2023年の公示地価が公表されましたので、東京都の地価上昇率が高い場所TOP100をランキング形式でお届けします!
国土交通省が公表した令和5年公示地価のデータを分析して、全体的な動向と、地価上昇率が高い場所を調査しました。
世界的にインフレが進む中、東京都で地価が上昇している場所はどこなのか?
その理由と、共通している特徴もわかります。
これから東京都にマイホームを購入しようとしていて資産価値を気にする方、売却しようと思っている方、不動産投資家の方や、不動産業界の方などに役立つ情報となっておりますので、是非ご覧ください。
※ランキングには、住宅地として利用されているが、都市計画上の用途地域では商業系地域や工業系地域に指定されている場所も含まれております。また、公示地価は全ての町丁目が公表されている訳ではありませんので、ご注意下さい。
東京都の【住宅地】地価動向(2023)
2023年の東京都の住宅地の地価は、平均して前年比2.6%上昇しました。(昨年は1.0%上昇)
上昇地点数は全体の約92.0%
下落地点は約1.5%
横ばい地点は約6.4%でした。
テレワークの普及などにより広い家を求める人が増えていることや、コロナ禍から景気が持ち直している影響、再開発や土地区画整理などにより、地価上昇が加速しました。
区市町村ごとの地価上昇率を色別で表すと以下になります。
東京23区では、葛飾区・練馬区・世田谷区の3区以外の20区は、平均3.0%以上~5.0%未満の地価上昇率でした。
その他、23区外では武蔵野市・調布市・狛江市・府中市・国分寺市・立川市の6つの市で平均3.0%以上~5.0%未満の高い地価上昇率となっています。
この6つの市は、昨年も東京23区と変わらない上昇率でした。
続いて下の表は、2023年の東京都の区市町村別の住宅地平均変動率一覧です。
上昇率が最も高かったのは、台東区で4.8%上昇。2位が豊島区で4.7%、3位が中野区で4.6%上昇でした。
市部で最も地価上昇率が高かったのは、調布市で3.6%でした。
また、2023年公示地価で、東京都で平均住宅地価格が前年比で下落した区市町村はありませんでした。
2023年 東京都【住宅地】地価上昇率ランキング TOP10
それでは、2023年に東京都の住宅地の中で地価上昇率が高かった場所TOP10をランキング形式でご紹介します。
地価上昇率が同じ場合は、地価上昇額が高い街を上位にしています。
1位、8.1% 足立区綾瀬1丁目
2位、7.9% 足立区千住緑町1丁目
3位、7.8% 荒川区東日暮里1丁目
4位、7.5% 北区滝野川5丁目
5位、7.5% 中野区新井2丁目
6位、7.2% 荒川区東日暮里6丁目
7位、7.1% 北区赤羽1丁目
8位、7.0% 新宿区赤城下町
9位、7.0% 荒川区東尾久6丁目
10位、6.8% 台東区池之端1丁目
地価上昇率上位には、23区北部や北東部の街が多くランクインしました。
ここ数年全国的に地価が上昇傾向にありますが、東京の地価高騰は著しく、一般庶民では手の届きづらい価格になってきています。
その影響か、23区内でも利便性が高い割に価格が割安な街の人気が高くなっていて、こういった街の地価が上昇していると思われます。
それでは、ベスト10にランクインした街の特徴と地価上昇理由を解説致します。
1位、足立区綾瀬1丁目
変動率 8.1%
2023年価格 845,000円(2022年価格 782,000円)
上昇率1位は、足立区綾瀬1丁目です。
JR常磐線・東京メトロ千代田線【綾瀬駅】のすぐ南西に位置し、中低層マンションやアパート、戸建等が混在する住宅地域です。
千代田線は綾瀬駅から一部始発列車があり、大手町まで一本で行ける交通利便性が高い街です。
< 地価が上がった理由 >
綾瀬駅周辺では、令和2年に「綾瀬駅東口周辺地区 地区まちづくり計画」が策定され、開発が進められています。
現在、駅北側すぐの場所に住友不動産が【シティタワー綾瀬】という大規模タワーマンションを建設中で、地上32階建て、総戸数427戸(その他店舗6区画)の分譲マンションで、完成は2025年8中旬予定となっています。
店舗区画もあるとのことですので、新しくどんなお店がオープンするのか気になったのでマンションギャラリーに問い合わせてみたところ、まだ未定とのことでした。
