
お金を借りたくて不動産担保ローンを検討しているけど、不動産担保ローンとは何なのかよくわからないので、利用する前に詳しく知りたい
そんな方のために、不動産担保ローンとはどんなものか、仕組みや利用の流れ、メリット・デメリット、注意点などを、金融業界・不動産業界両方での経験がある筆者が解説します。
不動産担保ローンは、大切な財産を担保にお金を借りるので、しっかりと理解したうえで利用しないと、とんでもないことになりかねません。
また、緊急でお金を調達することを必要としている人も、不動産担保ローンの仕組みを理解していないと、借りることができなかったり、お金が必要なときに間に合わない可能性があります。
- 不動産担保ローンとは?
- 不動産担保ローンと住宅ローンの違い
- 不動産担保ローンの10のメリット
- メリット1 高額な不動産を担保にすることで、まとまったお金を借りることができる
- メリット2 ローンの返済期間を長く組むことができる
- メリット3 キャッシングやカードローンに比べて金利が低い傾向にある
- メリット4 借りる人の収入だけでなく、不動産の担保価値を総合的に評価して審査するので、融資を受けやすい
- メリット5 銀行やノンバンクなど、不動産担保ローンを行っている会社が多いので、一社に断られても他の会社から融資を受けられる可能性がある
- メリット6 不動産は担保に入れるだけなので、そのまま自己利用したり賃貸し続けることが可能
- メリット7 様々な資金使途に対応可能
- メリット8 資金使途や担保にする不動産、返済方法などによっては、総量規制対象外となる
- メリット9 返済方法で元金一括返済方式を選べる場合がある
- メリット10 一般的な銀行融資と別枠で資金を調達できることがある
- 不動産担保ローンの6つのデメリット
- 不動産担保ローンご利用の流れ
- 不動産担保ローンQ&A
- 不動産担保ローンは親の土地など家族名義でも借りられる?
- 不動産担保ローンは共有名義の不動産でも借りられる?
- 不動産担保ローンは住宅ローンが残っている不動産でも借りられる?
- 不動産担保ローンの担保にした不動産(家)に住み続けられる?
- 賃貸中の不動産でも、不動産担保ローンの担保にできる?
- 不動産担保ローンの担保にした物件は売れなくなる?
- 不動産担保ローンを利用するのに年齢制限はある?
- 不動産担保ローンを利用するのに保証人は必要?
- 古いマンションや古い一戸建てでも、担保にできる?
- 借地権や底地でも担保にできる?
- 債務超過や事業が赤字でも借り入れできる?
- 銀行の借り入れを支払い猶予(リスケ)していても借り入れできる?
- 他の不動産担保ローン会社の担保になっているけど借り入れできる?
- 不動産担保ローンを利用する際の注意点・リスク
- おすすめの不動産担保ローン会社(銀行・ノンバンク)
- まとめ
不動産担保ローンとは?
