公示地価・基準地価や用途地域などの情報をもとに、東京都世田谷区の高級住宅街TOP10をランキング形式でご紹介します!
また、災害に対する強さ・住環境・生活交通利便性・資産価値という面から、各街について解説しています。
これから世田谷区にマイホームを購入しようと思っている方、住環境のいい街に住みたいと思っている方は、是非ご覧ください。
高級住宅街とは?高級住宅街ランキング評価基準
ランキングをご紹介する前に、そもそも高級住宅街とはどんな街のことをいうのか?高級住宅街ランキング評価基準について解説します。
一般的には、地価が高額な場所、区画が綺麗で道路が広い、閑静、緑が多く良好な住環境などに該当する場所が高級住宅街と言われることが多いですが、実は、高級住宅街に明確な定義はなく、個人の主観などによるものが多いのが実態です。
そこで当サイトでは、公示地価・基準地価や用途地域などの情報をもとに、以下の条件でランキングを作成しました。
条件1 用途地域は、低層住居専用地域か中高層住居専用地域
条件2 条件1に該当する地域の中から、公示地価から求められる一種単価が高額な街
【用途地域】とは、都市計画法をもとに行政が、どこをどのような街にするか建物の大きさや利用について制限するもので、全部で13種類あります。
その中でも、低層住居専用地域と中高層住居専用地域は、建ぺい率・容積率ともに低く制限されている他、店舗や事務所など住宅以外の利用が大きく制限されているため、静かで良好な住環境の街になります。
低層住居専用地域と中高層住居専用地域は、主に一戸建てや中低層マンションが多くある街です。
タワーマンションなどは、確かに高額で取引されていますが、駅前の商業地に建っていることが多く、騒音や日当たりなどを考えると良好な住宅地とは言えませんので、除外しています。
【一種単価】とは、容積率100%当たりの価格のことです。通常土地の価格は容積率が高いほど、大きな建物を建てられるため、マンションなどを建ててより多くの部屋を売ったり貸したりでき、地価も高くなります。
なので駅前の土地や、大きな道路沿いの土地などは、決して住環境がいいとは言えない街でも、容積率が高いことで住環境のいい街より地価が高いということは往々にしてあることなのですが、このような場所は地価が高いからと言って高級住宅街とは言えないと思います。
一種単価は、容積率が低い街では高くなり、容積率が高い街では低く算出されます。
これらを考慮すると、低層住居専用地域または中高層住居専用地域に指定されている街の中で、一種単価が高い街は、良好な住環境で地価も高い場所ということになるので、この情報をもとに高級住宅街ランキングを作成しています。
【東京都世田谷区】高級住宅街ランキングTOP10
それでは、東京都世田谷区高級住宅街ランキングTOP10をご紹介します。
価格は、令和4年の公示地価をもとに算出した土地1㎡あたりの一種単価です。
同じ町名で複数の公示地点がある場合は、最高値地点の情報を採用しています。
全国的にも有名な成城が堂々の第1位となりました。
成城は、成城学園が土地を購入、土地区画整理を行い開発・分譲した街です。
1位以外は東急線沿線の街で、2位~5位は大井町線沿線、6~9位は東急田園都市線沿線、10位は東急東横線沿線でした。
東急沿線の街も、当時の東京急行電鉄が鉄道沿線開発とともに、土地区画整理などを行い開発・分譲していました。
元々は雑木林や、畑が広がるような土地でしたが、開発によって区画が綺麗で道路も広く整備された高級住宅地に変貌しました。
また、上記街は全て高台にある街で、災害に強いのも特徴の一つです。
用途地域については、TOP10の街すべてが第一種低層住居専用地域に指定されており、建ぺい率は40~50%、容積率は80~100%、2階建ての一戸建て住宅が主体の街です。
