2023年の公示地価が公表されましたので、東京都杉並区の地価上昇率が高い場所をランキング形式でお届けします!
国土交通省が公表した令和5年公示地価のデータを分析して、全体的な動向と、地価上昇率が高い場所を調査しました。
世界的にインフレが進み、金利も上昇傾向となる中、杉並区で地価が上昇している場所はどこなのか?
その理由と、共通している特徴もわかります。
これから杉並区にマイホームを購入しようとしていて資産価値を気にする方、売却しようと思っている方、不動産投資家の方や、不動産業界の方などに役立つ情報となっておりますので、是非ご覧ください。
※なお、公示地価は標準的な代表地点の地価を示しており、全ての町丁目の地価を公表しているわけではありません。気になる場所がランキングにない場合は、近くの街の動向を参考にして下さい。
東京都杉並区の【住宅地】地価動向(2023)
2023年の東京都杉並区の住宅地の地価は、平均して前年比3.7%上昇しました。(昨年は2.0%上昇)
全地点が上昇しており、横ばいや下落地点はありませんでした。
テレワークの普及などにより広い家を求める人が増えていることや、コロナ禍から景気が持ち直していることなどが影響していると思われます。
2023年東京都杉並区【住宅地】地価上昇率ランキング TOP10
それでは、2023年に杉並区の中で地価上昇率が高かった場所TOP10を、ランキング形式でご紹介します。
地価上昇率が同じ場合は、地価上昇が高い街を上位にしています。
1位、5.3% 荻窪3丁目
2位、5.0% 永福3丁目
3位、4.7% 高井戸西1丁目
4位、4.7% 本天沼1丁目
5位、4.5% 高円寺北2丁目
6位、4.3% 高円寺南1丁目
7位、4.3% 西荻北3丁目
8位、4.3% 西荻南4丁目
9位、4.2% 和泉3丁目
10位、4.2% 久我山4丁目
中央線沿線や井の頭沿線の駅に近い街が上位にランクインしました。
ランクインした街がどんな街なのか?地価上昇理由とともに解説します。
1位、荻窪3丁目
地価上昇率 5.3%
2023年地価(㎡/円) 778,000円(2022年価格 739,000円)
地価上昇率1位は、JR中央線【荻窪駅】の南東側に位置する荻窪3丁目です。
南部には大規模な低層マンション、中央から北部にかけては一戸建てを中心にアパートが建ち並ぶ閑静な低層住宅街です。
最寄り駅の荻窪駅は、JR中央総武線以外に東京メトロ丸ノ内線の始発駅でもあるので、都心部へのアクセスが良好です。
< 地価が上がった理由 >
中央線は、利便性の良さから都内でトップクラスの人気を誇る路線で、丸ノ内線の始発駅でもある荻窪駅の人気は非常に高いものがあります。
そんな荻窪駅徒歩圏にある利便性良さだけでなく、良好な住環境の荻窪3丁目は、需要が旺盛であることから地価が上昇しています。
2位、永福3丁目
地価上昇率 5.0%
2023年地価(㎡/円) 760,000円(2022年価格 724,000円)
地価上昇率2位は、京王井の頭線の【西永福駅】周辺に位置する、永福3丁目です。
街全体の区画が整然としており、道路も広く整備された綺麗な街並みが特徴の高級住宅街で、主に規模の大きな一戸建てが建ち並んでいます。
駅が近いですが、西永福駅はそれほど商業地として栄えていませんので、繁華街のような煩さや治安の悪さを心配する必要はありません。
< 地価が上がった理由 >
杉並区は道路が狭く、すこしごちゃごちゃした感じの街が多いので、永福3丁目のように区画が綺麗で道路も広く整備された良好な住環境と、駅への近接性に優れる街の希少性は高く、需要も旺盛なことから地価が上昇しています。
3位、高井戸西1丁目
地価上昇率 4.7%
2023年地価(㎡/円) 561,000円(2022年価格 536,000円)
地価上昇率3位は、京王井の頭線【高井戸駅】の南西に位置する高井戸西1丁目です。
北部には都営住宅団地が、中央よりやや南側には老人ホーム、それ以外は中規模の戸建てが建ち並ぶ低層住宅地です。
町内は区画が綺麗で、道路も広めに整備されているところが多く、西に少し行くと高井戸公園があるなど、住環境の良い街です。
< 地価が上がった理由 >
渋谷と吉祥寺、人気のある両駅へのアクセスが良く、駅までも徒歩圏の交通利便性の高さと、良好な住環境から人気が高く、地価が上がっているものと思われます。
4位、本天沼1丁目
地価上昇率 4.7%
2023年地価(㎡/円) 539,000円(2022年価格 515,000円)
地価上昇率4位は、JR中央線【阿佐ヶ谷駅】と西武新宿線【鷺ノ宮駅】の中間に位置する本天沼1丁目です。
戸建てを中心に、アパートや低層マンションが建ち並ぶ閑静な低層住宅街です。
