一戸建てを買おうと思ったけど、【新築】・【中古】どっちにするか迷う方もいるのではないでしょうか?
いやいや、新築がいいに決まっているじゃん!と思う方もいるかもしれませんが、不動産を購入する場合は、予算が関係してきます。また、新築だけに絞ると希望の立地に売物件がでてこないなんてこともあります。
一概に新築がいいとは言えず、それぞれにメリット・デメリットがあるんです!
なので家探しをする際には、新築住宅と中古住宅それぞれのメリット・デメリットを知ったうえで、自分達に合った方を選びましょう。
一戸建てを買うなら、新築と中古どっちがいい?メリット・デメリットを解説
それでは早速、新築戸建てと中古戸建て、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
【新築】戸建てのメリット
新築戸建てには、以下の6つのメリットがあります。
1,見た目も室内も綺麗
2,設備が最新
3,住宅性能が高い
4,購入してからしばらくは、建物や設備の修繕費がかからない
5,住宅に関わる税金の優遇策がある
6,売却しやすい
新築メリット1 見た目も室内も綺麗
当たり前のことですが、新築なので全てが新品で外観も室内も綺麗です。特に中古だと汚れが目立ちやすい、水回りがきれいなのは、嬉しいポイントの一つです。
家を購入後に、人を呼んでも自慢できますし、実際にうらやましがられることも多いです。
新築メリット2 設備が最新
様々な住宅設備は、日々進化しています。新築戸建ては、不動産業者が強引に安く建てたような物件でもない限り、最新の住宅設備がついています。
機能が変わらなくても、省エネ性能が違うなど何かしら性能向上しているものです。
最近では、一戸建てでも玄関に宅配BOXがあったり、電動の室内物干しなどがあったりします。
設備は後から最新のものに取り換えたり、新設することもできますが、全部するとなるとかなりのコストがかかりますので、初めからついているのが一番です。
新築メリット3 住宅性能が高い
近年、国は古くなっても安心・快適に住めるような住宅を増やす政策を行っており、環境性や耐震性、メンテナンスのしやすさなど、一定の基準を設けて、それ以上の性能の物件に対する認定制度を設けています。
認定された住宅には、有利な条件の住宅ローンが利用できたり、税優遇策なども用意されていることもあり、新築建売業者もこのような優遇策を利用できる物件の供給を増やしているます。
上記より新築戸建ては、断熱性能が高く省エネだったり、耐震性が高い傾向にあります。
新築メリット4 購入してからしばらくは、建物や設備の修繕費がかからない
建物自体も設備も新しいので、すぐに修理が必要になったり、故障するようなこともありません。万が一故障するようなことがあっても、一定期間は保証期間になるので、無償で修理交換してもらえます。
新築メリット5 住宅に関わる税金の優遇策や給付金がある
新築住宅には、様々な税金の優遇策や給付金があります。
所得税を減税する住宅ローン減税や、不動産取得税・登録免許税・固定資産税などを減税する制度、住宅購入時にお金が貰えるすまい給付金などです。
これらには、中古住宅でも利用可能なものもあれば、中古住宅では利用できないものもあるんです。
また、住宅性能の部分でも少し解説しましたが、長期優良住宅や低炭素住宅など、優良な住宅に認定されている物件であれば、減税幅が拡大したり、期間が延びるなど、普通の新築戸建てよりさらに優遇されます。
すまい給付金については、詳しく解説されている方がいらっしゃったので、詳しく知りたい方はリンク先の記事をご覧ください。⇒不動産歴7年宅建士のプロが解説】すまい給付金とは!
