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東京23区【地震危険度ランキング】地震に強い地域はここだ!

3.11東日本大震災で被害を受けた街

今後30年のうちに70%の確率で起こると予想されている首都直下型地震

そのとき東京23区では、どこが安全な地域でどこが危険地域なのか、どのような被害がでるのか?

東京都や国(国土交通省)が公表している資料などをもとに調査して、ランキングにしました。

調査した項目は、地震の揺れやすさ・首都直下地震で予想される震度・建物倒壊危険度・火災危険度・災害活動困難度・液状化・津波です。

区の位置・地形・地質・街の構造・海に近いかどうかなど、様々な観点から地震危険度を評価しています。

これらの情報をもとに危険度を減点方式で採点していき、ポイントが低い区ほど地震危険度が高いことになります。

東京23区地震危険度ランキング結果は、以下になります。

1位  練馬区  2位 世田谷区 3位 目黒区  4位 渋谷区   5位 豊島区

6位  新宿区  7位 板橋区  8位 千代田区 9位 杉並区   10位 港区

11位 文京区 12位 中野区  13位  北区 14位 中央区  15位 大田区

16位 品川区 17位 江戸川区 18位 江東区 19位 台東区  20位 葛飾区

21位 足立区 22位 墨田区  23位 荒川区

安全な地域は、23区の中心部から北西や西側にかけての区になります。

地盤が良好で揺れづらい、液状化の可能性が低い、耐震化された建物が多く、建物も密集していない、内陸部にあるため津波の被害を受けない、などの特徴があります。

逆に危険地域は、23区の北部や東部、南部にある区です。

揺れやすい地盤、液状化が発生しやすい地質、古い木造住宅が密集している、津波の危険性がある、などの特徴があります。

詳細な情報については、資料をもとに以下で解説します。

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東京23区の地震の揺れやすさ

まずは、地震の揺れやすさから見ていきます。

地震の揺れやすさは、地質や、固い地盤から地表までの距離によって大きく異なります。

下の図は、東京都が公表している【表層地盤の揺れやすさ】です。

赤色の場所ほど揺れやすく、青色が濃い場所ほど揺れにくい地域となっております。

東京23区地震揺れやすさマップ
出典:東京都 首都直下地震等による東京の被害想定(令和4年5月25日公表)
図 表層地盤の揺れやすさ(50mメッシュ震度増分)

東京23区の地形は、中央にある皇居のあたりから西側に台地が広がっています。

そして、その台地を北から東に取り囲むように大きな河川(隅田川・荒川・江戸川)が流れており、河川沿いの地域には沖積低地という軟弱な地盤が広がっています。

このような理由から、東京23区では中心から西側にかけては比較的揺れにくい地盤ですが、北側にある埼玉県の県境の辺りから、東側に広がる低地部分、海沿いの埋立地などは揺れやすい地盤となっています。

23区の中で特に揺れやすいのが、江東区・墨田区・足立区・荒川区・江戸川区・葛飾区です。

揺れやすさと、揺れやすい場所の比率で評価していきます。

東京尾23区地震の揺れやすさランキング

首都直下地震発生時、東京23区で予想される震度

地震の揺れの大きさは、地盤の揺れやすさだけではなく、震源地からの距離も大きく関係しますので、東京都が公表している首都直下地震等による東京の被害想定(平成24年4月18日公表)より、首都直下地震が発生した場合、東京23区では震度がどれくらいになるのか見ていきます。

ちなみに首都直下地震以外にも、元禄型関東地震(M8.2)・多摩直下地震(M7.3)・立川断層帯地震(M7.4)・南海トラフ巨大地震(M8~9)などの大地震が今後発生すると予想されておりますが、東京23区で震度が最大になると予想されているのが首都直下地震です。

南海トラフ巨大地震が発生した場合、様々な想定結果が公表されていますが、大体東京23区で想定される震度は5弱~5強となっております。

それに対して、首都直下地震が発生した場合は震度6強が大半を占め、比較的軽度な場所でも震度6弱、局所的には震度7の場所も存在します。

首都直下地震で予想される東京23区震度
引用:首都直下地震等による東京の被害想定(平成24年4月18日公表)

