2021年2月8日に、東海道線新駅【村岡新駅】の設置が、自治体とJR東日本によって合意されました。
気になる方も多いと思いますので、新駅がいつできるのか、場所はどこなのか、どのように街は変化するのかについて調査してみました。
新駅の、開業予定は2032年を目指していて、場所は神奈川県藤沢市村岡東一丁目と、宮前に挟まれた位置になります。
地図上の位置など、詳しい内容は以下で解説します。
東海道線新駅【村岡新駅】は、いつどこにできて、どんな街になる?
ことの発端としては、新駅計画地には、もともと湘南貨物駅という貨物列車用の駅があったのですが、それが1985年に廃止になりました。
翌年の1986年に、当時の村岡地区の自治会の人達により提出された新駅設置の請願が、市議会で採択されたことにより、新駅設置構想がはじまりました。
大分昔からある構想だったんです。
ちなみに東海道線新駅【村岡新駅】は、(仮称)みたいなので、開業時の駅名は変わるかもしれません。
【村岡新駅】はいつできる?開業するまでの流れと完成予定時期
新駅は、神奈川県などの発表によると、2024年にも着工し、2032年を目指しているそうです。
なので、順調に言っても、11年先(2021年現在からすると)になります。
ちなみに、藤沢市役所の方の話しだと、駅ができること以外は何も決まっていないみたいです。
これから、企業の誘致や一部の土地の区画整理なども行う予定で、そのへんが順調にいかなければ、開業時期は伸びてしまうかもしれませんし、どんな街になるかも変わってくると思われます。
構想案については、後ほど解説いたします。
【村岡新駅】はどこにできる?地図上の場所と、予定地の状況
新駅のできる場所は、下の地図の場所です。
東海道線【藤沢駅】から、東側(都心方面)へ約2.0km
【大船駅】から、南西側(下り方面)へ約2.6kmの位置にできる予定です。
住所としては、藤沢市村岡東一丁目と、宮前に挟まれた位置で、鎌倉市も近い位置にあります。
周辺は、戸建て中心の低層住宅地、農地、工場などが混在したエリアになっています。
住宅地は最近開発が進んだようで、築年数の浅そうなきれいな戸建てが並んでいて、道路や区画の整った場所が多い状況です。
新駅計画地の南東部には、神戸製鋼所の藤沢事業所があったり、さらにその奥には、三菱電機の鎌倉製作所があります。
また、南側にも工場が広がっており、中外製薬の鎌倉研究所なんかもあります。
北東には、武田薬品工業の湘南工場がありましたが、現在は湘南ヘルスイノベーションセンターという製薬関連企業やベンチャー企業の研究開発拠点があります。
< 新駅計画地 北側 >
もともと新駅計画地には、湘南貨物駅という貨物列車用の駅がありました。
しかし、1985年に廃止され、現在は敷地の一部にTSUTAYAなどが入る店舗と、フットサルコートがありますが、大部分は更地になっております。
< 新駅計画地 南側 >
南側の駅前広場になる予定の場所は、現在は広々とした畑になっております。
【村岡新駅】の、主要駅までの乗車時間は?
