中古マンションを探していても、売りに出ている物件数が少なくて、希望の条件にあうものがないなんてことありませんか?
物件を探している場所が人気のあるエリアだったり、探す時期や条件によってはよくあることだと思います。
そんな方のために、以前不動産仲介会社で働いていた宅建士の私が、不動産情報サイトなどに掲載されている物件数が少ないときやいい売り物件がないときの、上手な中古マンションの探し方を解説します。
【中古マンションの探し方】は4つある
ほとんどの人は中古マンションを探すとき、スーモやアットホームなどの不動産情報サイトを見て、気になる物件があったら問い合わせを入れるという方法をとります。
しかし、中古マンションを探す方法には大きく分けて4つの方法があるんです。
探し方1、不動産情報サイトを利用する
探し方2、チラシをチェックする
探し方3、不動産仲介会社を利用する
探し方4、マンションのリノベーションをしている不動産会社を利用する
それぞれ詳しく解説します。
中古マンションの探し方1、不動産情報サイトを利用する
ごく一般的な方法で、SUUMOやアットホーム、ホームズなどの他、不動産仲介会社が物件情報を掲載している不動産情報サイトを見て中古マンションを探す方法になります。
以前不動産仲介会社で働いていた私の感覚では、中古マンションを探している人の9割くらいはこの方法で探していると思います。
多くの人が利用するこの方法にはメリットもありますが、デメリットが多いのをご存じでしょうか?
不動産情報サイトを利用するメリット
・色々な物件情報を見ることができる
・物件の写真や位置など詳しい情報がすぐわかる
・相場観が身につく
・問い合わせをしない限り仲介会社から営業を受けることがない
・新着物件情報通知サービスに登録すれば楽
不動産情報サイトは、売りに出ている物件の写真やその他の詳しい情報がすぐ手に入るのがいいところです。
特に物件の写真をたくさん見れる部分が、一番不動産情報サイトが優れている点だと思います。
最近は写真だけでなく、動画やVRを利用して室内の様子を見ることができる物件が増えてきています。
中古マンションを探している人の中には、自分である程度物件の情報を見て興味のある物件が見つかるまで、実際に物件を見に行ったり不動産仲介会社とやり取りしたりしたくないという方も多いと思います。
また、色々な物件情報を見ることによって相場観が身に付き、立地や広さ、築年数などの違いで高い・安いを判断できるようになります。
その他、会員登録して希望の条件を設定しておくと、希望条件に合致した新しい物件情報が自動で送られてくるようになりますので、とても楽です。
不動産情報サイトを利用するデメリット
1,ライバルが多い
2,情報が遅い
3,時間や手間がかかる
4,おとり広告の可能性がある
5,希望の物件情報がなければ待つしかない
不動産情報サイトを利用するデメリットは、まず第一にライバルが多いことです。
いつでも誰でも同時に見ることができますし、ほとんどの人が不動産情報サイトを見て物件を探すので、見るのが遅かった場合は既に内見の予約や購入申込が入っているなんてことも珍しくありません。
つまり、いい物件を手に入れるには定期的に不動産情報サイトを見て、いかに早く問い合わせをいれるかがカギになってくるのです。
これについては、メリットでご紹介した新着物件情報通知サービスを利用すれば対応できる可能性がありますが、サイトによっては新着物件が掲載されると同時にメールがくるわけではないこともありますので、注意が必要です。
その他のデメリットとしては、自分で物件情報を探さなければいけないでの、時間と手間がかかります。
物件情報を見るのが好きな方であればいいかもしれませんが、仕事や家事などで忙しい人にとっては大変です。
また、そもそも売りに出ている物件数が少ない場合は、打つ手がなくどうしようもありません。
中古マンションの探し方2、チラシをチェックする
新聞折込チラシやポスティングされた広告をチェックして、いい物件がないか探す方法もあります。
不動産情報サイトを見れば良くない?と思われる方もいるかもしれませんが、チラシにはチラシ特有のメリットがあるので解説します。
チラシをチェックするメリット
・チラシを撒いている不動産会社が物件情報に詳しい
・情報が早い場合がある
・物件の写真や必要な情報がコンパクトにまとめられている
まず第一に、チラシを撒いている不動産会社がチラシに掲載されている物件情報に詳しいことがあります。
当たり前だろ!と思われる方もいるかもしれませんが、不動産情報サイトでは自分たちで物件情報を載せておいて、その物件情報にあまり詳しくないなんてことも珍しくありません。
これはなぜかというと、不動産情報サイトは物件の売主から直接売却を頼まれている不動産中間会社と、売主から直接ではなく他の不動産仲介会社が売りに出している物件を載せている不動産会社がいるからです。