第一種低層住居専用地域の街は、家と家の距離がある程度離れており土地いっぱいに家が建てられることもなく、建物の高さも低いので、開放感にあふれ日当たりや風通しがいいのが特徴です。
ランクインした街はどんな街なのか、それぞれの街の一種単価最高地点をご紹介致します。
1位 成城
一種単価最高地点 成城6丁目
最高地点一種単価(円/㎡)1,086,250円
最寄り駅 小田急線【成城学園前】
建ぺい率 40% 容積率 80%
用途地域:第一種低層住居専用地域
1位は、小田急線【成城学園前駅】周辺の街【成城】です。
一種単価最高地点は、駅北側に広がる成城6丁目です。
近くに東宝スタジオがあることから、昔から芸能人が多く住む街としても知られています。
・災害に対する強さ
成城は街の大部分が台地の上にあるため、災害に強いにも関わらず、平坦で暮らしやすい地形をしています。
6丁目は、住宅地となっている場所は全域が台地上にあるため、成城の中でも特に災害に強い場所です。
・住環境
成城は成城学園が雑木林だった土地を買い上げ、土地区画整理し分譲した街のため、区画が綺麗で道路も広く、一件当たりの土地面積も広めに整備されていて、とても開放的で暮らしやすい街並みとなっています。
町内には桜並木やイチョウ並木などが設けられている場所があり、景観もとても綺麗です。
その他、成城憲章という独自の街づくり協定があり、綺麗な街並みを守る取り組みがなされています。
具体的には、建物の高さ10m・最低敷地面積125㎡以上・敷地の緑化(敷地面積の20%以上)・塀の高さの制限や生垣の推奨などがあり、日本の豪邸街にありがちな、高い塀の要塞のような家だらけの閉塞感のある街にならないような配慮がされています。
駅前には日常生活を送るのに便利なお店がありますが、繁華街というほどではないため、少し離れた住宅街は静かな環境です。
全国屈指のお金持ちが住む街だけあって、銀行や証券会社の店舗、学習塾などが多いのが特徴です。
・交通利便性
最寄り駅の【成城学園前駅】は、小田急線1路線のみが利用できる駅で、一番早い快速急行は停車しませんが、急行や準急などは停車するので、都心までの通勤も便利です。
車での移動については、大きな主要道路が近くにないので、あまり便利とは言えません。
・資産性
2012年の地価 730,000円
2022年の地価 869,000円
10年間の地価上昇率 19.0%
この間の世田谷区全体の、住宅地平均地価変動率は25.6%でしたので、地価上昇率は世田谷区の平均にやや劣っています。
全国的にも有名な成城というブランド力や、良好な住環境、物件の供給量が少なく希少性も高いことから、今後も地価は底堅く推移すると予想されます。
2位 等々力
一種単価最高地点 等々力1丁目
最高地点一種単価(円/㎡)860,000円
最寄り駅 東急大井町線【尾山台】
建ぺい率 40% 容積率 80%
用途地域:第一種低層住居専用地域
2位は、東急大井町線【尾山台駅】周辺の街、【等々力】です。
一種単価最高地点は、駅の南西に位置する等々力1丁目です。
・災害に対する強さ
等々力一帯は街の大部分が台地の上にあり、災害に強いです。
1丁目は台地の端の部分にあたるため、北側の台地上では災害に強いですが、西には等々力渓谷、南には丸子川、東にも谷があり、場所によっては土砂災害や水害の危険性があります。
・住環境
町内は、一戸建てや低層マンションがある閑静な住宅街で、環状八号線沿い以外にはコンビニが1件あるくらいです。
区画が綺麗で道路も広く整備されています。
等々力1丁目は台地の端の部分にあたり、南に向かって下り坂になっている南ひな壇の土地のため、日当たりや風通し、眺望がいい場所です。
斜面にある街で、北側以外は谷になっていますので、坂が多いのが少し難点です。
・交通利便性