時間帯などにもよりますが、新駅から各主要駅までの予想される乗車時間は以下の通りです。
横浜駅 約20分 川崎駅 約29分 品川駅 約38分 東京 約45分
【村岡新駅】ができると、どんな街になる?整備計画の内容
新駅ができることばかりが注目されていますが、この新駅構想は、周辺も一体的に開発する計画となっていますので、駅ができるだけでなく、新たな施設もできる見込みです。
実際にどのような街になるのか、藤沢市役所に聞いてきました。
新駅周辺の状況でも記載しましたが、新駅周辺には、大企業の工場や研究開発拠点等が既に存在します。
藤沢市の考えとしては、湘南ヘルスイノベーションパークのような研究開発施設や、周辺に工場のある大企業の業務オフィスなどを誘致したいとのことです。
また、スポーツ施設やスーパー、小売店、飲食店や病院などの入る商業施設なども、考えているようです。
特筆すべきは、今回のまちづくり案では、マンションなどの住宅を増やすことはあまり考えていないようです。
なので、駅前はオフィスや研究所、商業施設がメインになるのではないかと、予想されます。
以下については、藤沢市役所から聞いた話ではありませんが、
最近の再開発など大規模な開発では、駅直結のタワーマンションなどを作ることが多いですが、東京都中央区や川崎市の武蔵小杉では、タワーマンションの林立により急激に人口が増加し、保育園不足・小中学校の教室不足が深刻化し、小学校の学童クラブに入れないことなどが問題となりました。
これらを解消するために、自治体は保育園や学校の新設、増改築などで対応しています。
その他、武蔵小杉では駅が混雑しすぎているという問題があり、改札外の新たな乗り換えルートや新改札口、新ホーム設置などの対応をするようです。
藤沢市としては、こういった失敗事例を参考にしたり、今後の人口減少社会や、一時的な子供の増加に対して小学校などを増やすコストを問題視しているのではないかと思います。
また、計画地のあたりは、用途地域が住居系と工業系になっており、現状では商業地域になっていません。
容積率も200%程度と高くなく、今後商業系地域に用途だけ変更する可能性はあるが、容積率を積極的に増やす考えはないとのことでした。
2022年8月追記
< 藤沢市の動向 >
2022年3月に、土地区画整理事業と都市計画地区計画の決定、計画道路や計画公園の変更が行われました。
位置関係などは、以下の図の通りです。
黄色くなっている位置は、新しく道路や駅前ロータリーが作られる予定となっています。
緑色になっている位置には、公園ができる予定です。
赤くなっている位置は、土地区画整理事業が行われる予定の場所で、道路の位置が変更されたり、最終的には建物が建つ場所になると予想されます。
< 鎌倉市の動向 >
鎌倉市内では、新駅予定地の南東にある深沢地域で土地区画整理事業を行い、新たな街が誕生する予定です。
面積は31.1ha(約31万㎡)という広大な敷地に、住宅や商業施設、行政施設、業務施設、公園などが作られる案となっています。
黄色い場所は住宅が作られる予定で、右上の茶色い場所が行政施設、緑色い場所が公園、青い場所が業務施設、紫色の場所には鎌倉青果卸売市場を作る案となっています。
【村岡新駅】ができると、不動産価格はどうなる?
新たな駅ができるという事は、不動産価格が上がるのではないかと思い、過去の地価の推移を調べてみました。
下のグラフは、藤沢市の住宅地の平均公示地価と、新駅予定地の村岡東一丁目の公示地価の推移を表しています。(㎡/千円)
公示地価によると、村岡東一丁目はもともと藤沢市全体の平均以上の地価でしたが、2007年に逆転し、現在では平均以下になっています。
ほとんど新駅のことは、不動産価格に織り込まれていないのではないかと思われます。
ちなみに、アベノミクスが始まったころの2013年と2020年を比べると、藤沢市の住宅地の平均が2.1%の上昇となっておりますが、村岡東一丁目は3.4%の上昇となっています。
最近の上昇率としては、市全体より上ですね。
新駅の開業予定が2032年と、2021年現在から10年以上先というのもあるのかもしれません。
家賃を調べてみたところ、同じくらいの広さ・築年数で村岡東と藤沢駅前を比べると、現状では3万円くらい差があります。
新駅が開業したら、それくらい家賃が上昇する可能性があります。
神奈川県の不動産価格は、東京都心への距離以外に、横浜駅・川崎駅へのアクセスの良さが大きく影響しています。
それについて調査した記事がありますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
>>横浜、川崎でマンション・戸建ての資産価値が落ちない場所はここだ!
その他、神奈川県の地価動向を調査した記事もあります。
>>神奈川県【住宅地】地価ランキング2022 資産価値が上がる街・高い街
まとめ
・新駅は、2024年着工、2032年開業予定
・位置は神奈川県藤沢市、藤沢駅から約2.0km、大船駅から約2.6kmの位置
・駅周辺にできる施設等は、具体的には2022年2月現在では、まだ何も決まっていない。
・高層マンションなどは作らず、企業の研究開発拠点や業務オフィス、商業施設などを計画しているが確定ではない。
・周辺の地価は、まだ新駅ができることを折り込んでいないと思われる。
今後の開発が楽しみです。
村岡新駅や、周辺のまちづくりについてのくわしい情報は、藤沢市や鎌倉市が公表している資料を是非ご覧ください。
リンク >> 藤沢市 村岡地区担当 ・ 鎌倉市 深沢地域周辺地区のまちづくり