人口が減少する街【縮退都市】はどうなる?日本や海外の事例をもとに起きることを解説

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少子高齢化の進む日本では、2008年の人口1億2,808万人をピークに、既に人口が減少しています。

2050年頃には、1億人を下回るとの予測もあります。

そうなってくると、街はどうなるのか?

日本国内や海外で実際に起こったことなどを解説します。

既に人口が減少し始めている街に住んでいる方は、今後自分の街がどうなっていくのか、予測するヒントになると思います。

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人口が減少する街【縮退都市】は、どうなる?

自治体が財政的に困窮する

人口が減少する街では、住人だけでなく、お店や会社などの法人も減少します。

また、人口が減ると不動産価格も下がるので、固定資産税など減少してしまいます。

これらにより、税収がどんどん減少していきますので、地方自治体が財政的に困窮します。

最悪の場合、自治体であっても破綻します。

日本での代表的な例は、北海道夕張市です。

夕張市は、もともと炭鉱で栄えた街でしたが、安価な石油の台頭や、海外産石炭との価格競争、事故の多発など、多くの問題を抱えて炭鉱が閉鎖されました。

炭鉱が閉鎖されたことで、人口が減少し、それを食い止めるために借金をして観光業などに力を入れましたが、2006年に破綻しました。

海外では、アメリカのデトロイト市が2013年に破綻しています。

デトロイトはもともと自動車産業で栄えた街でしたが、日本車の台頭などにより自動車産業が衰退し、人口が最盛期の半分以下に減少しました。

夕張市も、デトロイトでも財政赤字を食い止めるために、公務員のリストラや、行政サービスの削減がされ、人口流出さらに進みました。

日本では最も安定していると思われている公務員が、リストラや給与カットされたのです。

公共施設がなくなる

公共施設は、運営費・管理費や修繕費など、維持コストがかかります。

自治体の税収が減ると、公共施設の維持ができなくなりますので、閉鎖されたり、統廃合されます。

道路や橋など、インフラの整備修繕がされなくなる

日本では、高度経済成長期に全国で急速にインフラ整備が進められましたが、現在では当時造られたインフラの老朽化が問題となっています。

インフラの修繕等は、多額のコストがかかるため、人口が減少している自治体では対応できない場合があります。

実際に、トンネルの崩落事故がおきたり、通行止めになっている橋が増えています。

人口が減少していく街では、インフラの老朽化対策が困難になり、橋やトンネル・道路の通行止めが増えていく可能性があります。

学校が統廃合される

人口減少が進むと、子供の数が減ります。

少人数の子供のために、学校を維持していくのが困難になり、統廃合が進みます。

統廃合が進むと、学校までの距離が長くなる子供も増えるので、更に過疎化が進みます。

自治体の統廃合の話しがでる

自治体が財政的に困窮すると、一つの自治体で行政サービスや、公共施設を維持していくのが困難になりますので、近隣の自治体と統廃合の話しがでることがあります。

統廃合されると、自治体としては運営できますが、効率化の為に余分な施設などがなくなります。

公共交通機関がなくなる

人口が減少すると、公共交通機関を運営する企業が赤字に陥り、鉄道の廃線や路線バスの廃止などが起こります。

これは決して珍しい話ではなく、日本では毎年のように廃線される鉄道があります。

国土交通省の資料(近年廃止された鉄軌道路線)によると、平成12年以降、全国で44路線の鉄道が廃止されています。(令和2年5月7日現在)

引用:国土交通省 近年廃止された鉄軌道路線

商業施設や、遊技施設がなくなる

人口が減少した街では、買い物をしたり遊ぶ人も少なくなるので、商業施設や遊戯施設がなくなります。

スーパーやショッピングモール、デパートなどの商業施設

劇場や映画館、カラオケ店やボーリング場などの遊戯施設

これらが亡くなると、買い物が不便になり、遊ぶ場所もなくなるのに加え、働く場所もなくなります。

企業が倒産したり、移転したりする

人口減少が減少すると、売上が減少して赤字になり、倒産する企業がでてきます。

また、黒字経営している会社でも、労働者の確保が困難になり、人手不足倒産や、人手の確保できる場所への移転などが増加します。

日本では、人口のピークは2008年でしたが、働き手である生産年齢人口は1995年をピークに、減少し続けています。

都市部でも人手不足が常態化しているので、人口減少地域で雇用を確保するのは、非常に困難になります。

病院や介護施設がなくなる

病院は患者数がある程度いないと、経営を続けることができません。

また、介護施設などは、介護する人がいても、労働者を確保するのが困難になります。

住宅需要が減る

人口が減少する街では、住宅の需要が減ることで、様々な問題がおきます。

不動産価格が下がる

人口と不動産価格は直結している訳ではありませんが、住宅の需要が減ると、不動産価格が急速に下落します。

不動産は所有しているだけで、税金などの維持管理費がかかりますので、何も利用しないなら手放した方がいいのですが、利用価値のない不動産はそのような理由により、誰も欲しがりません。

バブルの頃に流行った、リゾートマンションでは、温泉付きで維持費が高く誰も欲しがらないために、マイナス価格(売った方がお金を払って引き取ってもらう)での取引が行われているとの話しもあります。

人口や人口密度と、不動産価格の関係を調査した記事もありますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

賃貸需要が減る

そこに住みたいと思う人が減るので、賃貸需要が減ります。

賃貸需要の低下は、賃料下落・空室率増加に結び付きます。

多額の借金をしてアパートなどを建設しても、回収できずに破産する人もでてくるかもしれません。

アパート経営者の資金繰りが厳しいと、物件の管理や修繕もおろそかになるので、入居者がますます減ります。

ある地方都市では、人口が減少しているのにアパートが増えましたが、入居者がほとんどいない状況になっています。

近年そのような人のいない借家で、大麻を栽培して逮捕される事件が増加しています。

治安の悪化など、別の問題も発生しているのです。

空き家が増える

人口が減少する街では、住宅の所有者が亡くなっても、相続放棄する人がいたり、相続したとしても売れず、遠方に住んでいるので、管理できずに廃墟化したりします。

また、相続登記をせず、所有者が不明になっている不動産も増えており、国も相続登記の義務化を急いでいます。

裁判所が公表している相続放棄の件数は、令和元年度で225,415件もあります。

放棄された家は、解体される可能性は低く、廃墟が増えていくことになるでしょう。

実際に、アメリカで破たんしたデトロイト市は、廃墟化した街でも有名です。

まとめ

人口が減少する街では、人だけでなく、働く場所、買い物する場所、交通機関、病院、遊ぶ場所、行政サービスなど、あらゆるものが無くなっていくので、不便な街になっていき、ますます人口が減少するという、負のスパイラルが発生します。

地方都市などの不動産を相続した場合は、売れるうちに売ってしまった方がいいでしょう。

国や地方自治体も、人口が増加していた頃の都市政策では、やっていけないことを意識しはじめ、市街地を駅前などに集約する、コンパクトシティ構想を進めています。

無計画に広がった市街地を、集約することで持続可能な社会を作っていくしかありません。

こういったことを受け入れなければいけない状況に、既に日本はなっているのです。

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