戸建やマンション土地など、家を購入するとき、誰もが安く購入したいと思うものです。
しかし、何でもかんでも値引き交渉しても、上手くいきません。
値引き交渉は、成功しやすい物件、タイミングが存在するからです。
この記事では、新築や中古、物件種別ごとに、値引き交渉が成功しやすい物件やタイミングを解説しています。
これを読めば、不動産値引き交渉の成功する確率が、上がるかもしれません!
不動産の値引き交渉のコツを解説!
不動産の値引きで注目したいポイントは、主に3つあります。
売主が不動産業者なのか、個人なのか?
どんな物件なのか?
売主はどういう状況なのか?
この3点に注目して、交渉するのが値引き成功のコツです。
ただし、上記に関係なく値引きが成功するパターンがあります。
それは例えば、3,980万円の80万円や、4,100万円の100万円など、端数を値引きしてもらうことです。
端数は、売り出すときから値引きを前提にしてることがあるので、値引き交渉すると成功しやすいです。
その他のパターンに関しては、以下で詳しく説明します。
新築物件(戸建て・マンション)の値引きのコツ
新築物件で値引きが期待できるパターンは、売れ残り物件、売主業者の資金繰りが厳しいとき、決算期などです。
新築物件の最大の特徴は、売主が不動産業者であることです。
彼らは、利益を得るために物件を売っているのですが、値引きできないなんてことはありません。
売れ残り物件
新築戸建ての場合、売主の不動産業者は、土地を仕入れてから家を建てて売却するまで、大体半年~1年くらいを想定しています。
マンションの場合、規模にもよりますが、戸建てより長期で1年以上~数年になります。
物件を仕入れる際は、銀行に融資を受けることが多く、こういった融資はプロジェクト融資といいます。
プロジェクト融資は、土地を仕入れるタイミングで借入し、売却時に一括返済します。(マンションや複数の土地・戸建てを分譲販売する場合は、1件売れるごとに少しづつ返済する)
仕入れから売却完了までは、金利のみ支払うことになります。
売却時に返済するのですが、一応期限が決まっており、戸建てだと1年~1年半くらいになっています。
この期限は、通常であればある程度余裕のあるものですが、物件が売れ残ってしまうと、返済することができなくなってしまいます。
この期限が近くなってくると、不動産会社は値引きに応じやすくなります。
不景気で、売主の不動産業者の資金繰りが厳しいとき
景気が悪化して、不動産業者が銀行からお金を借りにくくなると、資金繰りが厳しい不動産会社は物件を売却して資金を確保しなければ、倒産してしまいますので、値引き交渉に応じやすくなります。
リーマンショックの時は、世界的に金融がストップしてしまったので、多くの不動産デベロッパーが倒産しました。
この時起こったのが、不動産業者による投げ売りです。
決算期
会社にもよりますが、多くの会社にとって、9月や3月は決算になっています。
決算前になると、少しでも決算内容を良くするために、多少値引いてでも販売することがあります。
中古戸建・中古マンションの値引きのコツ
中古戸建や中古マンションは、基本的に売主が個人です。
個人は不動産で利益をだすことが目的ではないので、新築物件とは値引きできる物件の特徴や、時期などが異なります。
中古物件で、値引きが期待できるパターンは、売れ残り物件、物件に問題がある、売主が売り急いでいる、などです。
売れ残り物件(中古)
新築の値引き交渉のコツでも、売れ残り物件は値引きが期待できると説明しましたが、中古でも売れ残り物件は値引きが期待できます。
しかし、新築と中古では、同じ売れ残り物件でも、売主が値引きする理由が異なります。
中古物件の売主が、売れ残り物件を値引きする理由は、単純に時間が経つと不安になるからです。
物件を売りに出してすぐの頃は、情報自体が新しいので、問い合わせや内見依頼もきたりするのですが、時間が経つと内見どころか、問合せすらなくなります。
(売り出した時点で、値付けが高すぎたりすると、はじめから問合せすらこないこともあります)
