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貸付型クラウドファインディングとは?仕組みやリスクを解説します!

最近、貸付型クラウドファインディングが増えています。高い利回りをうたっている商品が多く、興味がある方も多いのではないでしょう?

でも怪しい気がする、どんなものなのかよくわからないという人のために、元々金融業界で働いた経験を持ち、現在は不動産を初め様々なものに投資している私が、投資対象としてどうなのか解説したうえで、個人的な意見を述べたいと思います。

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貸付型クラウドファインディングとは?

貸付型クラウドファインディングとは、別名ショーシャルレンディングとも言われるもので、投資家から小口の資金を集め、貸付型クラウドファンディング運営会社が資金調達を希望する事業者へそのお金を融資し、事業者から払われた利息と元本を投資家に分配します。

実際には、クラウドファインディング運営会社がファンドを組成(作って)して、そこに投資家は出資するような形で、出資したファンドから分配金をもらうような形になります。

想定される利回りとしては、1%くらいの低いものから10%以上のものもありますので、定期預金などに比べると非常に魅力的な水準となっています。

案件としては、単純に事業会社へ融資するようなものから、不動産事業者へ貸し付けるが、実質的に不動産投資のようなものなどがあります。

また、国内の事業者に貸付るものもあれば、海外の事業者に貸し付けるものもあります。

貸付型クラウドファインディングのリスク

貸付型クラウドファインディングのリスクとしは、まず第一に元本保証ではありません。

資金を貸し付けるので、貸付先の業績が悪化した場合や倒産した場合は、貸付金が返ってこなくなる可能性があるので、元本割れする可能性があります。

また、海外に貸し付ける案件だと、米ドル建てや現地通貨建てで投資する案件もあり、為替変動によって損失を被る可能性があるものもあります。

ただし、融資先の業績が悪化しても問題ないように、担保を取っている案件や、保証会社に保証してもらっている案件などもある他、外貨建て案件については為替ヘッジしてリスク回避しているものもあります。

その他、貸付型クラウドファインディングは基本的に途中解約を行うことができません。できたとしても違約金を払う必要がある場合があります。

貸付型クラウドファインディングをする前に、知っておいてほしいこと

貸付型クラウドファインディングがどんなものかある程度わかって頂いたと思いますが、ここからは貸付型クラウドファインディングって実際どうなのかについて語りたいと思います。

私が貸付型クラウドファンディングを怪しいと思う理由や、投資しない理由は以下になります。

・想定利回りが高すぎる?

・担保を取っているから安全?

・保証会社が保証しているから安全?

・貸付先の情報少なすぎない?

・貸付型クラウドファンディング業者を信用していいの?

以下で、それぞれ解説します。

想定利回りが高すぎる?

まず第一に、貸付型クラウドファインディングは事業者に融資をする見返りに、ほとんどの場合2%以上の想定利回りが見込まれています。

この想定利回りは、貸付型クラウドファインディング業者が、貸付先からの金利収入等から、自身の営業者報酬などを差し引いた上での利回りになるので、実際の貸付金利はもっと高いことが予想されます。

つまり、低くても3%くらいの金利で事業者は借りている可能性が高いのではないかと思います。

現在日本で、一般的な事業会社が銀行や信用金庫、日本政策金融公庫などから事業資金を借りる場合、財務内容が優良な企業では1%を切る金利で借りられます。

優良というほどではなくとも、1%台が普通で、3%以上の金利での貸し付けはほぼないと思います。

さらに言うと、現在の日本では日本銀行による強力な金融緩和が行われており、銀行はカネ余りで積極的に融資したいと思っている状況です。

何が言いたいかというと、全部が全部とは言いませんが、こんな高金利で資金調達する会社は、銀行ではお金を借りられないような会社=財務内容の悪い会社の可能性が高い!ということです。

財務内容の悪い会社への貸付=高リスクですから、貸付型クラウドファインディングにある案件は、投資家が思っている以上にリスクが高い可能性が高いです。

財務が健全な企業を厳選とか言って資金を集めている案件もありますが、だったらなぜこんな高金利で資金調達する必要があるのか?考える必要があります。

担保を取っているから安全?

案件の中には、担保を取っているから安全性が高いとうたっているものもあります。

しかし、一言に担保といっても、何を担保にとっているのか?担保価値はどれくらいあるのか?担保価値は貸付額に対してどれくらい価値があるのか?いざという時担保はすぐ回収できるのか?回収した担保はすぐに現金化できるのか?といった問題があります。

そして、貸付型クラウドファインディング事業者に、担保評価や債権回収の知識やスキルがあるのでしょうか?

