古い中古マンションの15のデメリットと、購入する際の注意点

古いマンション

・マンションを購入したいけど、新築だといい立地の物件がないし高い

・希望の立地のマンションを見つけたけど、築年数が古くて心配

・新築や築浅のマンションだと予算が厳しくて、古いマンションしか買えそうにない

・古いマンションを買って自分好みにリノベーションしたいけど、注意点が知りたい

そんな方のために、古いマンションのメリット・デメリットを解説します。

公益財団法人東日本不動産流通機構が公表しているデータによると、2016年以降首都圏では、新築マンションより中古マンションの成約件数の方が多くなっています。

最近は古くても室内がリノベーションされた綺麗なマンションも多く、築年数の経過したマンションの購入を検討している方も多いです。

でも、将来どうなるのか?何年住めるのか?建て替えられるのか?など、不安で買うべきか迷っている方もいるのではないでしょうか?

この記事を読めば、不安を解消し、しっかりとした判断を下せるようになります!

なお、当記事でいう古いマンションとは、築40年以上経過したマンションを想定しています。

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中古マンションの取引件数

古いマンション以前に、中古マンション自体買っていいのか心配という人もいるかもしれませんので、どれくらい中古マンションが取引されているか、みてみましょう。

首都圏中古マンション成約件数
引用: 公益財団法人東日本不動産流通機構 レインズデータライブラリーのデータをもとに作成 http://www.reins.or.jp/library/

上のグラフは、 公益財団法人東日本不動産流通機構が公表している、中古マンションの取引件数のデータをグラフ化したものです。

中古マンションの取引件数は、右肩上がりで増えているのがわかります。

2020年度の首都圏新築マンションの供給数は約29,000件ですが、中古マンションの取引件数はここ5年ほどでは年間35,000~40,000万件の間で推移しており、中古マンションの取引件数の方が多くなっており、今となっては当たり前となっています。

古いマンション購入の15のデメリット

中古マンションの取引が増えているとは言え、古いマンションには多くのデメリットがありますので、解説します。

1,建て替えできない可能性がある

2,売れない可能性がある

3,廃墟化する可能性がある

4,ローンが組みにくい

5,耐震性が低い

6,住宅ローン控除が使えない

7,すまい給付金を貰えない可能性が高い

8,セキュリティ設備が少ない

9,遮音性が低い

10,ペットの飼育ができない

11,建物の修繕コストが高い

12,間取りが古い

13,設備が古い

14,インターネットの光回線が利用できないことがある

15,漏水事故が起きやすい

1,建て替えできない可能性がある

マンションを建て替える場合、区分所有者の4/5の賛成が必要です。(区分所有法第62条)

建て替えられたとしても、基本的には建て替え費用が必要ですし、建て替え中は一時的に引っ越さなければいけませんので、特に高齢者の方が嫌がります。

また、建て替えには区分所有者の合意形成に、非常に時間がかかります。

2020年11月22日に東京都板橋区でマンション建替組合が設立された案件では、2005年頃から建て替えの検討がされ始めたとのことなので、実際に建て替えになるまで15年の月日が経っています。(ちなみに板橋区初の、マンションの建て替え事例とのことです)

実際に日本で、建て替えられたマンションの数は、建て替え中・建て替えが決まっているものも含めて、2020年4月の時点で、295件しかありません。

都市部の駅近など好立地で、ある程度まとまった広さの土地の場合は、建て替えられる可能性が高いです。

しかし、以下に該当するマンションは、建替えできない可能性が高いので特に注意が必要です。

・地方の駅から遠い場所にあるか、駅の近くにあっても駅自体の利用者が少ない。

・土地が小規模

・築50年以上経過しているのに、管理組合で建て替えの話しが一切ない

マンションの管理会社や管理人などに、建て替えの話しは多少なりともでているか確認すれば教えてもらえますので、仲介会社の人に確認してもらいましょう。

日本での、マンションの建て替えの現状について詳しく知りたいという方は、調査した記事がありますので、是非ご覧ください。

>> マンションは建て替えできない可能性98%⁉成功例の件数・割合・築年数を調査

2,売れない可能性がある

古いマンションは建て替えの検討さえされていない場合、時間が経つほど不確実性が高まりますので、購入の検討対象から外されやすくなります。

その他にも建物の外観・室内の劣化、住宅ローンが使いづらいこと、新築マンションの供給なども売却に影響します。

今現在、築30~40年くらいの築年数だったとしても、購入して30年後には築60年以上になっていますので、そのようなマンションを購入する人がいるでしょうか?