最寄り駅の東急大井町線【尾山台駅】の他、【等々力駅】も徒歩圏で利用可能です。両駅とも各駅停車しか停車しません。
大井町線自体も溝の口~大井町を結ぶ路線ですので、都心へのアクセスはあまり良くなく、鉄道の利便性は低い街です。
車での移動については、環状八号線や目黒通りが近く、高速道路の第三京浜や東名高速も利用しやすい位置にあるので便利です。
電車を使う人より、お金持ちで車で移動することが多い人の方が向いている街だと思います。
・資産性
2012年の地価 653,000円
2022年の地価 688,000円
10年間の地価上昇率 5.4%
この間の世田谷区全体の、住宅地平均地価変動率は25.6%でしたので、地価上昇率は世田谷区の平均に大きく劣っています。
建築規制が厳しいことや、鉄道の交通利便性が低いことなどから、今後も地価上昇率は他の地域に比べて低いと予想されます。
3位 上野毛
一種単価最高地点 上野毛2丁目
最高地点一種単価(円/㎡)848,750円
最寄り駅 東急大井町線【上野毛】
建ぺい率 40% 容積率 80%
用途地域:第一種低層住居専用地域
3位は、東急大井町線【上野毛駅】周辺の街、【上野毛】です。
一種単価最高地点は、駅の南西に位置する上野毛2丁目です。
・災害に対する強さ
上野毛2丁目も等々力1丁目同様、台地の端にあるため、北東部は標高が高く災害に強いですが、南西部は川沿いの低地になっているので水害の危険性があります。
また、町内の傾斜が急な場所には、土砂災害の危険性があります。
ちなみに上野毛の高台の端には、古墳がいくつかあり、古くから人が住んでいた(住み続けることができた)災害に強い安全な場所で、台地の端は時の権力者に愛される場所であったことがわかります。
・住環境
環状八号線から少し入ると、都会の喧騒から逃れるように、一戸建てや低層マンションが建ち並ぶとても閑静な住宅街が広がります。
北東の台地上にある地域は、特に区画が綺麗で道路も広く整備されており、豪邸と言われるような家が建ち並んでいます。
ちなみに、上野毛3丁目南西の高台の端には、東急創設者で実業家の五島慶太氏の自宅だった場所があり、現在は敷地の一部に五島氏の美術コレクションを展示している五島美術館があります。
町内には上野毛自然公園や二子玉川公園がある他、多摩川の河川敷も近いので水や緑が身近な環境でもあります。
日本の高級住宅街は、高い塀で囲まれた要塞のような家が建ち並んでいることが多いですが、上野毛には塀がそこまで高くなかったり、生垣を塀代わりにしている家が多く、圧迫感をあまり感じない開放的で落ち着きのある街並みが特徴です。
・交通利便性
最寄駅の東急大井町線【上野毛駅】まで近く、町内の遠いところからでも徒歩12分程度しかかかりません。
また、町内の住む場所によっては隣の駅の東急田園都市線・大井町線【二子玉川駅】も近いです。
上野毛駅は大井町線しか通っておらず、各駅停車しか止まらないので利便性は低いですが、二子玉川駅は2路線利用可能で、両路線とも急行が停車するので便利です。
車の移動については、環状八号線や国道246号線、駒沢通り、目黒通りなどの幹線道路の他、東名高速や第三京浜の出入り口も近く便利です。
・資産性
2012年の地価 594,000円
2022年の地価 750,000円
10年間の地価上昇率 26.3%
この間の世田谷区全体の、住宅地平均地価変動率は25.6%でしたので、地価上昇率は世田谷区の平均をやや上回っています。
良好な住環境でありながら交通利便性が高いため、地価上昇率は今後も世田谷区の平均よりやや上回って推移すると予想されます。
4位 尾山台
一種単価最高地点 尾山台1丁目
最高地点一種単価(円/㎡)788,750円
最寄り駅 東急大井町線【九品仏】
建ぺい率 40% 容積率 80%
用途地域:第一種低層住居専用地域