このあたりは、そこまで細かく情報開示されてないのでわからないでしょう。

なので、担保を取っているみたいだから安全だとは思わない方がいいです。

保証会社が保証しているから安全?

貸し付けに対して、保証会社が保証しているから安全とうたっているものもあります。

これは一見安全そうに見えますが、安心するのは早いです。そもそも、その保証会社は大丈夫なの?って話しになるからです。

ちょっと話は変わりますが、不動産の世界では、部屋を借りた人が家賃を払えなくても大丈夫なように、家賃を保証してくれる保証会社が存在します。

そしてこの家賃保証会社、倒産することがあるんです。リーマンショック後の2008年には、当時東証マザーズに上場していた大手のリプラスが倒産しています。

その他、不動産ではサブリースといって、不動産会社が大家さんから物件を借り上げて、住みたい人に又貸しすることがよく行われています。

サブリースも実質的には家賃保証に近いのですが、サブリース会社の収益が厳しくなると、当初契約していた借り上げ賃料を値下げしてくるのは、今となってはよく知られていることです。

レオパレスなんて、自身で違法物件を建てておきながら、改修工事で事業環境が悪化したため、物件オーナーにサブリース料の値下げ交渉を行ったことは有名です。

レオパレス、借り上げ家賃減額泥沼化

つまり、保証会社が保証しているといっても、どこのなんていう保証会社なのか?その保証会社の財務は健全なのか?っていうのがわからないと、全く安心なんてできないのです。

そもそも、一般の銀行から低金利で資金調達できないような会社の債務を保証する会社って、どうなの?って思いませんか?

貸付先の情報少なすぎない?

銀行などの金融機関が融資するときには通常、貸付先の財務情報(決算書)を見ますし、資金使途やなぜ返済できるのかといった、細かい情報を調べたうえで、融資の判断を下します。

貸付型クラウドファインディングの場合、一部の情報は開示されていることもありますが、審査はプロの私たちがやるから安心だし楽ちんだよ!というような売り文句で、細かく開示されていることはほとんどありません。

貸付型クラウドファインディングへの投資にあたっては、貸付先などに関する情報が十分に開示されているかどうかしっかり確認して、投資判断を下しましょう。

貸付型クラウドファンディング業者を信用していいの?

貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の仲介社は、第二種金融商品取引業の登録を受ける必要がありますので、投資する前に必ずきちんと登録を受けている業者なのか、確認しましょう。

登録を受けていない業者の案件は、違法であるだけでなく、詐欺などの可能性もあるので、絶対に投資してはいけません。金融庁も注意喚起しています。

登録を受けているかどうかは、業者のホームページだけでなく、以下の金融庁のサイトでも確認して下さい。

金融庁 免許・許可・登録等を受けている業者一覧

また過去には、一部の業者において、投資者に対して虚偽の表示や誤解を与える表示を行っていたほか、投資家保護上の問題が認められたことから、金融庁が登録取消しや業務停止命令などの行政処分を行っています。

2021年には、当時の業界最大手SBIソーシャルレンディング株式会社が、ファンドの取得勧誘に関し、虚偽の表示をする行為や重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為、管理上の問題点などにより、金融庁より行政処分を下され、事業を廃業しました。

SBIソーシャルレンディング株式会社に対する行政処分について

その他、業界大手のmaneoマーケット株式会社でもファンドの取得勧誘に関し、虚偽の表示をした行為や管理上の問題点で、金融庁から業務改善命令の行政処分が下されています。

maneoマーケット株式会社に対する行政処分について

このようなことから、ソーシャルレンディング業界は、大手であっても一概に信用できない状況です。

貸付型クラウドファンディングは、リスクが高い割にリターンが低い

これまで解説してきたことから考えると、貸付型クラウドファンディングは、投資家にとってリスクが高い割にリターンが低いと思います。

要は、銀行から低金利で資金を調達できない企業が、資金調達するのに利用されているのがほとんどかつ、透明性が非常に低いです。

投資家のためにあるというよりかは、資金調達したい企業とクラウドファンディング会社のために存在しているような状況で、借り手が優位なことが多いです。

個人的には、貸付型クラウドファンディングに投資するくらいなら、証券会社が販売しているREITや仕組債、ハイイールド債権ファンドなどに投資した方が、リスクとリターンのバランスがいいと思います。

もし投資するとしても、リスクをしっかりと認識した上で行うようにしましょう。

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