不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保に、お金を借りることができるローンのことです。
不動産は資産価値が高く、所有権や担保に関する抵当権・根抵当権などの法整備がしっかりされており、万一の際には売却処分などもしやすいことから、借入金の担保として最適なものの一つで、不動産担保ローンは昔から多くの金融機関が行っています。
不動産担保ローンを行っている会社は、大きく2つに分けることができます。
銀行とノンバンクです。
ノンバンクとは、簡単に言うと銀行以外の貸金業者のことを言います。
銀行の方が金利が低い代わりに、審査が厳しい傾向にあります。逆にノンバンクは金利が高いけど、審査は緩い傾向にあります。
銀行は、不動産は万一返済できなかった場合の担保に過ぎず、基本的には借りたお金を返すあてがあるのかどうか、不動産の担保価値だけでなく、借りる人の収支状況や財務状況なども審査の際に重視します。
ノンバンクは、どちらかと言うと担保にする不動産の価値を重視し、借りる人の収支状況や財務状況などが多少悪くても、不動産の価値が高ければ融資してくれる傾向にあります。
不動産担保ローンと住宅ローンの違い
不動産担保ローンと住宅ローンって何が違うの?という方のために、違いを解説します。
住宅ローンは、これから家を購入する人に購入資金を貸すのが目的のローンです。
それに対して不動産担保ローンは、既に持っている不動産を担保にして、色々な目的で使うお金を貸してくれるローンになります。
お金を使う目的を「資金使途」と言いますが、住宅ローンは自分たちが住む家を購入することに限られますが、不動産担保ローンはビジネスの事業資金・相続税の支払いなどなど、様々な資金使途に対応しています。
また、住宅ローンは自分たちが所有していない(これから買う)不動産を担保にしますが、不動産担保ローンは既に自分または、親族など担保提供に同意してくれる人が所有している不動産を担保にします。
不動産担保ローンと住宅ローンは、似ていますが内容は全く異なります。
不動産担保ローンの10のメリット
不動産担保ローンには、以下の10のメリットがあります。
・高額な不動産を担保にすることで、まとまったお金を借りることができる
・ローンの返済期間を長く組むことができる
・キャッシングやカードローンに比べて金利が低い傾向にある
・借りる人の収入だけでなく、不動産の担保価値を総合的に評価して審査するので、融資を受けやすい
・銀行やノンバンクなど、不動産担保ローンを行っている会社が多いので、一社に断られても他の会社から融資を受けられる可能性がある
・不動産は担保に入れるだけなので、そのまま自己利用したり賃貸し続けることが可能
・様々な資金使途に対応可能
・資金使途や担保にする不動産、返済方法などによっては、総量規制対象外となる
・返済方法で元金一括返済方式を選べる場合がある
・一般的な銀行融資と別枠で資金調達できることもある
それぞれ解説します。
メリット1 高額な不動産を担保にすることで、まとまったお金を借りることができる
キャッシングやカードローンなどでは、借りることができてもせいぜい数十万円~数百万円が限度ですが、不動産担保ローンの場合、不動産の価値が高ければ1億円を超えるようなまとまったお金を借りることも、場合によっては可能だったりします。
個人事業主や法人では、銀行借入でもある程度まとまったお金を借りることはできますが、業種にもよりますが一般的には月商の4か月分くらいが限度だと思います。
メリット2 ローンの返済期間を長く組むことができる
銀行借入やキャッシング、カードローンなどでは、返済期間が長くても15年くらいになることが多いですが、不動産担保ローンは会社によっては35年など返済期間を長期にすることが可能なことが多いです。
返済期間が長くできるということは、それだけ毎月の返済額を低く抑えることができますので、資金繰りや家計の収支状況が安定します。
お金を借りる時に絶対やってはいけないことは、借金をなるべく早くなくしたいと思って、無理に返済期間を短くすることです。これをすると返済が行き詰ってしまう可能性が高くなります。
ただし、金利を含めたトータルの返済額は短い返済期間の方が、少なくなります。
メリット3 キャッシングやカードローンに比べて金利が低い傾向にある
キャッシングやカードローンは、実質年率15~18%くらいが相場です(会社によってはもっと安いところもあります)。
それに対して、不動産担保ローンの金利相場は、ものすごく安いところだと1%を切る水準で、ノンバンクの一番高いところでも15%くらいとなっておりますので、借りる先によっては、キャッシングなどよりかなり金利が低い傾向にあります。
基本的に銀行の不動産担保ローンの方が金利が低く、ノンバンクの方が金利が高くなっています。