4位は、東急大井町線【尾山台駅・九品仏駅】周辺の街、【尾山台】です。
一種単価最高地点は、九品仏駅の南西に位置する尾山台1丁目です。
・災害に対する強さ
尾山台1丁目も台地の端にあるため、北東部は標高が高く災害に強いですが、南西部は川沿いの低地になっているので水害の危険性があります。
また、町内の傾斜が急な場所には、土砂災害の危険性があります。
・住環境
町内は一戸建て住宅が多く、低層マンションも見られ、一戸建て住宅は豪邸と呼ばれるような大きなお家も、数多く建ち並んでいます。
区画が綺麗で道路も広く整備されており、南側に向かって下り坂の傾斜のある南ひな壇の土地ですので、日当たりや眺望がいいです。
最近では、大規模な土地を不動産業者が100㎡くらいの土地に切り分け販売しており、土地の細分化がやや進んでいます。
・交通利便性
最寄駅の九品仏駅までは、町内の近いところで徒歩7分、遠いところで20分ほどかかります。
九品仏駅は、東急大井町線のみが通っており、各駅停車しか停車しない駅ですので、鉄道の利便性はそれほど高くありません。
車の移動に関しては、環状八号線や目黒通りが近く、第三京浜も利用しやすい位置にあります。
・資産性
2012年の地価 600,000円
2022年の地価 631,000円
10年間の地価上昇率 5.2%
この間の世田谷区全体の、住宅地平均地価変動率は25.6%でしたので、地価上昇率は世田谷区の平均に大きく劣っています。
最寄駅の利便性が低いことや、東京都心から距離があること、傾斜がややきついことなどから、今後も地価上昇率は世田谷区の平均より低く推移すると予想されます。
等々力1丁目同様に、電車を使う人より、お金持ちで車で移動することが多い人の方に向いている街だと思います。
5位 奥沢
一種単価最高地点 奥沢8丁目
最高地点一種単価(円/㎡)764,000円
最寄り駅 東急大井町線【九品仏】
建ぺい率 50% 容積率 100%
用途地域:第一種低層住居専用地域
5位は、世田谷区南東部に位置する【奥沢】です。
一種単価最高地点は、九品仏駅の南西に位置する奥沢8丁目です。
・災害に対する強さ
奥沢8丁目は上の色別標高図の通り、町内全体が台地上にある街ですので、あらゆる災害に強い街です。
・住環境
区画が碁盤の目状になっており、道路も広く整備されている綺麗な街並みです。
町内は一戸建て住宅を中心に、低層マンションやアパートが見られます。
台地の上にある街ですので、町内は全体的に平坦で生活しやすいのもポイントです。
・交通利便性
東急大井町線【九品仏駅】すぐそばの位置にあり、駅までの道のりも平坦でアクセスしやすいです。しかし九品仏駅は、大井町線一路線しか通っておらず、各駅停車しか止まりません。
一駅隣の自由が丘駅は、大井町線の他、東急東横線が通っており、両路線とも急行などが停車するので便利です。
車での移動は、環状八号線や目黒通り、高速道路は第三京浜が近く、国道246号線や東名高速もアクセスしやすいです。
・資産性
2012年の地価 601,000円
2022年の地価 764,000円
10年間の地価変動率 27.1%
この間の世田谷区全体の、住宅地平均地価変動率は25.6%でしたので、地価上昇率は世田谷区の平均をやや上回っています。
良好な住環境にくわえ駅から近いことや、すぐ隣の駅が交通や買い物などの利便性が高い自由が丘駅なので、地価上昇率が高くなっていると思われます。
また、自由が丘駅周辺では再開発が行われることが決定し、令和5年から工事が始まる予定となっています。
これにより、自由が丘駅に比較的に近い奥沢でも地価上昇率が高まる可能性があります。
6位 深沢
一種単価最高地点 深沢8丁目
最高地点一種単価(円/㎡)763,000円
最寄り駅 東急田園都市線【桜新町】
建ぺい率 50% 容積率 100%
