家を買うとき、どんなところに家を買えばいいんだろう?
人によって求めるマイホームの条件に違いがあるとは思いますが、加えてほしい条件の一つに【資産価値が落ちない街】があります。
不動産はとても高額で、マイホームはほとんどの人にとって人生最大の買い物です。
人生最大の買い物に成功すると、住居費がタダ同然になるどころか、最終的にお金が増えることさえあり得るのです!
逆に失敗した場合、生涯の支出に占める住居費の割合が高くなり自由に使えるお金が減ります。
この違いは何からくるのかというと、資産価値が落ちない家を買ったのか、落ちる家を買ったのかの違いからきます。
当サイトでは、様々な街の地価動向を調査して地価ランキングを作成しており、その過程で資産価値が落ちない街はどんな街なのか、特徴が見えてきたので解説したいと思います。
この記事を読めば、皆さんが資産価値が落ちない街に家を購入できるようになる一助になると思います。
資産価値が落ちない街の特徴10こ
資産価値が落ちない街の主な特徴は、以下になります。
1,街の中心部に近い
2,交通利便性が高い(駅に近い、急行停車駅、複数駅徒歩圏、複数路線利用可能)
3,生活利便性が高い(最寄り駅が適度に栄えている、平坦な地形、大型商業施設)
4,良好な住環境(区画が綺麗で道路が広い、大きな公園が近くにある)
5,自然災害に強い
6,再開発
7,新駅の設置や乗り入れ路線が増える
8,眺望が良い
9,人口が増加傾向にある
10,人気の小中学校の学区
それぞれについて詳しく解説します。
資産価値が落ちない街の特徴1,街の中心部に近い
不動産価格は、街の中心部に近いほど基本的には価格が高くなる傾向にあります。
例えば、東京だと23区のど真ん中にある千代田区に近いほど地価が高い傾向にあり、神奈川県の横浜市や川崎市なども東京に近いところの方が不動産価格が高い傾向にあります。
ただし、神奈川県の場合は横浜駅や川崎駅など、その街の中心部に近い場所も地価が高くなる傾向にあり、東京と横浜駅や川崎駅などの間に位置する街は、より資産価値が高くなります。
例えば東急東横線は、上り方面が渋谷駅、下り方面が横浜駅なので沿線にある街は横浜市・川崎市の中でも高い価格で取引されています。
なるべく住居費を抑えたいだとか、広い庭が欲しいなどの理由でかなり郊外に家を購入する人もいますが、単純に資産価値という観点からいうとおススメはできません。
資産価値が落ちない街の特徴2,交通利便性が高い
最寄り駅の交通利便性が高い街は、地価が高い傾向にあります。
具体的に言うと、
・急行、快速などの停車駅である
・複数路線が利用可能
・複数の駅が徒歩圏にある
などです。
そしてこの傾向は、東京都心部から離れるほど顕著に表れる傾向にあります。
例えば新宿駅は日本トップクラスの交通利便性ですが、新宿駅周辺のマンションはそこまで高くありません。
しかし、横浜市では横浜駅を筆頭に、戸塚駅や大船駅などの地価が高いですし、川崎市では武蔵小杉駅や溝の口駅、新百合ヶ丘駅周辺などで地価が高い傾向にあります。
ちなみに、新しい駅ができる場所や乗り入れ路線が増える駅周辺の街は地価が上がる傾向にあります。
その他、駅に近い場所は交通利便性が高いため、地価が高い傾向にあります。東京23区や横浜、川崎などで地価が高い場所は、大抵鉄道を利用しやすい駅の近くにあります。
ただし、一戸建ての場合は駅に近すぎるとデメリットが多くなる傾向にあるので注意が必要です。
>駅近の一戸建てはメリットよりデメリットがいっぱい?宅建士が自身の体験談とともに解説します!
