2021年の公示地価・基準地価より、東京都目黒区の地価動向をランキング形式でお届けします!
国土交通省が公示している令和3年地価公示価格と、東京都が公表している令和3年東京都基準地価格のデータを分析して、全体的な動向と、土地の価格・変動率を調査しました。
目黒区で地価が高い場所・地価が上昇している場所はどこなのか?
その理由と、共通している特徴もわかります。
コロナウイルスの影響がまだまだ続いている中、地価はどのように変化しているのか?
これから目黒区にマイホームを購入しようとしていて資産価値を気にする方、売却しようと思っている方、不動産投資家の方や、不動産業界の方などに役立つ情報となっておりますので、是非ご覧ください。
※なお、今回のランキングは【住宅地】のランキングとなっておりますので、主に一戸建て及び中低層マンション用地の価格になります。駅近の高層マンションが多い【商業地】は含まれておりませんので、ご注意下さい。
また、公示地価と基準地価で重複している地点については、より情報が新しい基準地価の情報を利用しております。
基準地価・公示地価は、区内の全ての町丁目の価格が公示されているわけではありません。
目黒区の【住宅地】地価動向(2021)
2021年の目黒区の住宅地の地価は、平均して前年比0.8%上昇しました。
東京23区全体の、住宅地の平均地価変動率は前年比+0.5%でしたので、目黒区は平均を上回った地価上昇率でした。
この数値は、23区のなかで8番目の上昇率となっております。
1位は品川区の1.9%、2位は港区と台東区の1.8%でした。
下の図は、2021年の東京23区の地価変動率を色分けで表示した図です。
都心部の区または都心に近い区の方が、地価上昇率が高い傾向にあります。
実際に目黒区で地価が高い場所や、地価上昇率が高い場所を見て、理由を考えてみたいと思います。
目黒区の【住宅地】地価ランキング TOP5(2021)
つづいて、町名または丁目の細かい範囲で地価(土地の価格)が高い場所TOP5をご紹介します。
公表されている公示地価・基準地価には詳しい住所が記載されていますが、こちらでは町名または丁目までを記載しています。
詳しい所在地を知りたい方は、最後に添付している一覧表をご覧ください。
価格は1㎡当たりの価格となっており、変動率は前年比です。
1位、青葉台3丁目
2021年地価 2,240,000円(2020年地価 2,210,000円)
変動率+1.4%
第1位は、目黒区北東部で渋谷駅に近い位置にある、青葉台3丁目です。
< 交通利便性 >
最寄り駅としては、北にある京王井の頭線【神泉駅】か、西にある東急田園都市線【池尻大橋駅】になります。
その他、JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・成田エクスプレス、東急田園都市線・東横線、京王井の頭線、東京メトロ半蔵門線・副都心線・銀座線が通る【渋谷駅】も徒歩で利用可能な距離です。
現在JRは、羽田空港アクセス線という渋谷から羽田空港まで行ける路線を、2029年開業を目指して動いていますので、今後はより一層利便性が増す見込みとなっております。
車での交通利便性に関しては、
北に国道246号線と首都高、西に山手通り(環状6号線)、東に旧山手通りに囲まれているので、東西南北どの方向に行くにも便利です。
首都高の料金所も近いです。
< 生活利便性 >
池尻大橋駅の方に向かうとある、クロスエアタワーというタワーマンションの下に、スーパーのライフ目黒大橋店とドラッグストアのココカラファイン目黒大橋店があります。
また、その近くに業務スーパーみらべる目黒大橋店もあります。
池尻大橋駅付近には、本屋や喫茶店、飲食店などもあるので買い物も便利な場所です。