これに合わせて、綾瀬駅前にはバスやタクシーが乗り入れる駅前交通広場が開設される予定となっており、駅間の利便性や環境が良くなることが見込まれます。
また、綾瀬2丁目は容積率が大きい傾向にあり、マンション用地としても適している場所でもありますので、近年マンション需要が高まっていることから、地価が上昇していると思われます。
2位、足立区千住緑町1丁目
変動率 7.9%
2023年価格 507,000円(2022年価格 470,000円)
上昇率2位は、足立区千住緑町1丁目です。
京成本線【千住大橋駅】の西側に位置し、街の北西部はマンションや戸建て、事務所や倉庫などが混在していますが、中央から南東部にかけて一帯は、まちづくり計画にもとづく大規模な再開発が進められている最中で、現在は大規模なマンションと公園などがあります。
< 地価が上がった理由 >
千住緑町1丁目と隣の千住橋戸町のある千住大橋駅の南西部は、もともと北西部同様に倉庫や工場、住宅などが混在する街でしたが、平成18年11月に「千住大橋駅周辺地区地区まちづくり計画」を策定し、大規模な開発が進められてきました。
隣の千住橋戸町には、2014年4月にショッピングモールの「ポンテポルタ千住」が開業し、生活利便性がぐっと向上しました。
未だに広大な空き地が残っていることから、今後も開発が進んでいくので、地価は引き続き高い上昇傾向が続くのではないかと予想されます。
2025年には住友不動産が分譲する【シティタワー千住大橋】が竣工する予定で、地上42階建ての高さは足立区ナンバーワンの高さになる見込みです。
3位、荒川区東日暮里1丁目
変動率 7.8%
2023年価格 1,110,000円(2022年価格 1,030,000円)
上昇率3位は、荒川区東日暮里1丁目です。
東京メトロ日比谷線【三ノ輪駅】のすぐ西に位置し、中高層マンションを中心に事務所や店舗などが混在する地域です。
少し遠いですが、徒歩20分ほど歩けば山手線の【鶯谷駅】も利用可能です。
< 地価が上がった理由 >
近年、マンション需要が増加しているなかで、マンション適地が少なくなってきています。
荒川区東日暮里1丁目は、最寄り駅に近く、山手線のターミナル駅までも近い位置にあり都心部へのアクセスがいいこと。
その他、用途地域が商業地で、周辺道路も比較的広めに整備されているため、高い建物が建てられる場所であることから、マンション用地として人気が上がっているようです。
4位、北区滝野川5丁目
変動率 7.5%
2023年価格 951,000円(2022年価格 885,000円)
上昇率4位は、北区滝野川5丁目です。
都営三田線【新板橋駅】の東側に位置し、街の北西部には東京ガスの事務所と学校があり、南側の幹線道路沿いには高層マンション、それ以外の場所では一戸建てやアパート、低層マンションなどが建ち並んでいます。
新板橋駅だけでなく、三田線の【西巣鴨駅】や、JR埼京線の板橋駅なども近い位置にあり、交通利便性も良好です。
ただし、町内は道路が狭く住宅が密集しているので、やや住環境としては劣ります。
< 地価が上がった理由 >
山手線の駅アクセスしやすい距離で、複数駅が利用できる交通利便性の高い場所でありながら、地価が他の類似する地域に比べて低いため、割安感から人気がでて高い地価上昇率になっていると思われます。
その他、武蔵野台地上に位置する街ですので、北側にある石神井川沿いの地域を除けば、比較的自然災害に強い地形をしていることもポイントの一つです。
5位、中野区新井2丁目
変動率 7.5%
2023年価格 720,000円(2021年価格 670,000円)
上昇率5位は、中野区新井2丁目です。
JR中央線・東京メトロ東西線【中野駅】の北側へ徒歩10分程の位置に広がる住宅地です。町内は中低層のマンションやアパートが多く、一戸建て住宅も建ち並んでいます。
中野駅の駅前商業地を抜けた場所にあるので、交通・生活利便性がいいのに、閑静な住宅街です。
< 地価が上がった理由 >
中野駅周辺では、2000年頃から再開発の検討が開始され、それ以降再開発により急速に街が発展・進化してきました。
現在も駅周辺で複数の再開発計画が進められており、全て完了するのは2029年(令和11年)頃の予定となっています。
特に新井2丁目のある駅北側は大きく変化する見込みで、こういった期待感から地価が上昇率が大きくなっていると思われます。