資産価値が落ちない街の特徴3,生活利便性が高い
生活利便性が高い街は、住み心地がいいので出ていく人が少ないのに加えて、住みたい人が多いので地価が下がりにくい傾向にあります。
具体的に生活利便性が高いとはどういうことかというと、
・買い物が便利
特にスーパーやホームセンター、ドラッグストアなどの食品や日用品が売っているお店が近いこと。
その他、家電量販店や書店、無印良品のような雑貨店などがあるとより人気が高まります。
・病院が多い
内科や小児科、耳鼻科など様々な種類の診療所や、歯医者などもあると便利です。
・その他
郵便局や銀行、塾やスポーツクラブ、飲食店やカフェなどもあると街の魅力が高まります。
要は、買い物などをしに別の街に行かなければならない街ではなく、基本的には日常的な用事はわざわざ電車などで移動する必要がなく、近くで事足りる街が生活利便性が高い街となります。
ちなみに、ショッピングモールやデパートのような大型商業施設がが新たに近くにできる(できた)街は、利便性が向上することから地価が上昇する傾向にあります。
基本的には商業地として栄えている駅周辺の街が有利ですが、あくまで日常的なことは全て事足りるレベルであればよくて、スーパーが何店舗もあるだとか、飲食店が沢山あるといった必要はありません。
資産価値が落ちない街の特徴4,良好な住環境
住環境の良い街は、長期間に渡って他の地域より地価が高い傾向にあります。
具体的に住環境がいい街とは、どのような街かというと
・道路が広い
車の交通量や地域にもよるのですが、住宅地の場合、道路幅は6mくらいあるのがいいとされています。
6mあると車のすれ違いや駐車も問題なくできますし、反対側の家とそれなりに距離があるので開放的で日当たりや風通しがいい街になります。
都市部では道路幅が4mもない場所も多いですが、道路幅が狭いと家と家との距離が近いため圧迫感があり、場合によっては南側に道路がある家なのに、1階には日が当たらない家になったりします。
家の距離が近いと、音や臭いなども感じやすくなります。
その他一方通行になったりして、車の利用が不便になることもあります。
道路幅が8mくらいあって、車道と歩道が分かれているのはなお良いですが、家の前の道路が広いとしても、抜け道のようになっていて交通量が多い場所は騒音や振動、事故の危険性が増すので注意が必要です。
・街の区画が綺麗
街の区画とは道路網や土地の形のことをいい、道路網が碁盤の目状になっており、土地の形も整形地といって四角形に整えられている街を、区画の綺麗な街といいます。
区画が綺麗な街は、見通しが良いため開放的なことにくわえ、車や自転車の事故も起こりづらくなります。
また、土地の形が綺麗だと同じような大きさの家が等間隔で配置され、景観がいい街並みになります。
・大きな公園がある
緑や自然が多い場所は人気が高く、特に大きな公園に近い家は資産価値が高い傾向にあります。
・静かな環境
俗に言う閑静な住宅街です。車の通りが多い大通り沿いや、お店や工場などが町中にある場所、線路沿いなどは騒音と隣り合わせの環境ですので、人気が落ちます。
大通りから少し中に入った場所にあり、大きなお店や工場などが建てられない低層住居専用地域や中高層住居専用地域などが静かな環境の住宅地になります。
閑静な住宅街とはどんな街?メリット・デメリットと探し方を解説
資産価値が落ちない街の特徴5,自然災害に強い
資産価値が高い高級住宅街は、大抵自然災害に強い高台の上にあります。
高台の上は、河川の氾濫による洪水・津波・高潮などの水がは勿論のこと、低湿地に比べると地盤もいいので地震にも比較的強く、液状化する可能性も低いです。
高台の縁や、低地と高台の間にある斜面沿いなどは土砂災害の危険性がありますが、そのような場所でなければ土砂災害の心配もありません。
自然災害に強い場所にある家は、家自体が安全なので台風などで避難警報がでるようなことがあっても避難する必要がありません。
このようなことから、自然災害に対する安全性は地価にも影響するのです。
さきほども登場した上の資料ですが、赤い東京都心部の東側(右)にある地域より、都心の西側(左)にある地域のほうが地価が高い傾向にあるのは、西側の方が災害に強い地形だからと考えられます。
東京の地形というのは、23区の真ん中にある千代田区の皇居を境目に、東側が低地、西側が武蔵野台地という高台になっております。
東側は災害に弱いのに対して、西側は災害に強いのです。
東京23区や横浜市でどこが災害に強いのか、ハザードマップなどをもとに調査した記事もありますので、興味のある方は是非ご覧下さい。
資産価値が落ちない街の特徴6,再開発
再開発が行われると、道路が広くなり区画も綺麗に整えられ環境が良くなることに加え、大型商業施設などができることが多く、利便性も向上することが多いため、不動産価格が上昇する傾向にあります。
また、再開発終了後も環境の良さや利便性は維持されるため、資産価値が落ちづらい街になります。
特に東京都では、たくさんの場所で再開発が行われています。
