2021年の基準地価が公表されましたので、神奈川県横浜市の地価動向をランキング形式でお届けします!
神奈川県が公表した令和3年地価調査結果のデータを分析して、全体的な動向と、土地の価格・変動率を調査しました。
横浜市で地価が高い場所・地価が上昇している場所はどこなのか?
その理由と、共通している特徴もわかります。
コロナウイルスの影響がまだまだ続いている中、地価はどのように変化しているのか?これから横浜市にマイホームを購入しようとしていて資産価値を気にする方、売却しようと思っている方、不動産投資家の方や、不動産業界の方などに役立つ情報となっておりますので、是非ご覧ください。
※なお、今回のランキングは【住宅地】のランキングとなっておりますので、主に一戸建て及び中低層マンション用地の価格になります。駅近の高層マンションが多い【商業地】は含まれておりませんので、ご注意下さい。
横浜市の【住宅地】地価動向(2021)
2021年の横浜市の住宅地の地価は、平均して前年比0.6%上昇しました。
上昇地点数は全体の約55%、下落地点は約18%、それ以外の約27%が横ばい(変化なし)でした。
コロナウイルスの影響で地価下落も心配されましたが、テレワークの普及などにより東京都心部から郊外へ移り住む人が増えている影響か、上昇している地点の方が多いという結果になりました。
続いて、地価の変化率を区ごとに色分けで表示したのが、以下の図になります。
赤が前年比1%以上上昇した地点
紫が0.5~1%未満上昇した地点
ピンクが0.5%未満の上昇した地点
水色が0.5%未満下落した地点
青が0.5%以上下落した地点です。
中区・西区などの中心部と、人気の高い東横線沿線のある神奈川区、港北区が平均して1%以上の高い上昇率を示しています。
それに対し、都市部から遠いことに加え、傾斜が急な場所が多い磯子区、金沢区は下落しています。
区ごとの詳しい平均変化率をランキングにしたものは、以下の通りです。
横浜市の【住宅地】地価ランキング TOP5(2021)
つづいて、町名または丁目の細かい範囲で地価(土地の価格)が高い場所TOP5をご紹介します。
公表されている基準地価には詳しい住所が記載されていますが、こちらでは町名または丁目までを記載しています。詳しい所在地を知りたい方は、最後に添付している一覧表をご覧ください。
価格は1㎡当たりの価格となっております。変動率は前年比です。
傾向として最寄駅からの距離が近い位置にあり、災害の危険性が低く、区画がきれいで道路も広く整備されている閑静な住宅街が多くランクインしています。
1位、中区山手町
2021年地価 685,000円(2020年地価 670,000円) 変動率+2.2%
第一位は、港の見える丘公園と外国人墓地に挟まれた中区山手町です。再開発が進む横浜駅やみなとみらい、関内など横浜市の中心部に近い位置にあります。
小高い丘の上に位置し、自然災害に強い安全な立地となっております。
交通利便性についても、みなとみらい線始発の【元町・中華街駅】、JR【石川町駅】が徒歩で利用できる他、高速道路のインターが近いため、車移動での利便性も高い場所です。
地価についても、次にご紹介する2位の場所と1㎡辺り10万円近い差となっており、横浜市の住宅地の中では、断トツの1位です。
変動率も前年比2.2%と、高い伸びを示しており、人気の高さが伺えます。
2位、港北区日吉本町1丁目
2021年地価 598,000円(2020年地価 590,000円) 変動率+1.4%
日吉駅西側に位置します。駅前は様々な商店が軒を連ねますが、少し駅から離れると閑静な住宅街が広がっています。
住宅街にある道路は広く整備されており、安全かつ開放感のある街並みです。
最寄り駅の【日吉駅】は、東京東横線・東急目黒線・市営地下鉄グリーンラインの3路線が利用可能で、都心方面・横浜方面ともにアクセス良好です。
緩やかな傾斜のある地形ですが、水害や土砂災害など自然災害に強い安全な街でもあります。
ちなみにベスト5にはランクインしませんでしたが、すぐ隣の日吉本町2丁目も地価ランクで8位となっているので、1丁目に限らず日吉駅周辺の人気の高さが伺えます。
欠点らしい欠点が特に見当たらない、地価が高いのも納得の場所です。
