
2022年の公示地価が発表されましたので、名古屋市の住宅地の地価動向をランキング形式でお届けします!
国土交通省が公表した令和4年公示地価のデータを分析して、全体的な動向と、土地の価格・変動率が高い場所を調査しました。
名古屋市内で地価が高い場所・高級住宅地・地価が上昇している場所はどこなのか?
その理由と、共通している特徴もわかります。
コロナウイルスの影響が和らぐ中、地価はどのように変化しているのか?
これから愛知県名古屋市でマイホームを購入しようと思っている方で、資産価値が気になる方、地価が上がりそうな地域を知りたい方、不動産投資家の方や、不動産業界の方などに役立つ情報となっております。
※なお、今回のランキングは【住宅地】の価格になりますが、住宅地として利用されている商業地や準工業地域なども含まれています。
また、基準地価の情報は含まれておりません。
名古屋市の【住宅地】地価動向(2022年)
2022年の名古屋市の住宅地の地価は、平均して前年比2.2%上昇しました。
前年は、コロナウイルスの影響もあり-0.8%の下落でしたが、今年は上昇に転じています。
・上昇 … 94.5%(326地点)
・横ばい … 5.2%(18地点)
・下落 … 0.003%(1地点)
全体としては上昇した場所がほとんどで、一部が横ばい、下落した地点1カ所だけでした。
区ごとの変動率を色別で表すと以下になります。

続いて下の表は、2022年の名古屋市の区ごとの住宅地の平均地価・平均変動率一覧です。

住宅地の平均地価は、中区や東区、昭和区や千種区など名古屋市中心部が高く、次いで東や西側、海に近い区や中心から離れた区は地価が低いです。
地価上昇率については、名古屋市全区で上昇となりました。
特に上昇率が高かったのが、中区・東区などの都心部で、次いで南区も交通利便性の高さや割安感から地価上昇率が高いです。
地価が高い街や、地価が上がった街をランキングとともに詳しく解説していきます。
名古屋市【住宅地】地価ランキング (2022)
公示地価で公表されている名古屋市の住宅地の地価を、地価が高い順にランキング形式でご紹介します。
地価が同じ場合は、地価上昇率が高い方を上位にしています。
価格は(円/㎡)、変動率は前年比です。












