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狭小3階建ては後悔するからやめた方がいい?狭小住宅に住んで感じたメリット・デメリットを解説

都市部の通勤に便利な場所に家を購入したいけど、予算が会わないという方多いと思います。そんなときに目に付くのが、小さめの土地に建っている、木造3階建ての狭小住宅。

場所はいいけど、どうなんだろう?と気になりつつも、ネット上ではやめた方がいい、後悔、恥ずかしいなんて意見もあって、躊躇している人もいるのではないでしょうか?

そんな方向けに、実際に3階建ての狭小住宅を購入して住んでおり、不動産仲介会社で働いていた経験のある宅建士が、狭小住宅の5つのメリットと7つのデメリットについて解説します。

狭小住宅を購入しようか迷っている方や、どんな家がいいか情報を集めているという方の参考になるような内容になっています。

私の意見としては、都心の近くに少ない予算で住みたい方には、非常におすすめですが、デメリットもあるので、購入してから後悔したくない方は是非ご覧ください!

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狭小住宅とは

三階建て狭小住宅

狭小住宅とは、10坪~15坪ほどの小さい土地に建っている、木造3階建ての一戸建て住宅のことを言います。

敷地いっぱいに建物が建てられており、庭はありません。

大抵、1階部分に車庫・水回り・洋室が一部屋、2階部分にLDK、3階に洋室が二部屋ある3LDKの間取りになっており、延べ床面積は70㎡後半~100㎡くらいあるのが一般的です。

駅から少し離れた、低層住宅地(一戸建て住宅が立ち並ぶエリア)にはあまりなく、駅に近い住宅地に多い家で、都市部では一般的な住宅様式になっています。

狭小三階建て住宅のメリット

狭小住宅には、以下5つのメリットがあります。

・価格が安い

・立地の良い場所に住める

・土地が狭い割に家は広い

・売りやすい

・運動になる

それぞれ解説します。

メリット1 価格が安い

狭小住宅の最大のメリットは、絶対的な価格が安いことです。

例えば東京都世田谷区では、30坪ほどの土地に延べ床面積100㎡くらいの新築一戸建てを買う場合、場所や周辺環境、建物の仕様にもよりますが、7,000万円~1億円くらいします。

それに対し、15坪くらいの土地に延べ床面積80㎡くらいの新築一戸建ての狭小住宅の場合は、5,000万円~7,000万円台後半くらいで買えてしまいます。

約2,000万円ほど安く買えてしまうのです。

>>【建売住宅】値引き交渉成功パターン6選|新築戸建てを安く買う方法を解説

メリット2 立地の良い場所に住める

上記の価格が安いことに付随しますが、狭小住宅は少ない予算で買えてしまうので、関東で言えば横浜、川崎などで30坪くらいの土地に建つ新築戸建てを買える人であれば、23区内で家が買えてしまいます。

都心に職場や学校がある場合は、通勤・通学時間が短くなることで時間の節約になり、とても大きなメリットになります。

満員電車に長時間乗って、会社に着くころにはクタクタなんて方も多いと思いますが、通勤・通学時間が短いと、自由な時間が増えますしストレスも少なくなります。

メリット3 土地が狭い割に家は広い

物件にもよりますが、狭小住宅は土地の広さが15~20坪ほどしかないのに、延べ床面積は70㎡後半~100㎡ほどあるのが一般的です。

1階から3階まで階段があるので、部屋として使える部分はもう少し小さくなってしまいますが、土地が狭く外から見ると小さな家に見えますが、中に入ると家は広く感じると思います。

夫婦二人や、夫婦二人に子供一人の家庭であれば、必要十分な広さがありますし、子供二人の家庭でも問題ありません。

郊外の一戸建てに比べると狭いのは間違いないのですが、同じエリアのマンションと比べれば広い傾向にあります。

実際に私の家に子供の友達が遊びに来ることがありますが、マンション住まいの子はうちに来て「広い!」と言ってくれることが多いです。

今時、東京23区のマンションだと広くても70㎡台がほとんどで、80㎡台はあまり売られていませんし、あっても高すぎて買えないという人も多いと思います。最近だと60㎡台の狭い3LDKも珍しくありません。

メリット4 売りやすい

狭小住宅は売却時の絶対額も安いので、適正価格であれば割と早く買い手が付きます。

世田谷区では、新築時に5,000万円~7,000万円台後半で売られていますが、築20年近い中古物件になると、3,000万円台後半~6,000万円ほどで売られています。世田谷区でこれくらいの価格だと、私の経験上割とすぐ売れています。

