旗竿地の手前の家のメリット・デメリット|トラブルが起きやすい土地の特徴も解説

旗竿地の手前の家

分譲住宅を購入しようと探していると、旗竿地とその手前の家に分かれている物件を目にすることも多いと思います。

旗竿地はやめたほうがいいなんてよく聞くけど、旗竿地の手前の家は購入しても大丈夫なのか?

そんな方の為に、元不動産仲介会社の宅建士が、旗竿地の手前の家のメリット・デメリットを解説します。

また、旗竿地とその手前の家と言っても、色々なパターンがありますので、トラブルが起きやすい家の特徴もご紹介します。

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旗竿地の手前の家の、メリット

旗竿地の手前の家には、普通の土地にはない以下のメリットがあります。

・角地のような開放感で日当たりがいい

・高く売れる場合がある

・売却しやすい (トラブルが起きやすい事例に該当しない場合)

それぞれ解説します。

角地のような開放感が得られる

旗竿地の手前の家の最大のメリットは、隣地(旗竿地)の通路に接しているため、角地のような開放感が得られることです。

隣地通路部分の幅や方角にもよりますが、日当たりや風通しも良くなります

特に片側だけでなく、左右が旗竿地に挟まれている土地は、三方角地のような状態になるので、とても開放的です。

都会の住宅が密集している地域では、隣地との距離が近いことが多いので、開放感があり日当たり、風通しのいい物件は人気があります。

高く売れる場合がある

旗竿地の手前の家は、普通の片側だけ道路に接している家に比べて開放的で、日当たりも良くなるため、旗竿地に接していない普通の物件より、高く売れることがあります。

具体例を挙げると、以下のような場合に高く売れる可能性が高いです。

・隣地の通路幅が広い

・隣地の通路部分が南側にある

・隣地との間に塀があり、ちゃんと仕切られている

ようは、先ほど解説した開放感や日当たり、風通しが良好なことと、塀で土地がちゃんと仕切られているため、隣地とのトラブルが少ないからです。

ただし、旗竿地の手前の家は、状況によっては逆に普通の土地より安くなってしまう場合もあるので注意が必要です。

これについては、後ほど解説します。

売却しやすい

上述した通り、角地のような開放感が得られる土地のため、売却する際にも割と人気があり、値付けを間違えなければ、売れやすい物件です。

私が仲介会社で働いていたときも、旗竿地は中古でなかなか売れない物件を沢山見てきましたが、旗竿地の手前の家を売却しようとして、売れずに困っている人を見かけることがありませんでした。

【旗竿地】が売れない理由と、上手な売却方法について解説

不動産会社の販売チラシで、旗竿地の手前の家や土地が売られている場合、隣地の通路があるため、日当たりや風通しがいいことをアピールしているのをよく見かけると思います。

とは言え、後ほど解説しているトラブルになりやすい分譲地に該当する場合、逆に売却しづらくなる可能性もありますので、注意が必要です。

旗竿地の手前の家の、デメリット

旗竿地の手前の家は、一見すると特にデメリットがなさそうに思うかもしれませんが、旗竿地に接する土地特有の、以下のデメリットがあります。

・隣地(旗竿地)の通路部分の利用方法でトラブルになりやすい

・自分の家と隣の家の距離が近い

・隣の旗竿地の人が通路部分を通る時、視線や音が気になる

・旗竿地とその手前の家の購入者では、生活水準が違う場合がある

・隣地の敷地を利用しないと、外壁塗装などのメンテナンスができないことがある

それぞれ解説します。

隣地(旗竿地)の通路部分の利用方法でトラブルになりやすい

Twitterなどでは、旗竿地の所有者が通路部分で友人とバーベキューやプールをしたり、車の駐車方法などのトラブルがツイートされています。

特に旗竿地と手前の家の間では、駐車に関して非常にトラブルになりやすい傾向にあります。

旗竿地の手前の家は、車を駐車するのに問題がないことが多いのですが、旗竿地は駐車場となる部分が非常に狭いため、駐車するのも困難なことが多いですし、駐車した車の乗り降りも非常に不便な場合があります。