少し足を延ばして渋谷まで行けば、基本的には事足りるでしょう。
その他、東側に菅刈公園や西郷山公園もあるので、緑も多い場所です。
目黒川沿いは、春には桜の名所にもなっています。
< 災害リスク >
青葉台3丁目には、町内に目黒川が流れています。
また、目黒川沿いから渋谷方面に向かって上り坂となっており、傾斜のある街です。
目黒川沿いでは、大雨の際に洪水の危険性があることに加えて、一部液状化する可能性がある場所が存在します。
また、傾斜のある地形なので土砂災害警戒区域等に指定されている場所もあります。
目黒川沿いは、開放的で景観もいいのですが、災害に弱い場所なので注意が必要です。
低地部分では、災害リスクが高いですが、高台部分は災害に強く安全です。
交通利便性や買い物などの交通利便性も高いので、住みやすい街でもあります。
渋谷駅周辺では、2027年頃まで再開発が続く予定で、2029年には羽田空港アクセス線の開業も予定されていますので、それらの影響により今後も地価は上昇傾向で推移すると予想されます。
2位、青葉台2丁目
2021年地価 1,480,000円(2020年地価 1,480,000円)
変動率0.0%
第2位は、1位の青葉台3丁目のすぐ東隣りにある、青葉台2丁目です。
< 交通利便性 >
・鉄道の交通利便性
どの駅も少し距離があるところが難点ですが、以下の5駅11路線が利用可能です。
北に【神泉駅】京王井の頭線
西に【池尻大橋駅】東急田園都市線
南に【中目黒駅】東急東横線・東京メトロ日比谷線
南東に【代官山駅】東急東横線
北東に【渋谷駅】JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・成田エクスプレス、東急田園都市線・東横線、京王井の頭線、東京メトロ半蔵門線・副都心線・銀座線
・車の交通利便性
東側を旧山手通り
南西側を山手通り(環状6号線)に接しております。
また、北に少し行くと国道246号線と首都高が利用可能です。
< 生活利便性 >
複数の駅が徒歩圏なので、どこかの駅近くまで行けば様々なお店を利用できます。
町内の目黒川沿いに、ドン・キホーテ中目黒本店があるのも便利なポイントです。
また、旧山手通り沿いには、駐車場があるショッピングモール 代官山T-SITEがあり、大型書店の代官山 蔦屋書店やスターバックスコーヒー、ベーカリーや食料品店などが入居しています。
その他、町内に菅刈公園と西郷山公園があり、緑の多い環境です。目黒川沿いには桜並木があり、春には綺麗な景色が楽しめます。
青葉台アドレスの中では、最も緑が多く良好な住環境と言えます。
< 災害リスク >
青葉台3丁目同様に傾斜のある地形で、一部土砂災害の危険性があります。
また、ハザードマップによると目黒川沿いの低地部分では、大雨の際に浸水する想定となっていますので、注意が必要です。
旧山手通りに近い高台部分(菅刈公園の裏)は、あらゆる災害に強い安全な街です。
1位の青葉台3丁目に比べるとマンションより、一戸建てが多い街です。
戸建てと言っても豪邸だらけなので、一見の価値ありです。
南西に向かって傾斜のある地形となっているため、日当たりや眺望がよいことに加え、町内に公園があるなど緑も多く、都心に近い位置にありながら、とても良好な住環境となっております。
駅から少し距離があるのは欠点にも思えますが、閑静な住環境を形成するのに役立つ要因でもあります。
ブランド力もあり資産価値も高いので、成功者の方で戸建てに住みたいと思っている方には、東京23区の中でもトップクラスでお勧めの街です。
青葉台は高級住宅街としても有名です。
>>【東京都目黒区】高級住宅街ランキングTOP10|目黒区の高級住宅街といえばここだ!
