ここ最近、マンションや一戸建て、土地などを売る時によく利用されているサービスが不動産一括査定サイトです。
よく利用されているのなら素晴らしいサービスなんじゃないの?と思うかもしれませんが、メリットもあればデメリットもあります。
何も知らずに不動産一括査定を利用してしまうと、後悔することになりかねませんので、元不動産仲介会社勤務の宅建士が、不動産一括査定のメリット・デメリットや、利用する場合の注意点について解説します。
不動産一括査定サイトは、複数の仲介会社に対して一度に売却査定依頼ができるので便利で、家の売却相場を知るにはとてもいいサービスです。
しかし、下手なサイトを利用すると個人情報が多数の不動産仲介会社に駄々洩れになり、電話が鳴りやまなくなったり、しつこく営業される可能性があるので、注意が必要です。
不動産一括査定サイトを利用するなら、大手仲介会社に査定依頼ができ、査定してもらう会社を自分で選べるところにしましょう。
不動産一括査定とは?利用の流れと仕組み
まずは、不動産一括査定を利用しようか検討している人のために、簡単に不動産一括査定とはどんなものなのか?利用する際の流れと、仕組みを解説いたします。
不動産一括査定とは?
不動産一括査定とは、家の売却金額を査定してもらいたい(売却したい)人が、不動産一括査定サイトに物件の情報や個人情報を入力すると、複数の不動産仲介会社が不動産の売却価格を査定してくれるというサービスです。
売却価格といっても、このくらいであれば売れるであろうという価格です。
利用料は無料となっております。
不動産一括査定サイトは沢山の数が存在しており、有名なところでいうと以下のサイトがあります。
スマイティは、査定依頼画面に進むとHOME4Uの査定依頼フォームがでてきます。
その他、不動産情報サイトを運営しているSUUMO・ライフルホームズなども、サイト内で不動産一括査定サービスを提供しています。
各社のサービスの主な違いは、提携している不動産仲介会社の数・対応地域・査定してもらう会社を選べるかどうか、などです。
違いを一覧にしたものは、以下になります。
どこも似たようなサービスになっておりますが、特徴的なのがすまいValueの提携不動産会社数が6社しかないところと、リビンマッチの査定依頼する不動産会社を選べないところです。
この後、不動産一括査定サイトのデメリットを解説しますが、査定依頼する不動産会社を選べない不動産一括査定サイトは、利用しないことをおすすめします。
不動産一括査定サイトの利用の流れ
サイトによって入力必須項目や流れが多少異なりますので、代表的なものをご紹介します。
主な利用の流れは以下のようになります。
1,不動産一括査定サイトにアクセスする。
2,査定してもらいたい物件情報と自分の個人情報、連絡先、売却理由などを入力する。
3,物件所在地で査定可能な不動産仲介会社一覧がでてくるので、査定してもらいたい会社を選択して査定依頼をする。
(サイトによっては、自分で仲介会社を選択できない場合があります。)
4,選択した不動産仲介会社から連絡がきて色々聞かれる。
(初めて仲介会社から連絡がきた段階で、査定価格を告げられることはほぼありません。)
5,仲介会社は物件の情報や査定依頼者から聞いた情報をもとに、売却価格を査定する。
(査定の仕方については、家の中まで入って詳細な確認をする訪問査定と、現地は外観などの確認にとどめて登記簿謄本などの資料や取引事例から金額を算出する簡易査定の2種類があります。一括査定サイト上にて事前に選択できるサイトとできないサイトが存在します。)
6,仲介会社が査定結果を査定依頼者に伝える。
(口頭で告げるだけの場合もありますが、基本的には様々な情報が記載された査定書をくれます。)
7,査定依頼者が物件を売りたいと思っている場合は、気に入った仲介会社と売却に関する媒介契約を結ぶ。
8,査定してもらった物件を売り出す。
以上が、不動産一括査定サイト利用の流れになります。
不動産一括査定の仕組み
不動産一括査定サービスは、利用する人は一切の費用が無料で利用可能となっております。
