
・再建築不可物件が売れなくて困っている
・再建築不可物件をなるべく高く売りたい
そんな方のために、元不動産仲介会社勤務の宅建士が、再建築不可物件の売却・処分方法について解説します。
再建築不可物件は、基本的に住宅ローンが使えないため、一般の人が自分で住む目的で購入することは、まずありません!
購入できる人・購入したいと思ってくれる人が限られているので、普通の物件と同じような売却方法では、いつまでたっても売れないなんてことになりかねません。
再建築不可物件が売れない理由
まず、再建築不可物件の売却・処分方法を解説する前に、なぜ再建築不可物件は売れないのか解説したいと思います。
再建築不可物件が売れない理由は、以下のようなものがあります。
・家を建て替えることができない土地は、そもそも購入したいと思う人が少ない
・欲しいと思う人がいたとしても、住宅ローンを利用することができない
それぞれ解説します。
家を建て替えることができない土地は、そもそも購入したいと思う人が少ない
ほとんどの人は、家や土地を購入する際は、そこに住むことを目的としていますので、基本的に家を建てることができない土地を、購入したいと思う人はいません。
また、土地にまだまだ長く住むことができそうな家が建っていたとしても、将来的に建て替えできないと聞いたら、躊躇する人がほとんどです。
欲しいと思う人がいたとしても、住宅ローンを利用することができない
再建築不可だから普通の物件より安い価格で売りに出していたら、割安感から購入したいと申し出てくる人もいますが、ここで問題となるのが住宅ローンです。
再建築不可物件は、住宅ローンが基本的に利用できません。
普通に建て替えできる物件に比べて、担保としての価値が低いことや、流動性が低い(万一の際にすぐ売れない)ことが理由です。
不動産を購入する人は、基本的に銀行からお金を借りて購入します。不動産は高額なことから現金一括で購入する人は、あまりいないのです。
住宅ローンが使えないということは、それだけ購入できる人が少なくなることを表します。
再建築不可物件は、こういったことが理由で普通の物件のように売却することが困難なのです。
再建築不可物件は売却することができない?どんな人が買う?
再建築不可物件を売却することはできないのか?というと、そんなことはありません。
建て替えできない物件でも、購入する人がいます。それは不動産買取業者や、不動産投資家、それと隣地の人です。
不動産買取業者は、再建築不可物件を買い取った後、隣地を購入して建て替え可能に土地に価値を高めたり、リフォーム後に誰かに貸して投資用物件として転売したりします。
ある程度大きい会社であれば、現金で買えるくらいの豊富な自己資金があったり、銀行から事業融資を受けることができるので、再建築不可物件でも購入することが可能です。
不動産投資家とは、不動産を購入した後に誰かに貸して、家賃収入を得る人のことを言います。賃貸で家を借りる人にとっては、その物件が建て替え可能かどうかなんて関係ありませんから、立地などが良ければ再建築不可物件でも借り手がつくのです。
不動産投資家も不動産買取業者同様に、再建築不可物件でも不動産投資用のローンを利用できる場合があるため、購入することが可能なのです。
最後に隣地の人ですが、他の人にとっては建て替えできない土地であっても、隣地の人にとっては自分の土地とくっつくことで建て替え可能な普通の土地になるため、銀行も住宅ローンを貸します。
このように、再建築不可物件はそのままの状態では、購入できる人が限られるので、購入できる人に的を絞ってアプローチするのが得策です。
再建築不可物件の上手な売却・処分方法
それでは、再建築不可物件高く売るにはどうしたらいいのか?