ただし、土地が13坪以下や家が狭すぎる物件(70㎡未)は逆に売れなくて困る場合もありますので、注意が必要です。

メリット5 階段の上り下りで運動になる

これはおまけですが、狭小住宅は基本的に3階建てですので、日常的に階段の上り下りをしますので足腰が鍛えられます。

老後はきついという意見もありますが、足腰は使わない方が衰えますので、マンションなど平坦な家に住んでいる人の方が、何も運動しなければ早く歩けなくなるのではないでしょうか。

狭小三階建て住宅のデメリット

つづいて、狭小住宅の7つのデメリットを解説します。

・隣の家との距離が近い

・庭がない

・車庫が狭い

・自転車の駐輪スペースがない場合がある

・地震の時揺れやすい

・土地の値段が割高になる

・老後は不便

デメリット1 隣の家との距離が近い

狭小住宅は、敷地いっぱいに建物を建てます。また、狭小住宅がある地域は同じような家が建っていることが多く、隣の家も敷地いっぱいに建っていたりすると、隣の家との距離が非常に近くなります。

距離が近いと、隣の家の音が聞こえることがあります。特に春や秋などの過ごしやすく窓を開けることが多い季節は、聞こえやすいです。普通の会話程度であれば聞こえませんが、テレビの音を大きくしたり大きな声で歌ってたりすると、聞こえてきます。

隣の家の音が聞こえるということは、自分達の音も隣の家に聞こえてますので、注意が必要です。

また、火災が起きた際隣の家と距離が近いと、燃えうつる危険性が高いです。

デメリット2 庭がない

狭小住宅は、敷地いっぱいに建物を建てるので、庭はありません。

少し建物と道路の間に植物を植えるスペースがあったりしますが、木を植えたり家庭菜園をするのは困難です。ガーデニングや家庭菜園をしたいと思っている方には向きません。

しかし、雑草の処理なども含め植物の管理は意外と大変なので、そういったことに全く興味ない方や家の管理に手間をかけたくない方にとっては、メリットとなります。

デメリット3 車庫が狭い

狭小住宅の車庫は、あまり余裕がないことが多いです。なぜかというと、土地が狭いことと耐震性の関係で木造3階建ては1階にあまり大きな空間を作れないからです。

駐車スペースの奥行きが短い場合は大型車が駐車できませんし、間口(横幅)が狭い場合は駐車しづらいのに加え、車の乗り降りがしづらいです。

特に前面道路が狭い場合は、何度も切り返す必要がでてくるので、かなり面倒ですし、周囲にぶつけてしまう危険性も高くなります。

その他の注意点として、車の大きさに対して車庫のスペースが小さいと車の車庫証明が取得できません。車庫証明が取得できないと、引っ越してきた場合は車庫飛ばしという違反になりますし、新しく車を購入する場合はナンバーを取得できません。

私は、車を買い替えようとして契約まで手付金も払ったのですが、車庫証明が取れずにキャンセルした経験があります。

2項道路のセットバックした部分を駐車場にした場合、車庫証明は取れるのか解説

実際に車庫飛ばしと思われるお宅も見受けられ、常に道路に車が飛び出して駐車している家もあります。

大きめの車を所有している方は、購入前に必ず一度駐車してみることをおすすめします。

デメリット4 自転車の駐輪スペースがないことが多い

狭小住宅は大抵車庫はあるのですが、自転車を置くスペースが考えられていないことが多いです。

子供がとても小さいうちや、夫婦二人の場合は問題ないかもしれませんが、ある程度子供が大きくなってきた場合、駐輪スペースがないと困ってしまいます。

都市部では、日常的な買い物や子供の保育園への送り迎えなどで、電動自転車を買っている家が多いです。

狭小住宅を購入する際は、車庫だけでなく自転車を置くスペースがあるか確認しましょう。

デメリット5 地震のときに揺れやすい

狭小住宅は土地が狭く、3階建てで高さがあるので、細長い構造になっています。また、1階に大きな空間の車庫があるので、地震の際は揺れやすい構造になっています。

しかし、勘違いしないでいただきたいのは、木造3階建てを新築する際は、設計時に構造計算という地震が来ても問題ないか確認することが義務付けられているので、耐震性に問題がある訳ではありませんので、ご安心ください。

デメリット6 土地の値段が割高になる

狭小住宅は15~20坪前後と土地は狭いですが、建物は3LDKありますので、最も土地が有効活用されている状態です。また、土地が狭いので絶対額が低く買える人が多いため、総額では安くても一坪当たりの土地の値段が上がります。