メリット4 借りる人の収入だけでなく、不動産の担保価値を総合的に評価して審査するので、融資を受けやすい
銀行借入の場合、借りる人(会社)の収入(売上)や借金がどれくらいあるかをもとに審査され、カードローンの場合は、利用履歴などをもとに審査されます。
つまり、収入が少なかったり、借金が多い、利用履歴がないといった場合、審査に落とされてしまう可能性が高いですが、不動産担保ローンの場合はそれらにプラスして、不動産の担保価値が評価対象に加えられます。
なので、不動産の担保価値が高い場合、収入が少なかったり、既に借金をしている人で銀行やカード会社、消費者金融などに断られた人でも、お金を借りることができる可能性があります。
メリット5 銀行やノンバンクなど、不動産担保ローンを行っている会社が多いので、一社に断られても他の会社から融資を受けられる可能性がある
不動産担保ローンは、多くの銀行が取り扱っているだけでなく、ノンバンクでも非常に多くの取り扱っている会社があります。
不動産担保ローンを行っている会社によって、審査基準、不動産担保評価の仕方などが異なっておりますので、1社に断られても沢山ある会社のどこかでお金を借りることができる可能性があります。
特にノンバンクは、銀行に比べて審査が緩い傾向にあります。
メリット6 不動産は担保に入れるだけなので、そのまま自己利用したり賃貸し続けることが可能
質屋では、担保は質屋に預ける必要がありますが、不動産担保ローンは不動産を担保にする際、抵当権を登記するだけで、お金を借りた後でも自宅に住み続けることが、会社の事務所の場合は利用し続けることができます。
担保に入れたら、お金を返すまで利用できないなんてことはありません。
メリット7 様々な資金使途に対応可能
銀行からお金を借りる場合、必ず資金使途について聞かれ、借入目的にによっては融資を断られることも多いですが、不動産担保ローンは借入先によっては、資金使途が自由です。
事業の運転資金や納税資金、不動産の購入以外に、教育資金やリフォーム資金、他の金融機関の借り換えなど幅広い目的で利用することが可能です。
メリット8 資金使途や担保にする不動産、返済方法などによっては、総量規制対象外となる
カードローンやキャッシングは、総量規制対象なので、年収の3分の1までしか借りることができません。
それに対して、不動産担保ローンは資金使途や担保にする不動産、返済方法などによっては、総量規制対象外となるため、個人であってもまとまったお金を借りることが可能です。
メリット9 返済方法で元金一括返済方式を選べる場合がある
一般的にお金を借りる時は、借りた額を返済期間に分割して、毎月一定額返済する均等返済方式をとられますが、不動産担保ローン会社によっては、返済期日に一括してお金を返済すればよく、月々の返済は利息のみの期限一括返済方式を選べます。
期限一括返済方式は、毎月の支払いをかなり少額に抑えることができますので、資金繰りが非常に安定します。
今はお金を借りる必要があるけど、後にまとまった収入(売上)が入る予定がある人や、将来的に担保にした不動産を売却する予定があるけど、しばらくは不動産を利用し続けたい、今は売却できない事情がある人などには、おすすめの返済方式です。
メリット10 一般的な銀行融資と別枠で資金を調達できることがある
法人や個人事業主の方で、既に銀行から多額の借り入れがあると、追加の融資を頼んだ時に融資枠がいっぱいと断られることがあります。
しかし、金融機関によっては、不動産担保融資は別枠と捉えるところもあり、銀行の保証協会の保証付き融資を断られた場合でも、資金調達できることがあります。
不動産担保ローンの6つのデメリット
不動産担保ローンには、以下6つのデメリットもあります。
・金利以外に手数料がかかることがある
・審査から融資実行まである程度時間がかかる
・銀行借入に比べると金利が高い
・返済できなくなると、担保にしていた不動産を手放すことになる
・不動産担保ローン利用後、担保にしている不動産の謄本を取られると、不動産担保ローンを利用していることがバレる
・繰り上げ返済すると手数料を取られることがある
それぞれ解説します。
デメリット1 金利以外に手数料がかかことがある
不動産担保ローンは、担保にする不動産に抵当権を設定するので、抵当権設定登記費用がかかるほか、印紙代や不動産鑑定費用、事務手数料などがかかる場合があります。
こういった費用をまとめると、借入額によっては借入するだけで数十万~数百万円かかることもありますので、あまり小額の借入には向いていません。
デメリット2 審査から融資実行まである程度時間がかかる
キャッシングやカードローンは、審査時間が短く、申し込んだその日のうちにお金を借りることができる可能性がありますが、不動産担保ローンは担保にする不動産の調査をしたりするので、お金を借りるまで数日かかることが多いです。
