
購入を検討しているマンションが自主管理だった…なんて方もいらっしゃると思います。
よくわからないけど、気にしないという方、ちょっと待ってください!
自主管理のマンションは、住宅ローンが使えない可能性があります。
この記事では、住宅ローンが使えない自主管理マンションの特徴を解説します。
後ほど解説する特徴に該当するマンションの購入を検討している方は、住宅ローンが利用できず購入できない可能性があります。
この記事を読めば、自主管理マンションでも使える可能性のある住宅ローンと、購入対象から外すべき物件がわかります。
マンションの管理方式は2種類ある
マンションの管理方式には、管理を管理会社に委託している【管理委託方式】と、所有者達が自分達で管理している【自主管理方式】の二種類の管理形態があります。
管理委託と自主管理では、それぞれメリット・デメリットがあるのですが、自主管理のデメリットの一つに、住宅ローンが使えない可能性があります。
自主管理マンションのメリット・デメリットについて、詳しく知りたい方は、別の記事で詳しく解説しているので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
>> 買う前に知っておきたい!自主管理マンションの【メリット・デメリット】
マンションの管理方式が自主管理だと住宅ローンが使えない理由
なぜ自主管理だと住宅ローンが使えなくなることがあるかというと、将来的にそのマンションの価値が保てない可能性があるからです。
価値が保てないと予想される物件は、金融機関としては担保価値のないものとみなすので、融資してくれません。
マンションを管理するときの主な業務は、
・共用部の清掃
・設備の点検
・管理組合の運営
・収支報告書の作成
・管理費修繕積立金の徴収
・修繕計画の立案
・修繕工事の実施
など多岐に渡ります。
これらには、専門的な知識が必要になります。
そういった意味で、主に下記2点が重要なポイントになります。
・法令順守されているか
マンションの管理運営には、区分所有法を筆頭に様々な法令が関係しておりますが、自主管理の場合、法令の知識があるのか?法令が遵守されているのか?が重要です。また、法令で決められた点検などが行われない可能性もあります。
もし法令が守られていない場合、一部の区分所有者が管理運営の実権を握り、好き勝手ルールを決めてしまうことや、管理費修繕積立金の適正な管理利用がされない、エレベーターや消防設備などの安全が確保されないなどの可能性があります。
・建物の修繕が行われるか
一般の人は、マンションを一棟何十年も所有して、いついくらくらい修繕費がかかるのかなんて知りませんから、自主管理の場合、修繕計画の立案や修繕積立金の適正な額の決定、大規模修繕工事ができるのか?という疑問がわきます。
修繕費を急に一括徴収される可能性もありますし、大規模修繕工事が行えないと、建物が劣化していき価値が低下します。
上記2点は、最終的にマンション自体の資産価値に大きく影響します。
これらが、しっかり行われていると確認できるような物件でない限り、銀行は担保価値の見込めない物件と評価するので、住宅ローンを貸してくれません。
逆に言うと、自主管理でも管理運営が適切に行われていると確認できる場合は、住宅ローンも使えますし、資産価値にも影響はありません。
ただし、上記については銀行により判断基準が異なりますので、物件によってはA銀行では住宅ローンが使えても、B銀行では使えないなんてことは普通にあり得ます。
自主権利物件は、管理費が管理委託方式のマンションに比べて安いなどのメリットもあります。
自主管理だと、住宅ローンが使えなくなることがある理由についてわかったところで、どんなマンションだと住宅ローンが使えないのか?具体的な特徴を解説します。
住宅ローンが使えない自主管理マンションの特徴
住宅ローンが使えない自主管理のマンションの具体的な特徴は、以下の3つです。
・マンションの総戸数が少ない
・管理組合がない
・管理規約や長期修繕計画がない
それぞれ、詳しく解説します。
1,総戸数が少ない
総戸数が少ない規模の小さいマンションが自主管理の場合、住宅ローンが使えない可能性が高いです。
銀行それぞれの審査基準によるので、具体的に何戸以下だとダメとは言えないのですが、20戸以下だと断られる可能性高くなります。