3位、青葉区美しが丘5丁目
2021年地価 477,000円(2020年地価 471,000円) 変動率+1.3%
東急田園都市線【たまプラーザ駅】と【あざみ野】駅の中間に位置します(両駅とも急行・準急停車駅)。
あざみ野駅には、ブルーラインも通っているので、新横浜駅・横浜駅・関内など、横浜市中心部へもアクセスしやすい場所となっています。
駅から近い位置にあり、5丁目に住んでいればどちらかの駅まで、遠くても徒歩15分程度で利用可能です。
たまプラーザ駅前には、大型商業施設たまプラーザテラスや、東急百貨店、イトーヨーカドーなどがあり、非常に買い物に便利です。
駅前はそれなりに栄えていますが、駅から少し離れた美しが丘5丁目は閑静な住宅街になっています。
町全体の区画がきれいで道路も広く、駅前は車道と歩道が分かれているので安全です。
場所によっては急な傾斜がありますが、横浜市の街の中では全体的に傾斜が緩やかな方だと思いますので、自転車や徒歩でも比較的暮らしやすい地形です。
南西に早渕川という川が流れており、そちら側に向かって下り坂になっています。このような土地を南ひな壇の土地といい、家が南向きでなくても全体的に日当たりのいい街です。
地盤も良好・水害や土砂災害など自然災害にも強い街となっております。
4位、港北区大倉山3丁目
2021年地価 427,000円(2020年地価 417,000円) 変動率+2.4%
東急東横線【大倉山駅】の南西側に位置し、一番駅から遠い場所でも駅まで徒歩10分程度の距離です。
駅前は様々なお店が建ち並んでおり、日常の買物や外食するにも便利な街です。
少し駅から離れたり一本裏道に入ると閑静な住宅街が広がっています。
大倉山という名称ですが、3丁目は平坦な場所が多く傾斜があっても緩やかですので暮らしやすい地形です。
しかし、標高が周囲に比べて低く鶴見川に近い位置にあるため、大雨の際には水害の危険性が高いことに加え、大地震の際にには液状化の危険性がある弱い地盤となっております。
区画はきれいですが、少し道路が狭いところが多い印象の街で、自然災害に対する危険性と道路の狭さが、ベスト3に比べて評価が落ちる要因になっていると思われます。
5位、青葉区あざみ野2丁目
2021年地価 424,000円(2020年地価 419,000円) 変動率+1.2%
東急田園都市線・横浜市営地下鉄ブルーライン【あざみ野駅】の南西側に位置します。駅に近い位置にあり、駅から最も距離のある場所でも徒歩15分程度です。
ブルーラインは、最寄り駅の【あざみ野駅】から川崎市にある小田急線【新百合ヶ丘駅】まで延伸する計画が進められています。
開業目標は、令和12年とされています。交通利便性が向上すると地価は上昇する傾向がありますので、今後の地価にも期待ができます。
全体的に傾斜のある地形で、徒歩と自転車は少し生活しづらいと感じる人もいるかもしれません。
しかし、ごく一部を除き土砂災害の危険性があるほどではなく、水害などの自然災害に強い場所です。
街並みについては、駅前でもそれほど商店が多くありません。
また、区画がきれいで一件あたりの敷地も道路も広く整備され、上位4地区に比べても開放的な街並みです。
閑静な住宅街で広々とした庭と大きな家に住みたい方には、お勧めのエリアです。
都心から距離があり交通利便性が低いこと、商店が少なく若干買い物が不便であること、傾斜が少しきつい地形であることなどが、上位に比べて評価額が低くなった要因だと思われます。
横浜市の【住宅地】地価ランキング 順位表
下の表は、2021年の横浜市【住宅地】基準地価を価格順で並べたものです。昨年(2020年)の価格と昨年からの変動率も載せています。
横浜市内で、住宅地として人気の場所は、中区・港北区・青葉区となっております。
横浜市の【住宅地】地価変動率ランキング TOP5(2021)
続いて、横浜市の中で地価上昇率が高かった場所TOP5を、ランキング形式でご紹介します。
再開発が進む横浜駅に近いエリアと、相鉄線の新駅ができたエリアがランクインしました。
しかし、全体的に災害の危険性が高い場所が多いのが特徴です。
1位、西区岡野2丁目