なかには最短当日融資をうたっている会社もありますが、当日中にお金が必要という方には向いていない資金調達方法です。
デメリット3 銀行借入に比べると金利が高い
不動産担保ローンは、キャッシングやカードローンに比べると金利が低いですが、銀行借入に比べると金利が高い傾向にあります。
不動産担保ローンではない方法で銀行から借入ができるなら、まずはそちらで借り入れをした方が得策です。
デメリット4 返済できなくなると、担保にしていた不動産を手放すことになる
不動産担保ローンは、所有している不動産を担保に差し出す(抵当権を設定する)ので、万一返済できない場合は、担保にしている不動産がローン会社の所有になったり、競売などで売りに出されてしまう可能性があります。
担保にしていた不動産を手放すことで、借金を全額返済することができたならまだいいですが、万一担保の不動産を売っても借金が返済できなかった場合は、残りの借金はそのまま残ってしまいますので、最悪自己破産することになる可能性もあります。
基本的にローン会社は、不動産の価値より低い金額しか貸さないので、あまりこういったことは起こりませんが、景気が悪化し急激に不動産価格が下がった場合などには、このようなことが起こりえるので注意が必要です。
デメリット5 担保にしている不動産の謄本を取られると、不動産担保ローンを利用していることがバレる
不動産担保ローンを契約すると、担保にしている不動産に抵当権が設定されます。
この抵当権が設定されているかどうかは、不動産登記簿謄本に記載されているのですが、不動産謄本は法務局などで誰でも取得可能となっておりますので、謄本を見られた場合は、どこの会社からいくら借りているというのがわかってしまいます。
カードローンやキャッシングの場合は、どこからいくら借りているというのは、誰にでも知られることはありません。
デメリット6 繰り上げ返済すると手数料を取られることがある
ローン会社の中には、返済期間前に繰り上げ返済すると、違約金を取られることがあります。
初めから早々に完済する予定がある場合は、繰り上げ返済しても違約金がかからないか、かかっても小額のところを選ぶようにしましょう。
不動産担保ローンご利用の流れ
不動産担保ローン利用の流れは、以下のような流れになります。
1,電話またはホームページから申込み
2,面談
3,担保にする不動産の調査・評価
4,審査
5,ローン借入可能額や金利などの条件提示
6,契約
7,融資実行
それぞれ詳しく解説します。
流れ1,電話またはホームページなどから申込み
まずは不動産担保ローンを行っている金融機関に、不動産担保ローンを利用したい旨を相談します。
名前や連絡先、希望借入額や資金使途、担保にする不動産の住所などを聞かれます。
流れ2,面談
次に面談を行い、詳しい状況や担保にする物件についての情報を聞かれると同時に、審査に必要な書類を提出します。
必要な書類としては、免許証などの本人確認書類、収入に関する証明書(納税証明など)や固定資産税関係の書類、住宅ローンが残っている場合は、ローン残高証明書などを渡します。
面談時には、本当に担保にする不動産の所有者なのかどうか、本人確認を行います。
契約時まで面談する必要がない、不動産担保ローン会社もなかにはあります。
流れ3,担保にする不動産の調査・評価
不動産担保ローン会社は、担保にしたい物件について、役所や現地に行ったり、どれくらいの価値があるのか相場を調べたり、謄本などを取得し現在の不動産の状況を調査して、担保にできそうか、どれくらいの価値があり、どれくらいなら貸せそうか評価します。
流れ4,審査
不動産担保ローン会社は、調査した内容や収入がわかる書類などをもとに、貸しても大丈夫そうか、いくらくらいなら貸せそうか審査します。
収入が多い、既存の借り入れが少ない、担保にする不動産の価値が高いほど、審査に通りやすくなります。
流れ5,ローン借入可能額や金利などの条件提示
不動産担保ローン会社は、調査した内容をもとに、ローン借入可能額や金利などの条件提示します。
借り入れ条件とは、融資可能額・返済期間・金利などです。
審査結果によっては、自分が希望する金額を借りることができないこともあります。
流れ6,契約
ローン会社が提示してきた条件に合意したら、契約へと進みます。
不動産担保ローンは、抵当権設定登記が必須となりますので、契約時には以下が必要になります。
・権利証(登記済証または登記識別情報通知)
・印鑑証明
・実印
・本人確認書類
流れ7,融資実行
契約を締結し、必要書類もしっかり用意できていたら、融資が実行されます。
不動産担保ローンの手数料については、融資額から天引きされることが多いです。
不動産担保ローンQ&A
つづいて、不動産担保ローンでよくある疑問にお答えします。
不動産担保ローンは親の土地など家族名義でも借りられる?