なぜこのようなことが可能なのでしょうか?疑問に思った方もいるかもしれませんので、不動産一括査定が無料で利用できる仕組みを解説します。
実はこの不動産一括査定の仕組みが、利用者にとってデメリットにつながっている部分があるのです。
後ほどデメリットや注意点について詳しく解説しますが、仕組みを理解することによってデメリットや利用する際の注意点についても深く理解できます。
< 不動産一括査定の仕組み >
まず、家を売りたい人が不動産一括査定の申込をします。すると不動産一括査定サイトは、売りたい人の情報を提携している不動産仲介会社に提供します。
一括査定運営会社は、売りたい人の情報を渡した不動産仲介会社から、顧客紹介料としてお金を貰います。つまり、査定した人の情報をより多くの不動産仲介会社に渡せば渡すほど、儲かる仕組みになっているのです。
なので、一括査定サイトの中には査定依頼する不動産仲介会社を選べないサイトも存在し、そのようなところでは無駄に多くの仲介会社に査定を依頼されてしまう可能性があります。また、より多くの不動産会社に査定依頼するよう誘導するサイトもあります。
不動産一括査定を利用する人が全て無料で利用できるのは、こういう仕組みになっているからです。
こういったことが根底にあり、次に解説するデメリットにつながっています。
不動産一括査定サイトの6つのデメリット
一括査定の主なデメリットは以下の6つです。
1 選べる不動産会社が限られている
2 査定してくれる不動産仲介会社がいいところとは限らない
3 仲介会社が算出する査定額は売却できる価格とは限らない
4 査定依頼すると沢山電話がかかってくる
5 複数社とやり取りするのは大変
6 個人情報が渡った不動産仲介会社からしつこい営業が続く可能性がある
それぞれ詳しく解説します。
デメリット1 選べる不動産会社が限られている
不動産一括査定サイトは、一括査定サイトと提携している不動産仲介会社にしか査定依頼できません。
業界大手のサービスが充実した不動産会社が一括査定サイトと提携していないなら、家や物件の近くにある会社だろうがなんだろうが、依頼することができないのです。
一括査定サイトを利用して仲介会社を選ぶフォームを見ればわかりますが、サイトによっては有名な大手仲介会社が全く選択できず、聞いたこともないような会社が並んでいるサイトもあります。
これはユーザー目線というより、一括査定サイト側の都合によるものとしか言いようがなく、業界トップクラスの仲介会社が選べない場合は、大きなデメリットと言えるでしょう。
業界最大手クラスの仲介会社を複数選択できる一括査定サイトは、すまいValueしかないのが実態です。
デメリット2 査定してくれる不動産仲介会社がいいところとは限らない
不動産一括査定サイトには、『厳選した優良不動産仲介会社をご紹介します!』などと記載されていることが多いですが、どういった基準で選ばれているのか曖昧な部分が多く、よくわかりません。
また、査定サイトの不動産会社を選ぶ画面でも、簡単な会社の情報やアピール内容が記載されているだけで、詳しいサービス内容の違いがわからないサイトがほとんどです。
不動産仲介会社なんてどこも同じでしょ?と思いの方もいると思いますが、売却する上での広告の仕方や、建物や設備の点検・保証サービスの有無など、細かい部分を見ていくとかなり違いがあるんです。
不動産一括査定の仕組みでご理解頂けた通り、ほとんどの不動産一括査定サイトの実態は、より多くの不動産仲介会社と提携し、提携できた不動産仲介会社の中から担当エリアや物件種別などで対応可能な会社を紹介しているに過ぎないのです。
いい仲介会社かどうか知るには、それぞれの不動産仲介会社のサービスや販売方法を詳しく調べて、他社と何が違うのか比べて判断するしかありません。
一括査定サイトが厳選?した不動産仲介会社が、いい不動産仲介会社とは限らないのです。
デメリット3 仲介会社が算出する査定額は売却できる価格とは限らない