高く売れる可能性のある順に、売却方法を解説します。
1,建て替えできる状態にしてから仲介会社にお願いして売却する
2,隣地の人に購入してもらえないか相談する
3,家賃を査定してもらい投資用物件として仲介会社に売却を依頼する
4,再建築不可物件に強い不動産買取業者に買い取ってもうらう
5,無償譲渡サイトや空き家バンクに登録する
それぞれ解説します。
1,建て替えできる状態にしてから仲介会社にお願いして売却する
もっとも高く売れる可能性がある方法が、建て替えできる状態にしてから仲介会社にお願いして売却する方法です。
再建築不可物件は、建築基準法上の道路の2m以上接していないことから、建築許可が下りず建て替えができませんが、この接道条件を満たすことで建て替え可能な物件にすることができます。
再建築不可の状態だと、建て替えできる物件に比べて著しく安い金額になってしまいますが、建て替えできる状態にすると普通の物件と同じ価格になるため、高く売却することが可能になります。
再建築不可物件を建て替え可能にする方法
再建築不可物件を建て替え可能にする具体的な方法は、以下の4つがあります。
・隣地を購入する
・隣地と等価交換をする
・隣地の一部を借りる
・但し書き道路を利用する
上から3つ目までは、隣の土地を買ったり、交換したり、借りたりして接道の長さを2m以上にする方法で、隣地の人の協力がなければできないことなのでかなりハードルは高いものの、実現すれば高値での売却が見込めます。
最後の但し書き道路の許可を得る方法は、近隣に道路状の土地があれば、その所有者から通行承諾を貰うだけで建て替え可能になる可能性があります。
しかし、但し書き道路沿いの物件は、建て替えできても一般の物件に比べると安い価格で取引されますので、上の3つほどの効果は望めませんが、再建築不可物件に比べれば、高値でも売却が可能となります。
上記の方法は全てかなり専門的な知識を必要とすることなので、不動産仲介会社の手を借りることをおすすめします。
運よく建て替えできる状態になったら、そのまま普通の土地として、仲介会社に売却を依頼するだけです。
建て替えできる土地なら欲しいと思う人もいますし、住宅ローンも利用できますので、売却も難しくありません。
再建築不可物件を建て替え可能にする方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
>接道2m未満の【再建築不可物件】を建て替え可能にする方法・裏ワザをご紹介!
2,隣地の人に購入してもらえないか相談する
1の方法がダメだったら、次に試してみて欲しい方法が、隣地の人に購入してもらう方法です。
他の人にとっては建て替えできない土地でも、隣地の人が買えば建て替えできる土地に様変わりする場合がありますので、隣地の人は他の人に比べて購入してくれる可能性があります。
ここでの注意点は、隣地の人にとっては普通の土地になるのだから、普通の土地と同じ値段で買って欲しい!と思いがちですが、あまり欲張ってはいけません。
隣地の人にとっては普通の土地になるといっても、別に必要としているとは限りませんので、多少なりとも安めの価格で打診してお得感をだしておかないと、いらないと言われてしまう可能性が高いです。
3,家賃を査定してもらい投資用物件として仲介会社に売却を依頼する
隣地の人も購入してくれないとなったら、仲介会社に貸した場合の家賃を査定してもらい、投資用物件として売りに出してみましょう。
再建築不可物件は、投資用物件であっても普通の物件より割安な価格でしか売れませんが、不動産投資家であればローンを利用できる可能性がありますので、購入してもらえる可能性が高くなります。
相場としては、一般的な投資物件より3~4割引きくらいにはなってしまいますが、建て替えできないとなると投資家の方にとってもリスクが高い物件になるので、残念ですが受け入れるしかありません。
仲介会社に再建築不可物件の売却を依頼するとき、あまり詳しくない仲介会社だと、普通にSUUMOやアットホームなどに中古戸建や売地として物件情報を載せることがありますが、何度も説明している通り、一般の人で自分が住むために再建築不可物件を購入する人はまずいませんので、時間の無駄です。
問い合わせがあったとしても、再建築不可物件のことをよくわかっていない人か、結局不動産投資家や不動産買取業者であることがほとんどですので、それなら初めから投資用物件として投資用物件情報サイトに掲載した方が、早く売れると思います。
投資用物件として売り出しても売れなかった場合は、値下げしてみることをおすすめします。値下げすることで、投資物件としての魅力が高まる(収益性が上がる)ので、より売れやすくなります。
4,再建築不可物件に強い不動産買取業者に買い取ってもうらう
投資用物件として売り出しても、全く問い合わせすらない場合や、なるべく急ぎで売却したい場合などは、不動産買取業者に買い取ってもらうことをおすすめします。
ここで重要なのが、買取業者と言ってもどこでもいい訳ではありません。高く売るためには、再建築不可物件の買取を得意としている買取業者に買取を依頼する必要があります。
不動産買取業者と一言で言っても、マンションの買取が得意なところもあれば、土地の買取が得意なところなど様々な会社があります。
再建築不可物件は、不動産の中でも特に専門性が高い部類に入るので、再建築不可物件の買取があまり得意でない買取業者に依頼してしまうと、二束三文で買い取られたり、時には買取を断られることもあります。
そんなこと言っても、どこの不動産買取業者に頼めばいいかわからない……なんて方もいらっしゃると思いますので、再建築不可物件の買取に強いおすすめの買取業者をご紹介します。
【訳アリ物件買取PRO】を運営している 株式会社Alba Link がおすすめです。

平成23年に設立された業歴10年以上の不動産会社で、全国で年間200件以上の買取を行っている実績のある会社です。
東京に本社がありますが、大阪や千葉、茨城などにも支店があります。
再建築不可物件など、一般の人に売却するのが困難な物件に特化した不動産買取業者です。
日本全国対応しており、直接買取になるので仲介手数料がかからないのでお得です。
不動産買取は仲介などど違って、提示された買取価格で合意すれば、すぐに契約・決済・引き渡しとなりますので、売却処分するまで時間もかかりません。
30秒ほどの簡単な入力をするだけで、買取査定が依頼できますので、早く処分したい方は査定依頼してみることをお勧めします。
買取価格を知りたい方はコチラ ⇒ 【訳アリ物件買取PRO】
不動産買取が不安な方や、訳アリ物件買取プロについてもっと詳しく知りたいという方は、以下の記事をご覧ください。
>>【訳あり物件買取プロ】は安心して利用できる?評判、口コミ、運営会社を調査しました!