首都直下地震は東京湾北部地震ともいわれ、東京湾の北部(23区にかなり近い位置)が震源地になると予想されているので、南東部にある区で大きな震度になると予想されています。

予想される震度と、震度の大きい場所の比率で評価していきます。

東京23区首都直下地震で予想震度ランキング

大地震発生時の東京23区【建物倒壊】危険度

大きな地震がきたとしても、耐震性の高い丈夫な建物が多い場所は安全性が高いですが、逆に古くて耐震性の低い建物が多い場所は危険です。

そこで、建物の倒壊危険度を見ていきます。

建物の築年数や構造・地盤・液状化しやすさなどを数値化し、危険度を算出しています。

区内の町の平均建物倒壊危険度をもとに、評価していきます。

東京23区建物倒壊危険度ランクマップ
出典:東京都 地震に関する地域危険度測定調査 第9回建物倒壊危険度ランクマップ

特に危険度が高い場所は、荒川や隅田川沿いの地域です。

これらの地域は、古い木造の建物が多い・揺れやすい地盤・液状化もしやすいことから、危険度が高くなっております。

逆に23区の北西部は、木造の建物は多いですが、揺れにくい地盤で液状化の可能性も低いことから、建物倒壊危険は低いです。

東京23区地震建物倒壊危険度ランキング

大地震発生時の東京23区【火災】危険度

火災危険度を見ていきます。

建物の燃えにくさ(構造)・火災が発生しやすい建物の用途や数・建物間の距離などにより、危険度を数値化しています。

区内の町の平均火災危険度をもとに、評価していきます。

東京23区火災危険度ランクマップ
出典:東京都 地震に関する地域危険度測定調査 第9回火災危険度ランクマップ

危険度の高い地域は、荒川及び隅田川沿いの北区、足立区南部、台東区東部、葛飾区西部、墨田区北部、江東区北部などの地域や、品川区南西部、大田区中央部及び、杉並区や中野区のJR中央線沿線でも危険度が高い地域が多くみられます。

一方、都心部は鉄筋コンクリート造など燃えにくい建物が多いことや、道路が広めに整備されていることから、火災危険度は低くなっております。

ちなみに、1923年に発生した関東大震災では、約10万人もの人が亡くなりましたが、その内の9割の方が建物の倒壊などではなく、火災で亡くなっています。

道路が狭く、古い木造住宅が密集している地域では、大きな地震で火災が発生した場合に、大きな被害がでる危険性があります。

東京23区地震火災危険度ランキング

大地震発生時の東京23区【災害活動困難度】

いざ大きな地震が起きて、建物の倒壊や火災が発生した場合、消防車や救急車が入ってこられない場所では、救助活動が困難になります。

そこで災害活動困難度を見ていきます。

災害活動困難度は、道路網の整備状況・道路の広さ・小公園や防災広場の数などをもとに算出されています。

区内の町の平均災害活動困難度をもとに、評価していきます。

東京23区災害時活動困難係数ランクマップ
出典:東京都 地震に関する地域危険度測定調査 第9回災害時活動困難係数ランクマップ

大きな道路があまりない場所で危険度が高くなっており、杉並区や世田谷区で危険度が高くなっております。

東京23区地震災害活動困難度ランキング

東京23区の【液状化】危険度

大地震が発生すると、地震の振動で地中の水分と砂などが分離して、液状化現象が起きることがあります。

過去の記録から、液状化による命の危険性は高くないですが、電気・水道・ガスなどのライフラインが損傷する被害を受けたり、木造住宅においては液状化現象による沈下で家が傾く被害が確認されています。

