やその他諸々の違いはありますが、似たような物件の場合は新築マンションの価格が実質的な上限価格になってしまいますので、それより安くしなければ売れなくなります。
ただし、新築マンションがかなり高めの金額設定で販売されている場合は、その金額より低ければ過去の相場より高めに売り出しても割安感を感じられるので、逆に高く売却できることもあります。
なので、近隣で新築マンションが販売されたら、価格がどれくらいの水準で販売されているのかしっかりチェックした上で、売却戦略を考えましょう。
築年数が5の倍数を超える前に売る
中古マンションを探している人は、不動産情報サイトなどで物件検索するときの条件として、築年数で絞り込むことがよくあります。
不動産情報サイトでは築年数で条件を絞り込むとき、基本的に5年単位で築年数を絞り込むようになっていますので、築年が5の倍数を超えると探している人の検索条件に引っかかりづらくなります。
下の写真は、有名どころの不動産情報サイトの築年数検索条件です。10年を超えると5年刻みになっています。
さらに言うと、中古マンションは築年数とともに一定の割合で価格が下がるのではなく、古くなってもあまり価格が下がらない築年数と、ガクっと急激に値下がりするようになる築年数があります。
下の表は、マンションの築年数ごとの下落率を表しています。
築26年~30年は他の築年数に比べて下落率が非常に大きくなっています。
逆に築5年以内と築16~20年の時期は、あまり値下がりしないことがわかります。
>中古マンションの資産価値は築年数でどれくらい値下がりする?価格下落率を調査してみた!
高く売却したいなら、大きく値下がりする築年数になる前に売却するのが得策です。
不動産投資家向けに売却する
昔はファミリータイプの分譲マンションと言えば、自分で住むために購入する人しかいませんでしたが、現在は資産家や外国人投資家など投資用として購入する人が沢山います。
ファミリータイプの分譲マンションは、貸して家賃を貰う賃貸利回りは低いのですが、ここ10年くらいは物件価格が大きく値上がりしているので売却益を得ることができる可能性が高いことや、賃貸市場で借り手がつきやすく、安定した収益をもたらしてくれることなどから、投資用物件としても人気があるのです。
投資家は収益に厳しい人も多いですが、沢山お金を持っている人の中には現金で持っているのがもったいないなどの理由で、あまり収益性を気にせず立地が良いマンションなどをとりあえず購入するという人もいますので、こういった方に購入してもらうことができれば高値で売却できる可能性があります。
投資用物件として売却する場合は、もし貸したらどれくらいの家賃になるのかや、過去から現在までの値上がり幅を仲介会社などに調べてもらい、販売広告などに記載してもらいましょう。
このような情報を載せてあげることで、投資家の人は自分で調べる手間が省けますし、投資家の目につきやすくなります。
SUUMOなどの一般的な不動産情報サイトに中古マンションとして掲載するだけでなく、不動産投資物件の情報サイトに投資用区分マンションとして掲載してもらうのもいいと思います。
続税対策で物件を探している人向けに売却する
不動産は市場で売買されている価格に比べて相続税評価額が低く、賃貸していたり購入時にローンを利用していたりするとさらに評価額を下げることができます。
特にタワーマンションは市場価格と相続税評価額の差が大きいことから、相続税対策でタワーマンションを購入する人が沢山います。
相続税対策で不動産を購入する人は、相続税を抑えることが目的であって、マンションが高いか安いかはそれほど問題ではありませんので、相続税圧縮効果の高い中古マンションは割高な価格で売却できることがあります。
だたし、今後は税制改正で市場価格と相続税評価額の乖離が大きい物件では、最低でも相続税評価額が市場価格の6割のになるよう見直される方針となっています。
とは言え、現金に比べると評価額は6割に抑えられることや、賃貸に出していたり銀行からお金を借りている場合は、相続税評価額をさらに下げることができるので、今でと比べると効果が薄れただけで、今後も相続税対策として有効であることは変わりありません。
