駅前商業地や大通り沿いの開発用地は、内々で取引されることが多く、一般的に売り出し情報も成約情報も入手しづらいため、相場観がつかみづらくお困りの方も多いのではないでしょうか?
そこで、不動産開発用地を取得する際に用いられることが多い一種単価について、国土交通省のデータをもとに相場を調査してみました。
不動産売買相場の参考にして頂ければと思います。
一種単価相場に用いたデータと算出方法
今回利用したデータは、国土交通省のサイト【不動産情報ライブラリ】で公開されている、不動産取引価格情報を利用しています。
・不動産取引価格情報の中でも、東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)の【商業地域】に分類されているもの。
・土地だけの売買データ。
・土地の形状は不整形地を除く。
・取引された時期は、2021年第一四半期~2024年第二四半期
一種単価算定の際は、前面道路幅員と用途地域、指定容積率から実際に適用される容積率を算出し、成約坪単価と実際に適用される容積率を用いて、一種単価を算出しています。
【千代田区】の一種単価相場
【千代田区】の一種単価相場は、以下の通りです。
相場としては、最低一種単価 148万円 ~ 最高一種単価 400万円 となっております。
【中央区】の一種単価相場
【中央区】の一種単価相場は、以下の通りです。
相場としては、最低一種単価 40万円 ~ 最高一種単価 500万円 となっております。
ただし、勝どきの一種単価40万と45万の案件は、両方とも面積が2,000㎡以上、取引価格がそれぞれ78億と99億なので、大手デベロッパーなどが行った相当大規模な取引だと思われます。
金額的に購入できる人が限られる規模の物件とは言え、うらやましい限りです。
上記2つの取引を除くと、最低一種単価は94万円となっております。
【港区】の一種単価相場
【港区】の一種単価相場は、以下の通りです。
相場としては、最低一種単価 142万円 ~ 最高一種単価 813万円 となっております。
【新宿区】の一種単価相場
【新宿区】の一種単価相場は、以下の通りです。
相場としては、最低一種単価 83万円 ~ 最高一種単価 280万円 となっております。
新宿駅周辺のデータがないのが残念です。
ちなみに、2013年まで遡ると新宿駅徒歩5分、歌舞伎町で一種単価244万円というデータがあります。2013年頃は底値に近い時期でしたので、今だと倍の一種500万円くらいはするかもしれません。
【渋谷区】の一種単価相場
【渋谷区】の一種単価相場は、以下の通りです。
相場としては、最低一種単価 50万円 ~ 最高一種単価 2,375万円 となっております。
表参道~明治神宮前~原宿のあたりで、一種単価1,000万円オーバーの取引が複数見られ、東京都心5区の中でも断トツでトップクラスの一種単価となっております。
この辺りは、世界的な高級ブランドのお店が集積する他、世界的な観光地にもなっているとは言え、採算が合うのか少々疑問なレベルのような気がします。
東京都心【商業地】の一種単価相場まとめ
東京都心5区の商業エリアの一種単価相場は以下の通りです。
千代田区 … 148万円 ~ 400万円
中央区 … 40万円 ~ 500万円
港区 … 142万円 ~ 813万円
新宿区 … 83万円 ~ 280万円
渋谷区 … 50万円 ~ 2,375万円
ざっくり傾向を分析すると
・山手線人気駅周辺や内側の一等地 一種200万円台後半~
・山手線のターミナル駅以外や内側の一等地でない場所 一種150万円~200万円台後半
・山手線外側 一種100万円~200万円程度
といったところでしょうか。
一種単価は収益性や期待利回りの変化によって、今後も変動すると思いますが、現在の相場だと上記のような数値になっております。
今回は、東京都心5区商業地の一種単価相場について調査しましたが、一種単価をもとにつくった高級住宅街ランキングもありますので、興味のある方はそちらも是非ご覧ください。