売主から直接売却を頼まれている不動産会社は、物件情報に詳しいですし、購入希望者から聞かれたことでわからないことがあっても売主にすぐ確認できます。
それに対して、売主から直接売却を頼まれているわけではない不動産会社は、皆さんと同じかそれに毛の生えた程度の情報しか持ち合わせていない場合がほとんどです。
何か質問をされても、売主と直接つながっている不動産会社を通して確認するので時間がかかります。
チラシに関しては、載っている売り物件はチラシを撒いている不動産仲介会社が直接売主から売却の依頼を受けているか、不動産会社自体が売主である場合がほとんどです。
なので問い合わせをすると、物件の情報についてとても詳しいのです。
また、このような場合は不動産情報サイトより情報が早いこともあります。
なぜなら、不動産仲介会社は自分で買主を見つけて売主と買主両方から仲介手数料を貰いたいからです。
不動産仲介会社は売主から物件の売却を頼まれたとき媒介契約を結びますが、専任媒介か千束専任媒介契約を結んだ場合、一定期間以内にレインズという不動産業者のみがアクセスできるサイトに物件の売り情報を登録しなければいけません。
そうすると買主を他の不動産会社が見つけてくる可能性があります。
ありがたいと言えばありがたいのですが、売主からしか仲介手数料を貰えなくなるので儲からないのです。
ちなみに売りに出しているのにも関わらず、他の仲介会社に売却済みなどと嘘を言って自分達で買主も見つけようとする行為は、囲い込みといって業界ではルール違反となっています。
不動産会社自身が売主になっている場合も、自分達で買主をみつけることができれば仲介手数料がかからないので、自分達でチラシを撒いたりします。
チラシに大きく「当社売主につき、仲介手数料不要!」などと書いてあったり、小さく「取引態様:売主」など書かれています。
この場合、購入者も仲介手数料がかからないのでお得です。
その他、複数の物件情報の詳細が写真付きでコンパクトにまとめられているので、一度に短時間で情報収集できます。
チラシのデメリット
・情報量が少ない
・情報を入手する機会が少ない
チラシのデメリットは、不動産会社1社が売っている物件情報しか載っていないことが多いので、そのエリアで売られている物件情報全てを入手できるわけではありません。
また、新聞を取っていない家庭や、チラシ投函お断りの賃貸マンションにお住まいの方は、そもそも目にする機会がありません。
中古マンションを探す際は、他の方法をメインにし、たまたまチラシが入ってきたら目を通すようにしましょう。
中古マンションの探し方3、不動産仲介会社を利用する
私が一番おススメしたいのが、【購入を希望するエリアの複数の大手不動産仲介会社に、希望条件を伝えるて探してもらう方法】です。
この方法にはいくつかメリットがあるので解説いたします。
大手不動産仲介会社に欲しい物件の条件を伝えておく5つのメリット
大手不動産仲介会社に、欲しい物件の条件を伝えておくメリットは以下の5つです。
メリット1、他の人より早く情報を入手できる
メリット2、表には出ていない物件情報を入手できる可能性がある
メリット3、待っているだけで、最新の情報が送られてくるので楽
メリット4、売りに出ていない物件の所有者に、売却交渉してくれる
メリット5、ライバルが少ない
メリット1、他の人より早く情報を入手できる
まず知っておいて頂きたいのが、中古マンションや土地・戸建てなどの流通の仕組みです。
売物件が不動産ポータルサイトに掲載されるまでは、簡単にまとめると以下のような流れがあります。
1【売主から仲介会社に物件売却の相談】
2【物件の現地・役所調査・売却金額の査定】
3【売主と仲介会社で媒介契約締結】
4【物件の写真撮影】
5【不動産ポータルサイト掲載】
実際に売却活動を始めてから、ポータルサイトに掲載されるまである程度時間がかかるということです。
一般の方が実際に不動産情報サイトにて確認できるのは、最後の5【不動産ポータルサイト掲載】の段階です。
しかし、仲介会社に物件の希望条件を伝えておくと、3【売主と仲介会社で媒介契約締結】の段階で物件情報を入手することができます。
場合によっては、1【売主から仲介会社に物件売却の相談】の時点で、『ご希望条件の売物件が出そうです!』という連絡が、仲介会社から入ることもあります。
その他、新築戸建ては建売業者が直接販売することもありますが、売却を仲介会社に委託しているような建売業者の場合、新築戸建て用地を建売業者に売却した不動産仲介会社が、そのまま新築戸建ての売却も仲介することがあります。
このような場合は、戸建て用地を建売業者に売却した時点で、仲介はいつ頃どこに新築戸建てが売りに出る予定ということを、独占的に知っているので、そのような情報を貰えることもあります。