新築メリット6 売却しやすい
新築住宅は、ある程度住んでから売りに出しても、購入者を見つけやすいです。
古い物件は検討対象外だけど、築浅(築年数がそれほど経っていない)の物件であれば、購入検討対象に入れる人も多くいるからです。
また、築20年以上経過すると、購入者は耐震診断などを行って証明書を取得しないと、住宅ローン控除を利用できなくなりますので、急激に人気が落ちます。
家を売るときは、痛みが少なくきれいな状態が一番売りやすいのです。
【新築】戸建てのデメリット
続いて新築戸建てのデメリットを、5つ紹介します。
1,物件価格が高い
2,同じ価格帯の中古物件に比べると、土地・建物ともに狭い
3,同じ価格帯の中古物件に比べると、立地が悪い
4,資産価値の減少が大きくて、早い
5,購入対象を新築だけに絞ると選択肢が減る
新築デメリット1 物件価格が高い
新築住宅は、当たり前ですが同じような立地・広さの中古戸建に比べると、価格が高いです。
また、新築戸建てを売っているのは、不動産業者になります。不動産業者は儲けるために新築戸建てを販売しておりますので、利益がのっかった価格になります。
建売住宅の値引き交渉について解説している記事もありますので、興味のある方はそちらもご覧ください。
>>【建売住宅】値引き交渉成功パターン6選|新築戸建てを安く買う方法を解説
新築デメリット2 同じ価格帯の中古物件に比べると、土地・建物ともに狭い
新築という部分に多く予算を取られるので、中古に比べると、土地や建物が狭くなりがちです。
中古物件にすれば同じ金額でも、もっと広い家に住める可能性があります。
新築デメリット3 同じ価格帯の中古物件に比べると、立地が悪い
土地や建物の広さを妥協しなかった場合は、駅から遠い場所や、都心から離れた駅など、立地を妥協しなければ予算内で物件を購入できないこともあります。
中古だと、もっと立地のいい便利な場所に家を購入できる可能性があります。
新築デメリット4 資産価値の減少が大きくて早い
新築の建売戸建ては、物件にもよりますが、だいたい建物価格が業者の利益を含めて約2,000万円くらいで、残りが土地代になります。東京23区の不動産価格が高いのは、建物自体が千葉や埼玉よりいいのではなく、土地代が高いからです。
建物は年数が経つにつれて劣化していきますので、価値が下がっていきます。(土地は時間の経過ととも劣化しないので、土地の価値は時間が経っても変わらない)
日本の木造住宅の場合、中古市場ではだいたい20~25年くらいで、建物の価値を0として取引されます。
つまり、新築戸建てを購入した場合は、購入直後に不動産会社の利益分が値下がりし、そこから20年くらい経過すると、合計で2,000万円くらいは確実に値下がりしてしまうのです。
不動産の資産価値の変化について興味のある方は、詳しく解説している記事がありますので、是非ご覧ください。
>>家を買うなら、中古戸建てがおすすめ 7つの理由と不動産の資産価値について解説!
新築デメリット5 購入対象を新築だけに絞ると選択肢が減る
購入対象を新築だけにすると、何年もいい物件がでてこないこともあります。特に購入希望エリアが狭い場合は、そういったことも珍しくありません。
逆にいうと新築購入希望者の方は、購入希望エリアに新築物件が出た場合、デザインや設備・間取りなどのがあまり希望じゃなくても、購入しないと、次は何年後かわかりません。
新築を購入したい方は、あまりエリアにこだわらずに、家探しをしましょう。
【中古】戸建てのメリット
1,物件価格が安い
2,同じ価格帯の新築物件と比べると、土地・建物ともに狭い
3,同じ価格帯の新築物件に比べると、立地がいい
4,資産価値の減少が小さく、遅い
5,選択肢が豊富になる
中古メリット1 物件価格が安い
新築住宅と同じような立地・広さの中古戸建は、新築に比べて価格が安いです。
中古メリット2 同じ価格帯の新築物件と比べると、土地・建物ともに広い
新築の場合、建物にかかる予算が大きいですが、中古の場合その予算を建物の広さや土地の広さを得るために使えます。
たまに、中古物件を買う人はお金がないからだと思っている人がいますが、そういうわけではありません。
東日本不動産流通機構のレインズデータライブラリーによると、中古住宅を購入している人は、新築住宅に比べて土地や建物が広い物件を購入していることがわかります。
中古メリット3 同じ価格帯の新築物件に比べると、立地がいい
新築物件と同価格帯の中古物件を購入する場合、中古物件の方が駅に近い場所や、中心部に近い隣の駅、急行停車駅など新築物件よりいい立地の物件が購入可能になります。
家選びにおいては、後から変えられないものを中心に物件を選ぶのが非常に重要なので、私はいい立地・便利な立地に家を購入することをお勧めしています。
また、利便性のいい立地の物件は、資産価値が保たれやすく、売却時も値付けさえ間違えなければすぐ売れる傾向にあります。