中野駅周辺は、再開発を抜きにしても利便性の高い街であることは変わりなく、街のポテンシャルは相当高いので、長期にわたって地価が上昇し続ける可能性が高いでしょう。
上の再開発計画図の⑧囲町東地区では、三井不動産レジデンシャルがパークシティ中野 ザ タワー エアーズとブリーズの二棟全807戸(一般販売401戸)のタワーマンションと、商業施設とオフィスが入る中野M-SQUAREを計画しています。
販売開始は2024年4月上旬、完成は2026年7月頃を予定しております。
6位、荒川区東日暮里6丁目
変動率 7.2%
2023年価格 622,000円(2022年価格 580,000円)
上昇率6位は、荒川区東日暮里6丁目です。
JR山手線【日暮里駅】の北東すぐの場所に位置し、中高層マンション、一般戸建住宅等が混在する地域です。
交通利便性が高い割に、不動産価格が安い地域としても知られています。
< 地価が上がった理由 >
東日暮里6丁目は、街の大部分が準工業地域に指定されており、大きな建物が建てやすく、山手線の駅徒歩圏という交通利便性の高さからマンション用地としての需要が高まっていることにより、地価が上昇していると思われます。
分譲マンションデベロッパーだけでなく、賃貸マンション事業を行う法人投資家からの需要も旺盛なようです。
7位、北区赤羽1丁目
変動率 7.1%
2023年価格 1,360,000円(2022年価格 1,270,000円)
上昇率7位は、北区赤羽1丁目です。
JR【赤羽駅】と東京メトロ南北線【赤羽岩淵駅】の間に位置し、店舗やホテルと中高層マンションなどが混在する地域です。
赤羽駅は京浜東北線・宇都宮線・高崎線・湘南新宿ライン・埼京線の5路線が乗り入れており、赤羽岩淵駅の東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道を合わせると7路線が利用できる非常に交通利便性が高いところが魅力です。
< 地価が上がった理由 >
地価上昇の理由は、複数路線利用可能で都心部にも近接している利便性の良さや、利便性の高さの割に不動産価格が安いこと、マンション建設適地として需要が高まっていることなどが挙げられます。
その他、まだ先ではあるものの赤羽1丁目では再開発計画があり、今後街の発展が期待できるため、中長期的にも地価が上昇していく可能性が高いと思われます。
8位、新宿区赤城下町
変動率 7.0%
2023年価格 754,000円(2022年価格 705,000円)
上昇率8位は、新宿区赤城下町です。
東京メトロ東西線【神楽坂駅】の北側に位置します。
一戸建ての他、アパートや中低層マンションが建ち並ぶ住宅地です。
道路が狭く住宅が密集している地域で、住環境はそれほど良くありませんが、駅にも近く、買い物などに便利な神楽坂商店が近い利便性の良さが魅力です。
また、高台にある街ですので自然災害に強い地形をしています。
< 地価が上がった理由 >
【神楽坂】は独特の風情ある町並みが一部残ることからブランド力があり、人気の街であることや、山手線内中心部に位置する割に不動産価格に割安感があるため、近年地価上昇が顕著となっています。
その他、神楽坂駅の隣の飯田橋駅は、JR中央・総武線、東京メトロ南北線・東西線・有楽町線、都営地下鉄大江戸線の5路線が利用できますし、飯田橋駅を超えるとすぐ千代田区ですので、東京中心部への通勤に非常に便利なことも、人気が高まっている要因だと思われます。
9位、荒川区東尾久6丁目
変動率 7.0%
2023年価格 639,000円(2022年価格 597,000円)
都電荒川線【熊野前駅~東尾久三丁目駅】の北側に位置し、中低層のマンションや戸建て、アパートなどが混在する閑静な住宅街です。
< 地価が上がった理由 >
6位の荒川区東日暮里6丁目同様に、街の大部分が準工業地域に指定されており、大きな建物が建てやすいことから、マンション用地としての需要が高まっていることにより、地価が上昇していると思われます。
また、地価が高騰が著しい東京23区であっても、東尾久のあたりは坪200万円以下で売られている土地も珍しくなく、新築戸建てで5,000万円台のものも見られるなど、割安感から人気が高まっているのかもしれません。
10位、台東区池之端1丁目
変動率 6.8%
2023年価格 1,880,000円(2022年価格 1,760,000円)
東京メトロ千代田線【湯島駅】のすぐ北西に位置します。