売却査定価格というのは、あくまでこれぐらいで売れるであろうという価格であって、その価格で売れることを保証するものではありません。
なので、相場を知ることや、査定書に記載されている情報や、不動産会社の営業マンとのやり取りで情報収集できる部分はあっても、売却査定自体にそれほど意味があるわけではありません。
また、一括査定は基本的に複数社が査定するので、不動産仲介会社は常に競争にさらされることになります。
物件の売却を任せてもらうために、相場より高い価格で査定し、自分たちの会社では他社より高く売れると言って媒介契約を結ばせ、実際にはそんな価格で売れないなんてことも珍しくありません。
家を売ろうとしている人としても、査定額とは言え自分の家が高く評価されて嬉しくない人はいません。逆に適正な査定価格を提示しているのに、売ろうとしている人が想像している値段より低いと不機嫌になる人もいたりします。
不動産の売却価格には相場があり、一般的な物件であれば基本的にどこの不動産仲介会社を利用しても売れる価格に大きな違いはありません。
例えば、Aという場所にある物件の相場が本来4,000万円なのに、ある仲介会社が『うちなら5,000万円で売れます!』言ってきたとします。
しかし、購入者側からすると予算を広げると選択肢がより広くなります。もし5,000万円だせるならもっと都心に近い便利なB地点でも家を買える可能性がでくるとしたら、わざわざ5,000万円払って不便なA地点の物件を買う人がいるのか?という話になります。
相場が本来4,000万円のエリアなのに5,000万円で売れるとしたら、それはその物件に同じエリアの他の物件にはない、何かしらの強力な理由が存在していないとあり得ないでしょう。
仲介会社側の高く売れる理由が、物件によるものではなく、仲介会社独自の~みたいな説明なら根拠が薄いと判断した方がいいでしょう。
デメリット4 査定依頼すると沢山電話がかかってくる
一括査定を利用すると同時に、あなたの連絡先が複数の不動産仲介会社に一斉に送信されます。
不動産仲介会社は家の売却を任せてもらいたいので、我先にとあなたに電話してきます。基本的には一番最初に査定依頼してきた人とコンタクトを取れた会社の方が、家の売却を任せてもらいやすいからです。
連絡が遅いと、既に何社からも電話がかかってきているので依頼者も面倒になり、査定は結構ですなどと相手にされなくなることがよくあるからです。
こういった背景から、査定依頼後しばらく電話が沢山かかってくる可能性があります。
特に注意して頂きたいのが、査定会社を自分で選べない不動産一括査定サイトです。すごい数の不動産仲介会社にあなたの個人情報が送信され、電話が鳴りやまなくなる可能性があります。
査定してもらう仲介会社の数を選べる一括査定サイトでは、電話してくる不動産会社の数も自分でコントロールできますが、仲介会社の数を自分で選べない一括査定サイトではどれくらい電話がかかってくるかもわかりません。
絶対に、仲介会社の数を自分で選べない一括査定サイトは利用しないようにしましょう。
デメリット5 複数社とやり取りするのは大変
不動産一括査定サイトの中には、一度に査定依頼できる不動産会社の数が多いことを売り文句の一つにしているところもありますが、査定依頼する不動産会社の数が多ければ多いほど、やり取りする回数が増えますので時間と手間がかかります。(一括査定サイトはその方が儲かりますが…)
まず、全ての不動産会社から電話がかかってきて状況や物件のことなどを聞かれます。また、訪問査定にしてもらう場合は、何社も家にきて見てもらうことになります。その後売却査定価格を教えてもらうだけでなく、不動産会社としては家の売却を任せてもらいたいので、営業されることになります。
これって想像してもらえばわかると思いますが、対応する方もかなり大変です。複数社に査定してもうらうとなると、相当面倒なことになります。
売却査定価格は実際に売れる価格とは限りませんし、売却価格の相場などの情報は、2~3社くらいの話しを聞けば十分です。
ただし、1社だけに話しを聞くのはあまりおすすめしません。