中古メリット4 資産価値の減少が小さく、遅い
日本では、木造一戸建ては築20~25年程で、建物の価値が0円として査定・取引される傾向にあります。
これは、築20~25年で建物が使用できなくなるわけではなく、税法上の耐用年数が22年であることや、新しいもの好きの日本人の性質、今までの商習慣などによるものに過ぎません。
また、建物は時間の経過とともに価値がないものとされますが、土地は経年劣化・利用可能年数という概念が存在しないため、時間の経過の影響で価値が下がるということはありません。
不動産においては、時間の経過によって建物の価値は下がるけど、土地の価値は下がらないため、なるべく土地の価値に近い価格で売られている物件の方が、値下がりしないことになります。
下の図は新築戸建ての資産価値の変化をグラフにしたものの例です。赤い線が土地の価値、青い線が土地+建物の価値を表しています。
築20年程度経過した物件であれば、既に土地値またはそれに近い価格で販売されているので、購入後に時間が経っても、周辺の需要が変化しなければ、購入価格と同じような価格で売却が可能になります。
築年数ごとの戸建ての資産価値について詳しく解説している記事もありますので、興味のある方はご覧ください。
>>築年数で一戸建ての建物の価値はどれくらい下落する?新築から築25年までの価格推移を解説
中古メリット5 選択肢が豊富になる
購入条件を新築物件だけに絞ると、どうしても選択肢が少なくなってしまいます。
特に、住みたい場所がかなり狭い範囲に限定している場合などは、いつまで経っても売物件がでてこないこともあります。売物件がでるかどうかは完全に運ですので、自分ではどうすることもできません。
物件の供給が豊富なエリアでなければ、中古住宅も選択肢に入れるべきだと思います。
【中古】戸建てのデメリット
1,見た目や室内に傷や汚れがある
2,設備が古い
3,住宅性能が低い
4,購入してすぐに建物や設備の修繕が必要になる場合がある
5,住宅に関する税金の優遇策が利用できない場合がある
6,建物の劣化や、シロアリ被害などが心配
中古デメリット1 見た目や室内に傷や汚れがある
購入する家の築年数や、全所有者の使い方などにもよりますが、中古住宅に傷や汚れは付き物です。よほど築浅な物件でもない限り、新築のようなきれいな状態は期待できません。
とくに男の子が小さい頃から住んでいた家は、壁やドアに穴が空いていることも珍しくありません。
また、外壁塗装など適切な時期に家の手入れをしている家としていない家では、見た目も傷み具合も全然違います。
古くても綺麗な物件は、扱い方が良かったり、しっかり手入れされていた物件と言えるでしょう。
中古デメリット2 設備が古い
中古住宅についている設備は、リフォームや設備の買い替え等していなければ、基本的に新築当時のものがついています。
また、食洗器や宅配BOX、電動雨戸など、築年数によっては今どきの設備はなかったりします。
中古デメリット3 住宅性能が低い
今どきの住宅は、国を挙げて住宅性能の向上に力を入れています。なので、中古住宅では現在の住宅性能に比べると断熱性や、省エネ性能などの性能が低い傾向にあります。
夏暑く、冬寒い、結露するなど快適性にも大きく関わる部分です。
後々リフォームで改善できる部分ではありますが、家全体となるとかなりお金がかかる部分です。
中古住宅を購入する際は、窓が複層ガラスのものか二重窓になっているか確認しましょう。
耐震性に関しては、築35年以内の物件であれば新築・中古でそれほど大きな違いはありません。
中古デメリット4 購入してすぐに建物や設備の修繕が必要になる場合がある
中古住宅は、建ってからある程度時間が経過しているので、建物自体も設備も経年劣化しています。設備の中には消耗品もあるので、新築に比べてすぐに交換や修理が必要になります。
家を購入する際は、いつどのような手入れをしていたのか?しっかり確認しましょう。全然していないようだと、購入後に一気に設備が故障したりして、多くな出費になる場合があります。
中古デメリット5 住宅に関する税金の優遇策が利用できない場合がある
住宅ローン減税は、木造住宅だと基本的に築20年以内でなければ利用できません。築20年超の物件で住宅ローン減税を利用するには耐震基準適合証明書、住宅性能評価書(耐震等級が1、2又は3であるものに限る)の写し又は既存住宅売買瑕疵保険付保証明書を取得しなければいけません。
これらを取得する際には、お金がかかりますし、物件によっては必ず取得できるとも限りません。
また、住宅ローン控除を利用できたとしても、控除できる金額が新築住宅の半分程度しかありません。
その他、すまい給付金は物件購入時に消費税がかかる不動産業者からの購入でなければ、もらうことができません。リノベーション住宅などもあるにはありますが、数はすくなく、中古住宅を購入して貰えることはほとんどありません。