町内は区画が整理されていて住環境は良好ですが、道路が狭いところが多いことと、駅からやや距離があることが難点です。
< 地価が上がった理由 >
本天沼1丁目は駅から距離があるものの2駅2路線利用できることや、住環境がいいこと、杉並区の中では比較的不動産価格が安く、割安感から人気がでていることが、地価上昇の要因だと考えられます。
5位、高円寺北2丁目
地価上昇率 4.5%
2023年地価(㎡/円) 670,000円(2022年価格 641,000円)
地価上昇率5位は、JR中央線【高円寺駅】北東に位置する高円寺北2丁目です。
街の南西の駅に近い場所や線路沿い、大通り沿いは商業地なので、商業ビルや中層のマンションが建ち並んでいますが、駅から少し離れるとは、主に3階建ての戸建てや賃貸アパート、マンションが建ち並ぶ住宅街になっています。
住宅地が広がる地域は道路が狭いところが多いですが、駅に近く利便性の高い街です。
< 地価が上がった理由 >
人気路線の中央線の駅に近く交通利便性、生活利便性ともに高いことや、利便性が高い割に地価がそれほど高くないことなどから、地価が上昇していると思われます。
住宅地部分でも容積率が200%ある地域ですので、3階建ての一戸建てが建てやすく、新築一戸建てでも比較的手の届きやすい価格で売り出されることがあります。
6位、高円寺南1丁目
地価上昇率 4.3%
2023年地価(㎡/円) 685,000円(2022年価格 657,000円)
地価上昇率6位は、東京メトロ丸の内線【東高円寺駅】のすぐ北側に位置する高円寺南1丁目です。
駅前の青梅街道沿いや西側の環状七号線沿いには、中高層マンションや店舗などが建ち並んでいますが、少し大通りから中に入ると閑静な住宅街が広がります。
町内は小規模な一戸建ての他に、賃貸アパートやマンションも多く見られます。
< 地価が上がった理由 >
高円寺南1丁目は、杉並区の中でも東部の東京都心部に近い位置にある他、駅への近接性に優れ非常に交通利便性の高い街でので、マイホームが欲しい人だけでなく、賃貸アパートなどを建てたい不動産投資家や、建売業者など幅広い層から需要のある地域です。
また、北東にある中野駅周辺では、現在大規模な再開発が行われており、高円寺南1丁目に限らず中野駅周辺の街は東京都内でもトップクラスの高い地価上昇率となっています。
中野駅徒歩圏の高円寺南1丁目も、中野駅周辺の再開発の影響を受けて地価が上昇していると思われます。
7位、西荻北3丁目
地価上昇率 4.3%
2023年地価(㎡/円) 675,000円(2022年価格 647,000円)
地価上昇率7位は、JR中央線【西荻窪駅】のすぐ北側に位置する西荻北3丁目です。
駅前や東側の北銀座通り沿いには、店舗や中高層マンションなどが建ち並んでいいますが、駅から離れると区画が綺麗で道路も広く整備された良好な住環境の低層住宅地が広がっています。
北銀座通り沿いは商店街になっており、生活利便性も高い街です。
< 地価が上がった理由 >
駅前には商店があり、駅までも近い利便性の良さと、住環境の良さを合わせ持っていることから以前から人気の高い地域で、需要が底堅く地価が上昇しています。
8位、西荻南4丁目
地価上昇率 4.3%
2023年地価(㎡/円) 653,000円(2022年価格 626,000円)
地価上昇率8位は、JR中央線【西荻窪駅】の南東に位置する西荻南4丁目です。
区画が綺麗で道路も広く整備された良好な住環境が特徴の街で、比較的規模の大きい一戸建て住宅が建ち並ぶ閑静な低層住宅街です。
上のグーグルマップでは駅から遠そうに見えますが、町内の駅から遠いところでも徒歩10分程度の距離しかないため、駅へのアクセスも良好です。
駅が利用しやすい距離にあるけど、駅前の喧騒は感じない適度な距離感となっています。
< 地価が上がった理由 >
人気の沿線である中央線の駅徒歩圏にあり交通利便性が高く、駅前に商店街があり生活利便性も高いことに加え、住環境も良好なことから地価が上がっているものと思われます。
9位、和泉3丁目
地価上昇率 4.2%
2023年地価(㎡/円) 652,000円(2022年価格 626,000円)
地価上昇率9位は、京王井の頭線【永福町駅】のすぐ北東に位置する和泉3丁目です。
整然とした区画で道路も広く整備された優良な住宅地で、比較的規模の大きな一戸建てが建ち並んでいます。
北西に少し行くと、野球場やサッカーグラウンドがあったり、バーベキューが楽しめる和田堀公園があるのも魅力の一つです。
街の北側には善福寺川、南側には神田川が流れており、一見すると災害に弱そうですが、町内は高台になっており災害に強い地形をしています。