金融機関にもよりますが、借りる人自身が所有者でなくても、親の土地など親族名義の不動産や、会社の場合は役員個人が所有している不動産でも、不動産担保ローンは融資を受けられる場合があります。
ただし、当たり前ですが、不動産所有者の同意が必要で、印鑑証明なども必要となりますので、勝手に担保にしてしまうことはできません。
また、担保提供だけでなく、ローンの連帯保証人になることを条件にしているところもあります。
不動産担保ローンは共有名義の不動産でも借りられる?
共有名義の不動産でも、親名義の不動産と同様、共有者の同意があれば可能です。
これについても、共有名義人の連帯保証を条件にしている会社もあります。
不動産担保ローンは住宅ローンが残っている不動産でも借りられる?
住宅ローンが残っていても、不動産の担保余力が残っていれば、担保にして融資を受けることは可能です。
例えば、不動産の評価額が5,000万円で、住宅ローン残高が3,000万円しかなかったら、この差2,000万円以内(多少差額より融資可能額は少なくなる)であれば、融資を受けられる可能性があります。
不動産担保ローンの担保にした不動産(家)に住み続けられる?
返済がちゃんと行われている限り、住み続けられます。
担保にする不動産は、文字通り担保にするだけで、利用については今まで通りと変わりません。
賃貸中の不動産でも、不動産担保ローンの担保にできる?
第三者に賃貸中でも、担保にしてお金を借りることは可能です。
また、家賃収入についても引き続き所有者の方の収入となります。
不動産担保ローンの担保にした物件は売れなくなる?
売却することは可能です。
ただし、売却資金で借入額を全額完済できることが条件になります。
それができないと、抵当権を抹消できないので、購入者も現れません。
不動産担保ローンを利用するのに年齢制限はある?
ローン会社によって異なりますが、年齢制限を設けていない会社も多くあります。
また、高齢の場合は親族の方を連来保証人にするのが条件の会社もあります。
不動産担保ローンを利用するのに保証人は必要?
基本的には必要ありませんが、収入や他の借金の状況、担保にする不動産の所有者が契約者と異なるなど、場合によっては保証人を求められることもあります。
古いマンションや古い一戸建てでも、担保にできる?
物件に担保価値がどれくらいあって、万一の際に買い手がつきそうかどうかで、判断が分かれます。
担保価値がない、売れないと判断された場合は、融資を受けられない可能性もありますが、不動産担保ローン会社がどう判断するかによりますので、あきらめずに相談してみることをおすすめします。
担保にする不動産が古いからといって、絶対にお金を借りることができない訳ではありません。
借地権や底地でも担保にできる?
借地権や底地でも、不動産担保ローンを行っている会社もあります。
ただし、借地権や底地は担保価値が低く、流動性も低いので、取り扱わない会社もありますし、取り扱っても借入可能額が低くなる可能が高いです。
債務超過や事業が赤字でも借り入れできる?
