不動産担保ローンを個人で借りたいけど、どこがおすすめか知りたい！
そんな方には、ろうきん（労働金庫）が他と比べて非常に低金利でおすすめです。
今回はろうきんの不動産担保ローンについてご紹介します。
ろうきん（労働金庫）とは？
ろうきん（労働金庫）は、労働組合や生協などが資金を出し合ってつくった、協同組織の金融機関です。
全国に13のろうきんがあり、お住まいの地域または勤め先によって利用できるろうきんが異なります。
以下が、ろうきん一覧です。
中央ろうきん・北海道ろうきん・東北ろうきん・新潟ろうきん・長野ろうきん・静岡ろうきん・北陸ろうきん・東海ろうきん・近畿ろうきん・中国ろうきん・四国ろうきん・九州ろうきん・沖縄ろうきん
各ろうきんによって、取り扱っている商品・サービスや、金利に違いがあります。
資金使途自由な個人向けの不動産担保ローンを扱っているのは、上記の中で以下４ろうきんだけです。
・中央ろうきん 関東1都7県（茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨）
・北陸ろうきん 北陸３県（富山県・石川県・福井県）
・東北ろうきん 東北６県（青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県）
・静岡ろうきん （静岡県）
このうち、東北ろうきんと静岡ろうきんは扱っている不動産担保ローンは、リバースモーゲージになります。リバースモーゲージローンについては後程解説致します。
ご利用については、ろうきんに出資している労働組合員や生協組合員だけでなく、一般の個人の方でも利用可能です。
ただし、一般の方は組合員の方に比べて金利が少しだけ高くなることがあります。
ろうきんが他の銀行などの金融機関と一番違うところは、営利を目的としていないことです。営利を目的としていないので、全体的にローンの金利が低くなっており、特に不動産担保ローンの借入金利が他に比べて抜群の低金利となっていますので、まとまったお金を長期間借りたい人には非常におすすめです！
不動産担保ローンについてあまりよくわかっていないという方は、以下の記事で解説しています。
＞不動産担保ローンとは？家や土地を担保にお金を借りる方法について解説します！
それでは、４ろうきんが扱っている不動産担保ローンを、それぞれご紹介致します。
中央ろうきん 有担保フリーローン(不動産担保型)
まずは関東地方を営業エリアとする【中央ろうきん】の有担保フリーローン(不動産担保型)をご紹介します。
申込できる人の条件は以下になります。
・関東1都7県（茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨）にお住まい、またはお勤めの方
・契約時の年齢が満18歳以上66歳未満で、最終ご返済時の年齢が満76歳未満の方
・安定継続した年収（前年税込み年収）が150万円以上ある方
・同一勤務先に1年以上勤務されている方（自営業者等の給与所得者以外の方は3年以上）
・団体信用生命保険に加入できる方
・金庫指定の保証協会の保証を受けられる方
暮らしの様々な資金に利用可能ですが、事業性資金、投機目的資金、負債整理資金、投資用不動産の取得・リフォームに係る資金（借換資金を含みます）にはご利用いただけません。
手数料定率型・手数料定額型（保証料一括前払い方式）・手数料定額型（保証料月次後払い方式）の３つの方式があります。融資手数料や保証料をいつ払うかの違いです。
・金利（※23年10月現在）
金利タイプは変動金利・固定金利・変動と固定が合わさったミックス金利から選べます。
団体会員の場合 変動金利0.325～0.815％・全期間固定金利1.50～1.94％
生協会員の場合 変動金利0.485～1.025％・全期間固定金利1.66～2.15％
団体会員以外の場合 変動金利0.725～1.045％・全期間固定金利1.85～2.17％
・融資金額 30万円～1億円
不動産の価値に対して原則80％以内になります。
・返済期間 最長35年
・審査期間 仮審査に1週間、その後本審査でさらに期間を要します。
