2022年の公示地価が公表されましたので、東京都江戸川区の地価動向をランキング形式でお届けします!
国土交通省が公表した令和4年公示地価のデータを分析して、全体的な動向と、土地の価格・地価上昇率が高い場所を調査しました。
コロナウイルスの影響が和らぐ中、地価はどのように変化しているのか?
江戸川区で地価が高い場所・地価が上昇している場所はどこなのか?
その理由と共通している特徴もわかります。
これから江戸川区にマイホームを購入しようとしていて資産価値を気にする方、売却しようと思っている方、不動産投資家の方や、不動産業界の方などに役立つ情報となっておりますので、是非ご覧ください。
※なお、今回のランキングは【住宅地】のランキングとなっておりますので、主に一戸建て及び中低層マンション用地の価格になります。駅近の高層マンションが多い【商業地】は含まれておりませんのでご注意下さい。
江戸川区の【住宅地】地価動向(2022)
2022年の江戸川区の住宅地の地価は、平均して前年比1.1%上昇しました。
東京23区全体の住宅地の平均地価変動率は前年比+1.5%でした。
上昇率が高かった上位3区は中央区(2.9%)・豊島区(2.6%)・文京区(2.5%)となっています。
下の図は、2022年の東京23区の地価変動率を色分けで表示した図です。
都心部または都心に近い区の方が、地価上昇率が高い傾向にありますが、比較的都心から遠い杉並区や中野区、足立区などでも地価が高くなっています。
江戸川区の【住宅地】地価ランキング2022 順位表
下の表は、2022年の江戸川区【住宅地】公示地価を価格順で並べたものです。昨年(2021年)の価格と昨年からの変動率も載せています。
地価が同じ場合は、変動率が高い方の順位を上にしております。
価格は1㎡当たりの価格となっております。変動率は前年比です。
2022年に江戸川区で地価が高い場所の特徴
江戸川区で地価上位の街を、駅名であげると以下になります。
葛西駅 … 東京メトロ東西線
西葛西駅 … 東京メトロ東西線
船堀駅 … 都営新宿線
瑞江駅 … 都営新宿線
平井駅 … JR総武本線
江戸川区では、区の南部にある東西線沿線の地価が最も高く、東京都心寄り(区の西側)の船堀駅や平井駅周辺も地価が高い傾向にあります。
その他、駅周辺の商業施設が充実していて生活利便性が高い瑞江駅周辺も、江戸川区の住宅地の中では地価が高い場所です。
江戸川区には北から、京成本線・JR総武線・都営新宿線・東京メトロ東西線・JR京葉線がありますが、東京都心部への所要時間や乗り換えの必要性等を考慮すると、東京メトロ東西線の利便性が一番高いからだと思われます。
江戸川区の【住宅地】地価ランキング TOP5(2022)
江戸川区の住宅地で、地価(土地の価格)が高い場所TOP5を詳しくご紹介します。
地価が高い理由についても解説しています。
1位、中葛西3丁目
2022年地価 520,000円(2021年地価 510,000円)
変動率+1.0%
第1位は東京メトロ東西線【葛西駅】の北西に位置し、中低層のマンションやアパートが多く建ち並ぶ地域です。
< 交通利便性 >
町内の駅から一番遠い場所からでも、駅まで徒歩10分以内で鉄道が利用しやすい位置にあります。
最寄り駅の【葛西駅】は東京メトロ東西線の1路線しか利用できませんが、東西線は大手町や日本橋、茅場町など東京都心の主要なオフィスエリアに駅があるので、丸の内や日本橋周辺に通勤する人にとっては、非常に利便性が高いです。
また、大手町や九段下、飯田橋などは多数の路線が乗り入れているため、一度乗り換えるだけで、東京の主要な駅はほとんど行けてしまいます。
葛西駅から大手町までは、20分ちょっとしかかからないのも魅力的です。
鉄道の利便性だけでなく、葛西駅は大きなバスターミナルがあり、バス便での移動も便利な街です。特に区の南北の移動は鉄道よりバス便の方が便利で、葛西臨海公園行きや、秋葉原・錦糸町行きのバスもあります。
< 生活利便性 >
区画が綺麗で、一方通行の道はあるものの道路も広く整備されています。その他、駅に近いですが複数の公園があり住環境としても良好です。
駅が近いので、周辺にはスーパーやコンビニ、家電量販店、飲食店など様々なお店がある他、江戸川区役所葛西事務所もあるので、生活利便性も高い街です。
