旗竿地の間口は何メートルあれば駐車可能?2m、2.5m、3m、4mそれぞれの駐車のしやすさを解説

旗竿地の通路部分

旗竿地の購入を検討している方は、気になることの一つに駐車場のことがあるでしょう。

実際に旗竿地(通称:敷延)は駐車するのが難しいことが多いので、購入前に駐車するのに問題がないか、しっかり情報収集し、現地で実際に駐車可能か確認しなければ後悔するかもしれません。

そこで今回は、旗竿地の間口は何メートルあれば駐車可能なのか?間口が2m、2.5m、3m、4mの場合、それぞれの駐車のしやすさについて解説します。

旗竿地での駐車の困難さは、【土地の間口の長さ】【前面道路の幅】で決まります。

駐車できても何度も切り返さなければいけないこともあります。車の運転が苦手な方は、ぶつけて車が傷ついてしまう可能性や、周囲の家にぶつけてトラブルになるかもしれません。

また、駐車ができても道路から家まで通り抜けるのが困難な場合もあります。

駐車のしやすさは、現地で確認するのが一番ですが、この記事を読めば大体のことがわかります!

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旗竿地の駐車について、知っておきたい注意点

間口の長さ別の解説に行く前に、気をつけて欲しいポイントがいくつかあるので、解説します。

1,通路部分の左右に、高さのある塀はあるか?

旗竿地は、広い土地を不動産会社が購入して、いくつかに分けた分譲地として売りに出される過程で生まれます。

旗竿地(敷地延長)はなぜできる?分譲地に旗竿地がある理由

不動産会社は旗竿地でも売りやすくするため、最近はなるべく閉塞感を感じないように、旗竿地と隣の土地の間に塀をつくらないことが一般的です。

しかし、古くから存在する旗竿地の場合、左右または片一方に塀があることも珍しくありません。

隣地との間に高い塀がある旗竿地
左右に高い塀がある旗竿地

塀が無い場合、隣地の敷地を歩くのはダメですが、空中部分に体がはみ出して通行するのは、暗黙の了解といいますか、それほどトラブルになることはありません。

なので、通路部分が狭くても車を駐車した状態で、無理なく通り抜けられることもあります。

しかし、上の写真のように、壁と塀に囲まれている場合はそれができませんので、高さのある塀があるかどうかは、重要なポイントです。

現地で必ず確認しましょう。

2,隣地との間に塀がある場合、塀は自分と隣地どちらの敷地にあるか?

よく見かけるブロック塀は、厚さが10~15cmあります。厚さは塀の高さによって変わるのですが、最低でも10cmはあるということです。

旗竿地の通路部分は非常に狭いので、ブロック塀がある場合、自分の敷地内にあるのか、隣地の敷地内にあるのかで、通路の幅が全然違います。

塀が自分の敷地内の両側にあった場合、20~30cmも通路幅が狭くなってしまうのです。

不動産会社のチラシや販売資料に記載されている、土地の間取り図には、土地がどこまでなのか、どれくらいの広さなのかは書いてありますが、塀の位置や塀の厚みを除いた実際に利用できる厚さは、記載されていません。