売却するときは相続税評価額がいくらくらいになりそうなのか計算して、相続税圧縮効果が高そうなら販売資料などにそのことを記載してアピールするのが効果的です。
一戸建てを高く売却する方法
・注文住宅の場合は、注文住宅で建てたことをアピールする
・植栽を綺麗な状態にしておく
・簡単かつ低額で修繕できるのに劇的に見栄えがよくなる場合は、リフォームしてから売却する
それぞれ解説します。
注文住宅の場合は、注文住宅で建てたことをアピールする
注文住宅で建てられた家は、建売住宅に比べるといい建材や設備が使われている傾向にありますし、世間的にも建売住宅=安物、注文住宅=良質といったイメージがありますので、販売時に注文住宅で建てた家であることをアピールすることで、高く売却できる可能性があります。
特に住友林業や三井ホーム、積水ハウスなどの高級ハウスメーカーと言われている会社で建てた家の場合は、大々的にアピールしましょう。
注意点としては、注文住宅であってもローコストをウリにしたハウスメーカーで建てられた家の場合、逆に安物というイメージを持たれてしまう可能性もありますので、アピールは「注文住宅で建てられた家」程度にとどめておいた方がいいかもしれません。
植栽を綺麗な状態にしておく
何度も言っているように、家を売却する上で見た目の綺麗さは非常に重要です。
なので、生垣や庭がある家の場合、売却前に刈り揃えるなどして綺麗な状態にしておいた方が高く売れる可能性が高くなります。
逆に草木がボーボーで見た目が悪く手入れが必要な場合や、ヤブ蚊が凄くて庭にいられないなんて状態だと、物件の印象をかなり悪くしてしまい、なかなか買い手が現れなかったり値引き交渉をされやすくなります。
ちなみに、大手不動産仲介会社の中には、庭木の剪定・芝生の刈り込み・垣根の剪定などを仲介会社の負担でやってくれるところがありますので、敷地が広くて生垣やお庭がある物件を売却する場合は、このような仲介会社にお願いするとお得です。
簡単かつ低額で修繕できるのに劇的に見栄えがよくなる場合は、リフォームしてから売却する
プロの不動産業者は古くてぼろかったり、汚れている物件を購入後、物件をリフォームしてかけたお金以上の利益を乗せて売却しています。
個人の方が大掛かりなリフォームをして売却するのは大変ですしリスクも高いのであまりおすすめしませんが、あまりお金がかからずに傷や汚れを直せる場合は、綺麗にして見栄えを良くしてからの方が高値で売却できる可能性が高まります。
ちなみに大手不動産仲介会社の中には、小さな傷などを仲介会社の負担で直してくれるサービスを行っているとことがありますので、このような仲介会社にお願いするとお得です。
土地を高く売却する方法
・測量をする
・古い建物が残っている場合は中古戸建と売地の両方で売りに出す
それぞれ解説します。
測量をする
土地を購入する人は、基本的にその土地に新たに建物を建てることを目的としてます。
建物の設計をするとき、土地の広さや形、方角、傾斜や高低差の有無などの情報が必要で、これらによって建てられる建物の大きさや建設費が大きく変わりますので、土地の正確な測量図が必要になるのです。
なので、建物を建てようと思っている人にとっては、測量図がない土地を購入することは希望する建物が建てられない可能性が出てくるため、リスクの高い土地という扱いになってしまうので、売れづらくなってしまいます。
土地の広さについては、登記簿謄本に面積が記載されているので大丈夫なように思ってしまいがちですが、登記簿に記載されている面積は意外と実際の面積と異なっていることが多いのが実情です。
測量してみると登記簿の面積より小さかったり、大きい場合もあります。
測量の結果、土地の面積が登記簿の面積より大きい場合は、その分当初想定していた価格よりも高く売却することが可能です。
ただし、逆に測量の結果、登記簿の面積より小さい場合は、価値が下がってしまうリスクもあります。
その他、測量で隣地との境界をハッキリさせることも重要です。土地の境界が曖昧だと、購入後に隣地と境界のことでトラブルになる可能性がありますので、そういった意味でも測量をしていない土地は売れづらくなります。
プロの不動産業者は、購入者が物件を買いやすい状態にすることで仕入れ値より高く物件を売却しています。
土地の測量も購入者が買いやすい状態にすることの一つですので、土地の売買をする際はケチらずに測量をすることをおすすめします。