世田谷区だと、同じエリアで土地の広さが30坪だと坪200万円くらいしても、15坪くらいだと250万円くらいしたりします。

そんな馬鹿なと思われるかもしれませんが、両者を金額で比較すると、30坪が6,000万円、15坪が3,750万円となり、坪単価(一坪当たりの金額)が高くても、総額が2,250万円も安くなるのです。

それだけ安くて建物も3LDKであれば、人気がでて土地の値段が割高になります。

デメリット7 老後は不便

メリットで足腰が鍛えられるとは言いましたが、足を悪くしてからではどうにもなりません。

ハッキリ言って引っ越すしかないと思います。3階建て住宅の階段は狭くて急です。

若いうちはいいですが、かなり高齢になった場合や、足に障害を抱えている場合は、生活するのが困難です。そういった意味では、狭小三階建て住宅は一生住むものではないと思います。

しかし、メリットの部分でも記載しましたが、狭小住宅は価格が安いので売却する際にも売りやすいので、住み替えも問題ありません。

三階建て狭小住宅に住んで後悔したポイント

少し、デメリットと被る部分もありますが、実際に私が三階建て狭小住宅に住んで後悔したポイントをご紹介したいと思います。

・車の駐車がしづらい

・大きな家具家電が玄関や階段を通らない

・家がよく揺れる

・夏は三階にある寝室がめちゃくちゃ暑い

・外壁塗装で足場を隣地に組ませてもらう必要があった

それぞれ解説します。

後悔したポイント1 車の駐車がしづらい

私が住んでいる家は、車庫がかなり狭いうえに、車庫の前の道路が幅3.6mくらいしかない非常に狭い道路です。

なので、車の出し入れする際は何度も切り返しをする必要があって面倒だし、自分の家や向かいの家にぶつけないようにとても気を使います。

正直言って、気軽に車を利用できないレベルで、なるべく車を使いたくありません。

家を購入する前は、自分は運転が得意だし何とかなるだろ!と思っていたのですが、気軽に車を利用できないのはかなりストレスになります。

私の場合は、狭小住宅というだけでなく、前面道路が狭いという条件なので、すべての狭小三階建て住宅に当てはまるわけではありませんが、車を利用する方は、なるべく車庫が広く前面道路も広い物件を購入することをおすすめします

後悔したポイント2 大きな家具家電が玄関や階段を通らない

これは家を購入して、いざ引っ越しをするときに判明したのですが、階段部分をソファや冷蔵庫が通りませんでした。

なので、クレーン付きトラックを手配して、2階の窓を外して搬入しました。3、4万くらいかかります。

購入時に売主と相手の不動産仲介会社は、売主が引っ越してきたときは通ったと普通に嘘をつかれました。

正直物件を見たときに、冷蔵庫が通らなさそう……なんてそこまで気が回る人は少ないと思いますので、同じように引っ越し時に気づく人も多いのではないかと思います。

まぁ、引っ越しのときだけの問題で、家具家電を家に入れて住み始めたら全く問題なく暮らせはするんですけど、できれば大型家具・家電を普通に玄関から入れられる物件がいいです。

ただ、私の家に限らず、狭小三階建て住宅は階段が狭いことが多いので、窓から大型家具や家電を入れることの方が多いと思います。

後悔したポイント3 家がよく揺れる

狭小三階建て住宅は、縦に細長い形をしているので、地震のときや台風などで風が強い日は家がよく揺れます。

崩れるってことはないとは思いますが、マンションで生まれ育った自分には、地震はともかく風で家が揺れるのはけっこう衝撃的でした。

住んでいて、頑丈な家だなという印象は全くありません。

後悔したポイント4 夏は三階にある寝室がめちゃくちゃ暑い

狭小三階建て住宅は、2階建ての一戸建てのように屋根裏スペースというのがなくて、三階が屋根裏部屋(屋根が三階の天井)のような構造になっているため、直接日が当たり、夏は三階がめちゃくちゃ暑くなります。

計ったことはないですけど、私の家では40度は超えているんじゃないかと思います。

寝る前にはエアコンを全開にして、冷やしてからでないと、寝る前に汗だくになります。

後悔したポイント5 外壁塗装で足場を隣地に組ませてもらう必要があった

私の家は一度外壁塗装をしたことがあるのですが、敷地いっぱいに家が建っているため、自分の敷地には足場を組むことができない場所があり、隣の家の人にお願いして隣の家の土地に足場を組ませてもらいました。

快く了承してくれたから、良かったものの、なんだか申し訳ないやら情けないやら、複雑な気持ちになりました……

もし、隣の人が嫌な人だったり、仲が悪かったりしたら、最悪の場合は外壁塗装ができないこともあるのかもしれません。

引っ越し同様、普段は全く気にする必要のないことですが、できれば自分の土地で完結できるのがいいのは間違いありません。

狭小三階建て住宅は、後悔するからやめた方がいい?