変動率+4.7% 2021年地価 358,000円(2020年地価 342,000円)
相鉄線【平沼橋駅】の西側に位置しますが、【横浜駅】も徒歩圏の非常に利便性の高い立地です。
全体的に、平坦で生活しやすい地形ですが、広い道路と狭い道路が混在しています。
上昇率が第1位になった理由は、横浜駅周辺の再開発によるものと思われます。この再開発事業は既に完成したものもありますが、2021年現在も進められているものもありますので、今後も地価が上昇していく可能性があります。
しかし注意して頂きたいのが、ここは川に囲まれた地形で標高も低く水害の危険性が高いことに加え、地盤があまりよくないので、地震が起きた際には揺れやすく、場所によっては液状化の危険性もあります。
よって、自然災害の危険性が高い土地と言えるでしょう。
2位、港南区港南台4丁目
変動率+4.0% 2021年地価 312,000円(2020年地価 300,000円)
JR根岸線【港南台駅】の西側に位置します。
もともと駅前にある大型複合商業施設【港南台バーズ】に高島屋がありましたが、2020年に閉店。2021年に増床リニューアルオープンして、魅力度がアップしました。これにより非常に買い物が便利な街になったことが、地価上昇の理由の一つと思われます。
地形は、丘陵地になっておりますが、傾斜はきつくなく生活しやすい場所です。
駅前の大通りから一本入ると閑静な住宅街になっており、大きな公園もあります。住宅街の道路も広々しており、安全で開放感のある街並みです。
一部の場所を除いて、地震・水害・土砂災害の危険性が低い安全な場所でもあります。
3位、保土ヶ谷区常盤台
変動率+3.7% 2021年地価 194,000円(2020年地価 187,000円)
常盤台は、横浜国立大学周辺のエリアとなっています。
上記上昇地点は、常盤台の中でも北西部の相鉄線の【羽沢横浜国大駅】に近い位置です。
【羽沢横浜国大駅】 は、相鉄・JR直通線の新駅で2019年に開業しました。
2022年下期には相鉄・東急直通線も開業予定で、これらが地価の上昇に大きく影響していると思われます。
国道1号・16号、高速道路など、鉄道だけでなく車の交通利便性も高い立地です。
災害の危険性に関しては、一部急傾斜地に土砂災害の危険性があるだけで、常盤台という名前の通り全般的に災害に強い土地です。
場所によっては、駅から遠い上に坂が多いので、暮らしづらいところがあるかもしれません。
4位、神奈川区入江2丁目
変動率+3.5% 2021年地価 297,000円(2020年地価 287,000円)
JR横浜線【大口駅】の南東側に位置します。大口駅は横浜駅、新横浜駅までそれぞれ2駅6分の交通利便性がひじょうに高い駅です。
このあたりの地価は2013年から上昇傾向が続いています。
考えられる要因としては、2013年に新子安駅周辺で再開発が完了したのに加え、東神奈川駅や横浜駅周辺でも再開発が行われていることです。
横浜駅周辺では、今後も再開発が行われる予定で、入江2丁目についても地価の上昇が続く可能性が高いと思われます。
神奈川区の海に近いエリアは、傾斜がきつい場所が多く生活しづらいとことも多いのですが、ここは割と平坦なところが多く、傾斜があっても緩やかで生活しやすいのも人気の理由だと思われます。
しかし注意して頂きたいのが、入江という地名の通りもともとは海が内陸に入り組んだ地形ですので、標高が低く水害の危険性が高い場所です。また、大きな地震の際には液状化する可能性があります。
5位、神奈川区三ツ沢南町
変動率+3.2% 2021年地価 286,000円(2020年地価 277,000円)
横浜市営地下鉄ブルーライン【三ッ沢上町駅】と【三ッ沢下町駅】に挟まれた場所の南側に位置します。
横浜駅から遠い方の三ッ沢上町駅からでも、横浜駅まで2駅4分しかかかりません。
駅前は大きな道路(国道1号線)が通っておりますが、繁華街のような街並みではなく、適度にお店がある程度です。
地価上昇の理由は、1位及び4位の地点と同様、横浜駅に近い交通利便性の良さと、横浜駅周辺の再開発の影響だと思われます。
地形に関しては、台地になっているので、地盤良好で地震に強く液状化や水害の危険性も低い、安全な土地です。