抵当順位は基本的に第一抵当が条件になりますが、先順位債権者が住宅金融支援機構や勤務先等の場合は第二抵当でもご利用できる場合があります。
＞家の住宅ローンが残っている状態でも不動産担保ローンでお金を借りられる？
担保にできる物件については、一般的な物件の他、借地権付き建物や共有持ち分のみでも利用が可能です。
中央ろうきんの不動産担保ローンの最大の特徴は、金利がとんでもなく低いということです。銀行だと不動産担保ローン金利の下限が1％を切るものもたまにありますが、上限が9％くらいになっていたりするので、ほとんどの人はそんな低金利で借りることはできないと思います。
中央ろうきんの場合、変動金利の下限が0.5％、上限が1.0％くらいになっており非常にお得です。全期間固定金利でさえ1％後半～2％程度ですので、資金使途自由な不動産担保ローンなのに、住宅ローン金利と変わらないレベルの超低金利となっています。
個人向けの不動産担保ローンの中では一番金利が安いので、利用できる方には強くおすすめします。
＞【不動産担保ローン】金利比較ランキング！金利が安い不動産担保ローン会社はここだ
関東圏にお住まいの個人の方で、不動産担保ローンで低金利のお金を借りたい場合は、一番最初に中央ろうきんに申込するのが賢い選択だと思います。
北陸ろうきん フリーローン(不動産担保)
つづいて北陸地方を営業エリアとする北陸ろうきんのフリーローン(不動産担保型)をご紹介します。
申込できる人の条件は以下になります。
・最終ご返済時の年齢が満76歳未満の方
・同一勤務先に1年以上勤務されている方
・団体信用生命保険に加入できる方
・金利（※23年7月現在）
変動金利4.025 ～ 4.375％・固定金利特約型3.350 ～ 3.700％
団体会員やそのた条件に該当する方の場合 上記金利から最大で0.35％金利が引き下げられます。
・融資金額 100万円～5,000万円
・返済期間 最長35年
金利タイプは変動金利・固定金利特約型（特約期間５年）から選べます。
中央ろうきんに比べるとかなり金利が高いですが、一般的な不動産担保ローンの金利相場に比べると比較的低金利となっています。
そしてなぜか固定金利型の方が金利が低くなっており、お得です。
東北ろうきん リバースモーゲージローン
東北ろうきんが新しく取り扱いを始めたリバースモーゲージローンについてご紹介します。
リバースモーゲージローンとは、ご高齢の方が老後の生活資金などのために、自宅を担保にお金を借りる方法で、借入期間中は利息のみの支払い、返済は契約者が亡くなった後に自宅売却して一括で返済します。
一般的な不動産担保ローンだと、借入するのに年齢制限（上限）がありますが、リバースモーゲージの場合、最低年齢の制限はあっても上限はありませんので、ご高齢の方でもご利用可能です。
まとまったお金を借りることができ、毎月の支払は利息のみなので負担が少なく、老後の生活をお金に余裕を持って送ることができます。
申込できる人の条件は以下になります。
・お申込み時年齢が満58歳以上の方（配偶者の方がいる場合、配偶者の方の年齢が満 50 歳以上であることが条件）
・安定した年収が150万円以上の方
・担保となるご自宅に夫婦または単身で居住されている方
・担保となるご自宅の名義が申込人の単独名義、または配偶者との共有名義の方
・推定相続人全員から承諾が得られる方
事業資金、投機目的資金、負債整理資金にはご利用いただけません。
・金利（※23年7月現在）
変動金利2.2％～3.6％（金利タイプは変動金利のみ）
団体会員やそのた条件に該当する方の場合 低い金利で借りられます。
・融資金額 最高8,000万円（担保不動産評価額の 50％が上限）
・返済期間 契約者及び連帯債務者が亡くなるまで
その他、抵当順位は第一抵当が条件となっております。
かなり金利が低い上に、借入期間中は利息のみの支払いとなりますので、2,000万円借りたとしても毎月の支払は約3万7千円～6万円程度ですので、支払負担もかなり低く抑えられます。