そして、駐車しずらい、乗り降りしずらいので、勝手に隣の土地を通行するようになるというトラブルが良く起きるのです。

この点については後ほど 【トラブルが起きやすい、分譲地の特徴 】として詳しく解説します。

自分の家と隣の家の距離が近い

旗竿地とその手前の家は、建物の距離が近いことが多いので、お互い生活音などが聞こえやすい傾向にあります。

特に春や秋など過ごしやすくて窓を開ける季節は、音が聞こえやすいです。

特に子供がいる家族や、犬を飼っている、よく友達を呼ぶ人などが隣に住んでいる場合は注意が必要です。

私の知り合いで実際に旗竿地に住んでいる人から聞いた話しでは、隣の家の人の歌声や子供を叱る声などが、聞こえてくるとのことでした。

その他、建物の距離が近いということは、火災の際に火が燃え移りやすいので危険です。

隣の旗竿地の人が通路部分を通る時、視線や音が気になる

距離が近いため、隣の旗竿地の人が通路部分を通ったり、自転車や車の出し入れする音などがよく聞こえます

隣地の通路が南側にある場合は、旗竿地の手前の家の窓を南側にある通路に向けて設置すれば、視線を感じることもあります。

1階の通路側には、大きな窓を設置したり、風呂場やトイレを設置しない方がいいと思います。

旗竿地とその手前の家の購入者では、生活水準が違う場合がある

旗竿地とその手前の家では、土地の広さにもよりますが、すぐ隣にあるのに数百万円~1千万円以上価格が異なることも珍しくありません。

それくらい家の価格が違うと、生活水準が異なる世帯が住む可能性が高く、考え方やモラルの違いで苦労する場合があります。(全ての人がそうとは限りません)

旗竿地の手前の家は、普通の家より隣地の住人の影響を受けやすいので、隣地にどのような人が住むかが非常に重要です。

隣地の敷地を利用しないと、外壁塗装などメンテナンスができないことがある

旗竿地と手前の家が存在する建売住宅は、敷地いっぱいに家を建てることが多く、隣の家との距離がかなり近かったり、敷地に余裕があまりないことも珍しくありません。

このような土地では、外壁塗装など足場をかける工事をする際、隣地の敷地に足場を組ませてもらう必要がでてくる場合があります(逆にお願いされる可能性もあり)。

隣地の人と良好な関係であれば、それほど問題ないと思いますが、そうでない場合は、断られてメンテナンスできないなんてことにもなりかねません。

家を購入するとき(特に新築物件)は、メンテナンスのことまで考えていることはあまりないので、購入後にこういった問題に気付くことが多いです。

トラブルが起きやすい、旗竿地がある分譲地の特徴

旗竿地とその手前の土地では、特有のトラブルが起こります。

特にトラブルが起きやすい分譲地の特徴は、以下になります。

・ 旗竿地の通路部分の幅が狭い

・ 旗竿地とその手前の家の間に、塀がない

・ 協定通路となっている部分がある

・ 前面道路の幅が狭い

それぞれ解説します。

旗竿地の通路部分の幅が狭い

通路部分が狭い旗竿地

隣の旗竿地の通路部分の幅が狭いと、車を駐車したら通路を通りづらくなり、隣の土地を通って家に出入りするような人もいます

旗竿地の通路部分の幅は、最低で2m、駐車スペースが設けられている土地でも、2.5m程度しかありません。これに対して車の幅は車種にもよりますが、ミラーまで入れるとミラーをたたんだ状態でも2mくらいあります。

百歩譲って駐車した状態で人は通れても、自転車を通したり、大きな荷物を持っている状態では、自分の敷地のみを利用して通行するのは困難になる訳です。

このような場合、結局隣の敷地を通るようになったりします。

上の写真のような家だと、奥の家に車を駐車する場合、手前の家の敷地を通らないと奥の家は車を駐車できないか、できても非常に困難だと思われます。

旗竿地の手前の家を購入する場合は、隣にある旗竿地の通路幅がどれくらいあるかもチェックしましょう。

自分が旗竿地の住人だったとした、どうやって車を駐車するだろうか?駐車した車から乗り降りする際や、車を駐車した状態で通路を自転車で通れるだろうか?などとシュミレーションしてみるのがいいと思います。

旗竿地とその手前の家の間に、塀がない

塀が無い旗竿地の通路
塀が無く、手前の家の外壁が通路と接している物件

旗竿地を含む分譲地では、旗竿地とその手前の家の間に塀がないことが多いです。

あっても、旗竿地の手間の家の敷地に塀が設けられており、その分土地が狭くなります。

旗竿地は通路部分が狭すぎて、塀を作ると車が止められなくなったり、駐車すると人が通れなくなるからです。

塀が無いと、自転車や大きな荷物を持って通路を通った際に、手前の家の壁にこすって気づつけたりする恐れがあります。また、最悪のパターンだと、旗竿地の人が車を駐車する際に誤って、手前の家の壁に衝突する可能性もあります。

