2021年の公示地価・基準地価より、東京都世田谷区の地価動向をランキング形式でお届けします!
国土交通省が公示している令和3年地価公示価格と、東京都が公表している令和3年東京都基準地価格のデータを分析して、全体的な動向と、土地の価格・変動率を調査しました。
世田谷区で地価が高い場所・地価が上昇している場所はどこなのか?
その理由と、共通している特徴もわかります。
コロナウイルスの影響がまだまだ続いている中、地価はどのように変化しているのか?
これから世田谷区にマイホームを購入しようとしていて資産価値を気にする方、売却しようと思っている方、不動産投資家の方や、不動産業界の方などに役立つ情報となっておりますので、是非ご覧ください。
※なお、今回のランキングは【住宅地】のランキングとなっておりますので、主に一戸建て及び中低層マンション用地の価格になります。駅近の高層マンションが多い【商業地】は含まれておりませんので、ご注意下さい。
また、公示地価と基準地価で重複している地点については、より情報が新しい基準地価の情報を利用しております。
>最新の地価上昇率ランキングはコチラ ⇒ 東京都世田谷区【住宅地】地価上昇率ランキング2023
世田谷区の【住宅地】地価動向(2021)
2021年の世田谷区の住宅地の地価は、平均して前年比0.1%上昇しました。
この数値は葛飾区・江戸川区と同じ数値で、23区の中で最も低い上昇率です。
東京23区全体の住宅地の平均地価変動率は前年比+0.5%でした。
下の図は、2021年の東京23区の地価変動率を色分けで表示した図です。
都心部または都心に近い区の方が、地価上昇率が高い傾向にあります。
世田谷区の【住宅地】地価ランキング TOP5(2021)
つづいて、町名または丁目の細かい範囲で地価(土地の価格)が高い場所TOP5をご紹介します。
公表されている基準地価には詳しい住所が記載されていますが、こちらでは町名または丁目までを記載しています。詳しい所在地を知りたい方は、最後に添付している一覧表をご覧ください。
価格は1㎡当たりの価格となっております。変動率は前年比です。
1位、三軒茶屋2丁目
2021年地価 1,150,000円(2020年地価 1,150,000円) 変動率+0.0%
第1位は東急田園都市線・世田谷線【三軒茶屋駅】の南西に位置する、三軒茶屋2丁目です。
< 交通利便性 >
都心に近い位置にあることに加え、2路線利用でき、田園都市線は東京メトロ半蔵門線直通運転を行っているので、都心部へ行くのに鉄道の利便性が高い。
鉄道の利便性だけでなく、国道246号線や世田谷通り、環状七号線、首都高の三軒茶屋インターチェンジもあるので、車での移動にも便利な街。
< 生活利便性 >
三軒茶屋駅周辺は、様々な業種の大型チェーン店から個人店まで幅広く存在し、買い物や飲食だけでなく、病院やジム、塾などほとんどなんでもあるので、非常に生活利便性が高い。
それでいて山手線の内側に比べると、食料品などの物価が安いのでお財布にも優しい。
< 災害リスク >
町内に蛇崩川緑道があり、ここは以前あった蛇崩川を暗渠化している。
洪水ハザードマップによると、蛇崩川緑道周辺は浸水する危険性があるので注意が必要。
それ以外の災害については、危険性が低くて安全な場所です。
ちなみに消防署や警察署が近いので、何かあっても安心できます。
地価は前年比で横ばいでしたが、都心に近く、交通利便性、生活利便性が高いので地価が高いのも納得の場所です。
今後も世田谷区の中では、高い価値を保ち続けるのではないでしょうか。
2位、等々力6丁目
2021年地価 925,000円(2020年地価 925,000円) 変動率+0.0%
第2位は東急大井町線【尾山台駅】・【九品仏駅】の北に位置する、等々力6丁目です。
< 交通利便性 >
尾山台駅・九品仏駅がある大井町線はそれほど利便性の高い駅ではありませんが、南東にある【自由が丘駅】では、大井町線の他に東急東横線も利用できます。
目黒通りや環状8号線、第三京浜のインターチェンジもあるので、車での移動にも便利な街。
< 生活利便性 >
尾山台駅や九品仏駅はそんなに栄えている駅ではありませんが、スーパーなどはあるので、日常の買い物には事足ります。
少し足を延ばして自由が丘駅周辺まで行けば、様々な業種のお店もあります。
< 災害リスク >
南側の多摩川方面から坂を上った台地上にあり、近くに川などもないためあらゆる災害に強い安全な街です。
街の区画がきれいで道路も広く整備されているので、開放的で閑静な住宅街です。