もし、販売図面に間口が2mと記載されていても、実際に利用できる通路の幅は1.8m程度しかない可能性があるのです。

現地を確認する際は、ブロック塀の有無と、あった場合はどちらの敷地にあるのか、必ず確認しましょう。

塀があった場合、どちらの土地の所有物になるのか?敷地の境界線はどこからどこまでなのかは、不動産会社に聞けば教えてくれると思います。

自分で確認する場合は、現地に言って隣地との境界線の辺りを確認すると、下の写真のような印があると思います。

隣地との境界標

矢印の位置に注目して頂きたいのですが、この写真だとブロックの左側に矢印があります。

矢印がある位置が土地の境界線なので、塀は右側の土地の人の所有物であることがわかります。

塀のど真ん中に境界が存在場合もあるのですが、その場合は塀は隣地との共有物である可能性が高く、通路部分の幅は、数cm狭くなっていると考えて下さい。

この境界を示す矢印のことを【境界標】と言うのですが、境界標は上記のもの以外にも沢山種類があります。

境界標の種類については、詳しく解説しているサイトがありましたので、興味のある方はそちらをご覧下さい。

>>あなたの街の登記測量相談センター 境界標とは

3,カタログや車検証に記載されている車幅と、実際の車幅の違い

車のカタログや車検証には、車の幅(車幅)がどれくらいあるのか記載されています。

軽自動車だと車幅は1.48m以下、コンパクトカーだと約1.7m、普通車だと約1.8m前後、大型車で約1.9m前後あります。

しかし、注意して頂きたいのが、上記車幅にはミラー部分は含まれていません

車種にもよりますが、ミラーをたたんだ状態であっても、ミラーを入れると+10~20cmくらいは幅が増えます

車の車検証上の車幅と、実際の車幅

うちの車は車幅が1.8mだから、通路幅が2mあるならなんとかなるだろ!なんて考えていると、とんでもないことになります。

4,隣地との間に、通行協定があるか?

分譲地として、隣り合った複数の物件と一緒に販売されている物件の場合、【隣地の一部を通行してもいい】という、通行協定を結んでいることがあります。

分譲地の通行協定部分

例をあげると、上のような4物件の分譲地があった場合、車の駐車や人の通行がしやすいように、網掛け部分をお互いに通っていいという契約をしていることがあります。

間口が狭い旗竿地の場合、これがあるのとないのとでは、駐車の難易度が大分異なります

また、通行協定を結んでおくおことで不要なトラブルを防ぐこともできます。

旗竿地の間口は何メートルあれば駐車可能?

気をつけるポイントがわかったところで、間口の長さ別の駐車事情について解説していきます。

間口【2m 】の旗竿地

間口2mの旗竿地

間口が2mしかない場合は、駐車が困難なだけでなく、通路部分に駐車すると人が通れなくなります。

注意点でも解説しましたが、車の車幅はミラーまで含めると、ミラーをたたんだ状態でも2m近くあります。軽自動車でも車幅が約1.5m、ミラーまで入れるとたたんだ状態であっても約1.6mくらいあります。

残り40cmもあるなら、十分通れるんじゃないの?と思われる方もいるかもしれませんが、これは本当にギリギリまで片側に寄せた状態での話しです。

さらに言えば駐車した車の横をギリギリ通れれたとしても、車のドアが開かず、乗り降りできません。

つまり、通路部分の幅が2mしかない旗竿地は、実質的に駐車場がない物件と思って下さい

このような旗竿地は、売りに出しても人気がないのでなかなか売れません。

不動産を購入する際は、売るときのことまで考えているいる人はごくわずかですが、将来後悔したくないなら、購入するのはやめておいた方がいいでしょう。

【旗竿地】が売れない理由と、上手な売却方法について解説


通路幅が2mしかなくても、旗竿地がくっついた以下のような土地は、少し話しが別です。

間口2mの旗竿地がくっついた土地

間口2mの旗竿地がくっついた土地です。

このような土地の場合、車を2台とも端に寄せて駐車すれば、真ん中に50~60cmくらいの空間が生まれるので、車を止めても人が通行できます。

また、入口ギリギリに車を止めなければ、間口も4mあることになるので、駐車難易度がかなり下がります。

※ただし、上記ができるのは、隣地との間で通路部分の利用協定を結んでいる場合かつ、隣地との間に塀などが存在しない場合です。

とは言え、駐車場が狭いことにはかわりなく、前面道路の幅が狭い場合などは、駐車も難しいので、車をよく利用する方や、運転が苦手な方にはお勧めしません。

その他気をつけたいポイントとしては、車のハンドルの位置によって、車の乗り降りのしやすさが変わります

一部の外国車は左ハンドルのものもありますが、日本ではほとんどの車が右ハンドルです。

ということは、バックで駐車した場合に、右側に空間ができる方が乗り降りしやすいことになります。

上の図でいうと、両方の土地が端に車を駐車した方が、真ん中に広い通路ができて通行しやすくなりますが、車を端に駐車した場合、右側の土地は乗り降りしやすいですが、左側の青い土地は運転席側のドアが開かなくなりますので、乗り降りしずらくなります。