狭小三階建て住宅を買って後悔するかどうかは、その人がマイホームに何を求めるかと、デメリットを理解しているかどうかによって異なります。

散々デメリットやら後悔したポイントをご紹介しましたが、個人的には、狭小住宅は都心の近くに少ない予算で住みたい方には、非常におすすめだと思います。

うちは都心や駅に近く、周辺も生活利便性が高いので、土地が狭いとは言えとてもコスパがいいので、総合的にはいい家を買ったと思っています。

同じ立地で、土地が30坪以上の二階建て住宅は、全く手の届かない価格でした。

それに対して、立地を多少犠牲にしてでも広々とした家で暮らしたいという方はやめた方がいいでしょう。

その他、土地が15坪以下で、延べ床面積も70㎡ないような狭小三階建て住宅は、いくら立地が良くても狭くて不便すぎるのでやめた方がいいです。

こういった狭すぎる物件は、不便すぎて築浅の売り物件がけっこうあります。私が不動産仲介会社で働いていたときにも、狭いという理由で比較的築年数の浅い物件の売却相談を受けたことがあります。

また、狭小住宅は上下の移動が付き物なので、高齢になってもずっと住める家ではありません。必ず将来売却することを前提に、購入または建築しましょう。

私自身、一生この家に住むつもりで購入していません。子供が大学を卒業した頃に、売却して住み替えようと思っています。

基本的に狭小住宅は、都心に近い便利な場所でも土地が小さく価格が安いため、住み替えで売却する際も売りやすいので問題ありません。

ただし、狭小住宅でも売却が困難な物件もあるので、以下に記載する特徴に該当する場合、購入を見送った方がいいと思います。

特に複数該当する場合は、なかなか売れないか、売れてもかなり安くでないと難しい可能性が高いので、注意が必要です。

売れない狭小三階建て住宅の特徴

将来売りに出しても、なかなか売るのが難しい狭小三階建て住宅の特徴は以下になります。

立地が悪い

駅や中心市街地が遠かったり、買い物が不便な場所

狭すぎる

土地の広さが、13坪(約43㎡)以下

建物の延床面積が、70㎡以下

土地の形や道路付けが悪い

土地の形が、旗竿地など不整形地

(旗竿地とは、道路から幅2mほどの通路のような土地を通って、家が奥にある土地)

行き止まり道路の一番奥にあり、道路に接している部分が2mほどしかない

特に注文住宅で家を建てる人の中には、予算の関係から狭すぎる土地に家を建ててしまう人がいますが、あまりに狭いと中古で買い手がつかなくなるので、注意が必要です。

こういった家は売れないだけでなく、いざ建って暮らしてみたら住み心地が悪すぎて後悔する人もいます。

多少立地を妥協しても、できれば土地15坪以上、建物の延べ床面積80㎡以上の家を建てることをおすすめします。

家を買ったり建てたりするときに売る時のことまで考えている人は少ないですが、狭小住宅は一生住めるような家ではないので、必ず売却しやすいような物件を選びましょう。

詳しくは以下の記事で解説しています。

>>ペンシルハウス(狭小住宅)が中古で売れない理由と、売却方法について解説

まとめ

< 狭小住宅のメリット >

・価格が安い

・立地のいい場所に住める

・必要十分な広さ

・売りやすい

・運動になる

< 狭小住宅のデメリット >

・隣の家との距離が近い

・庭がない

・車庫が狭い

・駐輪スペースがない場合がある

・地震の時揺れやすい

・土地の値段が割高になる

・老後は不便

狭小住宅は、都心の近くに少ない予算で住みたい方には、非常にオススメ

しかし、一生住めるような家ではない(特に老後)ので、将来売却を前提として購入するのが重要

立地が悪かったり、土地や建物の面積が狭すぎる物件や、土地の形が不整形なもの、道路付けが悪い物件は、将来かなり安くしないと売れない可能性があるので、注意が必要です。

土地を購入して、狭小住宅を建てたい!と思っている方向けに、狭小住宅を建てるのに向いている土地の特徴や探し方について、解説した記事もありますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

>>3階建て狭小住宅を建築できる土地の条件はこれだ!小さな土地でも広々とした家を建てられる土地の選び方

その他、もう購入に向けて動いており、住宅ローンをどうするか迷っているという方には、以下の記事もおすすめです。

>>フラット35はやめたほうがいい?銀行や不動産会社がおすすめしない理由

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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