東京都心部などの、超好立地でないとその可能性は低いと思われます。

3,廃墟化する可能性がある

所有しているマンションが、建て替えも売却もできない場合、八方ふさがりとなりそのまま月日が経過することとなります。

築年数が経つと、建物が傷んできますので、修繕コストがどんどん高くなっていきます。

修繕ができなくなると、住む人も減っていき廃墟化する恐れがあります。

実際に滋賀県野洲市で、マンションが廃墟化してしまった事例があります。危険なため市が行政代執行で解体し、解体費を区分所有者に請求するという事態が発生しています。

廃墟になった分譲マンション
実際に廃墟化して話題になったマンション google ストリートビューから引用

>>売れない家・マンションはどうなる?不動産営業マンが見た、売れ残った物件が辿る道

4,ローンが組みにくい

古いマンションは担保価値が低いため、住宅ローンの融資をしない銀行があります

三菱UFJ銀行のネット住宅ローンの場合、旧耐震基準(昭和56年6月より前に建築確認を受けている建物)のマンションは、住宅ローンの利用ができません。(今後変わる可能性があります)

フラット35の場合も、住宅金融支援機構が定める技術基準というものに適合している必要があり、新耐震基準か、旧耐震基準の場合は機構の定める構造・形状になっていないと利用できません。

また、ローンが組めても返済期間が短くなったり、金利が高い場合があります。

>>フラット35はやめたほうがいい?銀行や不動産会社がおすすめしない理由

5,耐震性が低い

昭和56年(1981年)6月より前に建築確認(建築の許可のようなもの)を受けているマンションは、旧耐震基準で建てられているため、それ以降の新耐震基準で建てられたマンションより耐震性が劣ります

更に古い昭和46年(1971年)より前の物件は、旧旧耐震基準といってさらに耐震性が低いです。

今後、南海トラフ地震や関東大震災のような地震が起きる可能性が高いと言われており、起きた場合建物倒壊の危険性があります。

しかし古いマンションでも、耐震補強しているマンションや、もともと強固な造りになっているマンションもあります。

耐震基準が新旧どちらなのか・耐震補強をしているかどうかは、中古マンションを購入する際の重要事項説明書にて記載されていますし、販売資料にも売り文句として記載されていることがあります。

6,住宅ローン控除が使えない可能性が高い

住宅ローン控除を受けるには、中古マンションの場合は築25年以内または、耐震基準に適合するものという利用条件があります。(その他にも細かい規定があります)

旧耐震基準で建てられているマンションの場合、耐震工事をしていないと基本的には耐震基準適合証明書というものが取得できないため、住宅ローン控除を受けられない可能性が高いです。

住宅ローン控除の詳しい利用要件については、国土交通省のサイトをご覧ください。

>>http://sumai-kyufu.jp/outline/ju_loan/requirement.html

7,すまい給付金を貰えない可能性が高い

すまい給付金という国からの補助金があるのですが、中古住宅の場合以下2点の利用条件があります。

1、売主が、不動産業者であること (個人間売買だと利用不可)

2、現行の耐震基準 (旧耐震基準の場合は、耐震補強工事をしていないと厳しい)

細かいことを書くともっと利用条件があるのですが、住宅のローン控除同様、耐震基準に満たないと利用できません。

すまい給付金について詳しくは、国土交通省すまい給付金のサイトをご覧下さい。

>>http://sumai-kyufu.jp/outline/sumaikyufu/used.html

8,セキュリティ設備が少ない

古いマンションでは、エントランスにオートロックがないことが多いです。古い物件ほど、ない可能性が高く、昭和60年(1985年)より前の物件だとほぼありません。

リノベーションされていなければ、玄関のドアも古いものが多く、二重ロックになっていないことや、玄関ドアに新聞入れがついている場合もあります。

TVモニター付きインターホンなども、リノベーションされていなければありません。

9,遮音性が低い

マンションの遮音性能を左右する要因の一つに、床や壁のコンクリートの厚さがあります。(専門用語では、スラブ厚という)

今どきのマンションでは、スラブ厚は200mm程あるのですが、古いマンションでは120mm程度しかない場合があります。

スラブ厚が薄いと、足音などが聞こえやすくなります。

固くて軽いもの(スプーンなど)を床に落とすような音は、絨毯などを敷けば防ぐことができますが、足音のようなドスドスした音は、スラブ自体を揺らすので、絨毯や防音マットなどを敷いてもほとんど効果はありません。