中高層マンションやオフィスビルが建ち並ぶ街で、東側に上野公園の不忍池と隣接しており、抜群の眺望が魅力です。
町内の高台には、三菱財閥当主の旧岩崎庭園もあり、財界のトップにも愛された街です。
湯島駅が最寄りですが、周辺には駅が密集しており、山手線の上野駅や御徒町駅なども徒歩圏で、非常に交通利便性が高い街でもあります。
< 地価が上がった理由 >
交通利便性の高さと上野公園隣接の住環境の良さから、需要は旺盛だが供給が少ないこと。
近年のマンション需要の高まりなどが要因で地価が上昇していると思われます。
東京都【住宅地】地価変動率ランキング TOP100(2023)
続いて地価上昇率ランキング11位~100までをご紹介します。
上昇率が同じ場合は、地価が高い方を上位にランク付けしています。
11位~20位
21位~30位
31位~40位
41位~50位
51位~60位
61位~70位
71位~80位
81位~90位
91位~100位
2023年 東京都【住宅地】地価上昇率マップ
下の図は東京都周辺の住宅地の地価変動率を、色別で地図に表したものです。
オレンジ色の場所が特に地価上昇率が高い場所です。
東京都では、23区の西側~北側が特に地価上昇率が高く、23区外だと調布市周辺や府中市、立川市などが高い傾向にあります。
2023年 東京都の【住宅地】で地価上昇率が高かった駅
地価上昇率上位100位までにランクインした街の最寄りの駅で、複数の街がランクインした街をあげると以下になります。
・6カ所 … 中野駅
・4カ所 … 調布駅
・3か所 … 駒込・大塚・東中野・府中
・2か所 … 赤羽・綾瀬・見沼代親水公園・雑司が谷・神泉・西新井大使
田端・都立大学・東池袋・目白・立川
地価上昇率が高かった駅1位 中野駅
地価上昇率5位の中野区新井2丁目でも解説しましたが、中野駅周辺はかなり大規模な再開発を行っている最中で、全てが完了するのは当分先になる予定です。
また、中野駅はJR中央線や東京メトロ東西線が通り、東京都心部との距離も比較的近いことから交通利便性が高いことも人気の理由です。
駅前は商業地としても栄えている他、区役所などもあるため生活利便性が高いだけでなく、個性あるお店も多く存在します。
その他、中野駅周辺は全体的に武蔵野台地の上にある街なので、災害に強い街でもあります。
こういった理由から今後も中野駅周辺の地価上昇率は高い状態が続くのではないかと思われます。
地価上昇率が高かった駅2位 調布駅
調布駅はもともと地上に駅がありましたが、2012年に地下化されたことや、調布駅周辺で4つの再開発事業が行われたため、大きく変貌を遂げました。
駅前には大きな広場があり、それを取り囲むように大型商業施設が建ち並んでいます。現在も駅前広場の整備は続いており、2025年度末頃完成予定となっています。
また、1位の中野駅周辺の街同様に、調布駅周辺も武蔵野台地の高台にある街ですので、自然災害全般に強い街でもあります。
その他、調布は地価がかなり上昇したといっても、23区に比べると不動産価格は安いので、割安感もあって需要者が流れているようです。
こういった理由から調布駅周辺の街は、地価上昇が続いております。
2023年 東京都の【住宅地】で地価上昇率が高かった場所の特徴
つづいて、2023年東京都の【住宅地】で地価上昇率が高かった場所の特徴をご紹介したいと思います。
これから家を購入する予定で資産価値を気にする方、不動産投資で売却益を狙いたい方などは参考にして頂ければと思います。
以下が2023年東京都の住宅地で、地価上昇率が高かった場所の特徴です。
・交通利便性が高い割に、不動産価格が割安
・再開発が行われている
・用途地域が商業系地域・準工業地域・住居地域など、容積率が高くマンション用地に適している
・沿線では、JR山手線や中央線、東京メトロ千代田線、日暮里舎人ライナーの駅に近い
昨年度は、中央区や江東区、杉並区、品川区などが多くランクインしましたが、今年は足立区、荒川区、北区が多くランクインしました。
不動産価格が高騰しているため、割安な地域に需要が流れているのではないかと思われます。
今後の東京都の地価動向の予想、東京都で地価が上がりそうな地域
東京都の住宅地の地価はここ10年右肩上がりで上昇しており、中心部や利便性の高い街では一般的なサラリーマン世帯では手が届かない価格帯になりつつあります。