若干都心から距離があることに加え、都心方面への交通利便性が低いですが、それ以外は特に欠点は見当たらない街です。
3位、奥沢5丁目
2021年地価 886,000円(2020年地価 886,000円) 変動率+0.0%
第3位は、世田谷区の南東部に位置する奥沢5丁目です。
< 交通利便性 >
北側に東急東横線・大井町線の2路線が利用できる【自由が丘駅】、南東側に東急目黒線【奥沢駅】に接しているため、どちらの駅も近く、合計3路線利用できます。
東横線があるので、都心方面だけでなく横浜方面にも移動しやすく便利です。
大きな道路としては、環状8号線が近く利用しやすいです。
< 生活利便性 >
自由が丘駅が近いので、買い物はとても便利です。
様々な業態のお店に加えて、ショッピングモールやおしゃれなお店も多い街です。
< 災害リスク >
等々力6丁目同様に、南側の多摩川方面から坂を上った台地上にあり、近くに川などもないためあらゆる災害に強い安全な街です。
少し都心から距離がありますが、3路線利用できるため世田谷区内でもトップクラスの鉄道交通利便性です。
基本的には、少し駅から離れると閑静な住宅街が広がっていますが、町内や町の周囲に線路があるので、場所によっては電車の音が聞こえます。
4位、桜新町2丁目
2021年地価 880,000円(2020年地価 864,000円) 変動率+1.9%
第4位は、世田谷区の中央部に位置し【桜新町駅】の北側にある桜新町2丁目です。
< 交通利便性 >
最寄り駅の東急田園都市線【桜新町駅】は、1路線しかありませんが、東京メトロ半蔵門線直通運転を行っているので、都心への通勤通学に便利です。
町内から駅までは、一番遠い場所でも徒歩10分以内で行ける距離です。
車での移動に関しては、国道246号線と世田谷通りに挟まれた位置にあることに加え、西側に少し行けば環状8号線や東名高速の東京インターチェンジがあります。
東側にも少し行けば環状7号線があるので、車での移動も便利な街です。
< 生活利便性 >
桜新町駅周辺は、繁華街というほどではありませんが、適度にスーパーや日用雑貨のお店、病院、薬局などがあるので、日常的な買い物で困ることはありません。
飲食店も大手チェーン店や、個性のあるお店があります。
< 災害リスク >
武蔵野台地上に位置し、近くに川もないので、あらゆる災害に強い安全な街です。
駅から少し離れるだけで、閑静な住宅街になります。
区画がとても綺麗で、道路も広く整備されているため、開放的な街並みです。
桜新町駅周辺は芸能人の方も多く住んでいる街で、駅前を歩いていると見かけることもあります。
5位、成城6丁目
2021年地価 867,000円(2020年地価 867,000円) 変動率+0.0%
第5位は、高級住宅地として有名な【成城学園前駅】の北側に位置する、成城6丁目です。
< 交通利便性 >
最寄り駅の小田急線【成城学園前駅】は、一番早い快速急行は停車しませんが、急行や準急などは停車するので、都心までの通勤も便利です。
車での移動については、大きな主要道路が近くにないので、あまり便利とは言えません。
最寄り駅についても1駅1路線しか利用できないので、交通利便性は上位の他の町に比べると見劣りします。
< 生活利便性 >
成城学園前の駅には、成城コルティというショッピングモールがあり、スーパーや生活雑貨のお店、病院や飲食店などが多数出店しています。
駅の周りにも、適度にお店があるので、日常的な買い物に困ることはありません。
町内に世田谷区の砧総合支所があるのも便利です。
< 災害リスク >
成城6丁目は東側に仙川が流れており、ハザードマップによると大雨の際には氾濫の危険性がありますが、成城大学や成城学園のあるあたりなので、住宅地部分は安全で災害に強い街です。
世田谷区の【住宅地】地価ランキング 順位表
下の表は、2021年の世田谷区【住宅地】基準地価を価格順で並べたものです。昨年(2020年)の価格と昨年からの変動率も載せています。
世田谷区の【住宅地】地価変動率ランキング TOP5(2021)
続いて、世田谷区の中で地価上昇率が高かった場所TOP5を、ランキング形式でご紹介します。
1位、太子堂3丁目
変動率+2.5% 2021年地価 730,000円(2020年地価 712,000円)
地価上昇率第1位は、三軒茶屋駅の北東に位置する太子堂3丁目です。
< 交通利便性 >
最寄り駅の三軒茶屋駅は、東急田園都市線・世田谷線の2路線が利用可能です。
また、田園都市線で渋谷まで急行で1駅、各駅停車でも2駅5分ほどで到着し、渋谷からは東京メトロ半蔵門線直通なので、都心への通勤通学に便利です。
