津波ハザードマップでわかる、東京都23区の津波危険度

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東日本大震災での、津波による甚大な被害を目の当たりにし、首都直下地震が30年以内に70%の確率で起こると言われている東京都でも、津波の心配をしている方も多いと思います。

東京23区の内、海に接している区は東側から、江戸川区・江東区・中央区・港区・品川区・大田区の6区です。

実際に大地震が発生した場合、どれくらいの大きさの津波がきて、どれくらい浸水して被害がでるのか、東京都や6つの行政区が公表しているハザードマップなどをもとに調査しました。

これを読めば、東京都での津波の多さ・危険性の高い場所・被害の大きさなどがわかります。

家選びの参考や、防災対策に役立てて頂ければと思います。

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ハザードマップとは?

ハザードマップとは、自然災害の危険性が高い場所を、危険度別に色分けして表示している地図です。

避難場所や避難経路についても記載されています。

もともと作成された目的は、危険な場所に住んでいる人が、危険を認識すること、災害時にスムーズかつ迅速に避難できるようにすること、事前に災害対策をすることにより被害軽減を図るためでした。

しかし最近では、マイホームを購入するときの参考資料としても利用されています。

ハザードマップには、自然災害によって様々な種類があります。代表的なものでは、洪水・津波・地震液状化・土砂災害などです。

自然災害の危険性は住んでいる場所によって異なるので、全ての市区町村に全ての種類のハザードマップがあるわけではありません。例えば海に面していない内陸部では、津波ハザードマップはありません。

公表しているハザードマップの種類が多いところほど、自然災害の危険性が高いとも言えます。

ハザードマップについてもっと知りたいという方には、詳しく解説している記事がありますのでそちらをご覧ください。

ハザードマップとは何か?簡単にわかりやすく説明します!

東京都が公表している津波の被害想定

東京都単体では、津波ハザードマップを作成していないので、東京都が公表している首都直下地震等による東京の被害想定(平成24年4月18日公表)をもとに、東京都全体での津波の危険性をみていきたいと思います。

首都直下地震等による東京都の津波被害想定(水門閉鎖)
引用:東京都防災ホームページ 首都直下地震等による東京の被害想定(平成24年4月18日公表)https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000902/1000401.html

上の津波被害想定は、元禄型関東地震(マグニチュード8.2)が起きた場合を想定して、作成されています。

今後東京には様々な巨大地震の発生が予想されていますが、一番津波高が高くなると予想されているのが元禄型関東地震です。

東京都の想定によると、各区の最大津波高は以下の通りです。

品川区 :2.61m  江東区 :2.55m  中央区 :2.51m

港区  :2.47m  大田区 :2.27m  江戸川区:2.11m

だいたい最大津波高は、2~2.7mくらいになると見込まれています。

津波と聞くと高さばかりに注目しがちですが、地震が発生してから津波が到達するまでの時間も非常に重要です。

想定最大波高の到達時間は、元禄型関東地震では最短2時間20分程度と予想されておりますが、東京湾北部地震の場合は、最短3~7分程度という早さで到達する見込みです。

※東京都では津波に備えて、上で記載されている津波高より高い防潮堤をつくっておりますので、津波到達までに水門を閉めることができた場合、市街地で津波の被害はほとんどない見込みです。

とは言え、地震の影響で水門を閉めることができない、津波到達まで間に合わないということ可能性もあります。

水門を閉じることができなかった場合の被害想定は、以下になります。

首都直下地震等による東京都の津波被害想定(水門開放)
引用:東京都防災ホームページ 首都直下地震等による東京の被害想定(平成24年4月18日公表)

水門が開放されていた場合は、海沿いの市街地の一部が津波によって浸水すると想定されています。

特に大田区の大森東や大森南周辺、品川区北品川、港区海岸1丁目、中央区の勝どき・月島・佃、江東区の運河沿い、江戸川区中葛西のあたりで浸水する想定となっております。

南海トラフ巨大地震発生時の、東京湾の津波被害想定

つづいて南海トラフ巨大地震が起きた場合、東京ではどこまで津波がくるのか、どれくらいの高さなのか、津波到達時間はどれくらいなのか、南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定(平成25年5月14日公表)をもとに見ていきます。

津波の被害の大きさについては、水門が閉じているのか、開放されたままになっているのかで想定される被害の大きさが異なります。

もっとも被害が大きくなると想定されているケースの、水門が閉じていた場合と開放されていた場合それぞれ見ていきたいと思います。

まずは、【水門が閉じていた場合】の被害想定です。

南海トラフ巨大地震の東京都の津波被害想定(水門閉鎖)
引用:南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定(平成25年5月14日公表)