中古デメリット6 建物の劣化や、シロアリ被害などが心配
中古戸建を購入して一番心配なのは、その物件を購入して長く住めるのか?耐震性や雨漏り、シロアリの被害がないかなど、色々あります。
ほとんどの物件では問題ないのですが、購入者としては不安になってしまうものです。
欧米などでは、ホームインスペクションといって、購入前にプロが住宅に欠陥や修繕が必要な個所がないか、チェックするのが当たり前となっていますが、日本の場合徐々に増えてきているとは言え、まだまだ当たり前の存在ではなく、購入希望者は利用したいと言っても、売主側が拒否することもあります。
不動産仲介会社も面倒な作業が増えることや、もし物件に問題が見つかったら売値を下げざるを得ない(仲介手数料が減る)など、仲介会社にとってそれほどメリットがないので、勧めません。
素人でもできるチェック方法は、上の階の天井や窓の周りを見て雨染みがないか見ることです。雨漏りしている物件では、天井や窓の際などの壁紙に茶色っぽい染みができています。
新築・中古戸建の、やってはいけない選び方
続いて、新築戸建て・中古戸建てを選ぶ際に、やってはいけない選び方を解説します。
新築戸建ての、やってはいけない選び方
新築にこだわるあまり、予算内におさめようと、やってはいけない選び方をする方がいますので、新築戸建てを購入する際に、やってはいけない選び方をご紹介します。
とても不便で人気のない場所に家を購入する
駅から徒歩20分以上かかる場所や、周りに買物できる店がない場所、線路沿いや険悪施設(お墓など)のすぐ隣など、このような場所は住んでから後悔したり、将来売却しづらかったりしますので、新築に住みたいからと言って購入するのは、やめた方がいいと思います。
旗竿地や傾斜地など、土地の形が悪い場所の家を購入する
旗竿地のように土地の形が悪いものや、土地に大きな傾斜がある物件、行き止まり道路の一番奥の物件などは、普通の物件に比べると価格が安いので、つい購入してしまう人がいるのですが、私はお勧めしません。
こういった物件は、若干の生活のしづらさを我慢すれば、普通に生活できなくはないのですが、将来家を売るときに、買い手がつきづらいです。買い手が付いたとしても、周辺の普通の物件に比べて大幅に安い値段じゃなければ売れません。私は、以前仲介会社で働いていましたが、売れない物件を沢山みてきました。
その他、土地に高低差がある場合や、土地の形が悪い場合、建設費が余計にかかってしまうこともあります。
旗竿地の新築物件を検討している方には、旗竿地の物件について解説している記事もありますので、興味のある方は、ご覧ください。
>>旗竿地は安いけどやめたほうがいい?メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
狭すぎる物件を購入する
注文住宅を建てる人にたまにいるのですが、新築・注文住宅にこだわるあまり、狭い土地に狭い家を建てる人がいます。
建売住宅でも極まれにあるのですが、狭すぎる物件は将来なかなか売れません。
マンションであれば、20㎡台の1ルームから100㎡以上の4LDKまで幅広く需要があるのですが、戸建ての場合、狭い物件は需要がほとんどありません。
また、戸建ては大抵2階または3階建てになっているので、階段があります。階段はそれなりにスペースをとるので、延べ床面積が70㎡くらいあっても、実際に使える部屋の広さはもっと小さくなります。平面のマンションの同一面積と比べると、狭いので注意してください。
中古戸建の、やってはいけない選び方
建物の痛みや老朽化が激しい物件を購入する
安いからと言って、 建物の痛みや老朽化が激しい物件を購入するのはやめましょう。
建物や住宅設備の修理で、多額の費用がかかってしまう可能性があります。最悪の場合、物件購入費用と修繕費を合わせれば新築を購入できてしまったなんてことになりかねません。
もちろん、はじめから大規模なリフォーム前提で、その分物件購入価格を値引きしてもらい、購入する分には問題ありません。
しかし、長く住めなさそうなくらい柱や梁など重要な構造部分が痛んでいる物件は、やめましょう。
まとめ
上記で解説した【新築】・【中古】戸建てのメリット・デメリットを比較した表が以下のものになります。
上の表の通り、新築と中古は一長一短の関係にありますので、どちらがいいというものではなく、自分達は何を重視するのか?が一番大切です。
何を重視するのか、家族で話し合って決めましょう!
今回は戸建ての新築・中古の違いについて解説しましたが、戸建てとマンションで迷っている方向けの解説記事もありますので、興味のある方はご覧ください。
>>一戸建てとマンション買うならどっち?売りやすさ・維持費・資産価値などを徹底比較!
その他、家の購入・建築で後悔しやすいポイントを解説している記事もあります。