鉄道の利便性だけでなく、国道246号線や世田谷通り、環状七号線、首都高の三軒茶屋インターチェンジもあるので、車での移動にも便利な街です。
< 生活利便性 >
三軒茶屋駅周辺は、世田谷区内でも1、2位を争うレベルの商業地でもあります。
駅から太子堂3丁目までは、茶沢通り沿いに様々なお店が立ち並んでおり、日常的な買い物にも困りません。
西友三軒茶屋店などの大型店だけでなく、八百屋や魚屋など昔からあるお店も残っております。
< 災害リスク >
太子堂3丁目は、南側にかつて川があった場所を暗渠化した、烏山川緑道があります。
緑道周辺は周囲より土地が低くなっており、世田谷区洪水ハザードマップによると大雨の際には、一部浸水する想定となっておりますので、注意が必要です。
都心に近い位置にあり、駅前も栄えているため、世田谷区の中でも交通利便性・生活利便性がトップクラスに高い街です。
しかし、北側のマンションがある場所以外は、道路が狭く建物が密集しているので開放的な街ではありません。
2位、池尻3丁目
変動率+2.0% 2021年地価 755,000円(2020年地価 740,000円)
地価上昇率第2位は、世田谷区内で最も都心に近い位置にある池尻3丁目です。
< 交通利便性 >
最寄り駅は、東急田園都市線【池尻大橋駅】です。急行は停車しません。
1駅1路線しか利用できませんが、田園都市線は渋谷から東京メトロ半蔵門線と直通運転を行っています。
また、池尻大橋駅は渋谷駅まで1駅3分という近さで、渋谷まで歩いていくことも可能です。
【渋谷駅】は、JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・東急田園都市線・東横線・東京メトロ半蔵門線・副都心線・銀座線・京王井の頭線など多数の路線が乗り入れており、渋谷駅で乗り換えれば大抵の場所に行けてしまいます。
車の交通利便性という面でも、国道246号線・山手通り(環状6号線)・首都高などが利用しやすい位置にあります。
< 生活利便性 >
池尻3丁目には、大型スーパーのオーケーストア池尻大橋店やオオゼキ池尻店があります。
その他、246号線沿いにも様々なお店があります。
商業地として賑わっている三軒茶屋駅と渋谷駅に挟まれた位置にあるので、1駅行けば買い物に困ることはないでしょう。
< 災害リスク >
池尻3丁目は北側に目黒川が流れていますので、大雨の際には町内の北側半分で浸水する可能性があります。
都心への近さや、渋谷と三軒茶屋という交通や買い物に便利な街に挟まれた位置にあるため、今後も人気は下がりにくいと思われます。
3位、北沢5丁目
変動率+2.0% 2021年地価 664,000円(2020年地価 651,000円)
地価上昇率第3位は、世田谷区の北東部に位置する北沢5丁目です。
< 交通利便性 >
北沢5丁目は、小田急線・京王井の頭線が通る【下北沢駅】、小田急線・東京メトロ千代田線が通る【代々木上原駅】、京王線【笹塚駅】の3駅に囲まれた位置にあります。
町内のどこに住むかで変わってはきますが、どの駅も徒歩で利用可能な距離にあるので、世田谷区内でもトップクラスの鉄道利便性です。
また、世田谷区の北東部の端にあるので、都心にも近いです。
車での移動に関しても、環状7号線や甲州街道、井の頭通り、首都高などが近くにあるため、便利です。
ただし、町内に関しては道路が狭いので注意が必要です。
< 生活利便性 >
一番近い笹塚駅周辺には、ショッピングモールや商店街、大型スーパーなどがあり、日常的な買い物には困りません。
下北沢まで行けば、個性的なお店を楽しむこともできます。
また、自転車や車を使えば代々木公園まですぐ行ける距離なのも嬉しいポイントです。
< 災害リスク >
道路が狭く、戸建てやアパートなどが密集している町なので、火災や大規模災害に弱い街です。
また、町内の一部に窪地があり、大雨の際には浸水する可能性のある場所があります。
災害に弱い街とまでは言えませんが、注意が必要です。
3駅4路線利用可能かつ、世田谷区の北東の端にあるため都心に近いので、非常に交通利便性が高い街です。
買い物も便利な街ですので日常生活も不自由なく、住みやすい街です。
また、小田急線が地下に移動したことにより、下北沢駅周辺の開発が進んでいます。
上記より、今後も人気は落ちないと予想されます。
4位、桜新町2丁目
変動率+1.9% 2021年地価 880,000円(2020年地価 864,000円)
地価上昇率第4位は、桜新町駅のすぐ北側にある桜新町2丁目です。
こちらは、地価ランキングでも4位にランクインしている町です。