会社や個人事業主の方で、債務超過や事業収支が赤字でも、担保にする不動産の価値によっては借入することが可能な場合があります。
また、不動産担保ローンは会社によっては、期限一括返済方式で返済できるため、資金繰りが安定しやすいので、債務超過や事業が赤字の会社におすすめの資金調達方法でもあります。
銀行の借り入れを支払い猶予(リスケ)していても借り入れできる?
銀行の借り入れを支払い猶予(リスケ)していても、担保にする不動産の価値によっては借入することが可能な場合があります。
ただし、銀行の不動産担保ローンは利用できる可能性が低いので、ノンバンク系をおすすめします。
他の不動産担保ローン会社の担保になっているけど借り入れできる?
抵当権順位が低くても(他の他の不動産担保ローン会社の担保になっていても)、物件の評価額に対して残っているローンの額が少ない場合は、借りられる可能性があります。
前回借りた不動産担保ローンの額が、不動産の価値に対して低いと思われる場合や、前回借りてから時間が経過し、返済が進んでいる場合などは、借りられる可能性が高いです。
不動産担保ローンを利用する際の注意点・リスク
不動産担保ローンは、事業資金として利用する場合、一般的な銀行融資に比べると金利が高いので、まずは日本政策金融公庫や銀行の保証協会の保証付き融資を受けることをおすすめします。
また、返済が行き詰ると自宅など担保にしている不動産を失う可能性があります。
その他、不動産価格は時の経過とともに変化します。期限一括返済方式で契約していた場合や、将来的に不動産の売却で返済する予定であっても、急激な不動産市況の悪化により、担保にしていた不動産を売却してもローンを完済できなくなる危険性があります。
そうなると、不動産は失い借金だけ残り、返済できなければ自己破産することになってしまう可能性もあります。
おすすめの不動産担保ローン会社(銀行・ノンバンク)
最後に不動産担保ローンを提供している、おすすめの会社をいくつかご紹介したいと思います。
前述しましたが、不動産担保ローンは銀行の方が金利が低い代わりに、審査が厳しい傾向にあります。逆にノンバンクは金利が高いけど、審査は緩い傾向にあります。
まずは金利が低い銀行に相談してみるのがおすすめですが、ノンバンクは銀行より返済方法や返済中の条件変更などに柔軟なところもあるので、金利が高くてもノンバンク系の方が資金繰りや返済が楽ということもあり得ます。
ご自身の状況に合わせて、選びましょう。
おすすめの不動産担保ローン会社1【東京スター銀行】

東京スター銀行は、数ある銀行の中でも特に不動産担保ローンに力を入れている銀行で、実績も豊富です。
融資額 個人 100万円~1億円 法人 500万円~3億円
返済期間 1年~30年
金利 個人向け 変動金利 0.85~7.85% 固定金利 1.40~8.75%
法人向け 固定金利 3.75~6.00%(22年11月現在)
金利が、不動産担保ローン業界最安水準なのが魅力です。個人向け、法人向け両方の不動産担保ローンを扱っています。
担保にする不動産所在地は以下に限られます。
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、静岡県、愛知県、岐阜県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県については全域
※上記以外の道県については、道県庁所在地、および政令指定都市
公式ホームページ ⇒ 東京スター銀行
おすすめの不動産担保ローン会社2【関西みらい銀行】
関西みらい銀行も、不動産担保ローンに力を入れている銀行として有名です。過去8年で6,000件もの融資実績があります。
融資額 100万円~1億円
返済期間 1年~25年
金利 2.0~9.8%(22年11月現在)
返済方法 毎月元利均等返済
公式ホームページ ⇒ 関西みらい銀行
おすすめの不動産担保ローン会社3【MRF】

福岡に本社があり、関西・中国・九州など西日本を中心に事業展開し実績のある、不動産担保ローン会社です。
業歴10年以上あり、平成30年には年間1,800件以上の契約実績があります。
融資額 100万円~3億円