東北地方にお住まいの方で、家はあるけど生活資金に余裕を持ちたい方や、高額なものを購入したい、医療費に充てる資金が必要という方にはおすすめです。
静岡ろうきん リバースモーゲージローン
最後は静岡ろうきんのリバースモーゲージローンについてご紹介します。
申込できる人の条件は以下になります。
・お申込み時年齢が満58歳以上の方（配偶者の方がいる場合、配偶者の方の年齢が満 50 歳以上であることが条件）
・安定かつ継続した収入が見込まれる方、債務過多・信用異常のない方
・担保となるご自宅に夫婦または単身で居住されている方
・担保となるご自宅の名義が申込人の単独名義、または配偶者との共有名義の方
・推定相続人全員から承諾が得られる方
・（一社）日本労働者信用基金協会の保証を受けられる方
事業資金、投機目的資金、負債整理資金にはご利用いただけません。
・金利（※23年7月現在）
金利タイプは変動金利のみ
団体会員や静岡ろうきんと取引実績が1年以上ある方は、2.75％
その他の方は、3.20％
なお、金利以外に保証料として年0.55％～年0.96％を別途支払う必要があります。保証料は、毎月利息に上乗せされます。
・融資金額 最高8,000万円（担保不動産評価額の 50～60％が上限）
・返済期間 契約者及び連帯債務者が亡くなるまで（亡くなった後に家の売却代金でローンの全額返済ができなくても、不足分の請求はされません）
保証料がかかるものの金利が低い上に、借入期間中は利息のみの支払いとなりますので、2,000万円借りたとしても毎月の支払は約5万5千円～7万円程度ですので、支払負担もかなり低く抑えられます。
家はあるけど、生活資金に余裕を持ちたい方や、高額なものを購入したい、自宅をリフォームしたい、医療費に充てる資金が必要という方にはおすすめです。
ろうきんの不動産担保ローンの審査基準
ろうきんの不動産担保ローンは非常に低金利で魅力的ですが、審査基準についてはノンバンク系の不動産担保ローン会社に比べると、厳しい傾向にあります。
特に厳しいのは抵当順位で、基本的に第一抵当が条件になっています（ろうきんによっては、第一抵当が住宅金融支援機構や勤務先等の場合は第二抵当でもご利用できる場合があります）。
また、担保にできる物件については、一般的な物件でなければ取扱できない可能性が高く、再建築不可や調整区域など特殊な物件を担保にお金を借りるのは難しくなっています。
その他、借入可能額が物件価格に対してかなり低く設定されている（中央ろうきんの場合80％）ので、あまり価値の高くない物件だと大きな金額を借りることが難しかったりします。
つまり、借金が残っていない一般的な住宅を担保にすることを基本的に前提としており、審査は銀行どうように厳しい傾向にあります。
さらに言うと、即日融資はできず、申込～審査～契約に至るまで必ず１週間以上はかかりますので、お急ぎの方には向いていません。
基本的に不動産担保ローンの審査は、銀行やろうきんなどが一番厳しく、次いで大手ノンバンク系不動産担保ローン会社、最も審査が甘く柔軟に対応してくれると言われているのが、小規模な不動産担保ローン会社です。
不動産担保ローンの審査や、審査が甘く柔軟に対応してくれると言われている会社について解説している記事もありますので、興味のある方はそちらをご覧ください。
＞不動産担保ローンの本審査で落ちる確率ってどれくらい？本審査で落ちるパターンについて解説します！
まとめ
ろうきんは、一般的な銀行やノンバンク系の不動産担保ローン会社と違って営利を目的とした組織ではないでの、不動産担保ローンを非常に低金利で借りることができます。
労働組合員や生協組合員の方だけでなく、一般の個人の方でも利用可能です。
組合員の方は、一般の方よりさらに低金利でお金を借りることができます。
ただし、審査基準は厳しい傾向にありますので、取り敢えず申し込んでみてダメなら他の不動産担保ローン会社に申し込んでみることをおすすめします。
＞【不動産担保ローン会社の選び方】と状況別おすすめの不動産担保ローン会社をご紹介します！
不動産担保ローンの審査に落ちてしまったという場合には、以下の記事が役立つと思います。