名古屋市【住宅地】地価ランキング TOP5(2022年)
名古屋市の住宅地で地価が高い場所TOP5を、ご紹介します。
価格は1㎡当たりの価格となっております。変動率は前年比です。
1位、中区栄2丁目 1,570,000円
2位、中区丸の内3丁目 1,140,000円
3位、東区泉1丁目 1,100,000円
4位、中区栄5丁目 903,000円
5位、中区上前津2丁目 720,000円
名古屋市の住宅地で地価トップ5の街は、全て用途地域は商業地に指定されていますが、マンション用地になっている場所です。
地価が高い理由は、都心部に位置していることもありますが、容積率が高いため地価が高くなっています。
トップ5の街を、簡単にご紹介します。
1位、中区栄2丁目612番
2022年価格 1,570,000円(2021年価格 1,400,000円)
上昇率 12.1%
主要駅 【伏見】【大須観音】
1位は中区栄2丁目です。用途地域としては商業地ですが中高層の事務所の他、マンション等が混在する地域で、近年はマンション開発が進んでいます。
名古屋市中心部の中区に位置しながらも、名古屋市科学館などがある白川公園に近いため、緑を感じられる贅沢な環境です。
また、中区は台地上にある街なので、自然災害にも強いという特徴もあります。
都心部に位置し、災害に強く、緑もある環境で、交通利便性も良好ということで、堂々の第1位となりました。
2位、中区丸の内3丁目801番
2022年価格 1,140,000円(2021年価格 990,000円)
上昇率 15.2%
主要駅 【久屋大通】・【丸の内】・【市役所】
2位も中区の街、丸の内3丁目です。
こちらも用途地域は商業地ですが、現在は中高層の事務所の他、マンション等が混在する地域で、マンション適地として需要が堅調なため地価が高くなっています。
都心部に位置しながら、東は久屋大通公園、北は名古屋城や官公庁周辺の緑豊かな環境で、利便性・快適性の高い街です。
3位、東区泉1丁目502番
2022年価格 1,100,000円(2021年価格 950,000円)
変動率 15.8%
主要駅 【久屋大通】・【高岳】
3位は、中区のお隣の東区にある東区泉1丁目です。2位の中区丸の内3丁目に久屋大通公園を挟んで隣接しています。
商業施設やオフィスビルもありますが、中高層のマンションも多くある街です。
久屋大通駅の他、高岳駅も利用可能で、栄駅なども近く、地下鉄名城線・桜通線・東山線、名鉄瀬戸線など、複数の駅や路線が利用可能で非常に利便性が高いのが特徴です。
4位、中区栄5丁目113番外
2022年価格 903,000円(2021年価格 868,000円)
変動率 4.0%
主要駅 【矢場町】
4位は、中区の中央の辺りに位置する、中区栄5丁目です。
名古屋市中心部まですぐの好立地にありながら、周囲には公園もある良好な住環境の街です。
オフィスや商業ビルの他、マンションが多く建ち並んでいます。
5位、中区上前津2丁目1208番
2022年価格 720,000円(2021年価格 640,000円)
変動率 12.5%
主要駅 【上前津】
5位は、中区の中央よりやや南側にある、中区上前津2丁目です。
地下鉄名城線・鶴舞線が通る【上前津駅】すぐの場所にある街で交通利便性が高く、中心部へのアクセスが良好です。
こちらの街も、オフィスや商業ビルの他、マンションが多く建ち並んでいます。
名古屋市の高級住宅地ランキング(2022年)
地価ランキングでは、上位の街は全てマンション向けの住宅地となっておりましたので、一戸建て用の住宅地でどこが高いのか見ていきたいと思います。
名古屋市の高級住宅地ランキングといってもいいと思います。
ランキングの基準は、容積率などの影響を避けるため、一種単価が高い街をランキング形式でご紹介します。
一種単価とは、容積率100%当たりの価格を表す数値です。容積率100%辺り、1㎡いくらになのかを計算しましたので、高級住宅地ランキングベスト30をご紹介します。