返済期間 元金一括返済は最長3年(最長15年まで更新可能) 元利均等返済は最長35年
金利 4.00~9.90% (22年11月現在)
返済方法 元金一括返済 元利均等返済
法人や個人事業主向けの事業資金のみ取り扱っています。
様々な契約プランがあり、特に元金一括返済でも他社に比べて返済期間が長いプランがあるのが特徴です(最長3年だが、最長15年まで更新可能)。
また、業種・業態・決算内容にとらわれない審査も売りにしており、銀行などに比べると審査が緩い傾向にあります。
西日本地方の法人や個人事業主の方で、資金繰りに困っている、他で融資を断られたという方に特におすすめです。
公式ホームページ ⇒ 【MRF】
おすすめの不動産担保ローン会社4【アサックス】
一般の人には聞きなれない名前かもしれませんが、アサックスは1969年創業の老舗大手不動産担保ローン会社で、上場もしています。
独立系ノンバンクですが、年間1,000件以上の融資実績があり、日本の不動産担保ローン業界ではトップクラスの企業です。
融資額 300万円~10億円
返済期間 3か月~30年
金利 個人向け 1.95~6.90% (22年11月現在)
返済方法 元金一括返済 元利均等返済
銀行の不動産担保ローンに比べて、圧倒的に利便性が高い点が特徴です。
相談から融資実行まで最短3日、融資限度額が最大10億円、返済方法も元利均等返済だけでなく、元金一括返済が選べます。
また、ノンバンクですが金利についても銀行に負けないレベルの低金利なのも魅力です。
その他、銀行では一律断られるような物件でも、柔軟に対応してくれる場合があります。
公式ホームページ ⇒ アサックス
おすすめの不動産担保ローン会社5【アイフルビジネスファイナンス】
消費者金融大手アイフルグループの企業で、主に法人や個人事業主などの事業用不動産担保ローンを行っています。
事業性融資を年間3,000件以上行っている実績があります。
融資額 100万円~5億円
返済期間 元金一括返済は最長2年 元利均等返済は最長30年
金利 2.49~14.8% (22年11月現在)
返済方法 元金一括返済 元利均等返済
融資まで最短3日、手数料や保証料0円で、不動産担保ローン以外にも最大利用額5,000万円のカードローンも取り扱っていますので、法人や個人事業主の方におすすめです。
公式ホームページ ⇒ アイフルビジネスファイナンス
まとめ
不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保に、お金を借りることができるローンのことです。
不動産担保ローンには、以下の10のメリットがあります。
・高額な不動産を担保にすることで、まとまったお金を借りることができる
・ローンの返済期間を長く組むことができる
・キャッシングやカードローンに比べて金利が低い傾向にある
・借りる人の収入だけでなく、不動産の担保価値を総合的に評価して審査するので、融資を受けやすい
・銀行やノンバンクなど、不動産担保ローンを行っている会社が多いので、一社に断られても他の会社から融資を受けられる可能性がある
・不動産は担保に入れるだけなので、そのまま自己利用したり賃貸し続けることが可能
・様々な資金使途に対応可能
・資金使途や担保にする不動産、返済方法などによっては、総量規制対象外となる
・返済方法で元金一括返済方式を選べる場合がある
・一般的な銀行融資と別枠で資金を調達できるがある
不動産担保ローンには、以下6つのデメリットもあります。
・金利以外に手数料がかかる
・審査から融資実行まである程度時間がかかる
・銀行借入に比べると金利が高い
・返済できなくなると、担保にしていた不動産を手放すことになる
・不動産担保ローン利用後、担保にしている不動産の謄本を取られると、不動産担保ローンを利用していることがバレる
・繰り上げ返済すると手数料を取られることがある
おすすめの不動産担保ローン会社
・東京スター銀行
・関西みらい銀行
・MRF
・アサックス
・アイフルビジネスファイナンス
不動産担保ローンは、他の借り入れ方法にはないメリットが沢山ありますので、上手く使えば事業や生活に非常に役立ちます。