戸数が少ない自主管理のマンションは、もともとマンションの土地を持っていた地主が、マンション事業者と協力して建設されたものが多く存在します。
そして現在も元地主が住み続けて、理事長として管理修繕などを行っていることがあります。
このような物件だと、理事長のマンションに関する知識や法令遵守意識などが、非常に重要です。
物件の外観を見て、汚い・ボロいというような印象を持ったら、室内がいくらきれいでも購入するのはやめておいた方がいいでしょう。
2,管理組合が存在しない
自主管理の場合、管理組合がないことがあります。このような物件は滅多にないのですが、住宅ローンが使えない可能性が高いです。
管理組合のない物件は、マンションというより、単に一つの建物を他人と共同所有しているようなものなので、売主や居住者に詳しく話しを聞かないと、どのような状態になっているのかわかりません。
マンションは主に区分所有法などの法律をもとに管理運営されていますが、管理組合がないマンションの場合、どれだけ法律が守られて運営されているかもわかりません。
3,管理規約や長期修繕計画がない
自主管理の物件では、管理規約が無い場合があります。
また、中古マンションを売買する際、不動産仲介会社は、そのマンションの管理規約、重要事項調査報告書、長期修繕計画書、総会議事録などマンションの管理運営に関する種類を、マンションの管理会社または管理組合から取り寄せ、マンション購入者に重要事項として説明します。
これらの書類は通常管理会社が作成しますが、自主管理の場合は管理組合が作成しなければならず、最悪の場合これらの書類がないこともあります。
その場合、法令遵守や管理運営に問題がある物件とされ、金融機関の評価が著しく下がり住宅ローンが使えない物件ということになります。
総戸数が少ない物件ほど、こういった傾向が強いので、金融機関によっては自主管理で総戸数が一定数以下の場合、機械的にはじいてしまいます。
戸数が少ない自主管理のマンションでも、使える可能性のある住宅ローン
戸数が少ない自主管理のマンションでも、使える可能性のある住宅ローンがあります。
それは、フラット35です。
フラット35には、管理形態と、戸数による利用制限がありません。
しかし、管理規約が定められていることと、20年以上の長期修繕計画書がないと、利用できません。
その他にも、新耐震基準または、耐震基準適合証明書が必要なことや、建物に関する基準が色々とあるので、そのあたりをクリアする必要があります。
フラット35について詳しく知りたいという方には、以下の記事で詳しく解説しております。
フラット35とは? フラット35の種類とそれぞれの特徴についてわかりやすく解説
フラット35の6つのメリットと4つのデメリット、利用する際の注意点について解説
もし、購入したいと思うマンションが、自主管理方式のマンションだった場合、住宅ローンについてはまずフラット35に相談してみましょう。
まとめ
自主管理マンションは、管理会社に管理を委託しているマンションに比べて、管理運営がしっかり行われていない可能性があり、価値が保てないと予想される物件は、金融機関としては担保価値のないものとみなすので、融資してくれません。
住宅ローンが使えない自主管理のマンションの具体的な特徴は、以下の3つです。
・マンションの総戸数が少ない
・管理組合がない
・管理規約や長期修繕計画がない
自主管理マンションの購入を検討する場合は、仲介会社に事前にしっかり確認してもらいましょう。特に総戸数が少ない物件の場合、要注意です。
フラット35であれば、戸数の少ない自主管理マンションであっても、住宅ローンが利用できる可能性があります。
色々と自主管理マンションのデメリットを説明しましたが、自主管理マンションは上手く運営されている場合は、管理委託方式のマンションに比べて、管理費や修繕費が安く済み、住人の管理運営意識も高いというメリットもあります。
とは言え、管理運営をお金を払ってでもお任せしたい!という方や将来的に売却するつもりの方には、自主管理マンションはおすすめしません。
自主管理マンションが売れなくて困っている方向けに、売却方法について解説した記事もあるのですが、実際に困っていると思われる方からよく読まれています。