2023年の公示地価が公表されましたので、さいたま市の地価上昇率が高い場所をランキング形式でお届けします！
国土交通省が公表した令和5年公示地価のデータを分析して、全体的な動向と、地価上昇率が高い場所を調査しました。
世界的にインフレが進み、全国的に地価が上昇している中、さいたま市で地価が上昇している場所はどこなのか？その理由と、共通している特徴もわかります。
これからさいたま市にマイホームを購入しようとしていて資産価値を気にする方、売却しようと思っている方、不動産投資家の方や、不動産業界の方などに役立つ情報となっておりますので、是非ご覧ください。
さいたま市で地価上昇率が高かった街の様子を詳しく知りたいと言う方は、YouTubeに動画も公開していますので、そちらをご覧ください！
※なお、公示地価は標準的な代表地点の地価を示しており、全ての町丁目の地価を公表しているわけではありません。
また、公示地価は毎年1月1日時点の価格となっております。
さいたま市の【住宅地】地価動向（2023）
2023年のさいたま市の住宅地の地価は、平均価格が222,100円（1㎡当たり）となり、前年比2.8％上昇しました。（昨年は1.5％上昇）
過去から現在まで（2004～2023年）までのさいたま市の住宅地平均地価と変動率の推移は、以下の通りです。
さいたま市の【住宅地】平均地価の推移
さいたま市の地価は2013年に172,700円で底を打ち、現在は222,100円と2004年以降で最も高い地価となっています。
さいたま市の【住宅地】地価変動率の推移
さいたま市の地価変動率は2014年から2020年まで緩やかに上昇し、コロナ禍の影響で2021年に下落、その後は2022年から上昇が続いています。
直近の上昇率は2.8％と、例年に比べて高くなっているものの、他の都市に比べると緩やかな上昇にとどまっています。
さいたま市の区別【住宅地】平均地価と平均変動率（2023年）
2023年のさいたま市の、区別【住宅地】平均変動率と平均地価は以下通りです。
・中央区 ＋4.0％（287,200円）
・浦和区 ＋3.9％（378,400円）
・南区 ＋3.7％（280,200円）
・大宮区 ＋3.4％（313,800円）
・緑区 ＋2.9％（174,500円）
・北区 ＋2.5％（180,300円）
・桜区 ＋2.4％（167,100円）
・西区 ＋1.6％（107,900円）
・岩槻区 ＋1.3％（84,400円）
・見沼区 ＋1.0％（114,200円）
地価変動率が最も高いのは中央区、次いで浦和区、南区と続きます。
逆に地価変動率が低いのは見沼区、次いで岩槻区、西区です。さいたま市の中心部やに近い南部にある区の方が地価上昇率が高い傾向にあります。
地価が最も高いのは浦和区、次いで大宮区、中央区と続きます。逆に地価が低いのは岩槻区、次いで西区、見沼区と続きます。
中心部にある区の方が、地価が高い傾向にあります。
さいたま市では、全ての区で前年に比べて地価が上昇しており、特に中央から南部の区で地価上昇率が高くなっています。
2023年 さいたま市【住宅地】地価上昇率ランキング TOP10
それでは、2023年にさいたま市の中で地価上昇率が高かった場所TOP10を、ランキング形式でご紹介します。
変動率が同じ場合は、地価が高い方を上位としています。
１位、6.9％ 浦和区高砂２丁目
２位、6.2％ 南区沼影１丁目
３位、6.0％ 中央区本町東６丁目
４位、5.9％ 浦和区東岸町
５位、5.3％ 中央区上落合５丁目
６位、5.3％ 浦和区岸町３丁目
７位、5.3％ 緑区原山２丁目
８位、5.1％ 浦和区前地２丁目
９位、5.1％ 大宮区浅間町１丁目
10位、5.0％ 中央区上落合９丁目
トップ10には、さいたま市の中心部や東京都に近い南部にある区の街がランクインしました。
ランクインした街がどんな街なのか？地価上昇理由とともに解説します。
１位、浦和区高砂２丁目
地価上昇率 ＋6.9％
2023年地価（㎡/円） 1,080,000円（2022年地価 1,010,000円）
地価上昇率１位は浦和区高砂２丁目です。JR宇都宮線・高崎線・湘南新宿ライン・京浜東北線【浦和駅】の西に位置します。
中高層マンションや、オフィスビルなどが建ち並ぶ住宅街です。