ただし、全体的に傾斜のある地形となっており、一部土砂災害の危険性があります。
街並みに関しては、地形の影響か区画があまりきれいではなく、道路も狭いところが多いのが難点です。
横浜市の【住宅地】地価変動率ランキング 順位表
下の表は、2021年の横浜市【住宅地】基準地価を変動率順で並べたものです。
価格ランキングに比べると、区がばらけている印象ですが、再開発を行っている場所に近い街が上位にランクインしています。このような場所にマイホームを購入したら、将来売却時に利益が出る可能性もあります。
2021年現在、横浜市内で再開発事業中の場所は、横浜山下町・瀬谷南口第一地区・新綱島駅前・横浜駅きた西口鶴屋地区の4か所になります。
詳しい情報を知りたい方は、横浜市のホームページにある市街地再開発事業等施行地区一覧表をご覧ください。
その他の特徴としては、地価上位50%に入る街の方が上昇率も高い傾向にあります。
これは人気のある場所ほど地価が上がり、人気のない場所ほど地価が安くなっているということなので、横浜市内の地価は二極化が進んでいることがわかります。
横浜の【住宅地】地価ランキング2021のまとめ
ランキング結果のまとめです。
<2021年の地価ランキングTOP5>
1位、中区山手町
地価 685,000円 変動率+2.2%
2位、港北区日吉本町1丁目
地価 598,000円 変動率+1.4%
3位、青葉区美しが丘5丁目
地価 477,000円 変動率+1.3%
4位、港北区大倉山3丁目
地価 427,000円 変動率+2.4%
5位、青葉区あざみ野2丁目
地価 424,000円 変動率+1.2%
<2021年の地価上昇率ランキングTOP5>
1位、西区岡野2丁目
変動率+4.7% 地価 358,000円
2位、港南区港南台4丁目
変動率+4.0% 地価 312,000円
3位、保土ヶ谷区常盤台
変動率+3.7% 地価 194,000円
4位、神奈川区入江2丁目
変動率+3.5% 地価 297,000円
5位、神奈川区三ツ沢南町
変動率+3.2% 地価 286,000円
< 地価が高い場所に多い特徴 >
・駅が近い(徒歩で利用できる範囲)
・最寄り駅の利便性が高い
(複数路線利用可能・急行停車駅・都心や横浜駅へのアクセスがいい)
・駅前は日常の買い物には便利だが、繁華街というほど騒がしくはない
・区画がきれいで道路が広い閑静な住宅街
・災害に強い安全な地形
・傾斜が緩やかまたは平坦
< 地価変動率が高い場所に多い特徴 >
・再開発が進む場所に近い
・東京都心部や横浜駅へのアクセスがいい(中区・西区・神奈川区・港北区)
・新駅に近い(相鉄線 羽沢横浜国大駅)
・傾斜が緩やかまたは平坦
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2021年の地価や変動率を見ると、横浜市の地価は人気のある場所とない場所で二極化が進んでいます。
この傾向はお隣の川崎市でも同様です。【川崎市の地価ランキング】もありますので、興味のある方はご覧ください!
>>川崎市の【住宅地】地価ランキング2021 資産価値が上がる街・高い街
地価が高い場所は災害に強い安全な場所に多いですが、地価変動率が高い場所は、自然災害に弱い場所が多いので注意が必要です。
2022年の公示地価が発表されましたので、最新の地価ランキングもあります。
>横浜市【住宅地】地価ランキング2022 資産価値が上がる街・高い街
>神奈川県【住宅地】地価ランキング2022 資産価値が上がる街・高い街
横浜市ではどこが災害に強い安全な場所なのか知りたいという方には、ハザードマップをもとに調査した記事もあるので興味のある方はご覧ください。
>>ハザードマップで見る、神奈川県【横浜市】災害に強い安全な街ランキング
また、今回は2021年の基準地価から地価動向を見てきましたが、もっと長期的なデータや都心からの距離などのデータを用いて、横浜・川崎や東京で資産価値の高い場所どこなのか調べた記事もあります。
興味のある方は是非ご覧ください⇓
その他、不動産の資産価値について役立つ情報もあります。
>>地価はなぜ上がる?不動産価格に影響を与える変動要因を統計データをもとに解説