ちなみに、大手不動産仲介会社の中には仮測量(隣地との境界確定はしない測量)を無料でしてくれるところがありますので、土地を売却する際には測量サービスを行っている不動産会社に売却を依頼するのがお得です。
古い建物が残っている場合は中古戸建と売地の両方で売りに出す
築年数がかなり古い家を売りに出すとき、自分ではどうせこんな家誰も使わないだろうと思って古家付きの土地として売りに出していることが良くありますが、家が古くてもそのまま使いたいという人は結構います。
古家付きの土地は、別の見方をすれば土地値で売っている中古戸建なので、古さが気にならない人からすればリフォーム費用などを考慮してもかなりお得な買い物になるからです。
また、住宅ローンを利用する場合、建物がかなり古くてもお金を貸してくれる銀行が結構ありますので、古くて売れないということも意外とありません。
なので、古い家が建っている物件は売地としてだけ販売せず、中古戸建てとしても販売し、不動産情報サイトなどに掲載するのがおすすめです。
もし古家付きの状態で中古戸建てとして売却できたら、建物の解体費用数百万円を節約することができる可能性があります。
投資用不動産(収益物件)を高く売却する方法
最後に投資用不動産(収益物件)を高く売却する方法をご紹介します。
収益物件を高く売却する方法は、以下の7つです。
・一時的に損をしてもいいから高い家賃で契約する
・敷地や建物共用部、空室部分は綺麗な状態にしておく
・金利が低い時期に売却する
・最有効が貸家ではない物件は空室状態で売却する
・建物の耐用年数が残っている状態で売却する
・相続税対策で物件を探している人向けに売却する
・賃貸市況や収益物件の売買が得意な不動産仲介会社に売却を依頼する
それぞれ解説します。
一時的に損をしてもいいから高い家賃で契約する
投資用不動産の価格は収益還元法という方法で算出します。
収益還元法は、一般的な投資物件の市場では簡易的な計算として、家賃総額を表面利回りで割り戻して算出することが多いです。
計算例を示すと、一棟アパートで年間の家賃収入が300万円、取引される利回りが5%だった場合、
300万円 ÷ 0.05 = 6,000万円 が物件価格となります。
この物件の家賃収入が300万円から320万円になった場合、家賃収入としてはたった20万円ですが、物件価格は6,400万円と400万円も跳ね上がります。
もしこのアパートが総戸数4戸だった場合、年間家賃収入を20万円上げるには一部屋当たり月額約4,200円(20万 ÷ 4 ÷ 12 ≒ 4,200)上げる必要があります。
ただ家賃を高くして募集しても空室を埋めるのは難しいですが、例えば当初1~3か月をフリーレントにするとか、他の物件では敷金・礼金が必要な地域で敷金0礼金0で募集するなどして初期費用を下げる代わりに、月額賃料を高くするという方法であれば、高めの家賃でも空室を埋めることが可能になります。
売却することを前提としているなら、このような方法でなるべく賃料を高くすることで、売却価格を高くすることができます。
敷地や建物共用部、空室部分は綺麗な状態にしておく
敷地内に雑草がぼうぼうに生えている、共用部の電灯の電球が切れている、外壁が汚れていたり鉄部がさびている、空室の室内が汚れているといった場合は、そもそも本来取れる家賃より低くなっていたりしますし、購入者からリフォームが必要といった名目で大きな値引きを要求される可能性が高くなります。
収益物件をできるだけ高く売りたいなら、物件を良好な状態で管理し、必要に応じてリフォームするなどしてできるだけ高い家賃を貰える状態にしておく必要があります。
プロの不動産再販業者や不動産投資上級も、古くてボロい物件を安く購入し、大掛かりなリフォームをして物件の収益性を高め、高く売却するという方法をよく行っています。
収益物件ではありませんが、最近流行のリノベーションマンションも同様の手法で利益を上げています。
金利が低い時期に売却する
前述した収益還元法では、家賃が高くなる以外に、取引される物件の利回り相場が低くなれば低くなるほど物件価格が高くなります。
例を書くと、家賃収入300万円の物件価格は利回り6%では5,000万円、5%では6,000万円となり、その差は1,000万円(20%)にもなります。