命の危険というよりは、財産的な被害を受けたり、震災後に生活が困難になる可能性が高い災害です。

液状化の危険度は、東京の液状化予測図 令和3年度改訂版をもとに、危険度や面積の比率で評価していきます。

東京23区液状化ハザードマップ
出典:東京の液状化予測図 令和3年度改訂版

・海岸、河川沿い、埋立地、盛土地などの地盤が緩い場所や地下水位が浅い場所で、大きな地震が発生した際に液状化現象が発生しやすくなります。

東京23区液状化の危険性採点結果

東京23区の【津波】危険度

大きな地震が起きると、津波が発生する危険性があります。

東京都が公表している首都直下地震等による東京の被害想定(令和4年5月25日公表)をもとに、東京都全体での津波の危険性をみていきたいと思います。

資料によると、東京で最も大きな津波が発生すると予想される地震は、【南海トラフ巨大地震】です。

南海トラフ巨大地震は、津波が発生しやすい海溝型の地震で、規模はマグニチュード9クラス、30年以内の発生確率は70~80%と言われています。

下の図は、南海トラフ巨大地震が発生した場合に予想される、各区の最大津波高とその場所を表しています。

南海トラフ巨大地震が発生時、東京都各区における最大津波高とその場所
出典:首都直下地震等による東京の被害想定(令和4年5月25日公表)
南海トラフ巨大地震発生時、各区における最大津波高とその場所

東京都の想定によると、各区の最大津波高は以下の通りです。

江東区 :2.63m  中央区 :2.42m  品川区  :2.38m

 港区 :2.37m  大田区 :2.25m  江戸川区 :2.24m

だいたい最大津波高は、2~2.6mくらいになると見込まれています。

津波リスクがあるので、海沿いの6区(江戸川区・江東区・中央区・港区・品川区・大田区)は、危険度評価ー1とします。

東京23区全体の津波危険度について知りたいという方には、もっと詳しく解説している記事がありますので、そちらをご覧ください。

>>津波ハザードマップでわかる、東京都23区の津波危険度

東京23区【地震危険度ランキング】結果

地震リスクの評価結果がでましたので、東京23区地震危険度ランキングを発表いたします。

ランキング結果は以下になります。

同じポイントの区は、首都直下地震の予想震度が低い方を上位とし、予想震度も同じ場合は建物倒壊危険度が低い区を上位にしています。

東京23区地震危険度ランキング

東京23区地震危険度ランキングで、地震に強い区ベスト3は以下の通りです!

1位 練馬区

2位 世田谷区

3位 目黒区

ベスト3の区の特徴は、東京23区西側の武蔵野台地上にあります。

西側にあるので首都直下地震の震源地と予想される位置から距離があり、他の区に比べて震度が低くなると予想されています。

また、東京には東京礫層という固い地盤があり、東側が深く西側が浅い位置になるように斜めに固い地層が存在します。これにより、西側の方が地盤が良好です。

台地にあるので基本的に液状化の可能性もほとんどありません。

街の構造に関しても、東側に比べて家と家の間隔や道路が広く建物が密集していないため、火災危険度や災害活動困難度も低いです。


地震危険度ランキングで、逆に危険度が高いワースト3は以下の区になります。

23位 荒川区

22位 墨田区

21位 足立区

ワースト3の区の特徴は、荒川や隅田川沿いにあるため、揺れやすい地盤で首都直下地震での予想震度も高くなっております。

加えて、液状化する可能性が高い地質です。

また、道路が狭く木造の戸建てが密集している場所が多いため、街の構造的にも地震に弱い街となっております。

過去の歴史に学ぶ 関東大震災の東京の被害状況

最後に、1923年に発生した巨大地震、関東大震災では東京のどこでどのような被害があったのか、内閣府が公表している調査報告書の内容をもとに、震度分布や被害状況をお伝えして終わりにしたいと思います。

関東大震災はマグニチュード7.9推定され、南関東から東海地域に及ぶ地域に広範な被害が発生し、死者10万人以上、全潰全焼流出家屋約30万に上り、電気、水道、道路、鉄道等のライフラインにも甚大な被害が発生しました。