1社だけだと、相場観がわかりづらいですし、査定額が間違えている可能性もあるからです。
デメリット6 不動産仲介会社からしつこい営業される可能性がある
一括査定サイトを利用すると、あなたの個人情報が複数の不動産仲介会社に流出します。
家を売る気がなくて査定額を知りたかっただけと言ったとしても、その後ダイレクトメールが届くようになったり、営業の電話がかかってくるようになる可能性が高いです。
不動産仲介業は競争の激しい業界ですので、こういった営業手法を取る会社が多いです。
もう営業の電話やダイレクトメールの送付をやめてくれ!と伝えればやらなくなりますが、複数の不動産会社にいちいち連絡するのも面倒です。
大手不動産仲介会社は、ダイレクトメールを送ってくるけど、突然家に来たり、電話をしつこくしてくることはない傾向にあります。
それに対して、中小不動産仲介会社は、ダイレクトメールなどお金のかかることはせずに、電話や訪問してくる傾向にあります。
本当に売る気があって利用するなら問題ありませんが、売る気がないのに家がどれくらいの価格で売れるのか知りたい程度で利用するのは、やめたほうがいいでしょう。
不動産一括査定サイトの5つのメリット
不動産一括査定には沢山のデメリットがあることをわかって頂けたと思いますが、勿論メリットもありますので解説します。
不動産一括査定サイトには、以下のようなメリットがあります。
1 複数の不動産仲介会社に一々査定依頼の連絡をする手間がはぶける
2 複数の不動産仲介会社に売却査定価格をだしてもらうことで相場がわかる
3 仲介会社の査定ミスを防げる
4 査定価格だけでなく、仲介会社の売却方法やサービスの違い、担当者なども比較できる
5 1社に直接頼むより、仲介手数料の割引などを受けられる可能性が高くなる
それぞれ解説します。
メリット1 複数の仲介会社に一々査定依頼の連絡をする手間がはぶける
複数の不動産仲介会社に査定してもらいたいと思った時に、一社一社のホームページを検索し、売却査定依頼フォームに売りたい物件の情報や個人情報を入力したり、自分の家の担当エリアの支店を調べて電話したりするのは、かなり面倒です。
不動産一括査定サイトは、一回の情報入力で複数の不動産仲介会社に依頼ができるので、楽ちんです。
メリット2 複数の不動産仲介会社に売却査定してもらうことで相場がわかる
不動産は一つとして同じものがないことや、立地・築年数・経済情勢・金利水準・不動産市況・ライバル売り物件の有無など、様々な要因が価格に影響するので、売却価格を算出するのはかなり難しく、複数の人が物件の査定をして、全員が全く同じ査定金額になることはあまりありません。
しかし、複数の査定金額をだしてもらうことで、ブレがすくなくなり、『大体これくらいの価格が妥当だな』と思える水準がわかります。
また、売却査定を依頼すると、【売却査定報告書】というのがもらえ、そこには売却査定価格だけでなく、実際にあった取引事例の情報や、査定金額がその金額に至った根拠が記載されています。
万が一、複数社に査定依頼して金額にバラツキがあっても、査定価格以外のそういった情報をもとに、自分である程度判断できるようになります。
メリット3 仲介会社の査定ミスを防げる
不動産には、特に問題のないごく一般的な物件もあれば、プロの中でも比較的高度な知識や経験が求められる特殊な物件もあります。
こういった物件は、特に中古戸建てや土地に多いのですが、あまり知識や経験のない仲介会社は、その物件の問題点や売却方法がよくわからず、間違った査定を行う場合があります。
私が実際に見てきた例としては、適法に建てられている物件なのに、違法建築物件として相場よりかなり安く売られている物件を見たことがあります。
大手不動産会社では、豊富な知識・経験がありますし、二重・三重のチェック体制があるので、このようなことは基本的に起こりづらいですが、あまり知識のない会社や、チェック体制のあまい会社ではこのようなことが起こりえます。
査定ミスを避けるためにも、複数社に査定してもらうことをおすすめします。
