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いい間取りは廊下が重要!同じ面積でも狭く感じてしまう間取りとは?

家の廊下

家を買うとき、注文住宅を建てるとき、どんな間取りの家にするかはとても重要です。

なぜなら間取りによって、面積は同じでも広く感じたり、逆に狭く感じる物件があるからです。

その違いはどこにあるかと言うと、主に廊下にあります!

沢山の家を実際に見てきた、元不動産仲介会社勤務の宅建士が、間取りを考える上で、重要な廊下について解説します。

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同じ面積でも狭く感じてしまう間取りの特徴

廊下部分の面積が大きかったり、廊下ではないけど通路として利用する部分が多い家は、間取り図や販売広告に書かれている広さに比べて、狭く感じます。

具体例を用いて、それぞれ解説します。

廊下部分の面積が大きい間取り

専有面積は同じでも、部屋が狭くなってしまっている間取りのわかりやすい例をご紹介します。

まずは下の二つの間取り図をご覧ください。

廊下が長いのと短いマンションの間取り図

縮尺が違うので、右の部屋の方が広く感じるかもしれませんが、実際に部屋の広さを書き出して比べてみます。

左側の物件はよくマンションで見られる田の字型の間取りで、LDKが14.5帖・洋室が6.0帖・5.5帖・5.0帖あり、全て足すと、居室部分は31.0帖あります。

右側の物件は、LDKが13.7帖・洋室が5.2帖・4.5帖・4.0帖あり、全て足すと、居室部分は27.4帖あります。

その差は3.6帖(5.83㎡)

実はこの間取り図、全体の専有面積は両方とも約70㎡でほとんど同じなんです

(厳密に言うと帖数が少ない右側の方が、専有面積では0.09㎡広いです。)

なぜこれほど部屋の帖数に差がでるのかというと、廊下部分の面積が原因です。

廊下部分というのは、単なる通路に過ぎないので、なるべく少なくする方が各部屋が広くなるので、いい間取りと言えます

廊下部分の面積が大きいと、同じ面積でも狭く感じてしまいますので、注文住宅を建てる際はなるべく廊下が短い間取りに設計することが重要です。

また、マンションを購入する際は単純な㎡数ではなく、部屋の面積を足し合わせた広さで比較しましょう。

隠れ廊下部分に注意すべし

廊下の面積をなるべく小さくすればいいということが、おわかり頂けたと思いますが、廊下は短いのに狭く感じる家もあるんです。

下の物件の間取り図をご覧下さい。

LDKの一部が廊下として使われている間取り

この物件は、LDKが13.5帖・洋室が6.0帖・5.6帖・和室が6帖あり、全て足すと31.1帖あります。

面積は先ほどご紹介した2つの間取りとほぼ同じ70㎡です。

一見廊下の面積が狭いので、広く感じる物件のようにも見えます。

しかし、この物件は間取図下側の二部屋に行くのにLDKを通らなければいけませんので、実質的には以下のような間取りになります。

LDKの一部が廊下として使われている間取りの廊下部分をしました図

黒の斜線部分は、通路になりますので家具やモノが置けません

廊下と同じような扱いになりますので、私は勝手に【隠れ廊下】と言っています。

間取りの中心部にLDKがあるときは、LDKに隠れ廊下ができやすいので注意が必要です。

この物件は隠れ廊下部分を考慮すると、LDKは実質3帖ほど削られてキッチンが約2.5帖、リビングダイニングスペースが約8帖くらいしかないような状態になってしまうと思われます。

8帖というと、もはやリビングダイニングではなく、間取りでいうと3DKのようなものでしょう。

食卓テーブルと椅子を置いたら、リビング用のソファーは置けない可能性が高いです。

この物件のように、間取り図上では一見各部屋が広いものでも、実際生活した際の動線を考えてみると、狭かったり使いづらかったりする物件があります。

物件の間取り図を見るときに、上の図のように隠れ廊下部分を書き入れてみると、違ったものが見えてきますので、是非やってみて下さい。

次にご紹介するのは、部屋全体ではなく部屋の間取り図です。

狭く感じる部屋の図

この部屋の問題点は、入口付近に隠れ廊下がありますので、実質的には7帖もないということです。

ドアを開けたときに、部屋の四角形の部分にドアが入らないというメリットもありますが、広さを鵜呑みにしないようにしましょう。

どんな間取りの家を選べば(建てれば)いいのか?