近くはないのでバスや車で行くことになりますが、南東にアリオ葛西という大型ショッピングモールと島忠ホームズ葛西店もあり、多数の大型店が入居していますので、まず買い物には困らないでしょう。
< 災害リスク >
街一帯が海抜0m地帯と呼ばれる、標高が低い位置に存在しています。
標高が低く海や川に囲まれた地形のため、洪水や高潮の危険性が高い他、首都直下地震が発生した場合、大きく揺れると予想されており液状化する可能性もあります。
2位、中葛西5丁目
2022年地価 507,000円(2021年地価 503,000円)
変動率+0.8%
第2位も1位同様、東京メトロ東西線【葛西駅】周辺の街で、駅の南西に位置する中葛西5丁目です。中低層マンションの他、戸建も建ち並んでいます。
一部道路が狭い場所がありますが、全体的には比較的に道路も広く整備されているので、開放的な街並みです。
< 交通利便性 >< 生活利便性 >< 災害リスク > については、1位の中葛西3丁目と同様です。
地価については、1位の中葛西3丁目の方が公園が多く、住環境が良好なところに差があるのかもしれません。
3位、西葛西3丁目
2022年地価 506,000円(2021年地価 490,000円)
変動率+3.3%
第3位は、東京メトロ東西線【西葛西駅】の北西に位置する西葛西3丁目です。
大規模なマンションが多いほか、イオン葛西店などの大型商業施設もあります。
< 交通利便性 >
東京メトロ東西線【西葛西駅】至近の距離にあるため、鉄道が利用しやすい街です。
西葛西駅は、江戸川区の中でも最も西側にある駅の一つなので、都心部へのアクセスが良好です。日本橋まで6駅、大手町まで7駅20分程度しかかかりません。
南北の公共交通機関での移動は、バスが便利です。
車で移動する際は、首都高の清新町出入口がすぐ近くにあるので、高速道路が利用しやすい位置にあります。
< 生活利便性 >
駅が近いので、駅前に色々なお店がある他、イオン葛西店、ショッピングセンターのサニーモール西葛西や、大型スーパーのオーケー西葛西店なども近くにありますので、生活利便性は非常に高い街です。
北側に少し行くと、江戸川区自然動物園などがある行船公園や、南側に少し行く複数の親水公園があります。西側には荒川と中川があるので、水と緑に囲まれた環境でもあります。
< 災害リスク >
西葛西3丁目も海抜0m地帯となっており、洪水や高潮のリスクが高い街です。
地震の際は揺れやすい地盤で、液状化する可能性もあります。
4位、東葛西6丁目
2022年地価 484,000円(2021年地価 479,000円)
変動率+1.0%
第4位は、東京メトロ東西線【葛西駅】の南東に位置する東葛西6丁目です。
一部戸建てもありますが、中低層のマンションが多く建ち並ぶ地域です。
< 交通利便性 >< 生活利便性 >< 災害リスク > については、1位の中葛西3丁目と同様です。
区画が綺麗で、道路も広く整備されており、開放的な街並みとなっております。
1位の中葛西3丁目や2位の中葛西5丁目に比べると、買い物するような店舗が少なく、若干生活利便性に劣るため、地価も安くなっていると思われます。
5位、東葛西5丁目
2022年地価 482,000円(2021年地価 476,000円)
変動率+1.3%
第5位は、東京メトロ東西線【葛西駅】の北東に位置する東葛西5丁目です。
他の葛西駅周辺の街に比べると、戸建や低層のマンション、アパートなどが多く建ち並ぶ街となっています。
< 交通利便性 >< 生活利便性 >< 災害リスク > については、1位の中葛西3丁目と同様です。
こちらも区画が綺麗で、道路も広く整備されており、開放的な街並みとなっております。
他の葛西駅周辺の街に比べると、買い物できる店舗や公園が少ない傾向にあるので、葛西駅周辺では一番地価が安い場所となっています。
江戸川区の【住宅地】地価変動率ランキング2022
続いて、地価変動率のランキングをお届けします。
下の表は、2022年の江戸川区【住宅地】公示地価を変動率順で並べたものです。
変動率が同じ場合は、地価が高い方の順位を上にしております。
2022年に江戸川区で地価上昇率が高い場所の特徴