地価ランキングでは、中区や東区が上位を独占していましたが、一種単価が高い順で並べ替えてみると、また違った見え方がします。
高級住宅地ランキングでは、昭和区や東区、名東区、瑞穂区などが多くランクインし、次いで千種区や天白区、緑区などもランクインしてます。
ベスト3をご紹介したいと思います。
名古屋市の高級住宅地ランキング1位 昭和区南山町
一種単価 381,000円 地価 381,000円 建ぺい率 30% 容積率 100%
第1位は、昭和区南山町です。地下鉄鶴舞線【いりなか駅】の南西に位置しております。
2位に一種単価で5万円以上の差をつけて、名古屋市では断トツの1位です。
建ぺい率はなんと30%に指定されている他、緑化地域に指定されているため、緑あふれる広大な敷地に豪邸が建ち並んでいます。
区画も綺麗で道路も広く整備されており、良好な住環境であるだけでなく、日本を代表する大企業経営者の方のご自宅などもあり、ブランド力もある街です。
名古屋市中心部へは、車でも電車でも20分ほどしかからない距離で、交通利便性も良好です。
その他、南山町は名古屋市東部の丘陵地に位置し、あらゆる災害に強い街でもあります。
住環境・交通利便性・災害に対する強さ・ブランド力など、どこをとっても一級の街です。
名古屋市の高級住宅地ランキング2位 東区白壁4丁目
一種単価 328,500円 地価 657,000円 建ぺい率 60% 容積率 200%
第2位は、東区白壁4丁目です。名鉄瀬戸線【東大手駅】の東側に位置します。
古くは江戸時代の頃に、中級武士のために作られた武家屋敷街で、当時の武士が屋敷の前に白壁の塀を建てていたことが、地名の由来とされています。
東区の中でも名古屋市中心部に近い西部にある街で、歴史的な観点や立地的に、まさに都心の一等地と言える街です。
その他、白壁のある東区西部は名古屋台地という台地上に位置するので、災害にも比較的強い街でもあります。
名古屋市の高級住宅地ランキング3位 名東区高柳町
一種単価 317,500円 地価 262,000円 建ぺい率 40% 容積率 80%
第3位は、名東区高柳町です。地下鉄東山線・東部丘陵線(リニモ)の【藤が丘駅】西側に位置します。
藤が丘と言えば、名古屋市内でも屈指の高級住宅街として有名な街です。
藤が丘駅は東山線の始発駅で、乗り換えなしで名古屋駅や栄駅などに行けるので交通利便性も高いです。
交通利便性だけでなく、東側と西側には公園があり、区画も綺麗に整備された良好な住環境となっております。
また、名東区は名古屋市東部の丘陵地に位置し、当サイトが調査した名古屋市災害に強い安全な街ランキングでは、1位になっています。
>>ハザードマップで見る【名古屋市】災害に強い安全な街ランキング
名古屋市の住宅地で、地価が高い場所に多い特徴
名古屋市で地価が高い場所に多い特徴としては、以下があげられます。
・名古屋市中心部と東側にある区
・災害に強い
・駅から近い
・道路が広く区画が綺麗に整備された、良好な住環境
・緑が多い
名古屋市の地形は、中心部は台地で、東側に向かって丘陵地になっており、中心部から東側にかけての街が他の区に比べて標高が高く災害に強い傾向にあります。
逆に中心部の北側や西、南側は、川沿い海沿いの低地が広がっており、あらゆる災害に弱い傾向にあります。
名古屋市の地価は、災害に対する安全性が地価に如実に表れていると考えられます。
地価がトップクラスの街は、災害に強いだけでなく、公園や緑の多さ、町の区画や道路の広さなどの住環境、駅までの距離や、都心部へのアクセスの良さなどの交通利便性が高いことが関係していると予想されます。
名古屋市【住宅地】地価上昇率ランキング (2022年)
つづいて、名古屋市の住宅地で地価上昇率が高かった場所、ベスト30をご紹介します。
変動率は、前年比です。

地価上昇率上位の街は、東区や中区など都心部の街がランクインしていますが、全体的には一目見るだけでは傾向はわからないと思います。
しかし地価が上がった街には、他の街にはない何かしらの要因が必ずあります。
地価上昇率が高かった街の上昇要因についても調査しましたので解説します。
中区や東区の地価上昇要因
中区や東区は、平均して地価上昇率が高い傾向にありました。
地価が上がった理由は、都心近接のマンション需要が高いことにあります。
名古屋市では、中区や東区など都心部にあるマンションの需要が旺盛で、マンション用地の供給が少ないことや建築費の高騰でマンション販売価格は高くなっていますが、成約率は落ちていません。
マンションデベロッパーの土地取得競争も激化しており、こういった理由から中区や東区などのマンション建設に適した土地の価格が上昇しています。
南区の地価上昇要因
中区や東区に次いで、地価上昇率が高かったのが南区です。
前年比で平均して4.2%も地価が上がっています。
南区は、都心部以外の他の区に比べて鉄道網が発達しており(特に北東部)、どこに住んでも駅が利用しやすい距離にあることや、複数路線利用できる場所が多いため交通利便性が高い割に、値頃感があることや、物件の供給量が少ないことなどが理由で地価が上がっています。
中川区の地価上昇要因
南区の次に平均地価上昇率が高かったのが、中川区です。
平均して2.8%上昇しました。
中川区は、全体的に低地に属し災害リスクが高いため、不動産価格が低いのですが、地価が高騰している昨今では、割安感や都心部へのアクセスのしやすさや、平坦な地形で生活しやすいことなどから、駅近の街を中心に地価が上昇しています。
緑区の地価上昇要因
中川区の次に平均地価上昇率が高かったのが、緑区です。
平均して2.6%上昇しました。
緑区は名古屋市中心部から距離がありますが、丘陵地にあるため災害に強いこと、区画が綺麗で第一種低層住居専用地域を中心とした良好な住環境などから、リモートワークで仕事ができる方からの需要が増えており、地価が上昇しています。
西区や港区の地価上昇要因
西区は平均して2.4%、港区は平均して2.1%地価が上昇していますが、局所的に地価が急上昇しているところがあるので解説します。
西区では、令和3年10月に大型複合商業施設(イオンモールNagoya Noritake Garden)が開業したおかげで、周辺にある街の地価が上がっています。