メリット4 査定価格だけでなく、仲介会社の売却方法やサービスの違い、担当者なども比較できる
売却査定をお願いすると、査定額だけでなく、不動産仲介会社ごとにどのような売却活動を行うのかや、独自で行っているサービスについてのパンフレットをくれたり、説明してくれることがあります。
特に大手仲介会社は、無料の建物・設備点検、保証サービスなど、他にはないサービスを行っている会社が多いので、しっかり情報収集して比較したいところです。
また、仲介会社の良し悪しもありますが、担当者の当たり外れや相性があるのも事実だと思いますので、複数社に査定依頼すると、査定価格以外の部分でも比較検討できます。
メリット5 1社に直接頼むより、仲介手数料の割引などを受けられる可能性が高くなる
一括査定サイトから査定依頼すると、必然的に仲介会社は他社と競争することになりますので、仲介手数料の割引を受けやすくなります。
こちらから言うのもありですが、場合によっては物件の売却を任せてほしいから、仲介会社自ら『仲介手数料を値引きします!』と言ってくることもあります。
相場としては10%割引くらいが多いですが、仲介手数料は結構な金額になるので、10%割引でもかなりお得になります。
例えば、3,000万円の物件を売却する場合、仲介手数料は最大で税込み105.6万円にもなりますので、10%割引されると、約10万円もお得になります。
不動産一括査定サイトを利用する上での、注意点
不動産一括査定サイトについてのメリット・デメリットを解説してきましたが、複数の不動産仲介会社に一括で査定できるというのは、便利な仕組みであるのは間違いないと思います。
そこで、もし不動産一括査定サイトを利用するならこういった点に気を付けた方がいいと思う注意点をまとめましたので、利用する方は参考にして頂ければと思います。
< 不動産一括査定サイトを利用するときの注意点 >
1 査定してもらう不動産仲介会社をどこにするか自分で選べるサイトを利用する
2 聞いたこともないような仲介会社しか選べないサイトは利用しない
3 売る気がないならしつこい営業をされないために利用しないようにする
4 査定を依頼する不動産会社が増えるとやり取りが大変になる
5 売却査定価格をうのみにせず資料から本当に売れそうな金額か自分でも考える
6 一括査定では査定価格よりも、仲介会社のサービスや販売方法の違いを比べる
それぞれ詳しく解説します。
注意点1 査定してもらう不動産仲介会社を自分で選べるサイトを利用する
不動産の一括査定は、査定してもらう不動産仲介会社を選べるサイトと選べないサイトがあります。
一括査定の仕組みで解説しましたが、一括査定サイトを運営している会社は、査定したい人を紹介する会社が増えれば増えるほど収益が上がる仕組みになっています。
なので、査定してもらう不動産仲介会社を選べないサイトを利用すると、不必要な数の不動産仲介会社に勝手に査定を依頼されてしまう可能性があります。
多数の会社に査定依頼をされると、不動産会社からの電話が沢山かかってくるだけでなく、個人情報もそれだけ洩れますので、しつこい営業が続く可能性があります。
そういったことを抜きにしても、売却を任せる不動産仲介会社選びは非常に重要なことなので、不動産会社を自分で選べないというのはおかしな話しです。
どこの不動産一括査定サイトとは言いませんが、査定してもらう不動産仲介会社を自分で選べない不動産一括査定サイトは利用しない方がいいでしょう。
注意点2 聞いたこともないような仲介会社しか選べないサイトは利用しない
自分で査定してもらう仲介会社を選べる一括査定サイトでも、いざ選ぶ段階になったときに、聞いたこともない、全然知らない不動産仲介会社ばかり並んでいるサイトも多く存在します。
一括査定サイト側は、当社が厳選した優良な不動産仲介会社です!というでしょうけど、実態は提携できた不動産仲介会社の中からエリアや物件種別などから対応可能な会社を並べている場合がほとんどです。