用途地域:第一種低層住居専用地域
6位は、東急田園都市線桜新町駅から南方に広がる街、【深沢】です。
一種単価最高地点は、桜新町駅から少し南に位置する深沢8丁目です。
・災害に対する強さ
深沢8丁目は、全体的に台地の上にある街なのですが、町の北東に呑川が流れており、川沿いの地域では大雨が降ると浸水する可能性のある場所が存在します。
ただ、呑川は深沢~桜新町あたりの湧水が水源なので、河川の規模も大きくなく危険性は低いです。
それ以外の災害には強い街です。
・住環境
国道246号線沿いには中層のマンションが建ち並んでいいますが、中に入ると一戸建て中心の閑静な住宅街が広がります。
区画は綺麗ですが、一部道路が狭い場所があります。
町内のメインストリートは桜並木となっており、綺麗な景観です。
北東にある呑川緑道の方に向かって下り坂になっている場所がありますが、傾斜は比較的緩やかなので、不便と言うほどではないと思います。
・交通利便性
最寄り駅の桜新町駅までは、徒歩10~15分くらいの距離ですが、間に国道246号線があるので信号の待ち時間によってはもう少しかかります。
桜新町駅は、東急田園都市線1路線のみが通っており、各駅停車の他、準急が停車します。しかし、渋谷駅までは4駅しかありませんので、各駅停車でもそれほど不便ではありません。
また、田園都市線は東京メトロ半蔵門線と直通運転を行っておりますので、都心部へのアクセスも良好です。
車での移動は、国道246号線、環状八号線、七号線、駒沢通りに近く、高速道路は東名高速、第三京浜ともに利用しやすい位置にありますので、便利です。
・資産性
2012年の地価 625,000円
2022年の地価 763,000円
10年間の地価上昇率 22.1%
この間の世田谷区全体の、住宅地平均地価変動率は25.6%でしたので、地価上昇率は世田谷区の平均にやや劣っています。
駅から遠すぎるということもなく、住環境も良好なので今後も地価は底堅く推移すると予想されます。
7位 桜新町
一種単価最高地点 桜新町1丁目
最高地点一種単価(円/㎡)734,000円
最寄り駅 東急田園都市線【桜新町】
建ぺい率 50% 容積率 100%
用途地域:第一種低層住居専用地域
7位は、東急田園都市線【桜新町駅】周辺の街、【桜新町】です。
一種単価最高地点は、駅の南に位置する桜新町1丁目です。
サザエさん作者の長谷川町子さんが住んでいた場所としても有名で、自宅だった場所の近くには、長谷川町子美術館・記念館があります。
・災害に対する強さ
桜新町1丁目は、全体が台地の上にあるのであらゆる災害に強い街です。
・住環境
駅に近い中央から北側は少しごちゃごちゃしていますが、国道246号線に近い南側の地域は区画が綺麗で道路も広く整備された高級住宅街となっており、大きなお家も見られます。
地形は平坦またはかなり緩やかな坂となっているので、生活しやすいです。
駅北側の桜新町2丁目の方が区画が綺麗で道路も広く整備されていますが、こちらは戸建てよりマンションが多く建ち並んでいます。
桜新町駅前は、大手スーパーやドラッグストアなどもありますが、地元の個性あるお店も沢山あり、便利で親しみやすい街です。
・交通利便性
最寄り駅の桜新町駅まですぐの場所にあるので、町内の一番遠い場所からでも徒歩10分かかりません。
桜新町駅は東急田園都市線しか通っていませんが、渋谷まで各駅停車で4駅しかなく、渋谷から先は東京メトロ半蔵門線と直通しているため、都心部へのアクセスも良好です。
各駅停車以外に準急も停車します。
車での移動は、国道246号線、旧大山街道、世田谷通り、環状七号線、環状八号線などが近く、東名高速や第三京浜も利用しやすい位置にあるため、非常に便利です。
・資産性
公示地点の変更があったため、類似地点の情報をもとに地価上昇率をみてみます。