東京湾岸部の干拓地や埋め立て地、荒川沿いの低地で液状化現象が発生し、地盤の陥没や地割れ、建物の沈下、傾斜、地下水や砂の噴出などの現象が起こりました。

ちなみに当時は東京23区ではなく、旧東京市15区でしたので、山手線の内側と墨田区・江東区の一部地域の情報になります。

関東大震災の東京の震度分布

1923年に発生した関東大震災の東京の震度分布
引用:内閣府 報告書(1923 関東大震災)

東京市の最大震度は7で、現在の江東区や墨田区、台東区北東部、千代田区東部、港区の中央から東部などが特に大きく揺れました。

関東大震災の東京の被害状況

関東大震災における東京市15区の被害分布
引用:内閣府 報告書(1923 関東大震災)

火災危険度の項目でも少し触れましたが、関東大震災で亡くなった方の約9割が、建物の倒壊などではなく火災で亡くなっています。

特に人的被害が大きかったのが現在の墨田区の辺りで、陸軍被服本廠跡地に避難した人々が火災旋風に襲われ、約3万8千人が焼死するという、悲惨な出来事がありました。

また、上の図の左下(b)焼失率を見て頂ければと思いますが、東京市の東側半分がほとんど焼けてなくなるという、とんでもない大惨事になっています。

余談ですが、地震に強い区上位の世田谷区や目黒区などは、関東大震災が起きるまで郊外の農村地帯でしたが、被害が少なかったことなどから関東大震災を機に移住する人が増え、急激に人口が増加し、鉄道が通ったり大規模な宅地開発が進んだという歴史があります。

現在は昔に比べて、耐震性が高く燃えにくい建物が建てられていることや、地震発生時に安全装置が働いてガスが止まる対策が取られていることなどから、ここまでの被害にはならない可能性が高いと思われますが、自分が住んでいる街の危険度を認識し、日頃から対策をとることが重要です。

東京23区地震危険度ランキングまとめ

東京23地震危険度ランキングで、地震に強い安全な街は、

1位 練馬区、2位 世田谷区、3位 目黒区となりました。

上位の区は、23区の西側にあり揺れにくい地盤・首都直下地震の震源地から遠い位置・液状化しにくい地質・建物が密集していない・海に接していないため、地震危険度が低くなっております。

建築技術が進歩して、災害に強い家が建てられていますが、もともと災害に強い場所に住むのが一番いいのは間違いありません。

自宅が安全なら、避難する必要もありません!

また、日頃から災害対策をしておくのも重要です。

自然災害は広範囲に影響を及ぼすので、安全な街に住んでいても、ライフラインが使えなくなる可能性があります。

防災用品を用意するなど、万が一のことが起こっても大丈夫なように、対策しておきましょう!

今回は地震に対する危険度ランキングでしたが、地震以外にも洪水や高潮、土砂災害など全ての災害に対して安全な区はどこなのか?

東京23区災害に強い安全な街ランキング もありますので、是非そちらもご覧ください!

区ごとではなく、もっと狭い範囲で安全な街がどこなのか知りたいという方には、それぞれの区でどこが安全な街なのか調査している記事もありますので、興味のある方はご覧ください。

区ごとの安全な街を調査した記事

< 都心5区 >

千代田区中央区港区新宿区渋谷区

< 城南 >

目黒区品川区大田区

< 城西 >

世田谷区杉並区中野区練馬区

< 城北 >

文京区豊島区板橋区北区荒川区足立区

< 城東 >

台東区墨田区葛飾区江戸川区江東区

その他、当サイトではマイホームを購入する際の優先順位として、1番が災害に対する安全性、2番が利便性、3番目が資産価値だと考えております

東京23区で資産価値の高い区はどこなのか、調査してランキングにした記事もありますので、興味のある方は是非ご覧ください!

【不動産 資産価値ランキング】東京23区でマンション・戸建ての資産価値が落ちない場所はここだ!

家選びの優先順位について、解説した記事もあります。

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