浦和駅徒歩圏の利便性の高い地域にあります。
＜ 地価が上がった理由 ＞
都心へのアクセスや住環境が良好で、駅前の商業地に近いことから生活利便性も高いため、もともと人気の高い地域でしたが、浦和駅西口では現在再開発工事が行われており、さらなる利便性の向上が期待できることから、地価は大きく上昇しています。
地上27階建ての住宅（総戸数525戸）や商業施設、オフィス、子育て支援センター、市民会館などが入る複合施設ができる予定で、令和9年度の完成を目指して現在建設工事が行われています。
２位、南区沼影１丁目
地価上昇率 ＋6.2％
2023年地価（㎡/円） 376,000円（2022年地価 354,000円）
地価上昇率２位は南区沼影１丁目です。JR埼京線・武蔵野線【武蔵浦和駅】のすぐ南西に位置します。
中高層マンションやオフィスなどが建ち並ぶ住宅地です。
駅近ながら区画が整然として道路も広く整備された、綺麗で住環境のいい街です。
＜ 地価が上がった理由 ＞
武蔵浦和駅付近は、長年大規模な再開発が行われており、利便性や住環境が向上して人口の増加傾向が続く人気エリアとなっています。
また、南区沼影１丁目は武蔵浦和駅や駅周辺の商業中心に近い生活利便性に優れた地域で、都心へのアクセスも良好です。
その他、まとまった土地が多くマンション用地に適しているため、マンションデベロッパー件の用地取得意欲が強く、地価が上昇しています。
再開発については、まだ２か所計画されている区域が残っているため、今後も地価上昇が見込める地域です。
３位、中央区本町東６丁目
地価上昇率 ＋6.0％
2023年地価（㎡/円） 265,000円（2022年地価 250,000円）
地価上昇率３位は中央区本町東６丁目です。JR埼京線【北与野駅】の西側に位置します。
中規模の一戸建てが建ち並ぶ、閑静な住宅街です。
最寄駅からやや離れているものの、住環境が良い街です。
＜ 地価が上がった理由 ＞
最寄り駅まではギリギリ徒歩圏といったところで交通利便性はやや低いですが、街の西側の近い位置にイオンモール与野があるため、生活利便性は非常に高い地域で人気があります。
また、駅前の地域に比べると不動産価格に割安感もあり、地価が上昇しています。
近年は、不動産業者による敷地の細分化が進んでおり、小規模な物件の取引が増えています。
４位、浦和区東岸町
地価上昇率 ＋6.0％
2023年地価（㎡/円） 339,000円（2022年地価 320,000円）
地価上昇率４位は浦和区東岸町です。【浦和駅】と【南浦和】の中間地点に位置します。
中低層マンションと一戸建てが多く建ち並ぶ住宅街です。
整然とした区画の街並みで、やや規模の大きい一戸建ても見られます。
＜ 地価が上がった理由 ＞
人気の高い浦和駅を含め、２駅５路線利用可能な利便性の高い地域で、旺盛なマンション需要を背景にマンション用地に対する需要は堅調で、地価が上昇しています。
５位、中央区上落合５丁目
地価上昇率 ＋5.3％
2023年地価（㎡/円） 317,000円（2022年地価 301,000円）
地価上昇率５位は中央区上落合５丁目です。JR宇都宮線・高崎線・京浜東北線【さいたま新都心駅】のすぐ北西に位置します。
南側には北与野駅もあります。
戸建てやアパート、中低層マンションなどが混在する住宅地です。
最寄駅に近く、交通利便性が非常に高い街です。
＜ 地価が上がった理由 ＞
駅徒歩圏で、２駅４路線利用可能な抜群の利便性の良さから人気が高く、地価が上昇しています。
最近は敷地の細分化が進み、購入しやすい価格帯の小規模物件の供給が増えています。
６位、浦和区岸町３丁目
地価上昇率 ＋5.3％
2023年地価（㎡/円） 537,000円（2022年地価 510,000円）
地価上昇率６位は浦和区岸町３丁目です。JR宇都宮線・高崎線・湘南新宿ライン・京浜東北線【浦和駅】の南側に位置します。
中規模の一戸建てが区画整然と建ち並ぶ、高級住宅街です。
浦和駅徒歩圏の便利な立地にありながら、住環境の良い街です。
＜ 地価が上がった理由 ＞
利便性や住環境の良さから従来から人気の高い地域でしたが、浦和駅西口再開発により周辺の交通・生活利便性向上が期待できることから、地価の上昇が続いています。