査定してもらう仲介会社を選ぶ際の会社説明でも、簡単な紹介とその会社のアピールくらいしか載っていないので、いい不動産仲介会社かどうか判断できない状態で選ばなければいけない状態なので、不親切と言わざるを得ません。
もちろんあまり有名ではないけど、いい不動産仲介会社というのも存在はするでしょう。しかし、有名なところや大手不動産仲介会社などの仲介実績があるのは、それなりに選ばれる理由があります。
有名どころの不動産仲介会社が全く選べないような一括査定サイトは、利用しない方がいいでしょう。
注意点3 売る気がないならしつこい営業をされないために利用しないようにする
不動産一括査定を利用すると、住所・氏名・連絡先などの個人情報が不動産仲介会社に流出するとともに、不動産を売却する可能性が高いお客さんとして、不動産仲介会社の顧客データベースに登録されます。
するとどうなるかというと、定期的に営業の電話がかかってきたり、ダイレクトメールが届くようになります。
家を売る気がないなら利用しないようにするのはもちろんのことですが、査定してもらう会社の数も不用意に多く選択すると、それだけ個人情報が洩れ、多くの不動産仲介会社からしつこい営業を受けることになりますので、注意しましょう。
注意点4 査定を依頼する不動産会社が増えるとやり取りが大変になる
一括査定サイトによっては、一度に沢山の不動産会社に査定を依頼できることをウリにしているところもありますが、査定を依頼する不動産会社が増えるとそれだけやり取りすることが増えて大変になるので、多くても3社くらいに絞って査定依頼することをオススメします。
3社の査定額や査定根拠を見れば、大体の相場はわかると思います。
また、査定してもらう会社を絞ることで、各社のサービスや販売方法の違いを調べるのも楽になりますので、媒介契約を結ぶ際は査定額よりもそういった部分で良さそうなところを選んだ方がいいです。
注意点5 査定価格をうのみにせず本当に売れそうな金額か自分でも考える
何度も言っていますが、売却査定価格というのはあくまで売れるであろう価格であって、その価格で売れることを保証するものではありません。
また、一括査定のデメリットでも解説しましたが、不動産仲介会社の中には自社に売却を任せてもらうために、うちなら高く売れると豪語し、実際には売れないような高めの査定価格を提示してくるところも存在します。
うちなら高く売れます!という会社があったとしても、話しをうのみにせず高く売れる理由が納得できるような内容かどうかよく考えましょう。
一番高い査定価格を提示してきた仲介会社の話しをうのみにすると、長期間売れず、結局他の不動産会社が提示した査定価格まで値下げして売却することになり、時間が無駄にかかったなんてことにもなりかねないので注意が必要です。
査定価格だけを見るのではなく、査定書に添付されている売却事例や、その他の査定根拠をよく読み、査定価格が妥当かどうかご自身で判断することが重要です。
特に他社より高すぎる金額・安すぎる金額を提示しているところには注意が必要です。
注意点6 査定価格よりも仲介会社のサービスや販売方法の違いを比べる
売却査定価格を知ることは、あくまで相場を知るのに役立つだけで、本当に重要なのは売却を任せる不動産仲介会社の、サービスや販売方法の違いを知ることです。
査定書をもらったら、査定価格の根拠を聞くだけでなく、必ず販売方法や売却するにあたりどういったサービスを提供しているのか確認して下さい。
販売方法とは、どのような不動産情報サイトに物件情報を掲載するのか?新聞折込チラシや、広告のポスティングは行っているのか?などです。
サービスとは、無償で建物や設備の点検・保証などがあります。
こういった部分の違いを調べて比較したうえで、最終的に売却を任せる不動産仲介会社を決めましょう。
家の売却でおすすめの不動産一括査定サイトをご紹介
不動産一括査定サイトは沢山ありますので、どこがいいのか、おすすめの不動産一括査定サイトをご紹介します。
私がおすすめするのは、仲介大手6社が運営している不動産一括査定サイト【すまいValue】です!