もし上記のような土地を購入する場合は、乗り降りしやすい側の土地を購入するようにしましょう。

間口【2.5m 】の旗竿地

最近多い、一応駐車スペースを設けている旗竿地です。駐車スペースの幅が2.5mあるので、車を駐車していても通路部分を人が通行することができます。

ただし、間口は2.5mしかないので、駐車しづらいことには変わりないので注意が必要です。

間口が2.5mの場合、一度も切り返しせずに駐車するには、車の大きさによって以下のような道路幅が必要となります。

・全長4m以下の小さい車   … 道路幅5m以上

全長4.5mくらいの普通車 … 道路幅5.5m以上

・全長4.8~5mの大型車   … 道路幅6m以上

それぞれ、上記道路幅より狭い場合は切り返しが必要となりますし、場合によっては切り返ししても駐車できない可能性もあります。

また、上記は道路幅を端から端まで車で通行できる前提で、障害物などが何もない場合を想定していますので、道路上に歩道の段差がある場合や、電柱がある場合などは駐車困難になりますので、必ず現地を確認して下さい。

その他の注意点として、通路部分の幅が2.5mの場合、車を駐車している状態だと、自転車の通行が困難な場合があります

無理に自転車で通ろうとすると、車を傷つける可能性もありますので注意が必要です。

塀の有無や隣地との状況で変わりますので、車の駐車だけでなく、自転車を利用する場合も想定して現地で確認することをオススメします。

間口【 3m 】の旗竿地

間口3mの旗竿地

間口が3mある旗竿地の場合、車を駐車しても容易に人が通り抜けられます。

間口が3mある旗竿地
間口が3mあれば塀があったとしても、車を駐車していても、人や自転車の通行に支障はない

駐車に関しても、間口がそれなりに広いので間口2.5mの場合に比べて、前面道路が狭くても切り返しが少ない回数で駐車可能です。

切り返しなしで駐車できる目安は、以下になります。

・全長4m以下の小さい車   … 道路幅4.5m以上

全長4.5mくらいの普通車 … 道路幅5m以上

・全長4.8~5mの大型車   … 道路5.5m以上

間口が3mあれば、前面道路の幅と電柱などの障害物の有無に注意をしましょう。

間口【 4m 】の旗竿地

間口が広い旗竿地
間口が広い旗竿地

間口が4mもあるなら、駐車スペースのことも、駐車のしやすさもそれほど気にする必要はありません

しいて言うなら道路幅が4m以下などかなり狭い場合や、電柱が邪魔な位置にある場合は、若干駐車しづらい程度です。

まとめ

旗竿地での駐車の困難さは、間口の長さと前面道路の幅で決まります。

< 旗竿地の駐車について、知っておきたい注意点 >

1,通路部分の左右に、高さのある塀はあるか?

2,塀がある場合、塀は自分の敷地にあるか?隣の人の敷地にあるか?

3,カタログや車検証に記載されている車幅と、実際の車幅の違い

4,隣地との間に、通行協定があるか?

間口が2mしかない旗竿地

駐車場がないと思っていい。ただし、二つの旗竿地がくっついている場合は、駐車可能な場合がある。

・間口が2.5mの旗竿地

駐車場はあるが、駐車しづらい。前面道路の幅が重要。車の全長+1mくらいはないと、切り返しなしでは駐車困難。

状況によっては、車を駐車しているときに、自転車で通り抜けることができない場合があるので注意。

・間口が3mの旗竿地

駐車スペースに問題はなく、道路幅が4m以下などかなり狭くない限り、駐車もそれほど難しくない。 前面道路幅員が車の全長+50cmくらいはないと、切り返しなしでは駐車困難。

・間口が4mある旗竿地

駐車スペースも駐車も問題ない。電柱などの障害物に注意。

そもそも旗竿地の購入で悩んでいる、実際どうなのか知りたい!という方のために、旗竿地のメリット・デメリットについて解説している記事もありますので、興味のある方はご覧ください。

>>旗竿地は安いけどやめたほうがいい?メリット・デメリットをわかりやすく解説します

また、旗竿地と似たような土地として、間口が狭い土地があります。間口が狭い土地のメリット・デメリットについて解説している記事もあります。

>>間口が狭い家・土地のメリット・デメリット、家を建てるときの注意点を解説!

複数の物件が売られている分譲地で、旗竿地と手前の普通の家、どちらを購入しようか迷われている方には、旗竿地の手前の家のメリット・デメリットについて解説している記事もあります。

>>旗竿地の手前の家の、メリット・デメリット

その他、建売住宅の値引き交渉のコツについて解説した記事もあります。

>>【建売住宅】値引き交渉成功パターン6選|新築戸建てを安く買う方法を解説

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