< 地価が上がった理由 >
駅徒歩圏の利便性の良さと、住環境の良さから需要は根強いですが、売り物件が少なくいことが地価上昇の理由と考えられます。
10位、久我山4丁目
地価上昇率 4.2%
2023年地価(㎡/円) 599,000円(2022年価格 575,000円)
地価上昇率10位は、京王井の頭線【久我山駅】・【三鷹台駅】のすぐ北側に位置する久我山4丁目です。
一戸建て住宅が多く建ち並ぶ閑静な住宅地で、西側の三鷹台駅の近くには規模の大きな戸建てが多く見られます。
区画が整然としており良好な住環境ですが、町内の道路がやや狭い(幅4m程度)ところが多いです。
両駅とも日常的な買い物に困ることはありませんが、三鷹台駅周辺はお店があまりないため、商店街のある久我山駅周辺の方が生活利便性は高いです。
< 地価が上がった理由 >
井の頭線の駅への近接性に優れ、住環境も良好なため地価が上昇しております。
また、杉並区の西部に位置し東京都心部からやや距離があるため、東側の住宅地に比べると割安感があることも人気が上がっている理由だと考えられます。
東京都杉並区【住宅地】地価変動率ランキング 順位表 (2023)
下の表は、2023年の杉並区【住宅地】公示地価を変動率順で並べたものです。地価も載せています。
変動率は(%)、価格は(㎡/円)です。
上昇率が同じ場合は、地価が高い街を上位にランク付けしています。
ちなみに地価が高い場所は、
1位 桃井4丁目、2位 荻窪3丁目、3位 久我山1丁目、4位 永福3丁目、5位 高円寺南1丁目となっています。
2023年 東京都杉並区の【住宅地】で地価上昇率が高かった駅
地価上昇率上位にランクインした街の最寄りの駅をあげると以下になります。
・JR中央線
荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺、西荻窪
・京王井の頭線
西永福、高井戸、永福町、三鷹台、久我山、浜田山
・東京メトロ丸ノ内線
荻窪、東高円寺
・京王線王
代田橋
地価上昇率が高い街はJR中央線と京王井の頭線の駅に集中しており、京王線と西武新宿線の駅は地価上昇率上位にはほとんどランクインしていませんでした。
中央線と井の頭線は、上り方面・下り方面ともに人気の駅がありますので、杉並区に限らず、東京23区の中でも人気のある路線です。
また、井の頭線沿線は住環境が良く、高級住宅街が多いことでも知られています。
コロナ禍以降、在宅勤務がある程度広がったことで、住環境のいい場所にある広めの家の需要が増えているという話しがありますが、在宅勤務もするけどたまに都心部へ出社することもあるという人たちのニーズに合っているのかもしれません。
東京都杉並区【住宅地】地価上昇率ランキング2023 まとめ
ランキング結果のまとめです。
<2023年の地価上昇率ランキングTOP10>
1位、5.3% 荻窪3丁目
2位、5.0% 永福3丁目
3位、4.7% 高井戸西1丁目
4位、4.7% 本天沼1丁目
5位、4.5% 高円寺北2丁目
6位、4.3% 高円寺南1丁目
7位、4.3% 西荻北3丁目
8位、4.3% 西荻南4丁目
9位、4.2% 和泉3丁目
10位、4.2% 久我山4丁目
< 杉並区で地価上昇率が高い場所に見られる特徴 >
・JR中央線、京王井の頭線沿線
・駅に近い
・整然とした街並みで住環境がいい
・不動産価格に割安感がある
ここ最近は、東京23区に限らず全国的に不動産価格が上昇しているため、割安感のある街の人気が高まっている印象があります。
また、杉並区の地価動向で面白いのが、23区の他の区では都心部に近い街の人気が高く、地価上昇率も高い傾向にあるのですが、杉並区では都心への距離はあまり関係しておらず、中央線や井の頭線沿線では、都心部から遠い西側の地域でも人気があり、高い地価上昇率となっています。
これは、下り方面にある吉祥寺駅の存在が想像以上に大きいのかもしれません。同じような傾向は、渋谷駅と横浜駅間を走る東急東横線沿線でも見られます。
コロナウイルスが流行しはじめて緊急事態宣言が出ていた時には、23区の多くの街の地価が下落しましたが、中央線沿線の駅に近い街は地価が下落しなかったところが多く、資産価値が高い街と言っていいでしょう。
今回は2023年の杉並区の地価上昇率ランキングをご紹介しましたが、東京都全体の地価上昇率ランキングもありますので、興味のある方は是非ご覧ください。
>2023年東京都【住宅地】地価上昇率ランキングTOP100 資産価値が上がる街はここだ!
その他、もっと長期的なデータや都心からの距離などのデータを用いて、東京で資産価値の高い場所どこなのか調べた記事もあります。