おすすめする理由は、業界最大手クラスの6社に一括売却査定が依頼できる唯一の不動産一括査定サイトだからです。
業界最大手クラスの6社とは、以下の仲介会社になります。
公益財団法人不動産不動産流通推進センターが公表している、2022不動産統計集によると、2021年4月~2022年3月までの不動産仲介件数は、1位 三井不動産リアルティグループ、2位 住友不動産販売、3位 東急リバブル、4位野村不動産ソリューションズとなっています。
すまいValueで査定依頼可能な6社のうち4社が、仲介件数トップ4を独占しております。
大手仲介会社が多く利用されているのには、以下のような理由があります。
1,歴史が長い会社が多く、信頼と実績がある
2,広告宣伝費の予算が豊富
3,サービスが充実している傾向にある
4,購入希望者の情報を多く抱えている
5,営業マンのレベルが高い
6,銀行との結びつきが強い
7,店舗網が広い
それぞれ解説します。
1,歴史が長い会社が多く、信頼と実績がある
最大手の不動産仲介会社は、設立数年なんてことはなく、大抵古くから営業している老舗企業です。
競争が激しい不動産仲介業の世界で、古くから生き残って今も営業しているということは、沢山の実績があるだけでなく、それだけ信頼されている企業であるとも言えます。
特に不動産業は、多くの人にとって人生でも最も高額な取引に関わるので、下手なことをするとすぐに悪い評判が広まります。
また、不動産業は免許が必要で、営業活動に宅建業法などの様々な法規制があります。宅建業法に違反するようなことをすると、業務停止命令や免許取り消し処分を受けることもありますので、古くから続いているということは、きちっとルールを守って事業を行っているということでもあるのです。
ちなみに、行政処分を受けている業者かどうかは国土交通省のサイトで確認できます。
・二つ以上の都道府県で営業している不動産業者を調べる場合
国土交通省ネガティブ情報検索システム<宅地建物取引業者>国土交通大臣免許
・1つの都道府県でしか営業していない不動産業者の場合
国土交通省ネガティブ情報等検索システム<宅地建物取引業者>都道府県知事免許
2,広告宣伝費の予算が豊富
家を売却するときは、SUUMOなどの不動産情報サイトに物件情報を掲載したり、新聞折込広告やチラシを作成しポスティングするなど、多くの広告費用がかかります。
現在主流なのは、不動産情報サイト経由での問い合わせですが、チラシを見て問い合わせをしてくる人も多く、どちらも販売活動には欠かせません。
この販売活動に関する広告費は馬鹿にならないもので、仲介会社によってはそれほど広告宣伝活動に力を入れないところもあるんです。
大手は広告宣伝費の予算が豊富なので、不動産情報サイトへの掲載や新聞折込広告、チラシをポスティングするなど幅広く宣伝してくれることが多く、掲載する不動産情報サイトの数も一つではなく複数に掲載してくれます。
また、自社の不動産情報サイトも運営しており、自社サイトでの販売活動も行えます。
広告宣伝を積極的にしてくれることで、より早く、より高く売れる可能性が高まります。
3,サービスが充実している傾向にある
大手不動産仲介会社は、不動産の売却活動に関する様々なサービスを提供しています。
例えば、建物や設備の無償点検・売却してすぐに壊れても保証してくれるサービス、土地の測量サービス、ハウスクリーニングや、一時的にモノを預かってくれるサービスなどがあります。
これらのサービスは自分で専門業者に依頼すると、数万円から数十万円かかることもありますが、大手不動産仲介会社では無料で利用できることが多く、かなりお得なサービスです。
こういったサービスがある会社とない会社を比較した場合、場合によっては売却にかかる諸費用が実質的に100万円以上異なることもあります。
4,購入希望者の情報を多く抱えている
大手不動産仲介会社は、物件の売却を任されることが多いため、売り物件の情報が多く集まります。
売り物件の情報が多く集まるところには、必然的に購入希望者から問い合わせが入るので、家を探している人の情報も多く集まるのです。
購入希望者の情報を多く抱えていると、あなたの家の売却をお願いしたときに、すぐにその人達に物件情報を紹介するので、早く売れる可能性が高くなります。