3位、青葉台4丁目
2021年地価 1,460,000円(2020年地価 1,440,000円)
変動率+1.4%
第3位は、これまた目黒区北東部で渋谷駅に近い位置にある、青葉台4丁目です。
< 交通利便性 >
・鉄道の交通利便性
北東に【神泉駅】京王井の頭線
東に少し行くと、【渋谷駅】JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・成田エクスプレス、東急田園都市線・東横線、京王井の頭線、東京メトロ半蔵門線・副都心線・銀座線
南西に【池尻大橋駅】東急田園都市線
がありますので、3駅10路線利用可能です。
・車の交通利便性
南側に国道246号線と首都高速
西側に山手通り(環状6号線)
東側を旧山手通りに接しているのに加えて、
町内を淡島通りが通っています。
どの方向に行くにも、非常に便利です。
< 生活利便性)>
渋谷駅が近いので、生活利便性は抜群に高いです。
スーパーやドラッグストア、病院に本屋、家具店など何でもあります。
国道246号線を、池尻大橋駅の方に行ってもスーパーなどが複数ありますので、買い物するには便利な街です。
< 災害リスク >
青葉台4丁目は町全体が台地上にあるため、あらゆる災害に強く安全な街です。
青葉台3丁目や2丁目に比べると、一戸建ては少なく、マンションが多くを占める街です。
渋谷駅に近く、交通利便性や買い物などの生活利便性には優れている点が、地価が高い理由だと思われます。
しかし、四方を大きな道路に囲まれているのに加えて、町内にも大きな道路が通っています。
また、町内の道路は狭い場所が多く、良好な住環境とはあまり言えません。
住環境としては青葉台3丁目や2丁目に比べると劣る点が、3位の要因だと思われます。
4位、三田2丁目
2021年地価 1,270,000円(2020年地価 1,260,000円)
変動率+0.8%
第4位は、目黒区東部、山手線の恵比寿駅と目黒駅の間にある三田2丁目です。
< 交通利便性 >
・鉄道の交通利便性
北に【恵比寿駅】JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン、東京メトロ日比谷線
南東に【目黒駅】JR山手線、東京目黒線、東京メトロ南北線、都営三田線
少し距離がありますが、北西に【中目黒駅】東急東横線(東京メトロ副都心線)、東京メトロ日比谷線
3駅8路線が利用可能です。
・車の交通利便性
北側に新茶屋坂通り・東側に三田目黒通り・西側には、山手通り(環状6号線)と首都高中央環状線があります。
南に少し行くと目黒通りなどもあるので、車での移動も便利です。
< 生活利便性 >
街の周囲にも、明治屋・マルエツプチ・まいばすけっとなどのスーパーがありますが、恵比寿・目黒両駅に行けば、様々なお店があるので買い物には困りません。
恵比寿ガーデンプレイスにも近いです。
周囲には緑も多い場所で、西に行くと中目黒公園、東に少し行くと国立科学博物館附属 自然教育園、南西には目黒川沿いの桜並木など、住環境も良好です。
< 災害リスク >
三田2丁目は目黒川沿いにある街ですが、目黒川沿いの低地部分には目黒清掃工場があり、住宅地となっている部分は、田道小学校沿いのごく一部を除いて災害に強く安全な街です。
都心に近く、抜群の交通・生活利便性と、災害に対する安全性を兼ね備える素晴らしい街です。
今後も資産価値は落ちないでしょう。
注意点としては、傾斜がある地形に加え、坂の下の方は道路が広く整備されていますが、坂の上の方は道路が狭い場所が多いです。
また、町内に清掃工場があるので、気にする人もいるかもしれません。
5位、自由が丘2丁目
2021年地価 1,120,000円(2020年地価 1,120,000円)
変動率+0.0%
第5位は、目黒区南西部、自由が丘駅の北西に位置する自由が丘2丁目です。
< 交通利便性 >
・鉄道の交通利便性
【自由が丘駅】東急東横線・大井町線まですぐの距離にあり、
【奥沢駅】東急目黒線も近いので、2駅3路線利用可能です。