マンションの防音について詳しく解説した記事がありますので、興味のある方は是非ご覧ください。

>>防音性能の高い中古マンションの選び方・見分け方!騒音トラブルを防ぐ5つのチェックポイントを解説

10,ペットの飼育ができない

全てのマンションではないですが、昔のマンションは基本的に犬や猫などの飼育が禁止されていました。なので、古いマンションではペット飼育ができない可能性が高いです。

これらはマンションの管理規約に記載されているため、後にわざわざ管理組合で管理規約を変更していない限り、犬や猫は飼えません。

犬や猫を飼おうと思っている方は、購入前に必ず確認しましょう。

11,建物の修繕コストが高い

老朽化してヒビが入ったマンション

新築や築浅の場合は、修繕必要箇所は少ないので修繕積立金も溜まっていきますが、築年数が古いと色々な部分が老朽化し、設備などの故障も多くなるので、修繕費がかかりますし積立金も不足がちになります。

場合によっては、月々の修繕積立金が上がってしまうことや、大規模修繕工事の際に追加で一括徴収される可能性があります。

購入前には、管理会社に以下のことを必ず確認しましょう。

・現在の修繕積立金がどれくらい積み立てられているのか?

・長期修繕計画表で今後修繕積立金は不足しないか?

・修繕積立金の値上げの話しはあるか?

中には、古いマンションでも、しっかり維持管理されており、修繕積立金がたっぷりたまっていることもあります。そういった物件では安心していいでしょう。

12,間取りが古い

古いマンションはリビングがないことが多く、LDKではなくDK(ダイニングキッチン)になっていることがあります。

昔のマンションは、共用廊下側とバルコニー側(外と接する側)に寝室などがあって、部屋の中央の日当たりが悪い場所にダイニングキッチンがある間取りが主流でした。

リノベーションマンションの場合、現代風の間取りに変更されていることもあります。

13,設備が古い

リノベーションマンションでは、最新の設備が導入されていることがありますが、そうでない場合は基本的に設備が古かったり、今どき当たり前の設備がない場合があります。

食洗器・浴室乾燥機・床暖房・ディスポーザーなどは、基本的にないです。

リノベーションマンションであっても、共用部分は変えられないですし、室内でも窓のサッシまで変えていることは、ほとんどありません。

窓は室内の断熱性や、遮音性に大きく影響を与える部分ですので、窓サッシが古いままだと、冬はとても寒く、結露が酷いなんてこともあります

14,インターネットの光回線が利用できないことがある

古いマンションは、共有部にある大元の配電盤までしか、光ファイバーケーブルが接続されていないことが多く、そこから各住戸への配線は光ケーブルでない一般的な電話回線になっていることがあります。

その場合、光回線を利用できないことがあります。

購入前に光回線を利用できるのか、確認することをおすすめします。

15,漏水事故が起きやすい

古いマンションは配管の劣化により、漏水事故が起きやすくなります。

特に2000年以前に建ったマンションは、給湯菅が銅製であることが多く、管理組合や以前の所有者が何も対策工事をやっていない場合、購入後にいつ漏水事故が起きてもおかしくありません。

そんなにマンションで漏水事故って起きるもんなの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、国土交通省が、築30年以上のマンション管理組合に行った分譲マンションの建替え等の検討状況に関するアンケートでは、現在のマンションの問題点で最も多かった回答が、「配管や給水設備が劣化」となっています。

なんと5割を超えるマンション管理組合が、配管や給水設備が劣化しているという問題を抱えているのです。

漏水すると水が下の階に流れて、下の階の人に多大な迷惑をかけてしまう可能性があります。

室内にある配管は、共用物ではなく部屋の所有者のものになりますので、部屋の所有者が責任を負うことになります。金銭的には保険でどうにかなることもありますが、できれば避けたいトラブルです。

築年数の古いリノベーションマンションでは、一度スケルトン状態に、内装だけでなく配管類も全て交換していることもありますが、そこまでやっていない物件も多いです。

また、物件によっては配管がコンクリートの中にあって交換できないため、そもそも配管を交換できない物件も存在します。リノベマンションで配管を交換したと言っても、交換可能な配管のみの場合もありますので注意が必要です。