実際に、業界大手の会社に早期売却実績をウリにしている会社が多いのは、こういった理由が一つの要因としてあるからです。
三井のリハウスでは、売却開始から3か月以内での成約率が75%もあります(2021年度実績)。
5,営業マンのレベルが高い
不動産仲介会社に入社すると、宅建士やファイナンシャルプランナーなどの資格を取得するよう言われます。
大手不動産仲介会社では、営業のほとんどの人が宅建士の資格を保有していますが、中小零細の仲介会社などは保有している人の割合が低い傾向にあります。
宅建士の資格試験は、合格率が約20%くらいしかないそこそこ難しい試験ではありますが、まじめに勉強すれば誰でも合格できるレベルの資格ですので、宅建士の資格を保有していない営業マンはレベルが低いと言っても過言ではないでしょう。
大手では、目に見える資格以外にも、社員研修など教育体制がしっかりしているので、中小零細企業に比べて営業マンのレベルが高い傾向にあります。
ただし、中小零細にも大手不動産仲介会社から転職してきた人がいたりしますので、もちろん中には優秀な人もいます。
6,銀行との結びつきが強い
不動産は大抵の人が銀行からお金を借りて購入するので、不動産仲介会社と銀行も結びつきが強い関係となっております。
特に大手不動産仲介会社は、多くの不動産取引を仲介するため、銀行からすると住宅ローンの利用顧客を沢山紹介してくれるとてもありがたい存在なのです。
なので、いつもお客さんを紹介してくれる大手不動産仲介会社が、少し住宅ローンの審査に厳しいお客さんを紹介してきても、審査を通してくれる場合があります。(破産している人など、明らかに返済が難しいと思われる人は、誰がお願いしても無理です。)
住宅ローンの審査を通しやすいということは、不動産を売りやすいということとイコールになります。
7,店舗網が広い
大手不動仲介会社は、全国に幅広く店舗を展開しています。
ご紹介した一括査定サイト【すまいValue】でも、日本全国対応可能となっておりますので、地方にお住まいの方でもご利用いただけます。
簡単にまとめると、大手不動産仲介会社は販売力があることにくえわえ、サービスも充実しているという特徴があります。
そんな大手に一括で売却査定を依頼できるのが、【すまいValue】なんです。
家の売却をお考えの方は、↓のリンクから査定依頼が可能です。
実際に自宅を査定してもらった体験談もあります。
>不動産一括査定サイト【すまいValue】を実際にやってみた体験談をレポートします!
まとめ
< 不動産一括査定サイトの5つのメリット >
1 複数の不動産仲介会社に一々査定依頼の連絡をする手間がはぶける
2 複数の不動産仲介会社に売却査定価格をだしてもらうことで相場がわかる
3 仲介会社の査定ミスを防げる
4 査定価格だけでなく、仲介会社の売却方法やサービスの違い、担当者なども比較できる
5 1社に直接頼むより、仲介手数料の割引などを受けられる可能性が高くなる
< 不動産一括査定の6つのデメリット >
1 選べる不動産会社が限られている
2 査定してくれる不動産仲介会社がいいところとは限らない
3 仲介会社が算出する査定額は売却できる価格とは限らない
4 査定依頼すると沢山電話がかかってくる
5 複数社とやり取りするのは大変
6 個人情報が渡った不動産仲介会社からしつこい営業が続く可能性がある
< 不動産一括査定サイトを利用するときの6つの注意点 >
1 査定してもらう不動産仲介会社をどこにするか自分で選べるサイトを利用する
2 聞いたこともないような仲介会社しか選べないサイトはやめる
3 売る気がないならしつこい営業をされないために利用しないようにする
4 査定を依頼する不動産会社が増えるとやり取りが大変になる
5 売却査定価格をうのみにせず資料から本当に売れそうな金額か自分でも考える
6 一括査定では査定価格よりも、仲介会社のサービスや販売方法の違いを比べる
不動産一括査定サイトのご利用は、大手6社に査定依頼できる【すまいValue】がおすすめです。
家の売却をお考えの方は、↓のリンクから査定依頼が可能です。
当サイトでは、他にも不動産の売却に役立つ情報を発信していますので、興味のある方は是非ご覧ください。
>2023年はマンションの売り時⁉統計データでみる高値で中古マンションを売却できるタイミング