2014年の地価 550,000円
2022年の地価 734,000円
10年間の地価上昇率 33.5%
この間の世田谷区全体の、住宅地平均地価変動率は25.6%でしたので、地価上昇率は世田谷区の平均を大きく上回っています。
区画や道路はあまり綺麗に整備された街ではありませんが、災害に強く生活・交通利便性が高い閑静な住宅街なので、今後も世田谷区の中でも比較的地価上昇率が高いと予想されます。
8位 瀬田
一種単価最高地点 瀬田1丁目
最高地点一種単価(円/㎡)734,000円
最寄り駅 東急田園都市線・大井町線【二子玉川】
建ぺい率 50% 容積率 100%
用途地域:第一種低層住居専用地域
8位は、二子玉川駅と用賀駅の間にある街、【瀬田】です。
一種単価最高地点は、二子玉川駅の北東に位置する瀬田1丁目です。
・災害に対する強さ
瀬田1丁目は街の大部分が台地になっていますが、台地の端の部分にあたりますので周囲は低地や谷で囲まれております。
低地と台地の境目や谷になっている場所では、土砂災害の危険性があるほか、低地部では水害の危険性があります。
台地上にある地域は災害に強いです。
・住環境
規模の大きな一戸建てや中低層マンションが建ち並ぶ住宅街です。
南側の二子玉川駅に近い地域は、とても急な傾斜の坂道になっていますが、そのぶん日当たりや眺望がいいので高級マンションや大きな家が建ち並んでいます。
坂を登ったところは台地の端にあたるので日当たりが良く、二子玉川の街が一望できます。
坂を登ったところは、台地になっているので平坦で生活しやすい地形をしており、区画も綺麗で道路も広く整備されています。
町内は公園があるわけではないのに、緑が多いところも特徴のひとつです。
・交通利便性
最寄駅は二子玉川駅や、上野毛駅が近く、用賀駅も場所によっては徒歩圏で利用可能ですが、二子玉川方面へ行く場合は、急な坂道を歩く必要があります。
二子玉川駅は東急田園都市線・大井町線が通り、急行が停車する駅ですので、利便性が高いです。
上野毛駅は東急大井町線のみ通っており、各駅停車しか停車しません。
車での移動は、国道246号線、環状八号線が近いほか、東名高速や第三京浜も近くて便利です。
・資産性
2012年の地価 567,000円
2022年の地価 734,000円
10年間の地価上昇率 29.5%
この間の世田谷区全体の、住宅地平均地価変動率は25.6%でしたので、地価上昇率は世田谷区の平均を上回っています。
二子玉川駅周辺は、世田谷区の中でも商業地として特に栄えている街の一つで、買い物などに便利なだけでなく、交通利便性も高いので、今後も世田谷区の中でも地価上昇率は高く推移すると予想されます。
9位 用賀
一種単価最高地点 用賀1丁目
最高地点一種単価(円/㎡)711,000円
最寄り駅 東急田園都市線【用賀】
建ぺい率 50% 容積率 100%
用途地域:第一種低層住居専用地域
9位は、東急田園都市線線【用賀駅】周辺の街、【用賀】です。
一種単価最高地点は、駅の南東に位置する用賀1丁目です。
第40代内閣総理大臣で軍人だった、東条英機の自宅がありました。
・災害に対する強さ
用賀1丁目は、町全体が台地上にあるのですが、町内の南西部が低くなっており谷沢川が流れています。
川の周辺では、大雨が降った場合に浸水する危険性があります。
それ以外の場所では、災害に強いです。
・住環境
町内は一戸建ての他、中低層マンションも多く建ち並ぶ住宅街です。
南西の少し標高が低い場所と北東の高い場所では、少し街の雰囲気が異なり、北東の高い場所の方が区画が綺麗で道路も広く整備されています。
町内には桜並木があるほか、マンションの植栽や畑も残っていたりするなど、緑が多い環境でもあります。
・交通利便性
最寄り駅の用賀駅は、東急田園都市線のみが通っており、各駅停車の他に準急も停車します。
