今から不動産投資をするのは危険⁉金利上昇と不動産価格の関係

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世界各国で物価がなかなか上がらない状態がずっと続いてきて、金利も世界的に低下し続けていましたが、コロナウイルスの影響で世界が変わりつつあります。

生産がストップして供給が少なくなったのに加えて、経済対策で多くのお金をばら撒いたことにより、今度は物価が急激に上昇し始め、金利も世界的に上がり始めています。

2022年2月現在、日本ではまだ物価上昇率も金利も低い状態ですが、今後は他の国と同じように金利が上昇する可能性が十分あります。

日本でも金利が上がった場合、不動産価格はどうなるのか考察してみたいと思います。

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金利上昇が不動産価格に与える影響

不動産価格と金利は密接に関係しています。

なぜなら、基本的に不動産は高額なので融資を受けて購入することが多いことと、不動産投資の場合、名前の通り投資商品だからです。

それぞれ詳しく解説します。

不動産は高額なので融資を受けて購入するが、金利が上がると返済額が増える

ワンルームマンションや、地方の古い戸建てなんかだと数百万円で売られてる物件もあり、サラリーマンでも現金で購入できる場合がありますが、基本的に不動産は高額なので銀行から融資を受けて購入します。

融資を受けて購入するということは、金利を払わなければいけません。

金利が上がるとどれくらい支払いに影響するかみていきたいと思います。

5,000万円の物件を30年ローンで返済する場合、金利が1%違うと以下のようになります。

金利が上がった場合ローン返済額がどう変わるか返済額一覧表

金利が1%違うだけで、かなり差が出てくることがわかります。

不動産投資で考えた場合、物件価格5000万円・表面利回り6%の物件を購入すると満室想定の年間家賃は300万円になります。

金利1%の場合は、年間家賃と返済額との差額が100万円ほどありますが、金利が3%になると差額は50万円以下になります。

空室リスクや、管理費、修繕費、税金などを考慮すると、金利1%の場合でもそれほど利益がでないですし、金利3%では赤字になる可能性が高いです。

通常不動産投資家は、黒字になる見込みがないと物件を購入しないので(新築ワンルームマンションでは、節税という言葉に騙されて赤字でも購入する人がいる)、金利が1%から2%、3%と上がったときに、1%のときと同じ表面利回りの水準で物件を購入することはありません。

金利1%のときに表面利回り6%が相場だったとしたら、金利が上がるにつれて表面利回りも7%、8%求められるようになります。

これは物件価格の下落を意味します。

アパートローンには、金利が上昇しても返済額の上昇幅に上限を設けている125%ルールがある場合もありますが、事業用ローンだとそのようなルールがない場合もあるので注意が必要です。


また、投資用不動産に限らず居住用の戸建てやマンションで住宅ローンの金利が上がった場合も返済額が増えますので、実質的に不動産購入に必要な金額が上がります

上で解説した物件価格5,000万円の例で説明すると、

金利1%の場合は返済額が160,819円ですが、金利3%では210,802円で、その差額は約5万円になります。

金利1%の場合は何とか購入して返済していけそうだと考える人でも、3%の場合は払っていけない人もいます。

不動産価格は、物件を購入しようとしている人の購買力(年収)に大きく影響を受けるので、上の例では給料が上がっていない場合は購入することができません。

購入できる人がいないと、購入できる水準まで不動産価格を下げるはめになります。

つまり、金利が3%でも金利が1%のときと同じ返済額になるように、不動産価格が下がります。

金利が3%でも毎月の返済額が約16万円になるのは、なんと不動産価格が3,800万円の場合です!

国民の所得が上がらない場合、なんと24%も値下がりしなければ購入できなくなるのです。

金利が上昇して不動産価格が下がる

上記は、金利の上昇以外は何も変わらなかった場合の想定ですので、実際には単純にこうなるとは限りませんが、給料が上がらず金利だけが上昇した場合はこのようなことが起こりうることは知っておいた方がいいと思います。

金利が上がると、他の投資対象と比較して不動産投資の魅力が下がるため、物件価格は下がらざるを得ない

先ほどは、不動産投資の黒字を確保するという観点や、住宅ローンの返済額の観点から金利が上がると物件価格が下落することを解説しました。

次は別の観点から、不動産価格が変化することを解説します。

投資の世界では、リスクの大きさに応じたリターンが常に求められます。

例えば、定期預金は1,000万円までなら万一銀行が破綻しても、日本政府が保証してくれます。

これは実質的に【リスクがない】ということになります。

もし、定期預金の金利が10%もあったら、表面利回り5%の不動産を購入する人はいるでしょうか?インフレで家賃がどんどん上昇しているなら別ですが、通常そのような利回りで不動産を購入する人はいません。

預金と同様にリスクゼロの投資対象に、日本国債があります。国債の金利が上がると、国債の魅力が高まるのに対して他の投資対象(不動産など)の魅力が下がりますするとバランスをとるために、国債以外の投資対象に求められる利回りも上がります

通常、利回りが上がる=価格の下落を意味します。(配当や家賃など、インカムゲインの増加を除く)

不動産投資における、物件価格と表面利回りの関係

金利が上がり、物件の表面利回りが上がるとどうなるのか?

以下の表は年間賃料300万円の物件の、物件価格と表面利回りの関係です。

投資家から求められる利回りが上がると、1%ごとにどれくらい物件価格が下がるのか表にしました。

不動産投資における物件価格と表面利回りの関係

年間賃料300万円の物件が表面利回り5%の場合、物件価格は6,000万円ですが、表面利回り6%の場合、物件価格は5,000万円です。

なんと表面利回りが5%から6%に1%上がるだけで、物件価格は1,000万円も下がり、率にすると16.7%も下落するのです!