当該地東側の菊井では7.2%、当該地を含む則武新町では6.1%も地価が上昇しました。
港区でも同様に、大型商業施設ららぽーと名古屋みなとアクルスが開業した関係で、周辺の街の地価が上昇しています。

七番町2丁目では5.7%、港楽1丁目と辰巳町では4.6%地価が上がりました。
名古屋市の住宅地で、地価上昇率が高い場所に多い特徴
地価上昇率が高い場所の特徴には、以下があげられます。
・都心部のマンション適地
・交通利便性が高い割に、地価が安い街
・都心部から距離があっても住環境のいいリモートワーク適地
・新しく大型商業施設がオープン
・駅に近い
名古屋市で地価が上昇しているところは、場所によって理由が大きく異なります。
一点心配なのが、交通利便性が高い割に地価が安い街の人気が高まっていることです。こういった街は、河川や海に近い低地にある街に多く、災害に弱い傾向にあります。
名古屋市の低地部は、洪水・高潮・津波だけでなく、地震でも揺れやすく、液状化も起こりやすいので安いからといって購入するのは注意が必要です。
>>家を購入するときの選び方の優先順位は?災害に強く、便性で、資産価値の高い家を買おう!
リモートワークの普及により人気の出ている街は、時代の流れもありますので、今後も人気が高い状態が続くと予想されます。
名古屋市【住宅地】地価ランキング2022まとめ
< 地価が高い場所TOP5 >
1位、1,570,000円 中区栄2丁目612番
2位、1,140,000円 中区丸の内3丁目801番
3位、1,100,000円 東区泉1丁目502番
4位、 903,000円 中区栄5丁目113番外
5位、 720,000円 中区上前津2丁目1208番
<高級住宅地ランキングTOP5>
1位 昭和区南山町
2位 東区白壁
3位 名東区高柳町(藤が丘)
4位 名東区藤森(本郷)
5位 昭和区広路町字梅園(八事)
< 地価が高い場所に多い特徴 >
・名古屋市中心部と東側にある区
・災害に強い
・駅から近い
・道路が広く区画が綺麗に整備された、良好な住環境
・緑が多い
< 地価上昇率が高い場所に多い特徴 >
・都心部のマンション適地
・交通利便性が高い割に、地価が安い街
・都心部から距離があっても住環境のいいリモートワーク適地
・新しく大型商業施設がオープン
・駅に近い
マイホームを購入するなら、地価が上がりそうな街や地価が下がらない街を選ぶことが重要です!そういった街に家を購入すれば、賃貸より断然お得に住めてしまいます。
また、住宅地の資産価値は災害危険度と大きく関係しています。
名古屋市内でマイホームの購入を検討している方は、名古屋市のどこにどんな災害リスクがあるか調査した記事がありますので、是非ご覧ください!
< 名古屋市の災害リスクを調査した記事 >