東京湾各地で、最大1.88~2.48mの津波が来る想定となっております。

しかし、水門を閉じることによって市街地ではほとんど被害がでない見込みです。

一部色がついている被害想定箇所がありますが、ほとんどが河川敷など住宅のない場所です。

水門閉鎖時の東京湾各地の最大津波高・最大津波到達時間の想定は以下になります。

南海トラフ巨大地震の東京都の最大津波高と最大津波到達時間(水門閉鎖)

つづいては、何らかの理由で【水門を閉じることができなかった場合】の南海トラフ巨大地震の津波被害想定です。

南海トラフ巨大地震の東京都の津波被害想定(水門開放)
引用:南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定(平成25年5月14日公表)

元禄型関東地震同様に水門が開放されていた場合は、海沿いの市街地の一部が津波によって浸水すると想定されています。

大田区の大森東や大森南周辺、港区海岸1丁目、中央区の勝どき・月島・佃、江東区の菊川駅や住吉駅周辺、江戸川区中葛西のあたりで浸水する想定となっております。

水門開放時の東京湾各地の最大津波高・最大津波到達時間の想定は以下になります。

南海トラフ巨大地震の東京都の最大津波高と最大津波到達時間(水門開放)

南海トラフの震源地は東京湾から近くはないので、地震発生後の津波到達時間は最速でも1時間以上かかる(一番早い場所で、大田区の76.1分)想定となっております。

津波到達までにこれだけ時間があれば、水門を閉めることができる可能性が高いです。

東京湾で巨大津波が起こりづらい理由

東京都の被害想定を見て、大地震でも思ったより津波の高さが低いと思われた方が多いのではないでしょうか?

これには、東京湾の地形が関係しています。

東京湾の地形

地図をご覧いただければわかると思いますが、東京湾は外海から奥に入り込んだ地形になっているので、東京都は直接外洋に面していないのです。

また、外洋からの入り口が狭くなっているので外からの津波が入ってきづらいにくわえて、湾内部が広がっているため、狭いところにありがちな波の高さが増幅されるような現象が起こりづらいと考えられております。

加えて、東京には多摩川・江戸川・荒川・隅田川などの大きな川が複数存在するので、これらが津波の逃げ場となり、エネルギーが分散されると言われています。

歴史的に見ても、日本各地で大津波の被害があった記録が残されている中、東京では江戸時代に元禄関東地震(1703年)、一番最近では関東大震災(1923)などの巨大地震が起きていますが、いずれも大きな津波の被害があった痕跡が見つかっていません。

いずれも1~2mくらいの津波があったという記録にとどまっています。

海に面している区の、津波被害想定

東京都全体の津波被害の傾向がわかったところで、次は各区の津波被害想定を、津波ハザードマップをもとにみていきたいところなのですが、港区・品川区・大田区の3区以外は津波ハザードマップを作成公表していません。

なので、津波ハザードマップを作成している区はハザードマップをもとに解説していきますが、それ以外の区(江戸川区・江東区・中央区)に関しては、区のホームページに記載されている津波についての情報をもとに解説します。

港区

港区では、液状化が発生せず防潮施設がすべて機能した場合と、液状化によって膨張施設が損傷して機能しなかった場合の、2パターン津波ハザードマップを公表しております。

以下は、想定被害の大きい液状化あり・防潮施設すべて損傷した場合のハザードマップBです。

このハザードマップは、最悪の事態を想定したものにはなるのですが、広い範囲で浸水の被害が想定されています。

特に山手線の外側は、昔は海だった場所を埋め立てていますので、広い範囲で浸水すると予想されています。

具体的には、東新橋・海岸・芝浦・港南の一部で浸水する想定となっております。

また、山手線の内側でも海と川に近い芝・芝大門・浜松町のあたりで、浸水する見込みとなっております。

液状化が発生せず、防潮提も機能した場合は、倉庫が建ち並ぶ海岸2丁目以外では被害は起こらないと想定されています。

港区で津波以外の災害危険度も、ハザードマップなどをもとに調査した記事がありますので、興味のある方はご覧ください。

>>ハザードマップで見る、東京都港区で災害に強い安全な街

品川区

品川区は津波の危険性がある場所として、二か所の津波ハザードマップを公開しています。

二か所とも、最大浸水深は約75cmと予想しています。

品川区には海沿いに運河があり、運河の一番奥のあたりでは狭くなっているため、津波が増幅されて高くなる可能性があります。

① 品川浦

品川区津波ハザードマップ(品川浦)
引用:品川区津波ハザードマップ https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/ct/pdf/hpg000022947_6.pdf

北品川1丁目の一部、北品川2丁目の一部、東品川1丁目の一部で津波による浸水の可能性があります。

品川浦は奥が行き止まりになっていることに加え、狭くなっています。

 立会川

品川区津波ハザードマップ(立会川)
引用:品川区津波ハザードマップ https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/ct/pdf/hpg000022947_6.pdf