上記のような理由から、この方法では多くの方の人目に触れるポータルサイト掲載前に、最新の情報を入手できるのです。
人気の物件では、スピードが非常に重要です!本当に人気の物件は売りにでてから1週間も経たずに、購入申込が入ります。
特に人気マンションでは、戸建てに比べると建物に問題がない場合が殆どなので、購入検討者もそれほど時間をかけて検討せずに購入してしまいます。すごい人だと物件を見ずに申込をする人もいます。
メリット2、表には出ていない物件情報を入手できる可能性がある
それほど数は多くないのですが、物件の中には売主が売却中であることを周りに知られたくないなどの理由で、不動産情報サイトに掲載されていない物件があります。
その他、積極的に売りたいとは思っていないが、高く売れるなら売却してもいいという人もいたりします。
不動産仲介会社に希望条件を伝えると、このように表に出てこないいわゆる未公開物件を紹介してもらえる可能性があります。
メリット3、待っているだけで、最新の情報が送られてくるので楽
不動産仲介会社に希望の物件条件と連絡先などを伝えておくと、上の画像のように、最新の売出物件が出るたびにメールなどで教えてくれます。
物件を探している方としては、待っているだけ最新の情報が手に入るので非常に楽ちんです。
最新の売出物件情報だけでなく、もともと他の条件は揃っているが、金額的に条件に合っていなかった物件が値下げした場合にも、連絡をくれたりします。
送ってもらった物件情報に対して、毎回返信する必要はありません。気になる物件があった時だけ問い合わせを入れましょう。
注意点としては、物件を購入して探すのを辞めたとしても、配信停止の手続きを取らないとずっと送り続けてくるので、購入済みの場合は速やかに配信停止の手続きをとりましょう。
メリット4、売りに出ていない物件の所有者に、売却交渉してくれる
熱心な不動産仲介会社の担当者は、かなり具体的な希望条件を伝えると、条件に合致している物件の所有者に対して、「こちらの物件を購入したいというお客様がいます。売って頂けませんんか?」といった文言を書いたチラシを撒いてくれることもあります。
例えば、マンション名を名指しで購入したい旨を伝えたら、そのマンションにチラシを撒くのです。
正直言って効果としては、それほど高いものではないのですが、たまたま売ろうと思っていたとか、高く買ってもらえるならとか、少し時間が経ってから、チラシをとっといた方などから、本当に連絡を貰えることがあります。
売りに出ていない物件を、売却物件に変えてくれる可能性があるんです。
メリット5、ライバルが少ない
私は仲介会社で働いていた経験があるのですが、お客さんの物件を探すお手伝いをする流れは、殆どの場合、まず始めは不動産情報サイトを見て問い合わせを入れてくるところから始まります。
1番初めに店舗に電話や来店して、「こういった条件の物件を探しているから、売りに出たら連絡して欲しい!」といったやり取りから始まるお客さんは殆どいません。
みんな売りに出ている物件ありきで、物件を探しているのです。
ライバルが少ない上に、最新の情報を受け取れる、超有効的な方法なのです。
大手不動産仲介会社に、希望条件を伝える具体的な方法とその理由
具体的な方法と、なぜそれをするのか?理由を解説します。
方法1 希望エリア周辺の複数の不動産仲介会社に条件を伝える
まず、仲介会社1社ではなく、必ず物件周辺の複数の仲介会社に条件を伝えて下さい。
なぜ複数の仲介会社にするかというと、単純にその方が情報が集まりやすいからです。
しかし、複数の不動産会社に連絡して希望条件を伝えるのは大変だと思います。
方法2 有名な大手不動産仲介会社に条件を伝える
次に、中小の仲介会社ではなく、有名な大手不動産仲介会社に条件を伝えて下さい。
日本の不動産の流通の仕組みでは基本的に、物件の所有者は大手不動産仲介会社に売却をお願いすることが多く、中小の不動産仲介会社は大手が流した売物件の情報をもとに、購入希望者に紹介するという流れになっています。
なぜこのような流れになっているかというと、大手は知名度があって信用があること、多額の予算を使って広告宣伝しているからです。
中小不動産会社が売主から売却の依頼を受けることもありますが、大手不動産仲介会社に比べると圧倒的に少ないので、中小不動産会社にお願いしてもあまり効率的でないことや、既に出回っている情報しかくれない可能性が高いので、大手に条件を伝えておけば十分だと思います。
ただし、中小と言っても、地元では古くからあり有名で複数店舗があるような会社であれば、お願いしておきましょう。
方法3 希望条件はできるだけ細かく伝える
希望条件があまりにもざっくりしたものだと、仲介会社としても、この人本気なのだろうか?と思われかねません。
その他、大して興味のないような物件情報が、沢山送られてくるようになってします可能性もあります。