東横線は東京メトロ副都心線と、目黒線は東京メトロ南北線・都営三田線と直通運転しているので、都心部へのアクセスも良好です。
また、東横線の自由が丘駅は、特急・通勤特急・急行停車駅の停車駅でもあり、上り方面は渋谷駅・下り方面は横浜駅と、どちらも主要駅でなのも魅力です。
・車の交通利便性
街の北側を目黒通りに接しており、南に少し行くと環状8号線があります。
第三京浜も利用しやすい位置にありますが、首都高は近くにないので利用しづらい場所です。
< 生活利便性 >
自由が丘駅周辺は、商業地としても栄えており、非常に生活利便性が高いです。
余談ですが、目黒区内の商業地で一番地価が高いのは自由が丘なんです。
フレル・ウィズ自由が丘やラ・ヴィータ 自由が丘、Trainchi 自由が丘など、お洒落で便利なショッピングモールが複数あります。
食料品などの日常の買い物から、ショッピングを楽しむこともできます。
< 災害リスク >
町内南側、世田谷区との区界の辺りに九品仏川緑道という、もともと川が流れていた場所があります(現在は暗渠化)。
九品仏川緑道沿いは周囲より土地が低く、大雨が降ると浸水する可能性があります。
それ以外の場所では、水害・地震・液状化・土砂災害など、すべての災害に強い安全な街です。
自由が丘は、交通利便性や生活利便性が高いだけでなく、道路が広く整備された区画のきれいな街並みも特徴の一つです。
町内の大部分は、第一種低層住居専用地域に指定されており、戸建てまたは低層のマンションが建ち並び、開放的な街並みです。
芸能人などのセレブが多く住む街で、ブランド力もあり、住環境の良さから人気は今後も衰えないでしょう。
自由が丘駅周辺には、自由が丘という住所以外に緑が丘や世田谷区奥沢などの住所もありますが、この【目黒区自由が丘】というアドレスは別格で、駅までの距離は変わらなくても坪100万円以上違うことも珍しくありません。
人気があっても売りにでる物件が少ないので、自由が丘アドレスに住みたい方は、整形地で道路付けがいい物件が売りに出たら、すぐに行動した方がいいでしょう。
目黒区の【住宅地】地価ランキング 順位表
地価ランキング ベスト5までを詳しく先に解説しましたが、地価一覧は以下になります。
下の表は、2021年の目黒区【住宅地】地価を価格順で並べたものです。
昨年(2020年)の価格と、昨年からの変動率も載せています。
地価上位の街は、自由が丘以外は都心に近い目黒川の東側に多い傾向にあります。
目黒川東側の青葉台・三田などは、山手線の渋谷や恵比寿、目黒駅などに近い位置にあり、交通利便性が高く都心へのアクセスが抜群なことが、地価に影響していると思われます。
上のランキングは住宅地のランキングなので、でてきていない街もありますが、商業地の公示地価などを見ると青葉台1丁目・下目黒1丁目なども上位にランクインしています。
面白いのが、自由が丘だけは都心から遠い位置にあるのに、地価ランク上位にランクインしていることです。
自由が丘は、住宅地の地価ランキングで5位にランクインしているのに加え、商業地においては自由が丘1丁目が目黒区で地価1位となっております。
逆に目黒区で地価が低い街は、区の南部の東急目黒線沿いに多いです。
目黒線沿線の駅は、良くも悪くもそれほど商業地として栄えているわけではないのに加え、目黒駅も恵比寿や渋谷に比べると住宅が多く、仕事や買い物、遊興などで訪れる人が少ないので、沿線としての魅力が東横線や田園都市線に比べると低いのが理由と思われます。
しかし、目黒線沿線が住みづらいという訳ではなく、目黒区内では相対的に人気が落ちるということです。
目黒区の【住宅地】地価変動率ランキング TOP5(2021)
続いて、目黒区の中で地価上昇率が高かった場所TOP5を、ランキング形式でご紹介します。
1位、下目黒3丁目
変動率+2.0%
2021年地価 752,000円(2020年地価 737,000円)
地価上昇率第1位は、目黒区東部、目黒駅の南西にある下目黒3丁目です。
< 交通利便性 >
・鉄道の交通利便性