この収益物件が取引される利回り相場が低い時期というのは、金利が低い時期になります。
なぜなら、投資商品の相場というのは不動産に限らず、最もリスクが低いとされる国債の金利が基準になっており、投資商品のリスクにあわせて国債金利にプラスして利回りが求められるという構造になっているからです。
金利が低くなると収益物件に求められる利回りも低くなり物件価格は高くなります。逆に金利が高くなると収益物件に求められる利回りも高くなり物件価格は下がることになります。
なので、収益物件を高く売却したいなら金利が低い時期に売却するのが得策なのです。
>今から不動産投資をするのは危険⁉金利上昇と不動産価格の関係
最有効が貸家ではない物件は空室状態で売却する
不動産の価格というのは、その物件がある場所に最も合った建物が建っていて、最も合った使われ方をしている時に最も高くなります。
この最も合った建物が建っていて、最も合った使われ方をしている状態を最有効といいます。
例えば、駅目の前の商業地にある土地だと、商業ビルが建っている状態が最有効で、もしここに一戸建てが建っている場合は土地が有効活用されていない状態なので、価値が低くなります。
上記例はわかりやすく説明するための極端な例ですが、不動産投資物件でも最有効利用されていない物件はよく見受けられます。
例えば、低層住居専用地域などに建っているアパートは、収益性が低いため収益還元法で計算される不動産価格が、自己の居住用に売買される土地の値段を下回ることが良くあります。
また、一戸建てやファミリータイプの分譲マンションなども収益物件としての価格より、居住者向けに空室で売却する方が高くなる傾向にあります。
このように最有効が賃貸物件ではない場合は、空室にして居住用として売却した方が高く売れます。
売却するつもりなら、空室が発生しても募集するのをやめたり、空室が多くて入居者が少ない場合は退去してもらうよう交渉するなどして、自己利用可能な状態にするのが有効です。
建物の耐用年数が残っている状態で売却する
不動産は高額なため、購入者は基本的に銀行からお金を借りて物件を購入します。
自己居住用の物件の場合は住宅ローンが利用でき、住宅ローンは古い物件でも長期で融資を引くことが可能ですので、耐用年数を過ぎた古い物件でも売却するのが困難になるようなことはありません。
しかし、不動産投資用の収益物件の場合、融資の返済期間は建物の残存法定耐用年数に大きく影響を受け、築年数が古い物件では返済期間が短くなってしまったり、融資自体をしてもらえないことがあります。
建物の法定耐用年数は物件の構造により異なり、以下のように頑丈な建物ほど長くなります。
< 建物の構造別法定耐用年数 >
・鉄骨鉄筋コンクリート造 47年
・鉄筋コンクリート造 47年
・重量鉄骨造 34年
・木造 22年
・軽量鉄骨造 19年
融資期間は、法定耐用年数ー築年数を基本とし、そこから銀行によっては建物の状態やリフォームの有無、収益性、融資先との関係や財務内容などにより、何年かプラスしてくれます。
しかし、法定耐用年数を過ぎた物件を購入する際に30年など長期で融資を受けることは非常に困難です。
返済期間が短いとかなり頭金を入れないと1回当たりの返済額が高額になってしまうので、現金の収支(キャッシュフロー)が厳しくなってしまうので、買い手が限られしまいます。
他の方法として、ノンバンクから不動産担保ローンで長期融資を受けることが可能ですが、この場合返済期間は長くても金利が非常に高くなりますので、こちらも収益性は悪くなります。
買い手が限られるということは、買い手が有利になりますので、物件価格を安くしないと売却するのが困難になってしまいます。
なので、売却する際は建物の耐用年数がある程度残っており、買い手が融資を使って購入しやすい状態にしてあげた方が高く売却できる可能性が高くなります。
投資用物件をネットで探している人はわかると思いますが、ネットに掲載されている売り物件は法定耐用年数が経過した融資を受けづらい物件が多く、それに比べると法定耐用年数が残っており長期で融資を引ける物件は数が少ないです。
長期で融資が引ける物件は人気が高いために売れやすく、ネット上で売り出される前に売買されることも良くあります。