その他、塀が無いと車を乗り降りする際に、手前の家の敷地を利用するようになったりされる場合もあります。

協定通路となっている部分がある

通路協定のある旗竿地を含む分譲地

協定通路とは、協定を結んだ者同士であれば他人の敷地の一部を自由に通路として利用してもいいというものです。

分譲地によっては、他人の敷地を通らなければ駐車が困難な土地が生まれることがあり、苦肉の策として初めからこのような協定を結ぶ必要がある場合があります。

通路協定があると、その部分に物を置くことはできなくなりますし、車で通る部分が汚れたり、外構にこすって破損するなどのトラブルが発生する可能性があります。

土地の形にもよりますが、このような場合、旗竿地側には多大なメリットがあっても、手前の土地側にはあまりメリットがない場合が多いです。

協定がない状態で勝手に通られるよりはトラブルは少ないですが、このような協定を結ぶ必要のない、前面道路が広く駐車のしやすい分譲地をオススメします。

前面道路の幅が狭い

前面道路の幅が狭いと、車の駐車が困難になります。

旗竿地は敷地の間口が狭いので、ただでさえ駐車が難しいのに、前面道路の幅が狭いとさらに難易度が上がります。

>>旗竿地の間口は何メートルあれば駐車可能?2m、2.5m、3m、4mそれぞれの駐車のしやすさを解説

このような場合、旗竿地の人は通路協定の有る無しに関わらず、旗竿地の手前の家の敷地を車で通行しがちです。

手前の家の敷地にタイヤの跡が付いたり、外構の一部が壊されたり、物が勝手にどかされるなどのトラブルが起きる可能性があります。

また、自分の敷地で何も悪くないのに、隣地の駐車の邪魔になる位置に物を置いているだけで、関係が悪くなりこともあります。

旗竿地は元々広い一つの土地を、不動産業者が購入し売りやすい大きさや形に分けて販売するから、このような物件が多く売られているんです。

前面道路が狭いと自分の家も駐車しずらくなるので、なるべく前面道路幅が広い分譲地の物件を選びたいところです。

具体的に言うと、最低でも道路幅が4.5m以上、できれば5mくらいあるのが理想です。

買っても問題ない、旗竿地の手前の家・土地の条件

トラブルになりやすい旗竿地のある分譲地の特徴を解説しましたが、この条件に該当しないような分譲地にある、旗竿地の手前の家は角地のような住み心地を得られる優良物件です。

予算の許す方は、購入をオススメします。

具体的にどのような物件であれば、買いなのか解説します。

1,隣の旗竿地との間に塀がある

2,隣の旗竿地は、周囲の敷地を通行しなくても車の駐車ができる

3,旗竿地の通路部分が、旗竿地の手前の家の南側にある

4,旗竿地の通路幅が広い

5,旗竿地の土地の、家を建てる部分の面積が広い

上記の全てに該当していなければ、買ってはいけないという訳ではありません。

該当している数が多ければ多いほど、トラブルが起こりづらい上、角地のように日当たり・風通し・開放感などが良好で、快適な生活ができる物件になります。

このような物件が売っていれば、購入しても大丈夫です。

分譲地を購入して、注文住宅で家を建てたいと思っている方には、以下の記事もオススメです。

>>家の構造にはどんな種類があって何がおすすめ?木造・鉄骨造・RC造の違いや特徴を解説

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まとめ

旗竿地の手前の家の、メリット

・角地のような開放感・日当たり・風通し

・高く売れる場合がある

・売却しやすい (トラブルが起きやすい事例に該当しない場合)

旗竿地の手前の家の、デメリット

・隣地(旗竿地)の通路部分の利用方法でトラブルになりやすい

・自分の家と隣の家の距離が近い

・隣の旗竿地の人が通路部分を通る時、視線や音が気になる

・旗竿地とその手前の家の購入者では、生活水準が違う場合がある

・隣地の敷地を利用しないと、外壁塗装などのメンテナンスができないことがある

トラブルが起きやすい、旗竿地がある分譲地の特徴

・ 旗竿地の通路部分の幅が狭い

・ 旗竿地とその手前の家の間に、塀がない

・ 協定通路となっている部分がある

・ 前面道路の幅が狭い

結論としては、トラブルが起きやすい事例に該当していない旗竿地の手前の土地は、メリットの方が大きいので、買い!だと思います。

特に左右が旗竿地に挟まれた土地は、角地かそれ以上の日当たり・開放感を得ることができることもありますので、おすすめです。

しかし、旗竿地の手前の家は、普通の土地の家より、隣に住む人の影響を受けやすいので、中古で購入する場合は、旗竿地の通路部分の利用状況やどんな人が住んでいるかよく調べて、問題がないかどうか確認しましょう。

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ちなみに、旗竿地と手前の家、どちらを購入しようか迷っている方がいましたら、旗竿地のメリット・デメリットについて解説している記事もありますので、是非ご覧ください!

>>旗竿地は安いけどやめたほうがいい?メリット・デメリットをわかりやすく解説します

その他、建売住宅の値引き交渉のコツについて解説した記事もあります。

>>【建売住宅】値引き交渉成功パターン6選|新築戸建てを安く買う方法を解説

家の購入・建築で後悔しやすいポイントを解説している記事もあります。

>>家を購入・建築して後悔したこと20選!失敗したくないなら知っておきたいポイントを解説

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