北東に【目黒駅】JR山手線、東京目黒線、東京メトロ南北線、都営三田線
南東に【不動前駅】東急目黒線があり、2駅4路線利用可能です。
・車の交通利便性
街の北側を目黒通り、東側を山手通り(環状6号線)と接しており、
目黒駅や五反田の近くに首都高のインターチェンジもあります。
< 生活利便性 >
町内に目黒不動尊があることにくわえ、西に少し行くと林試の森公園があるので、緑の多い住環境です。
< 災害リスク >
町内のやや南の方(目黒不動尊の南側の辺り)に以前は、羅漢寺川(らかんじがわ)という目黒川の支流が流れておりました(現在は暗渠化)。
このあたりは、周囲より土地が低く大雨の際には浸水する可能性があります。
また、町内には一か所、土砂災害警戒区域に指定されている場所がありますので、注意が必要です。
地価の上昇要因として、再開発など大きな要因があったわけではないのですが、
山手線の目黒駅まで徒歩圏の交通利便性や、緑の多い良好な住環境の割に、地価がそれほど高くなかった(地価ランキングでは32位)ことから、コストパフォーマンスが高い街として人気が出ているものと予想されます。
実際に売りに出ている物件情報を見ると、大企業に勤めるサラリーマンや共働き世帯でも手の届く価格の物件が多く、俗に言う穴場な街です。
若干道路が狭い場所があったり坂が多く、災害に弱い部分もありますが、都心に近く利便性が高い割に安いので、今後も需要は落ちないでしょう。
このような傾向は、世田谷区でも見られています。
世田谷区で地価上昇率1位だった太子堂3丁目も、道路が狭く一部水害のリスクがありますが、買い物や交通利便性が高い三軒茶屋駅徒歩圏で、渋谷駅にアクセスしやすい街です。
コロナ禍で郊外の住宅地が人気との報道もありますが、都心に近く、生活利便性や交通利便性が高い街の人気は衰えるどころか、高くなっていることがわかります。
2位、緑が丘2丁目
変動率+1.8%
2021年地価 830,000円(2020年地価 815,000円)
地価上昇率第2位は、区の南西部、自由が丘駅の北東部に位置する緑が丘2丁目です。
< 交通利便性 >
・鉄道の交通利便性
南西に【自由が丘駅】東急東横線・大井町線
南東に【緑ヶ丘駅】東急大井町線
南に【奥沢駅】東急目黒線
北に【都立大学駅】東急東横線
4駅3路線が利用可能です。
自由が丘駅は、東横線の特急・通勤特急・急行停車駅の停車駅で、東横線は東京メトロ副都心線と相互直通運転をしております。
・車の交通利便性
大きな道路に直接接してはいませんが、
北に目黒通り、北東に環状7号線、南西に環状8号線があります。
首都高は遠いですが、第三京浜は利用しやすい位置にあります。
< 生活利便性 >
自由が丘駅は、目黒区屈指の商業地で様々な業態のお店があります。
スーパーなど日常的な買い物も便利です。
また、町内にヤマダデンキがありますので、家電製品も購入できます。
< 災害リスク >
自由が丘同様、町内南側の世田谷区との区界の辺りに、九品仏川緑道というもともと川が流れていた場所があります(現在は暗渠化)。
九品仏川緑道沿いは周囲より土地が低く、大雨が降ると浸水する可能性があります。
それ以外の場所では、水害・地震・液状化・土砂災害など、すべての災害に強い安全な街です。
再開発などの目立った地価上昇要因は特にありませんが、
人気もブランド力もある自由が丘駅まで徒歩10分程の立地の良さに加えて、区画が綺麗で道路も広く整備された閑静な住宅街なので、とても良好な住環境の街です。
自由が丘1~3丁目に比べて街のブランド力は劣りますが、駅までの距離はそれほど変わらずに割安な価格で売られているため、コスパの良さから人気が上がり、地価も上昇しているものと思われます。
地価上昇率1位の下目黒3丁目同様、利便性が高く住み心地がいいのに、不動産価格が割安な場所というのが、共通点です。
3位、青葉台3丁目
変動率+1.4%
2021年地価 2,240,000円(2020年地価 2,210,000円)
地価上昇率第3位は、地価ランキングで1位だった青葉台3丁目です。