一都三県のどこで再開発計画があるのか気になる方は以下をご覧ください。
資産価値が落ちない街の特徴7,新駅の設置や乗り入れ路線が増える
新しく駅ができる場所や、鉄道の延伸や相互直通運転などが開始されると、その駅周辺の街は交通利便性が高くなるため地価が上昇します。
そのような話しがある街は【買い】ですし、家を売る場合は実際に新しい駅ができたり、乗り入れ路線が増えた後に売却することで、より高く売却することができます。
関東圏での新駅・新路線の話題としては以下のような案件があります。
・臨海地下鉄(東京駅~有明・東京ビッグサイト間)
・羽田空港アクセス線
・東京メトロ南北線延伸(品川~白金高輪間)
>東京メトロ南北線の分岐線 (品川~白金高輪間)計画のあらまし – 東京都都市整備局
・東京メトロ有楽町線延伸(豊洲~住吉間)
>地下鉄8号線(有楽町線)の延伸(豊洲~住吉) – 東京 – 江東区
・JR東海道線新駅【村岡新駅(仮)】
>神奈川県の東海道線新駅【村岡新駅】は、どこにいつできる?計画地やまちづくりを調査
・横浜市営地下鉄ブルーライン延伸(新百合ヶ丘~あざみ野間)
・リニア中央新幹線
資産価値が落ちない街の特徴8,眺望が良い
街のシンボルのようなものが見える場所や、家の目の前が開けている場所、海が見えたり夜景が見えるといった景色の良い場所などは非常に人気があり、そうでない物件に比べると高値で取引される傾向にあります。
例えば、東京タワーや富士山が見えるだとか、場所によっては花火大会の花火が見えるといった物件も人気があります。
東京都港区にある、とあるタワーマンションでは、東京タワーが見える方角の部屋の人気が非常に高く、見える部屋の方が見えない部屋の1.5倍くらい高値で取引されているなんて事例もあります。
古今東西の有力者や資産家の家などは、高台の端っこなど眺望抜群の一等地に建っていることが多く、例えば三菱財閥の岩崎家の自宅だった、東京都港区高輪4丁目にある現三菱開東閣や、六本木5丁目にある現国際文化会館、台東区池之端1丁目にある旧岩崎邸庭園などがそうです。
現代ではタワーマンションが人気ですが、タワーマンションが人気の理由の一つは眺望がいいからです。
資産価値が落ちない街の特徴9,人口が増加傾向にある
人口が増加傾向にある街では、旺盛な住宅需要に支えられるため、地価が上昇しやすい傾向にあります。
人口増加率が高い沖縄県の中城村では、過去10年(2013~2023年)で住宅地の平均地価が倍近くまで上昇しています。
日本は2008年をピークに既に人口が減少し始めていますが、大都市などを中心に一部の街ではまだまだ人口が増加している街が沢山あります。
資産価値が落ちづらい家を購入したいなら、人口が増加傾向にある街に家を購入しましょう。
資産価値が落ちない街の特徴10,名門小学校の学区
子供の教育熱心な親御さんの中には、いい学校に入学させたいという理由で、わざわざ人気のある名門小学校の学区内限定で家を探される方がけっこういます。
このような需要が安定的にあるのに対して、小学校の学区はそれほど範囲が広くなくなかなか売り物件が少ないことから、名門小学校学区内の物件は売りに出すと売れやすく資産価値が落ちづらい傾向にあります。
まとめ
資産価値が落ちない街の10の特徴
1,街の中心部に近い
2,交通利便性が高い
3,生活利便性が高い(最寄り駅が適度に栄えている、平坦な地形、大型商業施設)
4,良好な住環境(区画が綺麗で道路が広い、大きな公園が近くにある)
5,自然災害に強い
6,再開発
7,新駅の設置や乗り入れ路線が増える
8,眺望が良い
9,人口が増加傾向にある
10,人気の小中学校の学区
上記に該当する数が多い物件ほど、資産価値が落ちづらい街になります。
すべてに該当する街にある物件は、価格が高くなりますので、予算との兼ね合いで自分たちにとって優先度の低いものを削っていくのがいいと思います。
逆に該当数が多い物件を売却する場合は、高値で売却できたり、売りに出しすとすぐ売れたります。
不動産は、【安物買いの銭失い】になりやすく、価格が安いものほど将来的に価値が下がりやすく、逆に価格が高いものは値段が下がりにくかったり、経済情勢などによっては値上がりすることもあります。
なので、あまり借金を抱えたくないからとか、家を買うのにそんなにお金を払いたくないといった理由で郊外にマイホームを買ってしまったら、その方が損する可能性が高いです。
多少高くても資産価値が高い物件を購入すれば、将来的にはとってもお得になります。
今回は、資産価値が高い街の特徴について解説しましたが、具体的にどこが資産価値の高い街なのか調査している記事もありますので、興味のある方は是非ご覧ください。
< 東京都 >
< 神奈川県 >
また、土地の購入を考えている方には、土地選びのポイントについて解説している記事もあります。
>【いい土地】とはどんな土地?土地の選び方のポイントを解説します!
その他、不動産価格の先行指標から、今後の不動産価格動向を予想している記事もあります。