では、どんな間取りの家が広くて使い勝手がいいのか?

それは、廊下や階段など通路として使われる部分が、建物の真ん中に集中している間取りが、いい間取りと言えます。

マンションの良い間取り・悪い間取り

マンションで言うと、先ほどご紹介した田の字型の間取りは、各部屋が広く使え、隠れ廊下部分も少ないので、いい間取りです。

マンションの間取りでもう一点注目して頂きたいのが、玄関の位置です。

玄関が家の端にあると、廊下が長くなり、効率の悪い間取りになってしまいますが、家の真ん中らへんに玄関があると、廊下が短く各部屋が広い、いい間取りになります。

具体的には、以下のような間取りの家です。

廊下が家の中心部にあるマンションの間取り

上の間取り図のマンションは、玄関が真ん中にあるため廊下を短くすることができ、各部屋を広くすることができています。

この家はかなり広く感じますが、80㎡ありません。79㎡台です。

次はダメな例です。

廊下が家の端にあり、廊下が長いマンションの間取り

こちらは、玄関が家の端の角にあるので、奥のLDKにいくために廊下が非常に長いです。

LDKは広いのですが、廊下に面積を取られてしまうため、各部屋が狭くなっています。

こちらの物件、部屋の広さは約82㎡あり、先ほどの物件より少し面積は広いのですが、前者の方が広く感じやすく、実際に使い勝手がいいと思います。

ちなみに、上の悪い例はタワーマンションの間取りなのですが、タワーマンションは構造上、建物を中低層マンションのように長方形に作ることができず、基本的に正方形に近い形の建物になります。

そのせいで、田の字型のような効率のいい間取りができないことが多く、廊下が長かったり、変な形の間取りになることが多いので、注意が必要です。

また、廊下は関係ありませんが、下の図のリビングのように部屋にカーブがあったりする場合も、家具が置きづらいため、図面上の広さより狭く感じやすいです。

一戸建ての良い間取り・悪い間取り

戸建てだと以下のような間取りが、廊下や階段が真ん中に集中しており、いい間取りと言えます。

廊下や階段が真ん中に集中しているいい間取りの戸建て
出典:suumo

廊下の長さが短く、隠れ廊下となりそうな部分もあまりありません。

2階は階段と廊下が真ん中に集中しているので、部屋を広くすることができ、しっかり各部屋に収納も用意されています。

ちなみに、間取り図を見る上で一つ注意点があるのでお伝えしておくと、間取り図に記載されている広さを表す帖数は、クローゼットの面積は含まれておりません。

なので、収納が全然ない家の方が一見広い家のように見えることがあるので注意して下さい。

続いて良くない例です。

廊下や階段部分面積が大きい戸建ての間取り図

この戸建ては、1階の廊下や階段部分の面積が広く、2階も隠れ廊下になりそうな部分が多いと思います。

戸建てで悪い間取りの家は、設計の悪さが原因のこともありますが、多くは土地の形や道路付けに問題があることが多いです。

間口が狭かったり土地が細長い場合など、土地の形が悪いと、玄関の位置や廊下の長さ、ベランダの位置などがおのずと決まってしまいます。

住みやすい間取りの家に住みたい(建てたい)なら、まずはいい家を建てられる土地を見つけることが重要です。

>>間口が狭い家・土地のメリット・デメリット、家を建てるときの注意点を解説!

>>旗竿地は安いけどやめたほうがいい?メリット・デメリットをわかりやすく解説します

まとめ

いい間取りとは、廊下や隠れ廊下部分が少なく、各部屋や収納スペースが広くとれる間取りです。

廊下を短くするためには玄関の位置が重要で、戸建の場合は土地の形や間口の広さで間取りがある程度決まってしまうので、どんな土地に家を建てるのかが重要です。

マンションの場合、なんだかんだ田の字型の間取りは廊下が少なく、効率的な間取りです。

販売価格は基本的に専有面積×坪単価で算出されるので、上述した実質的な部屋の広さはそれほど考慮されていません。

よって、いい間取りの物件は悪い間取りの物件に比べるとお買い得です

今回はマンションの間取りで解説しましたが、注文建築を建てるときや戸建ての購入においても、考え方は一緒です。

家を建てる際は、よほど広い土地でもない限り建ぺい率・容積率等の制限を受けるので、広々とした家にするためにはなるべく無駄なスペースを無くすことが重要です。

他にも家を建てる時に役立つ情報がございますので、是非ご覧ください。

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