東大井2丁目の一部、南大井1丁目の一部で津波による浸水の可能性があります。

こちらは、勝島運河の先に立会川がある場所ですが、立会川と合流するところで急激に狭くなっています。

品川区で津波以外の災害危険度も、ハザードマップなどをもとに調査した記事がありますので、興味のある方はご覧ください。

>>ハザードマップで見る、東京都品川区で災害に強い安全な街

大田区

大田区の津波ハザードマップで、被害想定が最大となるのは以下になります。

元禄型関東地震が発生した場合に、水門が解放されていた場合です。

水門が閉鎖されていた場合は、羽田空港の一部や多摩川河川敷の一部しか、津波で浸水する場所はないとの想定で、基本的には安全だと言えます。

しかし、東京湾北部地震の場合は、震度こそ小さいので津波の想定される高さも小さいですが、上の方で既に解説した通り、津波の到達時間が3~7分程度と予想されています。

その際には津波到達前に水門を閉めることができない可能性もあり、大森東4・5丁目の一部と大森南3・4丁目の一部などで浸水する可能性があります。

大田区で津波以外の災害危険度も、ハザードマップなどをもとに調査した記事がありますので、興味のある方はご覧ください。

>>ハザードマップで見る、東京都大田区で災害に強い安全な街

江戸川区

江戸川区には、津波ハザードマップがありませんし、ホームページにも津波に対する説明も特に見当たりません。

津波の危険性が高い場所は、津波災害警戒区域というものに指定されるのですが、江戸川区には津波災害警戒区域に指定されている地区もありません。

東京都の公表している資料では、水門が閉じていた場合に津波がくるのは河川敷のあたりのようなので、基本的に住宅地で浸水する可能性は低いと思われます。

しかし、水門を閉めることができなかった場合、住宅地の一部で浸水する可能性があります。

引用:首都直下地震等による東京の被害想定(平成24年4月18日公表)

上の図は、元禄型関東地震が発生して水門を閉めることができなかった場合の、津波被害想定を表しています。

これによると左近川北側の、西葛西・中葛西のあたりで1m以下の津波がくる可能性が示されています。

>>ハザードマップでわかる東京都江戸川区の災害リスク

江東区

江東区には、津波ハザードマップがありません。しかし、江東区の防災情報のページには、津波による影響について記載されている部分があるので、要約させて頂きます。

まず、東京都が公表している津波想定では、最大津波高は2.55mとなっていますが、江東区の東京湾沿岸及び荒川・隅田川においては、防潮堤・堤防・護岸の高さが大きくこれを上回っている。

また、区内の内部河川流域では水門を閉じることで津波の流入を防ぐ。

上記より、基本的に江東区に大きな津波が押し寄せてくる危険性は極めて低いとのとのことです。

詳しくは、江東区防災情報ページ江東区における津波の影響についてをご覧ください。

江東区で津波以外の災害危険度も、ハザードマップなどをもとに調査した記事がありますので、興味のある方はご覧ください。

>>ハザードマップでわかる東京都江東区の災害リスク

中央区

中央区についても、江戸川区同様に津波ハザードマップは作成・公表しておりません。

また、中央区には津波災害警戒区域に指定されている場所もありません。

しかし、東京都の被害想定では水門が開放されていた場合、勝どき・月島・佃などの一部で浸水する想定となっております。

中央区で津波以外の災害危険度も、ハザードマップなどをもとに調査した記事がありますので、興味のある方はご覧ください。

>>ハザードマップで見る、東京都中央区で災害に強い安全な街

まとめ

・東京都では、江戸川区・江東区・中央区・港区・品川区・大田区の6区で津波の危険性がある

・想定される津波の高さは、最大で2~2.7m程度と、東日本大震災で東北地方で発生した津波に比べるとかなり小さい。

・想定される津波の到達時間は、元禄型関東地震で2時間20分程度、東京湾北部地震では3~7分程度で到達する見込み。

・東京都の沿岸部や河川敷には、防潮堤や堤防、護岸などが整備されており、想定される津波の高さではごく一部の市街地を除いて、津波の危険性はそれほど高くない

とは言え、自然災害の危険性を完全に予測することは不可能です。

液状化が発生して防潮施設が機能しない可能性や、津波の到達が早く水門を閉めるのが遅れる可能性などもありますので、危険性の高い場所やその近くにお住いの方は、十分ご注意ください。

今回は、東京都の津波の危険性について解説致しましたが、東京23区で洪水や地震、高潮や液状化、土砂災害などあらゆる自然災害に対して安全な街はどこなのか、ハザードマップをもとに調査してランキングにした記事もありますので、興味のある方はご覧ください。

>> ハザードマップで見る、東京23区災害に強い安全な街ランキング

また、津波ではなく東京23区の地震危険度について調査した記事もあります。

>>東京23区【地震危険度ランキング】地震に強い地域はここだ!

その他、区ごとで安全な街はどこなのか、ハザードマップをもとに調査した記事もありますので、興味のある方はご覧ください。

< 区ごとの安全な街を調査した記事 >

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