仲介会社の営業は、売主に対して定期的に、『今週は問い合わせが何件ありました。』などど報告しているのですが、何も問い合わせなどがないと、さすがに売主も不安になります。
なので、売りに出ている物件に問い合わせをいれるときは、売り出したのはいつか?を必ず聞きましょう。
これが3か月以内だと、まず値引き交渉は難しいです。できても3,980万円などの端数80万円くらいでしょう。
3か月売り出してみて、反響がけっこうあった場合は、そのまま強気に価格を変えずに売り出しますが、反響があまりなかった場合は、3か月過ぎるとかなり不安になってきます。
半年過ぎるようであれば、反響が多少あっても、焦る人が多いです。
ただし、1年以上売れ残っている物件だと、逆に一切値引きしてくれないことがあります。
売主の中には、かたくなに価格を変えない方がいます。
私が仲介会社で働いていたとき、赴任した店舗で、赴任当初から売りに出していて、私が約5年後に異動したときまで、ずっと売れ残っている物件がありました。
理由は、一切値下げしないからです。
物件に問題がある
物件に問題があると、かなり物件価格を安くしないと、売れません。
しかし、仲介会社が媒介契約を取るために、高い査定額をだして、相場より高い金額で売りにでていることがあります。
こういった物件は、売れ残るので値引き交渉しやすくなります。
また、売主も物件の問題点についてよく理解していることもありますので、問題点を値引き交渉の材料にして交渉すると、成功しやすくなります。
値引きしやすい物件の特徴を、いくつかご紹介します。
1,物件の規模が大きすぎる
例えば、都内のように、普通の家族が購入できる土地の広さが30坪以下のような場所で、50坪など一般人には買えない広さの土地は、売れ残りやすいです。
2,物件の規模が小さすぎる
土地に家を建てたとしても、60㎡くらいしか建たないような土地や、それくらいの中古戸建などは、需要が少ないので、売れ残りやすいです。
3,険悪施設がある
騒音を出す施設や、臭いを出す施設が近くにある。
4,土地がいびつな形をしていたり、高低差が激しい
日当たりが悪くなったり、建設費が割高になってしまいます。
形が悪い土地について解説している記事もありますので、興味のある方は是非ご覧ください。
5、前面道路が狭い
道路が狭いと、車の利用が困難、大きな建物が建てられないなどの問題があります。
こういった問題のある物件では、問題点を利用して値引き交渉しましょう。
問題のある物件に関して、もっと知りたいという方は、以下のリンクをご覧ください!
売主が売り急いでいる
売主の個人的な理由で、売却期限が決まっている場合は、値引き交渉が成功しやすいです。
よくある理由が、住宅ローンを払えない、離婚する、相続税の納税期限が迫っているなどです。
期限が決まっている場合は、はじめから割安な価格で売りに出すこともありますが、とりあえず始めは高めにだすこともあります。
売主が売り急いでいるのかどうか知るために、必ず仲介会社に売主の売却理由を聞きましょう。
土地の値引きのコツ
土地に関しては、売主が個人なのか不動産業者なのかを確かめましょう。
仲介会社に聞けば、わかります。
売主がどちらなのかわかれば、あとは上で記載したコツを利用して下さい。
まとめ
不動産の値引き交渉は、以下の3点に注目する。
売主が不動産業者なのか、個人なのか?
どんな物件なのか?
売主はどういう状況なのか?
新築戸建てや、新築マンション、リノベーションマンションは、売主が不動産業者
新築物件で値引きが期待できるパターンは、
売れ残り物件、売主業者の資金繰りが厳しいとき、決算期
中古戸建や中古マンションは、売主が個人
中古物件で値引きが期待できるパターンは、
売れ残り物件、物件に問題がある、売主が売り急いでいる
土地は、売主が個人・法人両方ありえるので、確認して対応しましょう。
最後に、値引き交渉は、言うだけならタダです。
始めから無理だと思わず、言ってみることが大事です。