江戸川区では、東京都心部へアクセスしやすい駅が最寄りの街の地価上昇率が高い傾向にありますが、駅までの距離についてはコロナ禍によるリモートワークの普及からか、駅から少し離れた場所でも地価が大きく上昇しています。
地価上昇率が高い街を、駅名であげると以下になります。
西葛西駅 … 東京メトロ東西線
平井駅 … JR総武本線
船堀駅 … 都営新宿線
葛西駅 … 東京メトロ東西線
地価ランキング同様に東京都心部へのアクセスがいい街が上位にランクインしています。
コロナウイルスの影響で郊外の住宅地が人気との報道もありますが、それでも都心部へのアクセスがいい駅は人気のようです。
江戸川区の【住宅地】地価変動率ランキング TOP5(2022)
江戸川区の中で地価上昇率が高かった場所TOP5を、詳しくご紹介します。
地価が上がった理由についても解説しております。
1位、西葛西3丁目
変動率+3.3%
2022年地価 506,000円(2021年地価 490,000円)
地価上昇率第1位は、地価ランキングで2位だった西葛西3丁目です。
西葛西駅の北西すぐそばに位置します。
< 地価が上がった理由 >
江戸川区の中では都心に近い位置にあることにくわえ、最寄り駅の西葛西駅から利用できる東京メトロ東西線は、大手町や日本橋などの都心のオフィス街へ乗り換えなし、20分程度でいけるので、都心部へのアクセスがとても良好です。
駅が近く駅前もそれなりに栄えているため、様々なお店がありますが、町内にイオン葛西店があるので、日常的なお買い物も非常に便利です。
街の北側や南側には、大きな公園があり、水や緑を感じられる良好な住環境でもあります。
上記より、江戸川区内では人気のエリアとなっており、地価が上昇しているものと思われます。
2位、平井4丁目
変動率+3.3%
2022年地価 410,000円(2021年地価 397,000円)
地価上昇率第2位は、JR総武線【平井駅】の東に位置する平井4丁目です。
中低層のマンションの他、一戸建ても多くみられる地域です。
< 地価が上がった理由 >
平井4丁目は、荒川の西側にあるため江戸川区の中では特に東京都心部に近い街です。都心部へのアクセスも良好で、途中で総武線快速に乗り換えれば東京駅まで約20分、新宿駅まで約30分ほどしかかかりません。
また、平井駅の北側では、現在2024年の完成を目指して再開発工事が行われております。
低層階には店舗や保育所が入る、地上29階地下1階、総戸数370戸の複合タワーマンションが建設される予定です。
都心へアクセスの良さと、再開発による利便性の向上が期待され、地価が上昇したと思われます。
3位、清新町2丁目
変動率+3.0%
2022年地価 418,000円(2021年地価 406,000円)
地価上昇率3位は、東京メトロ東西線【西葛西駅】の南西に位置する清新町2丁目です。
清新町は町内全域が埋立地で、町内には都市基盤整備公団の住宅団地を初めとした高層住宅が建ち並んでいます。
区画や道路も広く綺麗に整備され、公園だけでなく街路樹も多い緑の感じられる良好な住環境となっています。
埋立地と聞くと悪いイメージがあるかもしれませんが、盛土によって水面より高く作られており、水害に対する地域防災拠点となっています。
ハザードマップでも、江戸川区の他の街は全体的に河川の氾濫や高潮による水害のリスクが高いとされていますが、清新町は江戸川区内では貴重な水害のリスクがない安全な街とされています。
< 地価が上がった理由 >
特段の変動要因があったわけではありませんが、区内の駅の中でも都心へのアクセスが良好な、東京メトロ東西線【西葛西駅】が最寄りであること、自然災害に強い土地、区画や道路、公園などが整備された綺麗な街並みなどで人気が上昇傾向にあり、地価が上がったものと思われます。
ちなみに、公示地価の標準値は全ての街をカバーしているわけではなく、清新町においては2丁目しか公示地価が公表されていません。
清新町1丁目の方が駅に近く、交通利便性が高いため、実際には地価上昇率は高いと予想されます。
今後の動向としては、地価がどんどん上昇するかどうかはわかりませんが、江戸川区の中でも都心寄りで都心へのアクセスが良く、災害に強い土地なので人気は落ちないのではないかと思われます。
4位、南葛西1丁目
変動率+2.0%
2021年地価 463,000円(2020年地価 454,000円)
