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自主管理マンションとは?メリット・デメリットと購入するリスクを解説

購入を検討しているマンションが、自主管理だった。

自主管理マンションって、なに?買っても大丈夫なの?

という方の為に、自主管理マンションとはどんなものなのか?

メリット・デメリットとともに、購入するリスクや買っても問題のない自主管理マンションの見分け方について、元仲介会社勤務の宅建士が解説します。

自主管理マンションの購入を検討している方は、是非ご覧ください!

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自主管理マンションとは?

自主管理マンションとは、簡単に言うと、マンションの維持管理をマンションの住人たちが自ら行っているマンションのことをいいます。

マンションの管理方式には、様々な管理形態がありますので解説します。

マンションの管理とは?

マンションは、日頃の清掃など以外に、色々な法律条例などで行わなければいけないことが決まっています。

マンション管理の主な内容は、以下になります。

・理事会・総会運営

・設備の点検

・建物や設備の修繕

・管理人業務

・清掃

・会計

繰り返しになりますが、上記には法律等で義務付けられているものもあり、専門的な知識が必要で、手間もかかります。

これらを自分達で行うことも可能ではありますが、困難だったり面倒なこともありますので、様々な管理形態が存在しています。

マンション管理方式の種類

マンションの管理方式には、大きく分けて3つあります。

1,全部委託方式

マンションの管理運営に関すること全てを、外部の管理会社に委託する方式です。

・メリット  … 居住者はとても楽、積立金などお金の管理がしっかり行われる。

・デメリット … コストが高い

2,一部委託方式

例えば、会計に関することや管理人業務など、マンション管理運営の一部だけ、外部のマンション管理会社に委託する方式です。

・メリット  … 全部委託方式に比べると管理費が安い

・デメリット … ある程度手間がかかる

3、自主管理方式

マンション管理運営に関することを、全て区分所有者達が自ら行う方式です。

メリット・デメリットについては、後ほど詳しく解説します。

マンション管理方式ごとの割合

下のグラフは、国土交通省が行った平成30年度マンション総合調査結果のデータをもとに、マンション管理方式ごとの割合を示しています。(未回答の数値は除外)

マンション管理方式の割合
出典:平成30年度マンション総合調査結果のデータを引用して作成

この資料によると、全部委託方式は78%、一部委託方式は14%、自主管理方式は7%となっています。

7%と言われると少ないように感じますが、全国には約10万(棟数だと12万棟)ものマンション数があります。

単純に考えると、約7,000もの数のマンションが自主管理方式を採用していることになるので、それほど珍しいものではありません。

なので、普通にマンションを購入しようと探していたら、自主管理マンションだったなんてこともありうるのです。

こんなに採用されているなら、特に気にする必要ないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、全部委託方式のマンションと同じような感覚で住むのは危険です。