表面利回りごとの物件価格をグラフにすると、以下のようになります。

年間家賃収入300万円の物件の、表面利回りごとの物件価格

上の表とグラフでわかる通り、初期の表面利回りが低い物件ほど、利回りが下がったときの下落率が大きくなります。

現在(2022年2月時点)の不動産投資相場だと、表面利回り5~6%くらいが普通で、優良物件だと5%を切っているものも見受けられます。

つまり今の水準だと、少し金利が上がるだけで物件価格が大きく下落リスクがあるので非常に危険です!

日銀が大規模な金融政策で歴史的な低金利となっておりますが、今後金利は上がることはあっても下がることはないでしょう。

大して利益のでない物件を購入して、空室が埋まらなくて赤字だから売りたいとなっても、購入後に金利が上がって物件価格が下がった場合、ローンの残債>売却価格だったら売却できずに、赤字の物件を抱え続けなくてはいけません。

東証REIT指数と長期金利の関係

金利が上がると不動産価格が下がることは、東証REIT指数と長期金利の推移を見てもわかります。

下の図は、青が東証REIT指数・オレンジが長期金利の推移を表しています。

長期金利が下がるとREIT指数が上がり、長期金利が上がるとREIT指数が下がる傾向にあることがわかります。

リートと長期金利の相関係数は、ー0.8もあり強い負の相関関係を示しています。(一方が上がると、もう一方が逆に動く)

金利が上がっても、投資用不動産価格が下がらない場合

ここまでは、金利が上がると投資用不動産の価格は下がるというような内容で解説しましたが、金利が上がっても価格が下がらない場合もあるので、それについても解説します。

金利が上がっても価格が下がらないのは、家賃が上がる場合です。

家賃が上がる物件は、物件自体の収益性も上がるので価格が高くなります。

< 例 >

年間家賃300万円の物件が、年間家賃350万円に上がった場合

もし求められる表面利回りが6%から7%になってしまったとしても、物件価格は5000万円のままです。

家賃が上がるときというのは様々な要因があります。

いくつか例を挙げると、給料が上がっているとき物件の需要に対して供給が少ないときなどです。

当サイトが以前行った調査では、不動産価格と年収は密接に関係していることがわかっています。興味のある方は、以下の記事をご覧ください。

東京23区の不動産価格と平均年収の関係 統計データをもとに分析

経済成長率が低いことに加え人口が減少している日本では、家賃が上がっていく物件を見つけるのは難しいかもしれません。

人口が増加傾向にあり、年収の伸びの大きい地域に狙いを絞って不動産を購入するようにしましょう。

金利上昇に対処する方法

金利の上昇は不動産投資にとって、とても危険だということがわかって頂けたかと思いますが、なるべく影響受けないようにする方法もありますので解説します。

対処法1、長期の固定金利でローンを組む

変動金利の場合、金利が上昇すると返済額が増えてしまうのでキャッシュフローが減少してしまいます。

そうならないためには、ローンを組むときはなるべく長期の固定金利で契約しましょう。

通常、固定金利の金利水準は変動金利の金利水準より高いので、損なように思われるかもしれませんが、金利が上昇する場合においては非常に有効な対策です。

変動金利と固定金利の差は、金利上昇に対する保険料のようなものですので、歴史的に見ても超低金利な現在はケチらずに固定金利にすることをおススメします。

対処法2、金利が上昇すると利益がでるものに投資する

世の中には金利が上昇すると値段が下がって損するモノもありますが、逆に値段が上がり投資すると利益がでるモノもあるんです。

例えば、銀行は金利が上がると収益が増えますから、銀行株に投資しておくと利益がでる可能性が高いです。

その他、国債先物を売るという方法もありますが、なかなか一般的ではないので難しい部分もあります。

そんなときのおススメなのが投資信託です。

【債券ベアファンド】という投資信託は、金利が上昇すると利益がでるようになっているので、そういったものに投資するのも有効です。

まとめ

・金利が上がると、収支が厳しくなることや、投資対象としての魅力が下がるため、物件価格が下がる可能性が高い。

・実際に、東証REIT指数と長期金利には、強い負の相関関係がある。

・家賃が上昇していく物件であれば、金利が上がっても物件価格は下がらない可能性があるが、経済成長率が低く、人口が減少している日本では、そのような物件を見つけるのは困難である。

・家賃が上昇していくには、国民の所得が上がることが重要。金利だけに注目せず、国民所得の伸び(名目)や家賃の変動にも注目すべし。

今回は、不動産価格と金利の関係について解説しましたが、当サイトでは他にも不動産投資について役立つ情報を発信しています。

ついつい投資初心者がやってしまいがちな、やってはいけないハイリスクな投資方法と、不動産投資を始める際の注意点について解説している記事もありますので、興味のある方は是非ご覧ください。

サラリーマンが不動産投資をするのはハイリスクで危険⁉初心者が避けるべきやり方と注意点を解説

不動産投資のリスクは何がある?リスクの種類とリスク回避方法について解説

不動産投資が成功しやすい時期・失敗しやすい時期

不動産価格は今後どうなるのか?上昇・下落の先行指標で将来予測

その他、色々な投資対象についてのメリット・デメリットを解説している記事もあります。

投資に関して、知っておいた方がいいことについて解説している記事もあります。

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