７位、緑区原山２丁目
地価上昇率 ＋5.3％
2023年地価（㎡/円） 260,000円（2022年地価 247,000円）
地価上昇率７位は緑区原山２丁目です。JR宇都宮線・高崎線・湘南新宿ライン・京浜東北線【浦和駅】の北東に位置します。
一戸建てやアパート、低層マンションなどが建ち並ぶ住宅地です。
駅からやや距離がありますが、近隣にはオーケーストアやケーズデンキ、ドン・キホーテなど、大型商業施設がありますので、生活利便性は高い街です。
＜ 地価が上がった理由 ＞
駅徒歩圏外であるものの最寄り駅は市内でも人気の高い浦和駅で、住環境や生活利便性も高く、不動産価格に値頃感があることから安定した需要があり、地価は上昇しています。
８位、浦和区前地２丁目
地価上昇率 ＋5.1％
2023年地価（㎡/円） 432,000円（2022年地価 411,000円）
地価上昇率８位は浦和区前地２丁目です。JR宇都宮線・高崎線・湘南新宿ライン・京浜東北線【浦和駅】の南東に位置します。
中規模の戸建てを中心に、アパートや低層マンションなどが建ち並ぶ住宅街です。
浦和駅徒歩圏の利便性の高い街です。
＜ 地価が上がった理由 ＞
利便性の高い浦和駅から徒歩圏内の住宅地は人気が高いですが、物件の供給が少なく、地価が上昇しています。
土地価格が高額となるため、最近では不動産開発業者によって土地が細分化され高額単価の取引も多く見られます。
９位、大宮区浅間町１丁目
地価上昇率 ＋5.1％
2023年地価（㎡/円） 415,000円（2022年地価 395,000円）
地価上昇率９位は大宮区浅間町１丁目です。埼玉県のビッグターミナル【大宮駅】の南東に位置します。
一戸建てやアパート、低層マンションが建ち並ぶ住宅地です。
整然とした区画の住環境のいい閑静な住宅街です。
＜ 地価が上がった理由 ＞
大宮駅徒歩圏で利便性が高く、従来から人気の高い住宅地です。利便性が高いことに加えて住環境も良好という希少性も相まって地価は上昇しています。
１０位、中央区上落合９丁目
地価上昇率 ＋5.0％
2023年地価（㎡/円） 397,000円（2022年地価 378,000円）
地価上昇率１０位は中央区上落合９丁目です。【大宮駅】の南に位置します。
戸建てやアパート、中低層マンションが建ち並ぶ住宅街です。
大宮駅とさいたま新都心駅の中間地点にあるため、交通・生活利便性がとても高い街です。
＜ 地価が上がった理由 ＞
さいたま市内でもトップクラスの利便性の高さから、非常に人気のあるエリアですが、さらに街のすぐ北側の桜木町地区では、土地区画整理事業が行われており、利便性や住環境の向上が期待され、地価が上昇しています。
土地区画整理事業は、令和11年3月末完了予定で、現在も整備が進められています。
さいたま市【住宅地】地価変動率ランキング 順位表 （2023）
下の表は、2023年のさいたま市【住宅地】公示地価を変動率順で並べたものです。地価も載せています。
変動率は（％）、価格は（㎡／円）です。
上昇率が同じ場合は、地価が高い方を上位にランク付けしています。
2023年 さいたま市【住宅地】地価上昇率マップ
下の図はさいたま市周辺の住宅地の地価変動率を、色別で地図に表したものです。
オレンジや黄色の場所が、特に地価上昇率が高い場所です。
大宮駅やさいたま新都心駅、浦和駅、南浦和駅、武蔵浦和駅周辺が、特に地価上昇率が高くなっています。
2023年 さいたま市の【住宅地】で地価上昇率が高かった街の特徴
さいたま市で地価上昇率上位にランクインした街の特徴としては、以下５点になります。
・駅に近い
・最寄り駅の交通利便性が高い
・再開発や土地区画整理が行われている
・駅から遠い場合は近くに大型商業施設があり利便性が高い
・災害に強い高台にある
今回上位にランクインした街は、３位の中央区本町東６丁目と７位の緑区原山２丁目以外は、駅に近い場所にある街でした。
また、最寄り駅は大宮・さいたま新都心・浦和・武蔵浦和駅など、複数路線が利用可能なさいたま市内でも特に交通利便性の高い駅に近い街がランクインしてます。
３位と７位の駅から距離のある街は、街の近くに大型商業施設がある街で、個通利便性はやや落ちるものの生活利便性は高い街です。