相続税対策で物件を探している人向けに売却する
不動産は市場で売買されている価格に比べて相続税評価額が低く、賃貸していたり購入時にローンを利用していたりするとさらに評価額を下げることができます。
一棟物のアパートやマンションの購入は相続税対策として非常に有効なので、相続税を抑えたい富裕層の方が相続税対策として購入することが増えています
相続税対策で不動産を購入する人は、相続税を抑えることが目的であって、不動産投資で儲けることを目的としていませんので、相続税圧縮効果の高い物件は投資用不動産としては割高な価格で売却できることがあります。
なので、売却するときは相続税評価額がいくらくらいになりそうなのか計算して、相続税圧縮効果が高そうなら販売資料などにそのことを記載してアピールするのが効果的です。
賃貸市況に詳しい不動産仲介会社に売却を依頼する
収益物件の価格はその物件がいくら収益をもたらすかによって大きく変わりますが、家賃相場や賃貸需要などがわからないと、そもそもその物件がいくら収益を上げるのかわかりません。
いくら収益を上げるのかわからないと、その物件の売却価格がいくらくらいが妥当なのかもわからないのです。
満室の場合の家賃総額をもとに売買価格を決めればいいのですが、空室がある物件の場合は、家賃相場などの賃貸市況に詳しいことが重要になります。
賃貸市況については、全国的に店舗展開していて転勤もある大手不動産仲介会社より、地場で長年営業していて仲介だけでなく管理も行っているような会社の方が詳しい傾向にありますので、売却の際は大手仲介会社より地元で長年営業している信用できそうな仲介会社にお願いするのがいいと思います。
融資アレンジができる仲介会社に売却を依頼する
収益物件を売却するには、欲しい人を見つけるだけでなく、融資に通って購入できる人を見つけなければいけません。
収益物件を購入する時に利用する銀行のローンは、住宅ローンに比べるとかなり審査が厳しくなっていますので、一般的な住宅の売買と比べると、購入希望者がローン審査に通らないことがよくあります。
また、住宅ローンと違って不動産投資用のローンは銀行によって審査基準がけっこう異なっており、構造や築年数、立地などによって融資が出やすい銀行と出づらい銀行があったりします。
なので、こういった銀行ごとの審査基準に精通し、どこの銀行だったら購入者は融資を受けることができるのかということを知っている仲介会社の方が高値で売却しやすくなるのです。
収益物件の売買が得意でない仲介会社は、各銀行の融資基準も知らなければ、銀行を紹介してくれることもありません。
その他、収益物件を購入するために銀行からお金を借りる時の審査項目としては、購入する物件や購入者の収入、資産背景(頭金をいくら用意できるか)などにもよるのですが、銀行に誰が紹介したかというのも意外と重要です。
銀行は一見さんが好きではなく、購入者が自分で直接銀行に行ったり、大して銀行と付き合いがない仲介会社の紹介で銀行に行ったりしても審査に通らないのに、銀行と付き合いの深い仲介会社の紹介で行くと審査に通ることがあったりします(これは実際に自分も経験したことがあります)。
不動産が高く売却できる条件
ここまでは高く売却する方法について解説しましたが、高く売れる不動産の条件も存在しています。
以下であげる条件に合致していればいるほど、高く売却できる可能性が高い物件ですので、該当する項目が多い方は強気の価格で売却することをおすすめします。
・交通利便性が高い(駅に近い、急行停車駅、複数駅徒歩圏、複数路線利用可能)
・生活利便性が高い(近隣の商業施設が充実している、大型商業施設が近い)
・都心部に近い(不動産は街の中心部に近いほど需要が高い)
・住環境が良い(整然とした区画で道路が広い街並み、大きな公園が近い)
・眺望が良い(東京タワーやスカイツリー、富士山が見える、前面に建物がない)
・自然災害に強い(高台にある、ハザードマップの危険区域になっていない)
・人口が増加傾向にある
・再開発が行われている
・新駅ができたり、乗り入れ路線が増える
・売り出し中の物件が少ない
・人気の名門小学校の学区
詳しくは以下の記事で解説しています。
>【資産価値が落ちない街の特徴】価値が下がらない不動産には共通点があった!