地価上昇率第4位は、東京メトロ東西線【葛西駅】の南に位置する南葛西1丁目です。
中低層のマンションの他、アパートや戸建てが建ち並ぶ住宅地です。
< 地価が上がった理由 >
江戸川区内では人気の高い東京メトロ東西線の葛西駅周辺は、街がある程度成熟しており、新規の住宅供給が乏しい状況にあります。そんな中で、駅から少し遠い位置にありますが、コロナ禍によりリモートワークが定着したことで、郊外のマンションに対する需要が増大しています。
街の周囲には、大きな公園が複数あることに加え、大型ショッピングモールのアリオ葛西や島忠ホームズ葛西店などの大型店も、利用しやすい位置にあることから、生活利便性も高い街です。
これらのバランスがとれている街として人気があがり、地価が上昇したものと思われます。
5位、松江3丁目
変動率+1.9%
2022年地価 384,000円(2021年地価 377,000円)
地価上昇率第5位は、都営新宿線【船堀駅】の北東に位置する松江3丁目です。
中低層のマンションや一戸建て、アパートが建ち並ぶ住宅街です。最寄り駅の船堀駅までは、近いところで徒歩12分程度、遠いところで22分くらいかかります。
< 地価が上がった理由 >
都営新宿線は江戸川区内でも比較的人気の高い沿線で、船堀駅も都心寄りの位置にあるので、交通利便性の良さから人気があります。
また、コロナ禍によりリモートワークが定着したことで、少し郊外の広めのマンションの人気が高まっております。
松江3丁目は、幹線道路に接しており指定容積率が高い場所が多いためにマンションを建てやすく、マンション開発業者等の土地取得意欲は強くなっており、特に幹線道路沿いの大規模画地は、希少性から需要者が競合し高値で売買される場合が多いことから、地価が上昇しているようです。
江戸川区の【住宅地】地価ランキング2022のまとめ
ランキング結果のまとめです。
<2022年の地価ランキングTOP5>
1位、中葛西3丁目
地価 520,000円 変動率+1.0%
2位、中葛西5丁目
地価 507,000円 変動率+0.8%
3位、西葛西3丁目
地価 506,000円 変動率+3.3%
4位、東葛西6丁目
地価 484,000円 変動率+1.0%
5位、東葛西5丁目
地価 482,000円 変動率+1.3%
<2021年の地価上昇率ランキングTOP5>
1位、西葛西3丁目
変動率+3.3% 地価 506,000円
2位、平井4丁目
変動率+3.3% 地価 410,000円
3位、清新町2丁目
変動率+3.0% 地価 418,000円
4位、南葛西1丁目
変動率+2.0% 地価 463,000円
5位、松江3丁目
変動率+1.9% 地価 384,000円
< 江戸川区の住宅地で、地価が高い場所に多い特徴 >
・東京メトロ東西線沿線
・区の西側にあり、東京都心部へのアクセスがいい
・駅に近い
駅に近くて東京都心部へのアクセスが良い場所や、生活利便性が高い場所の地価が高い傾向にあります。
< 江戸川区の住宅地で、地価変動率が高い場所に多い特徴 >
・都心部へのアクセスがいい
・地価が高い場所に比べると、駅から遠い場所が多い
コロナウイルスの影響で、東京から人口が流出して郊外の住宅が人気との報道を目にすることもありますが、地価に関する情報を読み解くと、都心に近い通勤通学に便利な街の人気が上がっていることがわかります。
ただし、テレワークが普及し始めた影響か、駅から遠い街の人気も上がっています。
江戸川区で資産価値の高い物件を購入したい方は、都心に近い位置(区の西寄り)にあり都心部へのアクセスのいい街がおススメです!
災害に強い街に住みたいかたは、西葛西駅南にある清新町のあたりがオススメです。
江戸川区内でどの町が災害に強い安全な街なのか、ハザードマップなどをもとに調査した記事もありますので、そちらもよければご覧ください。
今回は公示地価をもとに、江戸川区の住宅地の2022年地価ランキングをご紹介しましたが、東京23区ではどの区が資産価値が高いのか、調査してランキングにした記事もありますので、興味のある方は是非ご覧ください。
>>【東京23区不動産 資産価値ランキング】マンション・戸建ての資産価値が落ちない街はここだ!
>>【2022年公示地価】東京23区別 地価ベスト3(住宅地編)
他の街の地価ランキングもあります。