青葉台は地価が高いだけでなく、地価上昇率も高いという、まさに資産価値の高い街と言えます。
交通利便性などは、前述したので割愛させて頂きます。
地価上昇要因としては、渋谷駅周辺の再開発が考えられます。
渋谷駅周辺は、もとは繁華街というイメージの街でしたが、IT企業がオフィスを構えるのに人気の街に変貌しております。
2012年 渋谷ヒカリエ開業を皮切りに、
2017年 渋谷キャスト
2018年 渋谷ストリーム
2019年 渋谷スクランブルスクエア東棟・渋谷フクラス・渋谷ソラスタ
など次々と高層ビルが建設されており、再開発は2027年頃まで続く予定です。
これにともない渋谷ストリームには、グーグルの日本法人が六本木から移転してくるなど、人気の高さが伺えます。
さらにJRは、渋谷から羽田空港まで乗り換えなしで行ける、羽田空港アクセス線開業を目指して動いておりますので、認可されればさらなる交通利便性の向上が見込めます。
また、渋谷駅は窪地になっており災害に弱いのですが、駅から少し離れると高台になっており、周囲には青葉台以外にも松濤・青山・南平台・代官山など、災害に強い上に良好な住環境の高級住宅街が多数存在します。
逆に丸の内などは、周囲に災害に強く良好な住環境の街がほとんどありません。
このような理由から、青葉台など渋谷駅周辺の街は資産価値が上がっていくのではないかと予想されます。
4位、青葉台4丁目
変動率+1.4%
2021年地価 1,460,000円(2020年地価 1,440,000円)
地価上昇率第4位も、地価ランキングで3位だった青葉台4丁目です。
地価上昇要因としては、こちらも青葉台3丁目同様、渋谷駅周辺の再開発が大きく影響していると思われます。
また、現在246号線沿いで㈱サンケイビルが、住居・オフィス・店舗・診療所が入居する複合賃貸マンションを、2022年11月竣工を目指して建設中です。
渋谷駅周辺の再開発だけでも、地価の上昇が見込めますが、渋谷駅徒歩圏の抜群の立地や、町内に古い建物が多いことから、今後町内でも開発が進めば大化けする可能性を秘めている街だと思います。
5位、原町1丁目
変動率+1.1%
2021年地価 723,000円(2020年地価 715,000円)
地価上昇率第5位は、区の南部、西小山駅の北西に位置する原町1丁目です。
< 交通利便性 >
・鉄道の交通利便性
町の南東部に【西小山駅】東急目黒線 があります。
1駅1路線しか利用できませんが、駅にとても近い位置にあることに加え、
目黒線は、東京メトロ南北線・都営三田線と直通運転しているので、都心へのアクセスも良好です。
・車の交通利便性
南西に少し行くと環状7号線がありますが、それ以外は主要幹線道路からは距離があります。
高速道路の出入り口も近くになく、車の交通利便性は高くありません。
< 生活利便性 >
西小山駅には駅ビルがあり、スーパーの東急ストアや100円ショップのダイソーが出店しています。
その他スーパーマーケットに関しては、サミットストア西小山店や業務スーパー西小山店などもあります。
ツルハドラッグやココカラファインなどのドラッグストアもありますので、日常的な買い物にも便利な街です。
その他、西小山駅周辺には昔ながらの商店街がありますので、個性あるお店や飲食店も多く、イベントなども開催されています。
< 災害リスク >
町の北から東にかけての町堺に、立会川緑道というもともと河川が流れていた場所があります(現在は暗渠化)
この緑道沿いは周囲より土地が低く水が集まりやすいので、大雨の際には浸水する危険性があります。
マイホーム購入の際は、ハザードマップを確認しましょう。
水害以外の自然災害には強い街です。
原町1丁目の地価上昇要因としては、再開発が理由だと思われます。
西小山駅周辺は、老朽化した木造建築物が多いことに加え、道路も狭く災害に弱い街であることを問題視されていました。
そこで防災街区整備事業という形で、土地や建物を共同化しつつ火災や地震に強い建物を建てることとなりました。