しっかりとメリット・デメリットを理解してから、購入するようにしましょう。

自主管理マンションの【メリット・デメリット】

それでは、自主管理方マンションのメリット・デメリットを解説していきます。

自主管理マンションのメリット

自主管理マンションのメリットは、以下の4つです。

・管理費が安い

・修繕費が安い

・居住者の管理運営意識が高い

・居住者間のコミュニケーションが盛ん

それぞれ解説します。

管理費が安い

全部委託方式は、管理運営を管理会社に委託するので、実際にかかったコスト以外に、管理会社の利益分も支払う必要があります。

自主管理は、管理会社へ支払うコストがありません。

また、清掃などを自分達で行う場合は、清掃費などもかかりません。

修繕費が安い

修繕をマンション管理会社に依頼する場合、管理会社は下請け会社の見積りに数十%料金を上乗せしています。

また、管理会社が紹介してきた業者と直接契約する場合でも、紹介料などのキックバックを管理会社は受け取っていると言われています。

その他、それほど必要のない工事を行うなど、修繕はマンション管理会社にとっては、利益を得る機会のような存在になっているのです。

自主管理で自分達で、修繕箇所を調べ安い業者に発注すれば、かなり修繕費や点検費用を安く抑えることができます。

居住者の管理運営意識が高い

自分達で管理運営する場合、当事者意識があるので、総会などへの参加や運営に積極的に参加する人が多いと言われています。

こういった場合、建物の維持管理が適切に行われて、築年数が経過してもきれいな状態を保つことができます。

居住者間のコミュニケーションが盛ん

自主管理の場合、総会の運営や連絡事項なども、すべて所有者が行うので、必然的にコミュニケーションをとることが増えます。


メリットをまとめると、自主管理マンションは管理運営コストの低さが、最大のメリットです。

住む以外何もやりたくないという方でなければ、うまく運営されている自主管理マンションを購入するのもアリだと思います。

自主管理マンションのデメリット

自主管理マンションのデメリットは、以下の4つです。

・管理の質が低い可能性がある

・管理費などが適正に管理されないリスクがある

・トラブル対応が難しい

・住宅ローンが使えない可能性がある

それぞれ解説します。

管理の質が低い可能性がある

マンション管理会社には、豊富な知識・経験があります。

国土交通省が公表している、平成30年度マンション総合調査結果によると、マンション管理組合が抱えるトラブルの内、マンション管理業者に関わるものは2%程度しかないため、管理会社に対して不満を抱えている組合は殆どないという結果になっています。