特にマンション需要が堅調で、マンション価格が高騰しています。
そんななか、今後も地価上昇率が高いと予想されるのは、以下の3つではないかと思います。
・都心部の富裕層向けエリア
・再開発が行われているエリア
・郊外の割安感のあるエリア
都心部の富裕層向けエリア
まず港区など、都心部の富裕層向けエリアですが、富裕層の方は会社を経営していたり、株や不動産などの資産を沢山持っている方が多いことから、景気が良くなるとサラリーマンの方々より所得が向上しやすいという特徴があります。
ここ最近は、円安やコロナ禍からの景気持ち直しにより大企業の業績も良く、株価や不動産価格も非常に高くなっていることから、富裕層の所得が増えてそのお金が都心の高級不動産に向かうという流れが生まれています(株価と不動産価格は相関性が高い)。
また、円安が進んでいることにより、海外の富裕層による東京都心部の不動産購入も活発になっていることも、都心の不動産価格を押し上げています。
2023年に販売が開始された都心の超高級マンションは、売れ行き好調なようですので、今後もこのエリアへの資金流入は続くと思われます。
再開発が行われているエリア
続いて、再開発が行われているエリアですが、東京都では今回ご紹介した中野区周辺だけでなく、色々な場所で数多くの再開発が行われています。
再開発が行われると、利便性や住環境の向上が期待できるため、今後も再開発が行われているエリアでは地価上昇が期待できるでしょう。
中野駅周辺の他、港区で森ビルが行っている麻布台プロジェクトも完成が近づいてきましたので、注目エリアです。
郊外の割安感のあるエリア
そして、郊外の割安感のあるエリアですが、一般的に地価の上昇は利便性の高い中心部が一番最初に上がり、次いで少し中心部から離れた街の駅近など利便性の高いところの地価が上昇、最後にそういった街の地価が上昇し過ぎて一般の人の手に届きづらくなると、中心部から離れた郊外の地価が大きく上昇するという流れになります。
2023年では、足立区や荒川区、北区などで地価上昇率が高い地点が見受けられており、今後は江戸川区や葛飾区、練馬区などの他、市部などもっと割安感のある場所の地価上昇率が高くなる可能性があります。
逆に、都心と郊外の間にあるエリアは、メインの需要層のサラリーマンでは購入するのが困難になりつつあり、かつ富裕層や投資家からの資金流入も見込めないことから、あまり地価上昇率は高くならないのではないかと思います。
その他、一つ気がかりな点としては、日本の物価上昇率が日銀の目標とする2%以上で推移しており、もしかすると近いうちに日銀が金融緩和をやめて金利を引き上げるかもしれません。
金利の上昇は不動産価格にとってマイナス要因となりますので、もし日銀が利上げをすると、全体的に地価が下落する可能性もあります。
>2023年はマンションの売り時⁉統計データでみる高値で中古マンションを売却できるタイミング
今後は、上記3つのエリアを中心に地価は上昇していくことをメインシナリオに、日銀の金融政策にも注目動向にも注目したいところです。
東京都【住宅地】地価上昇率ランキング2023 まとめ
ランキング結果のまとめです。
<2023年東京都【住宅地】地価上昇率ランキングTOP10>
1位、8.1% 足立区綾瀬1丁目
2位、7.9% 足立区千住緑町1丁目
3位、7.8% 荒川区東日暮里1丁目
4位、7.5% 北区滝野川5丁目
5位、7.5% 中野区新井2丁目
6位、7.2% 荒川区東日暮里6丁目
7位、7.1% 北区赤羽1丁目
8位、7.0% 新宿区赤城下町
9位、7.0% 荒川区東尾久6丁目
10位、6.8% 台東区池之端1丁目
< 地価上昇率が高い場所の特徴 >
・交通利便性が高い割に、不動産価格が割安
・再開発が行われている
・用途地域が商業系地域・準工業地域・住居地域など、容積率が高くマンション用地に適している
・沿線では、JR山手線や中央線、東京メトロ千代田線、日暮里舎人ライナーの駅に近い
今回は2023年の地価上昇率ランキングをご紹介しましたが、区ごとや他の市のランキングが知りたいという方は、以下の記事をご覧ください。
その他、もっと長期的なデータや都心からの距離などのデータを用いて、東京で資産価値の高い場所どこなのか調べた記事もあります。
興味のある方は是非ご覧ください⇓
その他、公示地価・基準地価をもとに作成した高級住宅街ランキングもございます。