現在工事に着手しており、令和5年度末に完成予定となっております。
具体的には、西小山駅北口の駅目の前を整備し、地上9階地下1階建ての住宅と店舗が入る建物に生まれ変わり、広場の新設や道路の拡幅が行われます。
原町1丁目は、全体的に道路が狭く建物が密集しているので、日当たりや開放的な住環境は望めません。車の運転もしづらいです。
しかし商店街の個性あるお店が魅力の町で、地区計画によりラブホテルやキャバクラなど、夜のお店は開業できないようになっております。
下町な雰囲気がお好きな方には、おススメです。
目黒区の【住宅地】地価上昇率ランキング 順位表
下の表は、2021年の目黒区【住宅地】地価を上昇率が高い順で並べたものです。
再開発が行われている場所の近くや、利便性の割にコストパフォーマンスが高い場所が、地価上昇率が高くなっております。
目黒区の【住宅地】地価ランキング2021のまとめ
ランキング結果のまとめです。
<2021年の地価ランキングTOP5>
1位、青葉台3丁目
地価 2,240,000円 変動率+1.4%
2位、青葉台2丁目
地価 1,480,000円 変動率0.0%
3位、青葉台4丁目
地価 1,460,000円 変動率+1.4%
4位、三田2丁目
地価 1,270,000円 変動率+0.8%
5位、自由が丘2丁目
地価 1,120,000円 変動率+0.0%
<2021年の地価上昇率ランキングTOP5>
1位、下目黒3丁目
変動率+2.0% 地価 752,000円
2位、緑が丘2丁目
変動率+1.8% 地価 830,000円
3位、青葉台3丁目
変動率+1.4% 地価 2,240,000円
4位、青葉台4丁目
変動率+1.4% 地価 1,460,000円
5位、原町1丁目
変動率+1.1% 地価 723,000円
< 地価が高い場所に多い特徴 >
目黒川の東側など、都心部・山手線の駅に近い
街の一部を除き台地にあり、災害に強い
駅からは少し離れた閑静な住宅街
地価が高い場所は、都心に近い区の東側に集中しています。
今回のランキングは商業地を除いていることもありますが、駅から少し離れており、住環境の良い閑静な住宅街が多い傾向にありました。
< 地価上昇率が高い場所に多い特徴 >
再開発が行われている場所に近い
利便性が高い割に不動産価格が安く、コスパがいい
地価上昇に影響が大きい再開発が行われている場所の近くは当然ですが、都心へのアクセス、買い物などの生活利便性が高い場所は人気が高く、地価が上昇しています。
地価変動要因は地域によって多少異なりますが、いくつかパターンがあります。
変動要因について詳しく解説している記事もありますので、興味のある方はご覧ください。
>>地価はなぜ上がる?不動産価格に影響を与える変動要因を統計データをもとに解説
また、今回は目黒区の地価ランキングをご紹介しましたが、東京23区のどの区が資産価値が高いのか調査してランキングにした記事もありますので、興味のある方は是非ご覧ください。
>>【東京23区不動産 資産価値ランキング】マンション・戸建ての資産価値が落ちない街はここだ!
< 地価が安い場所や地価下落率が高い場所に多い特徴 >
・東急目黒線沿線
・駅から遠い
・道路が狭く建物が密集している
・災害に弱い
目黒区には、前年比で地価が下落した場所はありませんでした。
地価が低い場所は、他の沿線より人気のない目黒線沿線の街や、駅から遠い街、道路が狭く建物が密集しており、住環境があまり良くない街などの特徴があります。
また、目黒川沿いは都心に近いのであまり影響はないですが、西部などでは水害リスクが高い場所も地価が低い傾向あります。
マイホームの購入や引っ越しを考えている方は、ハザードマップをもとに災害リスクがないか必ず確認しましょう。
災害に対する安全性は、不動産の資産価値にも強く影響します。
当サイトでは、目黒区内でどの町が災害に強い安全な街なのか、ハザードマップなどをもとに調査した記事もありますので、そちらもよければご覧ください。
また、東京23区の他の区の地価ランキングもございます。