不動産の売却価格が安くなってしまうパターン
逆に不動産を売る時に、売却価格が安くなってしまうパターンもご紹介します。
なるべく以下でご紹介する状態で売却しないように気をつけましょう。
・売却期間が限られている
・ライバルになりそうな物件が多く売りに出ている時に売る
・自然災害の被害にあった直後に売却する
・敷地や建物、室内が汚い状態で売却する
・景気が悪い時に売却する
該当している項目が多ければ多いほど、安くでしか売却できない可能性が高くなります。
まとめ
不動産を高値で売却するコツ
・綺麗な状態にして見栄えをよくする
・購入しやすい状態にしておく
・購入者がすぐに利用できる状態にする
・購入者の不安要素を取り除く
・売却時にかかるコストを削減する
どんな物件でも使える高く不動産を売却する方法
・相場より高めの価格で売り出す
・景気が良い時期に売る
・購入者が買い急ぐ時期を狙う
・競合となりそうな売り出し物件が少ない時に売り出す
・時間をかけて売る
・実際に住んで良かったところを仲介会社に伝える
・内見の際には部屋を明るくして片付けておく
・建物や設備の点検、保証サービスを利用する
・複数の不動産仲介会社に物件周辺の不動産市況を聞く
・不動産仲介会社を競わせる
・大手不動産仲介会社に売却を依頼する
中古マンションを高く売却する方法
・大規模修繕後に売却する
・近隣で新築マンションが販売されているときは売却を避ける
・築年数が5の倍数を超える前に売る
・不動産投資家向けに売却する
・相続税対策で物件を探している人向けに売却する
一戸建てを高く売却する方法
・注文住宅の場合は、注文住宅で建てたことをアピールする
・植栽を綺麗な状態にしておく
・簡単かつ低額で修繕できるのに劇的に見栄えがよくなる場合は、リフォームしてから売却する
土地を高く売却する方法
・測量をする
・古い建物が残っている場合は中古戸建と売地の両方で売りに出す
収益物件を高く売却する方法
・一時的に損をしてもいいから高い家賃で契約する
・敷地や建物共用部、空室部分は綺麗な状態にしておく
・金利が低い時期に売却する
・最有効が貸家ではない物件は空室状態で売却する
・建物の耐用年数が残っている状態で売却する
・相続税対策で物件を探している人向けに売却する
・賃貸市況や収益物件の売買が得意な不動産仲介会社に売却を依頼する
不動産を売却するには、複数の仲介会社から近隣の不動産市況などの情報を集めて、適正な価格相場を知って少し高めに売りに出しましょう。
売却にあたっては、大手仲介会社の方が広告宣伝力がありますし、建物や設備の点検・保証サービスやその他様々なサービスを無料で利用できてお得な場合がありますので、おすすめです。
売却を検討している方は、大手仲介会社にいっぺんに売却査定依頼ができる不動産一括査定サイト【すまいValue】が便利だと思います。
すまいValueがどんなサービスなのかわからないという方や、口コミ・評判・体験談を知りたいという方は以下の記事をご覧ください。