渋谷駅まで5駅で、渋谷駅から先は東京メトロ半蔵門線直通の電車があります。
車での移動は、国道246号線、環状八号線が近いほか、東名高速や第三京浜も近くて便利です。
・資産性
公示地点の変更があったため、類似地点の情報をもとに地価上昇率をみてみます。
2012年の地価 540,000円
2022年の地価 711,000円
10年間の地価上昇率 31.7%
この間の世田谷区全体の、住宅地平均地価変動率は25.6%でしたので、地価上昇率は世田谷区の平均を上回っています。
人気のある東急沿線の良好な住環境の街で、自分が住むために家を購入する人の他、マンションデベロッパーや建売業者などの購入意欲が高い場所なので、今後も地価は世田谷区の他の場所に比べて強含みで推移すると予想されます。
10位 玉川田園調布
一種単価最高地点 玉川田園調布2丁目
最高地点一種単価(円/㎡)705,000円
最寄り駅 東急東横線・目黒線【田園調布】
建ぺい率 50% 容積率 100%
用途地域:第一種低層住居専用地域
10位は、東急東横線【田園調布駅】北側に広がる街、【玉川田園調布】です。
一種単価最高地点は、駅の南西に位置する玉川田園調布2丁目です。
・災害に対する強さ
玉川田園調布2丁目は、町内全域が台地上にある街で、あらゆる災害に強い街です。
・住環境
町内は、環状八号線沿いには中低層マンションが建ち並んでいますが、中に入ると規模の大きい一戸建て住宅が建ち並ぶ閑静な住宅街です。
町内の区画は非常に綺麗で、道路も広く整備されている良好な住環境となっています。
南向きの家は、家の前に綺麗な庭がある家が多く、公園はなくても緑が多く感じられます。
平坦な地形をしており、暮らしやすい街でもあります。
・交通利便性
最寄り駅の田園調布駅の他、自由が丘駅、九品仏駅、奥沢駅の4つの駅の中間地点に位置するため、4駅3路線(東急東横線・目黒線・大井町線)が利用可能で、自由が丘と田園調布は各駅停車も止まるため、非常に鉄道の利便性が高い街です。
都心部からは少し距離がありますが、世田谷区内でもトップクラスの交通利便性を誇る街でありながら、そこまで知名度が高くなく、穴場的な街だと思います。
車での移動は、環状八号線や第三京浜が近く、国道246号線や東名高速へのアクセスも良好です。
・資産性
2012年の地価 630,000円
2022年の地価 705,000円
10年間の地価上昇率 11.9%
この間の世田谷区全体の、住宅地平均地価変動率は25.6%でしたので、地価上昇率は世田谷区の平均に大きく劣っています。
東京都心部から少し距離があることや、家一軒当たりの区画が大きめのため、あまり地価上昇率は高くありませんが、住環境の良さと交通利便性の良さを兼ね備えていることや、奥沢の解説でご紹介しましたが、自由が丘駅では再開発が行われる予定ですので、今後も地価は底堅く推移すると予想されます。
おまけ 岡本
地価が他と比べて低いためTOP10にはランクインしませんでしたが、岡本の高台の端には、1位の成城にも負けないくらいの豪邸が数多く建ち並んでいます。
近隣にはお店などは全くなく、本当に静かで緑が多い良好な住環境が台地の端に続いています。
地形を見てみると、岡本2丁目・3丁目の一部は高台となっており、端からは南西方向が一望できる地形をしています。
ちなみに岡本の南東にある台地の先端には、静嘉堂文庫という内外の古典籍を研究者向けに公開する専門図書館があるのですが、ここは三菱財閥創設者一族の岩崎家が建てた建物で、さらにその先には岩崎家のお墓(岩崎家玉川廟)が深い緑に囲まれてひっそりと佇む、岩崎家ゆかりの地でもあります。
岡本は、日本の大富豪が愛した隠れ超高級住宅街です。
世田谷区の高級住宅街の特徴