その他、上位にランクインした街は、近くで再開発や土地区画整理事業が行われていることが多く、利便性や住環境の向上が見込まれるという特徴もあります。
敷地を細分化した小規模な建売住宅が増えている街も多く、不動産業者が積極的に物件を購入していることが伺える地域も多くあります。
最後に、各街の地価上昇理由では解説していませんでしたが、ランクインした街は全て、大宮台地と呼ばれる高台にある街で、自然災害に強いという特徴もあります。
当サイトでは、マイホームを購入する際には、災害に強く・便利で・資産価値の高い街に家を購入することを推奨していますが、今回ランクインした街は上記条件をクリアしているため、さいたま市でマイホームを購入する方に非常におすすめできる街です。
＞家を購入するときの選び方の優先順位は？災害に強く、便性で、資産価値の高い家を買おう！
今後のさいたま市の地価動向の予想、さいたま市で地価が上がりそうな地域
2013年頃から全国的に地価が上昇していますが、さいたま市の地価も上昇しているものの、地価上昇率はあまり高くないため、それほど不動産価格に過熱感はありません。
それに対して、東京都の地価が高騰していることから、もしかすると東京より割安感のあるさいたま市に住宅購入者が流れてきて、さいたま市の地価上昇が加速することも考えられます。
また、さいたま市では再開発や土地区画整理が行われている場所が多くありますので、こういった場所では住環境や利便性の向上が期待できることから、引き続き地価上昇が見込めると思います。
その他考慮すべきこととして、さいたま市の人口推計があります。
さいたま市では、2030年まで人口が増加すると予想されていますので、しばらく不動産需要も堅調な状態が続くと思われます。
地域別に考えると、今後も今回地価上昇率が高かった街のように、さいたま市の中心部や南側の東京都に近い街の方が、地価が上がりやすく、不景気や人口減少時でも下がりづらいと予想されます。
特に浦和駅周辺の街のように、街自体それなりに栄えていて、さいたま市の中心部と東京都に挟まれている街は将来的にも人気が落ちることはないと考えられます。
こういった傾向は、東京都で言えば都心と吉祥寺など西側の大都市の間を走るJR中央線沿線、渋谷駅と横浜駅を結ぶ東急東横線沿線などの街でも見られます。
一つ気がかりな点としては、日本の物価上昇率が日銀の目標とする2%以上で推移しており、もしかすると近いうちに日銀が金融緩和をやめて金利を引き上げるかもしれません。
金利の上昇は不動産価格にとってマイナス要因となりますので、もし日銀が利上げをすると、全体的に地価が下落する可能性もあります。
＞今から不動産投資をするのは危険⁉金利上昇と不動産価格の関係
＞2023年はマンションの売り時⁉統計データでみる高値で中古マンションを売却できるタイミング
今後も市の中心部や東京都寄りの地域を中心に、地価は緩やかに上昇していくことをメインシナリオに考えつつ、日銀の金融政策動向にも注目したいところです。
さいたま市【住宅地】地価上昇率ランキング2023 まとめ
ランキング結果のまとめです。
<2023年さいたま市の【住宅地】地価上昇率ランキングTOP10>
１位、6.9％ 浦和区高砂２丁目
２位、6.2％ 南区沼影１丁目
３位、6.0％ 中央区本町東６丁目
４位、5.9％ 浦和区東岸町
５位、5.3％ 中央区上落合５丁目
６位、5.3％ 浦和区岸町３丁目
７位、5.3％ 緑区原山２丁目
８位、5.1％ 浦和区前地２丁目
９位、5.1％ 大宮区浅間町１丁目
10位、5.0％ 中央区上落合９丁目
さいたま市で地価上昇率が高い街には、以下のような特徴があります。
・駅に近い
・最寄り駅の交通利便性が高い
・再開発や土地区画整理が行われている
・駅から遠い場合は近くに大型商業施設があり利便性が高い
・災害に強い高台にある
さいたま市で資産価値の高い街、地価が上がる街に家を購入したいと思っている方は、是非参考にして頂ければと思います。
当サイトでは、埼玉県の高級住宅街をご紹介している記事もありますので、興味のある方はご覧ください。
＞【埼玉県】高級住宅街ランキングTOP100｜埼玉の高級住宅街といえばここだ！
その他、一都三県の都市部の地価上昇率ランキング（2023年）もあります。