交通利便性などについては、先ほど解説ているので割愛させて頂きます。
災害に強い・区画が綺麗で道路も広く開放的な街並み・駅から近い・駅前は適度に栄えており日常的な買い物に困らない・渋谷まで4駅しかなく都心まで直通運転しているなど、弱点がありません。
上記より土地の値段・地価上昇率ともに、世田谷区でもトップクラスになっていると思われます。
5位、下馬1丁目
変動率+1.7% 2021年地価 700,000円(2020年地価 688,000円)
地価上昇率第5位は、世田谷区の最も東部で、三軒茶屋駅と祐天寺駅の中間地点にある、下馬1丁目です。
< 交通利便性 >
東急田園都市線・世田谷線が通る【三軒茶屋駅】と東急東横線が通る【祐天寺駅】のちょうど中間地点に位置し、若干距離がありますが両方とも徒歩圏です。
田園都市線は東京メトロ半蔵門線に、東横線は東京メトロ副都心線に直通運転を行っており、非常に利便性が高い路線です。
車での移動については、北に国道246号線と首都高、西に環状7号線、南に目黒通り、東に山手通り(環状6号線)があるので、便利です。
< 生活利便性 >
町内には、それほどお店は多くないですが、大型スーパーのサミット下馬店があります。
食品以外に買い物をするのなら、三軒茶屋駅周辺まで行けば日常的な買い物には困りません。
この町の最大の特徴は、北側に世田谷公園と隣接していることです。
世田谷公園には、プールや野球場、子供向けの遊具からランニングコースまであるので、子供から大人まで楽しめる場所となっています。
< 災害リスク >
下馬1丁目南側の町堺には、蛇崩川という川を暗渠化した蛇崩川緑道があります。
この付近は周囲より低くなっており、大雨の際には浸水する可能性があるので、注意が必要です。
少し駅から遠い位置にありますが、2駅3路線が利用可能で都心にも近いです。
周辺環境も良好ですので、特に小さいお子さんがいらっしゃる家庭にオススメしたい町です。
世田谷区の【住宅地】地価変動率ランキング 順位表
下の表は、2021年の世田谷区【住宅地】基準地価を変動率順で並べたものです。
世田谷区の【住宅地】地価ランキング2021のまとめ
ランキング結果のまとめです。
<2021年の地価ランキングTOP5>
1位、三軒茶屋2丁目
地価 1,150,000円 変動率+0.0%
2位、等々力6丁目
地価 925,000円 変動率+0.0%
3位、奥沢5丁目
地価 886,000円 変動率+0.0%
4位、桜新町2丁目
地価 880,000円 変動率+1.9%
5位、成城6丁目
地価 867,000円 変動率+0.0%
<2021年の地価上昇率ランキングTOP5>
1位、太子堂3丁目
変動率+2.5% 地価 730,000円
2位、池尻3丁目
変動率+2.0% 地価 755,000円
3位、北沢5丁目
変動率+2.0% 地価 664,000円
4位、桜新町2丁目
変動率+1.9% 地価 880,000円
5位、下馬1丁目
変動率+1.7% 地価 700,000円
< 地価が高い場所に多い特徴 >
・道路が広めに整備されており、区画が綺麗な街並み
・自然災害に強い
・駅前は適度にお店がある程度だが、日常的な買い物には困らない
災害に対する安全性と、きれいな街並みが地価が高い要因となっていると思われます。
< 地価変動率が高い場所に多い特徴 >
・区の東側にあり、都心部に近い
・地価が高い場所に比べると、道路が狭い場所が多い
・地価が高い場所に比べると、災害に少し弱い傾向にある
都心に近く、通勤・通学に便利な点が、地価上昇率に影響していると思われます。
コロナウイルスの影響で、東京から人口が流出して郊外の住宅が人気との報道を目にすることもありますが、地価に関する情報を読み解くと、都心に近い通勤通学に便利な街の人気が上がっていることがわかります。
世田谷区で資産価値の高い物件を購入したい方は、都心に近い位置にある町か、区画が綺麗で災害に強い昔からの高級住宅地がおススメです!
今回は、世田谷区の地価ランキングをご紹介しましたが、東京23区のどの区が資産価値が高いのか、調査してランキングにした記事もありますので、興味のある方は是非ご覧ください。
>>【東京23区不動産 資産価値ランキング】マンション・戸建ての資産価値が落ちない街はここだ!
また、東京23区の他の区の地価ランキングもございます。
また、今回の地価ランキングでわかった通り、資産価値の高い街は災害に強い場所に存在する傾向にあります。
世田谷区内でどの町が災害に強い安全な街なのか、ハザードマップなどをもとに調査した記事もありますので、そちらもよければご覧ください。