ここまで、世田谷区の高級住宅街TOP10の街を紹介してきましたが、街の共通点を解説して終わりたいと思います。
以下が、世田谷区の高級住宅街に見られる特徴です。
・1位の成城は小田急線沿線の街ですが、それ以外は東急線沿線(大井町線・田園都市線)の街
・世田谷区の中では、都心部から離れている街が多い
・基本的に台地上にあり災害に強いが、特に台地の端にある眺望や日当たりがいい街が多い
・高級住宅街だからといって、地価上昇率が高い訳ではない。特に都心へのアクセスが悪い街や駅から距離がある街では、地価上昇率が低い。
・駅徒歩圏ではあるが、とても近いところばかりではない
・最寄り駅はそれほど栄えていないことが多い
・最寄り駅の交通利便性は、そこまで高くない
高級住宅街は、区画が綺麗で道路も広く整備されているほか、必ずと言っていいほど災害に強い高台にあります。
当サイトでは、ハザードマップなどの情報をもとに、世田谷区で災害に強い安全な場所はどこなのか調査した記事もありますので、興味のある方ご覧ください。
>>ハザードマップで見る、東京都世田谷区で災害に強い安全な街
くわえて今回の調査では、台地の端にある眺望や日当たりがいい街も高級住宅として人気があることがわかりました。
よくよく、グーグルマップの航空写真で世田谷区の国分寺崖線上(台地の端)を見ると、豪邸が多く建っていることに気づきます。日本トップクラスのお金持ちの間では、台地の端に家を建てるのがステータスなのかもしれません。
ちなみに、大井町沿線の街から用賀にかけての一帯は、大正末期(1924年)から1954年の昭和にかけての30年に、玉川全円耕地整理という世田谷区の約4分の1にもなる面積で、土地区画整理を行ったため、区画が綺麗で道路も広く整備された綺麗な街並みが誕生したという歴史があります。
世田谷区の中では都心寄りの場所にある街の方が、一般の人には人気があって地価上昇率は高いのですが、都心に近い街はあまり区画が綺麗でなく、道路も狭い場所が多いです。
また、容積率も150~200%に指定されている場所が多いため、一種単価で比較するとランキング上位には入りませんでした。実際に低層の閑静な住宅街というより、木造3階建て住宅やアパート、マンションが多く建つ地域となっています。
どこに住むかは、勤務先の場所や働き方、移動手段、家に何を求めるかによって人それぞれ変わりますので、一概に高級住宅街に家を買うのがいいとは言えませんが、住環境が良い場所に住みたい方は、今回のランキングを参考にして頂ければと思います。
家を買う時に失敗したくないという方には、以下の記事もおすすめです。
>>家を購入するときの選び方の優先順位は?災害に強く、便性で、資産価値の高い家を買おう!
まとめ
東京都世田谷区高級住宅街ランキングTOP10
1位 成城(成城学園前駅)
2位 等々力(尾山台駅)
3位 上野毛(上野毛駅)
4位 尾山台(九品仏駅)
5位 奥沢(九品仏駅)
6位 深沢(桜新町駅)
7位 桜新町(桜新町駅)
8位 瀬田(二子玉川駅)
9位 用賀(用賀駅)
10位 玉川田園調布(田園調布駅)
世田谷区の高級住宅地は、1位の成城は小田急線沿線の街ですが、それ以外は東急線沿線(大井町線・田園都市線)に多く存在します。
今回は、一種単価と用途地域をもとに世田谷区の高級住宅地について解説しましたが、最新の公示地価をもとに、世田谷区のどこが地価が高いのか?どこの地価上昇率が高いのか?を、理由とともにランキング形式で解説している記事もありますので、興味のある方はご覧ください。
その他、世田谷区だけでなく、東京都の高級住宅街はどこなのか解説している記事もあります。
>>【東京都】高級住宅街ランキングTOP100|東京の高級住宅街といえばここだ!
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