古いマンションの中には、漏水事故防止対策工事を全戸実施しているところもあります。

購入する前に、対策工事を行っているのか?リノベーションマンションの場合、配管はどこまで交換しているのかをしっかり確認しましょう。

古いマンション購入の4つのメリット

古いマンションのデメリットを沢山ご紹介しましたが、メリットもありますのでご紹介します。

・価格が安い

・いい立地に住める

・家選びの選択肢が広がる

・実際に見てから購入できる

価格が安い

古いマンション購入の最大のメリットは、価格が安いことです。

例えば、東京都江東区東陽町駅徒歩10分以内の、築5年以内のマンションと、築45年以上経過したマンションだと、前者が坪350万円前後で売られているのに対し、後者は室内リノベーション済みにも関わらず、坪170~200万円ほどで売られています。

価格でいうと、75㎡なら3,000万円くらい変わってきます。

それだけ差があると、浮いたお金を他のこと(教育費や車の購入、趣味や旅行など)に使えるというメリットもあります。

いい立地に住める

日本で、マンション分譲が始まったのは1953年からで、当時は駅の近くにまとまった土地が多く存在したので、いい立地に次々とマンションが経ちました。

現在は、マンションを建てるのにいい立地・広さの土地が供給されることは少なくなっており、駅前などの好立地は再開発によるものがほとんどです。

そんな背景から、古いマンションは駅近の好立地に建っていることが多いです。

立地には妥協したくない!という方にとってはお手頃価格で住めるので、おすすめです。

家選びの選択肢が広がる

新築や築浅のマンションは、そもそも数が少ないですし、価格が高いので予算が合わない方もいると思います。

また、自分の住みたいエリアに新築マンションが建ったり、築年数の浅い中古物件が売りに出るとも限りません。

古いマンションを選択肢に入れると、予算的にもエリア的にも、ぐっと選択肢が広がります。

実際に見てから購入できる

新築マンションの場合、完成前に購入するのが基本で、実際の室内の様子や眺望、風通し、騒音などを確認することができないことが多いです(完成済みで室内を実際に見ることができる新築マンションもありますが、大抵人気のない売れ残り物件)。

また、どんな人が住むかもわかりません。

古いマンションの場合、実際に建物の外観・室内を見ることができますので、新築マンションにあるような問題を回避できます。

駐輪場やゴミ置き場、共用廊下を見れば、そのマンションの住人の質や管理状況がよくわかりますので、問題のあるマンションを避けることができます。

特にマンション住まいで一番の問題になりやすいのは騒音トラブルですが、中古マンションであれば上の住人がどんな人なのか、ある程度情報が入手することができるのも大きなポイントです。

○ 好立地に安く住めることが、古いマンションの最大メリットです。

古いマンションを購入するときの注意点チェックリスト

古いマンションの購入で失敗しないためにも、購入する前に必ず以下の注意点を確認しましょう。

□ 建て替えの話しは既にあるか?(検討も含めて)

□ 自分が住んだ後にも売れそうか?

□ 住宅ローンは組めるか、組めても返済期間が十分にとれるか?

□ 新耐震基準化か、旧耐震の場合は耐震補強工事をしており、耐震適合証明書を取得できるか?

□ 修繕積立金は十分に積み立てられているか?

□ 修繕積立金は今後不足しないか?

□ 修繕費の値上げの話しはあるか?

□ 問題のある住民は住んでいないか?(特に真上の住人)

□ ペットを飼育可能か?(犬や猫を飼育したい場合)

□ インターネットの光回線は利用できるか?

□ 配管類の漏水事故予防工事はしてあるか?

まとめ

< 古いマンション購入のメリット >

・価格が安い

・いい立地に住める

・家選びの選択肢が広がる

・実際に見てから購入できる

< 古いマンション購入のデメリット >

1,建て替えできない可能性がある

2,売れない可能性がある

3,廃墟化する可能性がある

4,ローンが組みにくい

5,耐震性が低い

6,住宅ローン控除が使えない

7,すまい給付金を貰えない可能性が高い

8,セキュリティ設備が少ない

9,遮音性が低い

10,ペットの飼育ができない

11,建物の修繕コストが高い

12,間取りが古い

13,設備が古い

14,インターネットの光回線が利用できないことがある

15,漏水事故が起きやすい

一見、古いマンションの購入はデメリットの方が多く見えますが、大事なのはメリット・デメリットの数の差ではなく、あなたが何を重視するか?です。

将来、建て替えか売却ができそうなら、デメリットよりメリットの方が大きいと思う方もいると思います。

ただし、購入リスクを最小限に抑えるために、注意点の項目に記載したことは必ず購入前に確認しましょう。

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