とは言え、仲介会社の営業も色々と細かく聞いてくると思うので、絶対条件なのか、できればこうだといいと思う程度の条件なのかを、区別して伝えましょう。
方法4 来店または、電話で条件を伝える
不動産仲介会社に問い合わせを入れてくる人の中には、冷やかしのような方も結構います。
営業担当者の時間も限られているので、この人は本気で家を探している!と思われる方が、頑張って物件を探してくれます。
ホームページの問合せから、メールで希望条件を伝えるのも、何もしないよりマシなのですが、より有利に情報を得たいと思うなら、直接店舗に来店または、電話した方が本気度の高いお客さんだと思ってもらいやすくなります。
方法5 マンションを建てた分譲会社の、仲介子会社に条件を伝える
パークホームズなど、大手不動産デベロッパーが建てたブランドマンションを、中古で購入したい場合は、そのマンションを建てたデベロッパーの不動産仲介をしている子会社に、売りに出たら買いたい旨を伝えましょう。
マンション分譲会社とは、マンションを新築して売っている会社のことでデベロッパーともいわれます。有名どころで言うと、三菱地所・三井不動産・住友不動産・野村不動産などです。中堅会社も入れるとかなりの数があります。
これらの大手や中堅分譲会社には、大抵不動産仲介をやっている子会社が存在します。マンションの所有者にはそれらの不動産仲介子会社で売却すると、仲介手数料割引などの特典が受けられたりします。
また、三井不動産のマンションの所有者は売却の際、三井不動産のマンションだから三井のリハウスに頼もう!となることが多いです。
実際にマンションの売却情報をみると、そのマンションの分譲会社の子会社が仲介しているパターンが多いです。
分譲会社を調べる方法ですが、『購入を検討しているマンション名+分譲会社』で検索すれば、簡単に調べられます。分譲会社がわかったら『分譲会社+不動産仲介+子会社』などで検索すれば、仲介をしている子会社の存在や、社名もわかります。
有名な大手8社の情報を載せておきます。
もっと詳しい情報を知りたい方は、マンション情報サイト【マンションマーケット】が、マンションブランド一覧情報を公開しています。
人気マンションの売却情報をいち早くキャッチしたいときは、不動産仲介をやっている子会社に依頼するのが得策です。
物件の売却情報がでたら、すぐに教えてもらえますので、ライバルよりも早く情報を入手することもできちゃいます。
中古マンションの探し方4、マンションのリノベーションをしている不動産会社を利用する
最近は、中古マンションを自社で仕入れてリノベーション工事をし、自社で販売する不動産会社が増えてきました。
俗に言うリノベーションマンションというやつです。
リフォームされているので内装はピカピカで、住宅設備も最新のものになっています。
お値段はそれなりにしますが、自分でリフォームするのは大変ですし、自分でやるより安いこともあります。
リノベマンションを販売している大手の不動産会社は、自社サイトで物件情報を発信しているところもありますし、電話やメールで希望条件を伝えておくと、今後販売予定の物件情報を教えてくれたり、場合によっては希望エリアの物件を積極的に仕入れに行くこともあります。
会員登録しておくと希望条件に合う最新の物件情報だけでなく、販売開始前の未公開物件を紹介してくれるところもあります。
まとめ
中古マンションの探し方には、大きく分けて4つの方法があります。
探し方1、不動産情報サイトを利用する
探し方2、チラシをチェックする
探し方3、不動産仲介会社を利用する
探し方4、マンションのリノベーションをしている不動産会社を利用する
物件数が少なくて条件にある物件がないときは、 購入を希望するエリアの複数の大手不動産仲介会社やリノベーションマンション販売業者に、希望条件を伝えて探してもらいましょう。
大手不動産仲介会社に、欲しい物件の条件を伝えておくメリットは以下の5つです。
メリット1、他の人より早く情報を入手できる
メリット2、表には出ていない物件情報を入手できる可能性がある
メリット3、待っているだけで、最新の情報が送られてくるので楽
メリット4、売りに出ていない物件の所有者に、売却交渉してくれる
メリット5、ライバルが少ない
大手不動産仲介会社に、希望条件を伝える具体的な方法
方法1 希望エリア周辺の複数の不動産仲介会社に条件を伝える
方法2 有名な大手不動産仲介会社に条件を伝える
方法3 希望条件はできるだけ細かく伝える
方法4 できるだけ来店または、電話で条件を伝える
方法5 マンションを建てた分譲会社の、仲介子会社に条件を伝える
物件が少ないということは、ライバルが多いということです。今回ご紹介した方法て、いい物件をいち早く手に入れましょう。
このサイトでは、他にも中古マンションの購入に役立つ情報を発信しています。
カテゴリー一覧や、下の関連記事から興味のあるものがあれば、是非合わせてご覧ください。