5,無償譲渡サイトや空き家バンクに登録する
4までの方法でほとんどの方は売却できるとは思いますが、物件の状態や所在地などによっては、専門の買取業者でさえも買い取ってくれないこともあります。
タダでもいいから処分したい!という方には、不動産の無償情報サイトや空き家バンクへ登録するという方法があります。
不動産の無償情報サイトとしては、「みんなの0円物件」が有名です。物件の登録・掲載料は無料で、契約書の作成などをお願いするとお金がかかりますが、全て自分でやる場合は最後まで無料で利用できます。
再建築不可物件が空き家の場合は、空き家バンクへ登録するのも一つの手で、国土交通省が【全国版空き地・空き家バンク】をつくっています。
これには、不動産情報サイト【ホームズ】を運営する㈱LIFULL、【アットホーム】を運営しているアットホーム㈱も参加しており、それぞれのサイトに全国の空き家を検索できる特設ページがあります。
下にリンクを貼っておくので、どんなものか気になる方はご覧ください。
再建築不可物件が売却・処分できない場合の対応策
ご紹介した全ての売却・処分方法を試しても、どうにもならなかった場合や、再建築不可物件とは言え安く売るのには抵抗があるという方には、売るということ以外の選択肢もあります。
・家をフルリフォームして住み続ける
・人に貸して家賃収入を得る
それぞれ解説します。
家をフルリフォームして住み続ける
再建築不可物件は、新築や建て替えはできませんが、リフォームすることは可能です。
リフォームすると言っても、基礎や柱、梁などの主要構造部を残せば、壁や床などを全取り換えしてもリフォーム扱いになりますので、ほぼほぼ新築同様に再生し住み続けることが可能です。
注意点としては、10㎡以上の増築や、準防火地域・防火地域で増築する場合は、建築許可を得る必要があるので、延べ床面積を増やすことは難しいです。
人に貸して家賃収入を得る
投資用物件として売る方法でも解説しましたが、再建築不可物件は購入してくれる人を見つけるのは難しいですが、物件の立地や状態が悪くなければ、借りてくれる人を見つけるのは難しくありません。
借りて住む人にとっては、その家が建て替えできるかどうかなんて関係ないからです。
また、もらえる家賃についても、再建築不可物件だからという理由で安くなることはありません。普通の物件と同じ水準の家賃をもらうことができます。
なので、再建築不可物件は人に貸して家賃収入を得て、自分は他の家を購入したり借りたりして、家賃収入をその支払いに充てるという方法もあります。
無理に売却する必要がない場合は、こういった方法も選択肢の一つです。
まとめ
再建築不可物件は、家を新築することができないことや、住宅ローンが利用できないため、一般の人には基本的に売却できません。
再建築不可物件をなるべく高く売却・処分するなら、以下の手順が有効です。
1,建て替えできる状態にしてから仲介会社にお願いして売却する
2,隣地の人に購入してもらえないか相談する
3,家賃を査定してもらい投資用物件として仲介会社に売却を依頼する
4,再建築不可物件に強い不動産買取業者に買い取ってもうらう
5,無償譲渡サイトや空き家バンクに登録する
高値での売却より、なるべく早く楽に売却したいという方には買取がおすすめです。
買取価格を知りたい方はコチラ ⇒ 【訳アリ物件買取PRO】
再建築不可物件が売れなかったらどうなるのか不安……という方には、以下の記事もおすすめです。