自主管理マンションの場合、豊富な知識・経験がある人がいる可能性は低いことに加え、いたとしてもその人がマンションを売却していなくなる可能性もあります。

そういった場合、管理会社による管理運営に比べて、質がかなり落ちる可能性があります。

管理費などが適正に管理されないリスクがある

管理費や修繕費などで集めたお金は、けっこうな額になります。

マンションの規模によっては、億を超えることも珍しくありません。

集めたお金の管理をしている理事が、使い込んでしまうなどの問題が発生することがあります。

過去には、管理費などを横領して、理事が逮捕された事件がありました。

トラブル対応が難しい

管理会社に管理を委託している場合は、マンション居住者の間でトラブルがあったとき、管理会社が第三者の立場で仲裁してくれることもあります。

自主管理の場合、居住者達で解決しなければいけません。

問題行動をとる居住者を理事が直接注意したり、管理費などの滞納があった場合の督促なども、行わなければいけません。

こういったトラブルは、第三者が行った方が問題が解決しやすかったり、住み心地が悪くなりにくいものです。

住宅ローンが使えない可能性がある

自主管理のマンションは、住宅ローンが利用できない場合があります。

特に小規模な自主管理マンションだと、その可能性が高くなります。

住宅ローンが使えないマンションの詳しい特徴や、住宅ローンが使える銀行については、別の記事で詳しく解説していますので、ご興味のある方はそちらをご覧ください。

自主管理マンションは、住宅ローンが使えない?物件を購入する際の注意点を解説

自主管理マンション購入のリスク

少しデメリットと似ている部分もあるのですが、自主管理マンションの購入には普通のマンションにはないリスクがあります。

リスクとしは以下のようなものが挙げられます。

・将来売却できなくなるリスク

・管理が全く行われず、荒れ放題になるリスク

・管理費や修繕費が横領されるリスク

それぞれ解説します。

将来売却できなくなるリスク

先ほどデメリットで紹介しましたが、自主管理マンションは規模や物件の管理状況によっては、住宅ローンを利用できない場合があります。

自分たちは現金で購入するから大丈夫なんて人もいるかもしれませんが、将来的に売却できなくなる可能性があります。

購入する人は、普通住宅ローンを利用するからです。

売却できない物件は資産価値がないどころか、場合によっては管理費や修繕費が重くのしかかりますので、購入することはオススメできません。

管理が全く行われず、荒れ放題になるリスク

自主管理の場合、プロではなく一般の人たちで管理することが多いです。

上で解説した通り、マンション管理の業務内容は多岐にわたりますので、そう簡単にやれるようなことではありません。

最悪の場合、誰も管理することなく荒れ果ててしまう可能性があります。

実際に滋賀県野洲市で老朽化したマンションが放置された挙句、行政代執行により建物が解体された事例があります。

1972年築、総戸数9戸、鉄骨造3階建て、【美和コーポ】という名称の分譲マンションです。

下の写真は、解体される前の実際の写真です。廃墟化が進み過ぎて、壁さえありません。

廃墟になった滋賀県野洲市の分譲マンション
実際に廃墟化して話題になったマンション google ストリートビューから引用

廃墟になった理由は、分譲当初から管理組合が存在せず、維持管理がされていなかったことが原因の一つと言われています。

管理費や修繕費が横領されるリスク

マンション管理会社に管理をお願いする場合、管理費や修繕費などのお金は、マンション管理会社が管理します。

マンション管理会社の社員が横領する可能性の0ではありませんが、万一そのようなことが起きても、会社側が責任をとるでしょう。

自主管理マンションの場合、自分達でお金の管理もしなければなりません。

マンション住民が手間のかかる理事を誰もやりたがらなくて、毎年一人の人がやるような場合、お金の管理がしっかり行われない可能性があります。

毎年帳簿をつけていない場合などは、横領されているかどうかもわかりづらいです。

しっかりと管理組合が運営されていて、お金の管理も大丈夫そうなのか、マンションを購入する前に確認した方がいいでしょう。

購入してもいい自主管理マンションの特徴

自主管理マンションのメリット・デメリットを紹介していきましたが、結局購入していいのかやめたほうがいいのか、わからないという方の為に、買っても問題ない自主管理マンションの特徴を解説します。

管理運営に専門家を活用している

自主管理の最大の問題点は、管理の知識や経験があまりない人達が、行うという点です。

これを補うのが、マンション管理士などのコンサルタントです。

コンサルタントなどを活用して、自分達の知識経験不足を補いながら、自主的に低コストで管理運営しているマンションであれば、問題ありません。

中~大規模マンション

小規模マンションで自主管理の場合、特定の理事の力が強くなりすぎる場合があります。

中~大規模マンションの場合、数が多いのでそのようなことが起こりにくくなります。

また、銀行も小規模な自主管理マンションには、住宅ローンの融資をしないことがありますので、自主管理マンションを購入するとしても、最低でも総戸数が50戸くらいはあるマンションを、購入した方がいいです。

マンションの外観や共用部がきれい

管理状態のいいマンションは、集合ポスト・共用廊下、駐輪場などの共用部分が、きれいです。

また、きちんと修繕されているマンションは、築年数が経っていてもきれいな外観をしています。

このようなマンションは、管理状態の良さもありますが、住民のモラルが高いことの現れでもあります。

自主管理マンションで、見るからに汚いマンションは、購入を控えた方がいいでしょう。

管理規約などの書類がある

中古マンションを購入する前には、管理形態に関わらず、以下の書類を必ず取り寄せて確認しましょう。

管理規約・使用細則・修繕記録・長期修繕計画表・重要事項調査報告書・総会議事録

上記書類は、管理会社に管理を委託しているマンションでも、存在していない場合があります。

存在している書類の種類が多いマンションほど、管理状態がいいと言っても過言ではありません。

基本的に、管理規約重要事項調査報告書はありますが、この2点が入手できないような物件は、絶対にやめたほうがいいです。

まとめ

自主管理マンションは、管理を委託しているマンションに比べて、当たり外れが激しいです。

うまく管理できているのかどうか見極めることが、重要です。

マンションの管理など、一切やりたくないという方は、上手く管理されているとしても、自主管理のマンションを購入するのはやめたほうがいいと思います。

< 自主管理マンションのメリット >

管理費・修繕費が安い

居住者の管理運営意識が高い

居住者間のコミュニケーションが盛ん

< 自主管理マンションのデメリット >

管理の質が低い可能性がある

管理費などが適正に管理されないリスクがある

トラブル対応が難しい

住宅ローンが使えない可能性がある

< 自主管理マンション購入のリスク >

将来売却できなくなるリスク

管理が全く行われず、荒れ放題になるリスク

管理費や修繕費が横領されるリスク

< 買ってもいい自主管理マンションの特徴 >

管理運営に専門家を活用している

中~大規模マンション

マンションの外観や共用部がきれい

管理規約などの書類がある

自主管理マンションは、購入しても将来売却できない可能性があります。

自主管理マンションの売却について解説している記事もありますので、興味のある方はご覧ください。

自主管理マンションが売れない理由と、上手な売却方法

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